著者
宮崎 和夫
出版者
筑波大学現代語文化学系
雑誌
言語文化論集 (ISSN:03867765)
巻号頁・発行日
no.65, pp.237-239, 2004

グラナダ奪取祭は、1492年1月2日にイスラーム・スペイン最後の王朝ナスル朝の首都であったグラナダがカトリック両王によって征服されたことを記念して、現在に至るまで毎年行われている。正装したグラナダ市長や市会議員や県知事らが ...
著者
真野 祥子
出版者
愛媛県立医療技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

学童期の注意欠陥多動性障害(ADHD)児を持つ母親におけるマターナルアタッチメント形成プロセスの特徴について検討した。12人の母親に半構造化面接を実施し、子どもの行動と養育について母親自身の情動体験を含めて聞き取りを行った。問題行動に直面するとネガティブな感情が生起し養育態度も厳格になりがちであったが、その一方で可愛いと思える様子の時にはポジティブな気持ちとなっていたように、アンビバレントな状態が特徴的であった。マターナルアタッチメントの状態は、学校生活が開始されると悪化していたが、診断後は問題行動の認識の仕方や養育態度に変化が見られ、良好な状態を示すようになった。
出版者
陸軍省
巻号頁・発行日
vol.第22回(明治43年)衛生之部, 1913
著者
菊池 勇夫
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.23-41, 2008-03

『松前屏風』は、地元の絵師小玉貞良が蝦夷地の場所を請け負う商人の依頼によって、18世紀半ば頃の松前藩の城下町(福山)の景観を描いたものである。この屏風の読解の1つの試みとして、唯一アイヌの人々が描き込まれている松前来訪の部分に焦点をあててみた。彼等は毎年5月前後に艤装した船で蝦夷地各場所から貢物を持ってきて、沖の口番所近くの浜辺に、円錐状の丸小屋と呼ばれる持ち運び可能な仮設の住まいを作り、そこに滞在した。屏風にはアイヌの乙名(オトナ、村の長)らが松前藩主に謁見するために、藩士(通詞)に案内されて丸小屋から松前城に向かうところが描かれている。近世初期、松前城下はアイヌの人々が蝦夷地から盛んにやってきて交易(=ウイマム)する場であった。1640年代頃より商場知行制が展開してくると、松前の船が蝦夷地に派遣されるようになり、アイヌの城下交易は衰退を余儀なくされた。1669年のシャクシャインの戦い以後、このウイマム交易は松前藩によって御目見儀礼に変質させられ、松前藩の政治的支配の浸透として理解されている。しかし、見方を変えてアイヌ側からこの18世紀の御目見儀礼を捉えるならば、アイヌ側の主体的な意思もまた汲み取ることができるのではないか、というのが本稿の主眼である。18世紀末になると、松前城下からアイヌの丸小屋の風景が消えていく。それはどのように評価すべきことなのか。おそらくはシャクシャインの戦い以後の近世中期的な松前藩とアイヌの関係の終焉を意味していたに違いない。"Matsumae-byobu" is a folding screen depicting a castle town (Fukuyama) in Matsumae-han during mid-eighteenth century. Matsumae painter, Teiryo Kodama drew this screen being asked by Oumi-merchant who was in charge of Ezo trading. In order to understand this screen, I examined the Matsumae arrival section which exclusively depicted Ainu people.Ainu people transported articles of tributes from all parts of Ezochi on a rigged ship every year around May. They built a mobile cone-shaped shack for temporary dwelling and stayed on a beach near the customs office (Okinokuchi-bansho). This shack was a necessity for Ainu people's traveling. On the screen, there is Otona, Ainu's head of village, and others who are guided by Matsumae clansman (translator) to Matsumae castle from their shacks. After entering the castle, they met the lord of Matsumae-han and given products such as rice, liquor and tobacco.During early modern period, Matsumae castle town were often visited by Ainu people from Ezochi for trading called Uimamu. During 1640's trading post fief system (Akinaiba-chikousei) had spread and trading ships from Matsumae were sent to Ezochi. This invited the decline of Ainu trading in the castle town. After the 1669 war of Shakushain, Uimamu trading has been changed into Omemie (Uimamu) audience ritual by Matsumae-han and we understand that this shows political dominance over Ainu. However, when we consider this phenomenon from Ainu's point of view, eighteenth-century Omemie audience ritual may have subjective intention of Ainu people. I will explore this issue in this paper.In the late eighteenth century, Ainu shacks disappear from Matsumae castle town. How do we evaluate this? Probably, this suggests the end of Matsumae-han and Ainu relationships during the eighteenth century.一部非公開情報あり
著者
大城 善盛
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.2-15, 2010-05-01

