著者
谷口 秀子
出版者
九州大学
雑誌
言語文化論究 (ISSN:13410032)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.29-38, 2000

Diana Coles's The Clever Princess is a feminist fantasy which sheds light on the stereotyped gender roles found in almost all fairy tales. The most important object of the story is to create a new type of heroine completely different from the traditional kind who, like Cinderella and Snow White, merely waits for a man/prince to help them escape from the circumstance they are in. In this paper I discuss gender in old fairy tales, comparing them with The Clever Princess, and clarify how the feminist story criticizes the stereotype of the heroine and creates a new role model. I also discuss its raison d'6tre and problems in addition.
著者
吉川 俊明 坂本 慎介 堀 琴乃 楠本 寛 山本 康 服部 高資 佐多 宏太
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.56, no.655, pp.391-395, 2008-08-05
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

In this paper, we propose the method for the measurement of required power and the adjustment of optimum gear ratio in take-off ground running. To get the values of required power and speed, we measured torque of the left side and the right side of pedals, RPM of pedals, and speed of the cockpit frame. In order to improve the take-off speed, some drums were applied, and the optimum gear ratio of the front drum to the rear drum was determined.
著者
岡部 貴美子 牧野 俊一
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.73-84, 2002-11-25
参考文献数
22
被引用文献数
3 15

日本産キムネクマバチの成虫は雌雄共に、後体部第1節及び中胸部翅基部後方にアカリナリウムをもっていることが確認された。中胸部のアカリナリウムの開口部は、雌よりも雄の方が大きかった。後体部のアカリナリウムは、X. latipesなどで記録されている著しく陥入した空洞ではなく、細長い溝であった。キムネクマバチからは、クマバチコナダニ、コガタノクマバチコナダニ、ヒメクマバチカザリコナダニの3種の第二若虫が採集された。このうちクマバチコナダニとコガタノクマバチコナダニの個体数が圧倒的に多かった。3種のダニは、労働寄生あるいは寄主の巣の中のゴミを摂食する腐食者と考えられた。クマバチコナダニはそのほとんどが中胸部の毛に定着していたが、クマバチコナダニより体が小さなコガタノクマバチコナダニはアカリナリウム内や翅の基部に多かった。これはおそらくクマバチコナダニは体サイズが大きくアカリナリウムに入れないが、寄主の毛をつかめるためと思われた。更に、ハチとダニの相互作用の観点から、Xylocopa属のアカリナリウムの特徴について考察した。
著者
増田 靖彦
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.81-101, 2007

サルトルが日本に受容されるに当たっては、いくつかの困難が存在した。彼の多様な執筆活動に対応しきれない日本のアカデミズムの構造や、第二次世界大戦という世界の特殊な状況などがそれに当たる。 そうした困難を克服しつつ、サルトルの受容はまず作品の素描や翻訳から始まった。その蓄積はやがて、サルトルの作品を総体として論じる試みとなって現れる。その嚆矢となったのが、サルトルをフッサール現象学に基づいた自我の問題提起として読解する研究であり、自己と他者の関係を基礎付ける人間学として読解する研究であり、今日の人類が抱える思想的課題と格闘する文学者として読解する研究であった。これらの研究はいずれも、サルトルの思想家としての側面に焦点を当てていることが特徴的である。 しかし、サルトルの作品における形式及び内容の変化と、行動する知識人というイメージの流布とによって、そうした研究動向にも転換の時期が訪れる。日本におけるサルトルの受容はもっぱら実存主義者サルトルを前面に押し出すようになっていくのである。This paper tries to clarify how Sartre's thoughts came to be known and studied in Japan. At the time they were introduced into Japan, there were two main difficulties: the subdivided organization of special studies in Japanese academia and the grave situation of the world during World War II. The introduction of Sartre into Japan began with the sketch or translation of his works. These efforts easily made it possible to treat the works of Sartre as a whole. An assortment of studies appeared such as those which discussed his thoughts on the problematic of ego based on Husserlian phenomenology, those which concidered his thoughts as an anthropology founded on the relationship between the self and the other, and those which considered him to be a man of letters tackling every kind of task important for the modern human. Each one of these studies focused on the thinker in its own characteristic way. However, as Sartre altered the form and content of his works, and was held in high reputation as the intellectual who acts, the studies on Sartre gradually began to move in another direction. They came to project Sartre as an existentialist in the foreground of their interpretations.
著者
西山 克
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.46-56, 1996

