著者
陳 仲奇
出版者
島根県立大学
雑誌
北東アジア研究 (ISSN:13463810)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-18, 2005-01

The national project of checking, punctuating and republishing the twenty-five Chinese historical classics was initiated by Mao Zedong in 1958, but failed to continue due to Culture revolution started in 1966. However, under Mao's instruction it proceeded in 1971. The power struggle over the leading position in the project between Zhou Enlai and Yao Wenyuan started as Mao's instruction was made. The special cultural project in this particular time (Culture revolution) represents not only cultural characteristics of this period, but also the considerations of those in power. Therefore, it can be regarded as the epitome of the power struggle of that time. In order to clarify the feud between Zhou and Yao, the thesis focuses on the events around the time when the project was restarted in 1971. It's based on the interview of participants of the project and classified materials collected in Beijing. The author's research "China Press and systemization of classical books in People's Republic of China-the background of checking, punctuating and republishing the twenty-five Chinese historical classics" is sponsored financially by (A) "Northeast Asian Publication Cultural Research Project." The thesis is part of the research achievements.
著者
吉原 ゆかり
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本年度は、昨年度に引き続き、16・17世紀イギリスのコレクターたちの業績および彼(女)たちが生きた激動の時代について、調査と資料収集を行った。今回とくに注目したのは、16・17世紀・18世紀における古代ローマ・ギリシア研究、古代イングランド研究、中国研究、アジア研究および自由主義思想(リベルタン思想)とのつながりである。このようなつながりから、蒐集文化の研究は、単に美術や古物蒐集といった高級文化の研究という側面のみならず、当時における歴史研究、政治思想などとも深い関係をもつものであることがあきらかになった。たとえば、ヨーロッパ・キリスト教文明全般の源流とみなされつつも16-18世紀においては、イスラム教帝国オスマン・トルコの支配下にあったギリシア・小アジア地域の研究は、当時における国際政治の実状と切り離しては考えることができない。また、放蕩と自堕落を礼賛する形式で、政治的自由思想が表現される傾向があり、政治的自由思想を有する人々が古代ギリシア・ローマの文物のコレクターであり、その時代における性的自由を礼賛することで、自らの生きる時代を諷刺したことなどから、蒐集文化と社会諷刺、さらにはポルノグラフィの誕生がきわめて密接な関係にあることが明らかになった。本助成は今年度で完結するが、将来にむけては、上記したような方面への展開・発展を目していく予定である。本助成研究の総括、および将来へむけての準備として、当該テーマに関心をもつ国内の代表的な研究者を筑波大学にまねき、16年11月、研究集会を行った。参加者は、荒木正純(筑波大学)、箭川 修(東北学院大学)、川田潤(福島大学)、川田理和子(山形保険医療大学)、南隆太(愛知教育大学)、大和高行(鹿児島大学)である。当日は、ジョン・イーヴリンを代表とする、17世紀のコレクターの動向などをめぐり、盛んな質疑応答が行われた。
著者
和知 剛
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.65, pp.16-20, 2003-06

Wachi, Tsuyoshi旧・図書館情報大学であるところの図書館情報専門学群は、筆者が今更書くまでも無く1921(大正10)年に開設された文部省図書館員養成所以来、図書館司書養成という大義名分をその名称・機構の変遷にかかわらず背負ってきた。 …
著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 川口 淳一郎 横田 博樹 村中 昇 滑 孝和 北出 賢二 小笠原 雅弘 木村 雅文 土橋 雅之
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-45, 1986-03

To support the operation of onboard AOCS (Attitude and Orbit Control System) of "SAKIGAKE" and "SUISEI", ground support software for attitude control and orbit correction was developed. The software, named POPS (PLANET-A AOCS Operation Software), has the function of (1) generating the commands for RCS thruster control and HGA (High Gain Antenna) despin control, (2) simulating spacecraft attitude dynamics to confirm the generated RCS control commands. (3) performing orbit correction analysis to provide the optimum ⊿V-maneuver under various maneuvering constraints, (4) estimating RCS fuel consumption, and (5) conducting the calibration of RCS thrusters. In this paper the functions of POPS are described in detail. The operational results of "SAKIGAKE" and "SUISEI" in orbit are also presented.
著者
渡辺 徹也
出版者
京都大学
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.103-112, 2002-03-25