2種の全米レベルのメディアスペシャリスト基準(ALAとAASL共同作成の基準と全米教育専門職基準委員会の基準)を,基準の性格の相違を考慮しながら,比較検討した。また,実際に採用に関わる州レベルにおけるメディアスペシャリストの資格及び配置義務に関しても調査・検討した。その結果,メディアスペシャリストの能力や資質に関しては2種の基準とも似ているが,養成のレベルで異なることを明らかにし,州レベルではALAとAASL共同作成の基準の資格とは異なる州が多いことも明らかにした。
著者
澤村 一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の成果を主要なものに限って以下のようにまとめる.1.東洋の合理思想・論理を反映した議論の論理の研究4値テトラレンマに基づく議論の論理の対話的証明論と意味論を形式化した.それを用いた東洋的議論例を示し,この議論の論理の有効性を実証した.さらにJainaの7値論理やアラビア論理についても調べ,多文化間で合意可能な議論方式を与えた.これは多元的議論の方法論として意義ある結果である.2.対話の論理の形式化:議論から対話へ議論の論理の形式化をもとに,これを多値の対話モデルへと展開し,対話の証明論とその不動点意味論を与え,対話モデルも数学的意味論を持つことができることを示した.さらに,記号議論の弱点をニューラルネットによって補う研究を進め,記号議論とニューラルネット議論のハイブリッド方式による議論の方法を与えた.この結果は予想外の結果として,国際会議で高く評価された.3.議論するエージェントシステムの試作議論するエージェントシステムの利用をサポートするために,より豊かな統合議論環境(IAE)を構築し,かなり複雑な議論にも対応可能なことを確認した.さらに,議論結果から議論・対話シナリオを作成し,それを動画表示する方法も与えた.この他に議論で必要とされる知識ベースの準備を容易にするために,自然言語議論を我々の多値議論モデルの形式的議論へ変換する方法と,さらにその逆変換を行う研究を行ない,双方向変換の重要な部分が自動化できることを示した.
著者
満川亀太郎 著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1929
著者
Tomohiko Takasaki
出版者
日本熱帯医学会
雑誌
Tropical Medicine and Health (ISSN:13488945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4SUPPLEMENT, pp.S13-S15, 2011 (Released:2012-04-01)
参考文献数
10
被引用文献数
16 29

Several dengue outbreaks occurred in Japan from 1942 to 1945. Dengue fever emerged in Nagasaki in August 1942 and soon spread to other cities such as Sasebo, Hiroshima, Kobe and Osaka, recurring every summer until 1945 and constituting the greatest outbreak in the temperate zone. Domestic outbreaks have not been reported in Japan since then. However, the number of imported dengue cases has increased year by year: 868 imported cases were reported in Japan between 1999 and 2010 according to the Infectious Diseases Control Law. Moreover, 406 imported cases were confirmed to be dengue virus infection among 768 dengue suspected cases received at NIID from 2003 to 2010. A total of 142 cases (35.6%), 103 cases (25.8%) and 62 cases (15.5%) were noted in the 20–29, 30–39 and 40–49 age groups, respectively. Infecting dengue virus serotypes were determined for 280 of the 406 cases. The number of cases infected with each of the 4 serotypes was 98 (35%) with type 1, 78 (28%) with type 3, 72 (26%) with type 2, and 32 (11%) with type 4. Sixty percent of dengue cases were imported from July to October, the summer vacation season in Japan.
著者
中村 俊哉 中村 幸 倉元 直樹 中島 義実
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