禅僧大極の日記『碧山日録』応仁二年一一月一九日条には、釜鳴りを鎮める作法-釜鳴法-が書き記されている。なかで興味深いのは、異性装によるトランス・ジェンダーにより釡鳴りが鎮まるとする法である。なぜ、異性装により釜鳴りが鎮まるのか。またこの釜鳴法が、現代日本の下位文化において語られるオカマという隠語と、どのように関わるのか。日本中世の女装者である持者の存在をも視野におさめながら、聖なるオカマを論じ、インドの両性具有者ヒジュラを遠望してみたい。
著者
日下部 茂 高橋 英一 谷口 倫一郎 雨宮 真人
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.57-58, 1993-09-27

V言語はデータフロー向き関数型言語validを拡張したもので,依存関係のないものは全て並行動作することを前提とした言語である.計算の進行する頂序を規定するのは依存関係だけである.依存関係を持つものの間で頻繁な同期が必要となるが,データフロー同期方式により同期は暗黙のうちに行なわれ,プログラマが明示的に同期を指定する必要はない.ある計算に必要な値がまだ求まっていない場合は,その値が決まるまで実行が中断し,値が求まった時点で自動的に同期がとられ計算が再開する.V言語では,自律して並列に動作するプロセスとしてagentインスタンスを生成し,並列オブジェクト指向風の計算を行なうことができる.agentインスタンスはカプセル化された内部状態を持ち,お互いの間でストリームを通じてデータをやり取りしながら計算を進める.インスタンス間の同期もデータフロー同期方式によって行なわれる.送信側では通信路に次々にデータを流し,受信側では通信路の出口からデータを読みとって計算を進める.データが到着していなければ読みとり側のプロセスは待たされ,データが到着すると待ちが解かれ処理が進む(メッセージ駆動orデータ駆動).ストリームの要素をメッセージとみなせば並列オブジェクト指向と考えることが出来るが,処理内容がメッセージだけで決定するなら,Validの枠組での関数呼び出しで済む.ここでagentを導入したのは,並行に動作し内部状態を持ったプロセスと,それらの間の自由度の高い通信を容易に記述することが目的である.出来る限り関数性を保持するため,agentの内部で状態を保持するためには,再帰で明示的に状態をフィードバックする.本稿ではagentを中心にV言語の特徴とその処理系,並列実行モデルの概略について述べる.V言語プログラムは命令レベルの細並列処理も可能だが,ここでは種々の並列計算機上での実現を意識したマルチスレッド並列実行モデルについて述べる.
著者
本庄 榮治郎
出版者
京都帝國大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.780-789, 1938-05-01
著者
壱岐 一郎
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-12, 2002-03-31

21世紀,最初の年は米中枢多発テロ,炭疽菌テロで米国が揺らいだ。日本政府は英国に次ぐ武力報復協力を示した。「報復」ムードの中で1941年9月に急死した,ジャーナリスト桐生悠々(1873-1941)を回顧することは無駄ではなかろう。大阪,東京,長野,名古屋などで記者活動をした桐生は信濃毎日新聞主筆として関東防空大演習を嗤う」を書き,退社に追い込まれ,60代の8年間,半月刊の個人誌『他山の石』を発行し続けたが,日米開戦3か月前,「廃刊の辞」を記した。「この超畜生道に堕落しつつある地球の表面より消え失せることを歓迎致し居り候うも,唯小生が理想したる戦後の一大軍粛(ママ)を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何にも残念至極に候う」(一部,現代読みに訂正)と記した。九・一一事件の直後,米大統領は「西部劇」そして「十字軍」のように進撃をと口走った。低劣な台詞は「畜生道の地球」が決して軍縮の道を歩いていないことを示す。
著者
竹野 英敏 谷田 親彦 紅林 秀治 上野 耕史
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.147-155, 2011