アジアの7つの地域(インドネシア(ジャワ地区・バリ島)、インド(ベンガル地区)、中国(北部として遼寧省大連、南部として雲南省昆明)、日本(福岡、沖縄))において文化の違いによる死生観・ターミナル・ケア観の差異と変容の実態調査を行い、お盆の現象、死者や祖先との対話などの死生観尺度を作成し、共同体、宗教、移動、死別うつ状態等との関連を見た。インタビュー法から、お盆がインドではナブラトレ、モハラヤタルポン、バリ島ではウリヤン、ガルンガンとして存在すること、葬送の多様性、シンクレティズムの存在、シャーマンの機能などについての知見を得た。質問紙調査からは、ジャカルタ、インドでは神を中心に祈り、対話するのに対し、日本、中国では死者の魂自体へ直接祈り、対話、報告すること、バリ島では両方が機能していることが明らかになった。お盆は日本、バリ島で多かった。これら空想的対話と変容シャーマニズムが関連した。委任シャーマニズムはシャーマンを受容している文化(バリ、ベンガル、沖縄)でのみ高かった。委任シャーマニズムとお盆は時代により、また移動によって縮小していることが示された。死への態度尺度でも文化、宗教により違いが出た。死者、祖先との対話も、神との対話も、用いすぎる人には死別うつ状態が高く出たが、不健康とは必ずしも関連しなかった。死者に死への心の準備があると、残された人のうつ状態は軽くなっていた。告知については、日本、中国では希望が高かったが、ジャカルタ、インドでは低く、死の準備については文化によって大きな違いが出た。高齢社会を迎える中、死生観、死への向き合いのプロセスの多様性を提示できた。近代化以降、日本では死は自然ではなくなってしまった。今後、より老人の位置づけが低いアメリカや、その影響を受けつつある東京において死生観、ターミナル観の調査が必要であろう。
著者
山本 悠二 増山 繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.113, pp.15-22, 2007-11-19
被引用文献数
1 2

本稿では,係り先候補の相対的な距離を反映した統計的日本語係り受け解析手法を提案する.統計的係り受け解析手法は,文節間の係りやすさを訓練データから推定する.その際,従来手法では,文節間の距離はいくつかのカテゴリに分けられ,推定に用いられる素性として明示的に与えられる.しかし,複数の文節間候補が同一の距離カテゴリに属する場合,距離による弁別ができないため,最尤の係り先を決定することが困難である場合が多い.そこで提案モデルでは,文節候補集合中の二つの文節候補を逐次的に取り出し,どちらが係り元に近いかを明示させて係りやすさの推定を行う.京都大学コーパスを用いて実験を行った結果,係り受け正解率 91.60 %,文正解率 56.33 % となり,ベースライン手法と比べて有意に改善していることが確認された.We propose a novel method for statistical Japanese dependency analysis, which reflects relative distances among modifee candidates. Statistical Japanese dependency analizers estimate a dependency likelihood between a pair of bunsetsu chunks from training dataset. In conventional approaches, distances between pairs of bunsetsu chunks are divided into some feature categories, and the categories are embedded into training feature set explicitly. However, modifee candidates that belong to the same distance category, are possibly hard to be selected the most likely one, since they can not be distinguished by their distance categories. The proposed method selects two modifee candidates from all candidates sequentially. Each of the two modifee candidates and its modifier estimate the dependency likelihood after the modifee candidate appends extra information whether it is nearer from its modifier. The experimental results using Kyoto University Corpus achieved a dependency accuracy of 91.60% and a sentence accuracy of 56.33% respectively. We confirmed that the proposed method improved both dependency and sentence accuracy significantly, compared with the base-line method.
著者
平山 大作
出版者
独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

野球投手の投球数の増加にともなう投球動作の変化について検討を行った.踏込脚接地時において肩関節外転角度が減少した.肩甲帯の挙上角度が減少し,肩甲帯の前後方向の可動域が減少した.踏込脚の股関節伸展の正仕事,負仕事,絶対仕事が減少した.踏込脚の股関節伸展の絶対仕事の減少は,下肢のトレーニングの重要性を示唆するもので,踏込脚接地時での肩関節外転角度の減少は,「肘下がり」を示すものであると考えられる.また,「肘下がり」には,肩甲帯の動きも影響していることが考えられる.
著者
毛利 雅子
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.225-236, 2013-03

アメリカやオーストラリアなどの通訳研究先進国では、法廷通訳人の役割、法廷内でのクライアントとの物理的位置、またクライアントの権威や権力がコミュニケーションに与える影響などに関する研究が既に進んでいる。しかし、裁判所をはじめとする法廷参与者は、依然として通訳人を単なる「言語の置き換えマシーン」と認識しているのが現状である。日本の法廷通訳人は1人で最大6人のクライアント(通訳を必要とする立場)に対応しなければならず、「言語の置き換えマシーン」としての状況はさらに厳しいものとなっている。 本研究ノートでは、Goffman の参与フレームワーク、Fairclough のゲートキーパー的役割論、Gallois らのコミュニケーション調整理論をベースに、日本とアメリカでの法廷レイアウトを用いて、日本における法廷通訳人の現状を分析すると共に、今後の課題を提示する。