本研究では,教員養成課程におけるICT活用指導力の組織的な向上を図るための基礎的知見を得ることを目的とした.ICT活用指導力の18項目と,PCやインターネットの使用経験や形態を質問項目とした調査を実施し,教育学部に所属する1219名の大学生から有効回答を得ることができた.その結果,教育学部生のICT活用指導力は,授業の展開・評価,態度の涵養及び校務処理に関する面において低調であることが示された.また,ICT活用指導力の向上には,PCに対する興味・関心,自由に利活用できるPCの所有,様々な目的や方法によるPCの利用・活用などの要因が結びついていると推察された.さらに,ICT活用指導力には,メールや表計算などのPC使用形態や,HP作成などのインターネット使用形態が影響しているのではないかと考えられ,これらの学習活動や利用形態を経験させることによってICT活用指導力の充実を図ることができるのではないかと思われた.
著者
上田 香
出版者
意匠学会
雑誌
デザイン理論 (ISSN:09101578)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.74-75, 2019-01-21

大会研究発表要旨第60回大会 2018年8月8日~9日 同志社大学
著者
西田 裕介 間嶋 幸絵
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences Seirei Christopher University (ISSN:18811523)
巻号頁・発行日
no.1, pp.75-81, 2006-03-31

本研究の目的は拍子の違いが自律神経系に与える影響について心拍変動を用いて検討することである。方法は健常成人男性8名を対象に、安静座位にて2、3、4拍子の音をランダムに暴露し、各拍子における心拍変動を測定した。心拍変動の自己回帰スペクトル解析によって副交感神経活動と交感神経活動を評価し、RR間隔時間から心拍数の変化を安静時と音暴露時で比較した。その結果、平均値を比較すると、すべての拍子で副交感神経活動を表す高周波成分(HF)が安静時と比べ増加し、交感神経活動を表す低周波と高周波の比(LF/HF)が低下する傾向を示したが、統計的に有意差は認められなかった。また、RR間隔平均の結果ではすべての拍子で延長し、安静時と3拍子の条件間で有意な差を認めた(p<0.05)。つまり、3拍子の聴取により心拍数が有意に減少したことから、3拍子は他の拍子に比べて副交感神経の活動を促進させる特徴をもち、生体調整に与える効果が大きいと考えられる。
著者
入口 敦志
出版者
日本健康学会
雑誌
日本健康学会誌 (ISSN:24326712)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.14-17, 2019

<p>Publications became popular during the Edo period. Knowledge of health spread through the publication of books on health. "Publication of longevity" which is the first publication of the Edo period was published many times through the Edo period. I will pursue what "penetration for longevity" changed notation, change its form, change the title, permeating among the common people.</p>
著者
中村 博司
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌
巻号頁・発行日
vol.125, no.11, pp.40-64, 2016

本稿は、内田九州男が1988・89年に相次いで発表した、羽柴(豊臣)秀吉による「大坂遷都構想」をめぐる一連の論考を再検討することを通じて、羽柴政権と当該期朝廷との関係性、ひいては秀吉の政権構想を明らかにしようとするものである。天正11年(1583)4月の賤ヶ岳合戦に勝利して織田信長の後継者たる地位を獲得した秀吉は、間もなく大坂に新たな居城構築を始める(大坂築城工事)が、内田は一連の論文を通じて「秀吉はこれと並行して大坂遷都を断行し、そのうえで自らが将軍となって大坂に幕府を開くという構想を持っていた。しかし、朝廷の招致に失敗したために将軍任官も大坂幕府開設も頓挫し、止む無く秀吉は関白となって同14年に関白公邸としての聚楽第を京都に構築することになる」としたのである。この大坂遷都論は早くから注目され、現在でもなお多くの研究者が支持しているが、そこには自ら検証したうえでのものはない。その一方、羽柴政権と朝廷との関係性を取り扱った論文・著書等において、内田の論文は等閑視されるという状況も存在する。これは「大坂遷都構想」および将軍任官・大坂幕府開設というテーマが、羽柴政権と当該期朝廷との関係性について考察する上での最重要課題の一つであるのみならず、中近世移行期における天皇制の在り方にもかかわる論点であることを考えると誠に奇妙な状況と言わざるを得ない。しかもそれが今日まで四半世紀という長年の間、実証的な検証が行なわれることなく、いわば両論並立のような状況のままで推移してきたことは、長年このテーマに関心を抱いてきた者として誠に残念なことでもあった。そこで、改めて大坂遷都論にかかわる根拠史料の再吟味を通じて検討したところ、大坂遷都、将軍任官、大坂開幕のことごとくがなり立たず、「大坂遷都論」は総体として成立しないことが明らかとなった。その結果を踏まえ、大坂遷都論の評価の上に立って秀吉の関白政権樹立に至る構想を明らかにしてきた横田冬彦の仕事を俎上に乗せて検討したところ、秀吉が大坂遷都を断念した理由が必ずしも明確でないことに加え、断念の最大の理由とする小牧長久手合戦の敗戦についても、そうした評価は早計で、むしろ長引く小牧長久手の講和を探るなかで、秀吉の視野に新たな政権構想として公武の頂点に立つ関白職を獲得するという方針が入ってきたとし、そういう積極的な評価こそ妥当とした。そして、こうした一連の経過のなかに大坂遷都構想とその断念という事象を入れる歴史的必然性は無いものと結論付けた。
著者
槇山 次郞
出版者
地球學團
雑誌
地球
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.333-345, 1931-11-01
著者
岩科 司 松本 定
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.67-73, 2006

アマギカンアオイHeterotropa muramatsui (F. Maek.) F. Maek.は伊豆半島に準固有のウマノスズクサ科の植物である.この変種シモダカンアオイH. muramatsui var. shimodana F. Maek.は伊豆半島先端の須崎半島にのみ自生している.またもう一つの変種タマノカンアオイH. muramatsui var. tamaensis (Makino) F. Maek.は関東地方の多摩丘陵を中心とした地域に分布している.これらの変種のうち,タマノカンアオイは独立した種,Asarum tamaensis Makinoと考える立場もある.本研究では,これらの3変種をフラボノイドを指標とした化学分類学的手法によって検討を行った.各種クロマトグラフィーによって分離されたフラボノイドは7種類で,UV吸収スペクトル,加水分解とその生成物の定性,質量スペクトル,ペーパークロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーによる基準標品との直接の比較などからそれぞれ,chalcononaringenin 2', 4'-di-O-glucoside (1), kaempferol 3-O-rutinoside (2), kaempferol 3, 4'-di-O-glucoside (3), kaempferol 3-O-rhamnosylglucoside-4'-O-glucoside (4), quercetin 3-O-rutinoside (5), isorhamnetin 3-O-glucoside (6)およびisorhamnetin 3-O-rutinoside (7)と同定された.これらのうち,1はすでにアマギカンアオイ,シモダカンアオイ,タマノカンアオイから報告されており,また2, 5, 6および7についてもカンアオイ属植物から分離されているが,3と4はこれまでウマノスズクサ科では報告されていない化合物であった.アマギカンアオイ,シモダカンアオイおよびタマノカンアオイを二次元ペーパークロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーによってフラボノイド組成を解析したところ,これらは質的にまったく同一であり,化学分類学的にはこれらの変種は同じ種類と考えられた.