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
小島 恵美子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.410-415, 2011-10-01

日本医師会医学図書館は,国立情報学研究所の相互利用システム(NACSIS-ILL)における図書館間相互貸借(ILL)複写依頼の最多利用館の1つである。2007年度から2010年度のILL複写依頼を集計した結果,利用者におけるインターネットの普及が影響を与えていることが示されていた。オープン・アクセスの文献などインターネット上の文献利用が要因と考えられる複写件数の減少が認められる一方で,電子化,オープン・アクセス化されていない文献の申し込みが増加傾向にあった。利用者自身による入手が困難な文献情報を,複写サービスやILL複写依頼のなかで発見して提供することが,今後は重要になると考える。
著者
黒木 英充 飯塚 正人 臼杵 陽 佐原 徹哉 土佐 弘之 間 寧 栗田 禎子 佐藤 幸男
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

地域間交流の問題は昨今盛んに議論されているが、東地中海地域は世界最古の文明を発達させ、古来活発な地域間交流を実現してきた。それは地中海という海域とその周辺地域における人間の空間的移動が極めて円滑であったことに拠っている。また、同地域では言語的・宗教的・文化的に多様な複合的性格をもつ社会が形成されてきたが、人間が文化的共同体の間を移動したり、その複合性を都市空間や文化活動で重層化したりする営みも見られた。この「明」の側面と、近現代においてパレスチナ問題を初め、バルカンの民族紛争、レバノン内戦、キプロス分割など、民族・宗派的対立もまたこの地域で進行してきたという「暗」の側面が、これまで別個に論じられてきたばかりで、両面を統合的に把握する努力が顧みられなかった。この欠を埋めて、民族・宗派対立問題に関する新たな解釈を打ち出し、人間の移動性がますます高まりつつある世界における文明交流の枠組み作りに資する知見を得るため、4年間にわたり、海外調査や国内での研究会、国際ワークショップを重ねた結果、次の点が明らかになった。1) 移動する人間に対する「保護」の観念が、東地中海地域で歴史的に深く根付き、それが制度化されてきたが、19世紀半ば以降、これが換骨奪胎され、「保護」の主体が法的基盤を持たぬまま入れ替わったことにより、現代の対立状況が招来された。2) 新たな「保護」のシステムを支える普遍的価値の創出が望まれる。これは現代の東地中海地域における民族・宗派問題の解決可能性を考慮するならば、一元的尺度による統治の実現をめざすのではなく、当該地域の複合的性格を反映した他者を包摂する弾力性に富んだ多元的な統治システムをめざすべきである。今後は、1)をふまえたうえで2)の点について、多角的で学際的なアプローチを展開する必要があろう。本研究はその方向性を明確に指し示すことができた。
著者
小山 裕貴 畑 淳 吉田 孝博 増井 典明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.367, pp.77-82, 2011-01-13

音響機器の特性や音質評価は,開発現場と実使用環境では一致しないことがあり,問題となることがある.また,機器に供給する電源の特性の違いにより,人が知覚する音質や音像が異なる現象が生ずるといわれている.よって,このような現象の測定や解析,発生メカニズムの解明が必要である.本研究では,電源環境がDAIのジッタに及ぼす影響ならびにディジタル音響機器の電源投入からの時間経過がDAIのジッタに及ぼす影響を調査した.その結果,電源の高調波電圧により,TIEの標準偏差では差が2.3%生じ,電源環境がジッタ特性に影響を与えていることが確認できた.また,ディジタル音響機器の通電時間により,RMS値やディジタル音声信号の波形が変化することも確認できた.
著者
杉江 典子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-18, 2011-03-30

本研究では,公共図書館における利用者の情報探索行動を説明できるような概念と理論を導くことを目的とした。そこで公共図書館5館において,利用者への半構造化インタビューを行い,得られたデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。その結果,35の概念が導かれ,それらの概念は7つのカテゴリに整理された。7つのカテゴリとは,"知りたい/読みたい気持ちの蓄積","図書館での探索に対する認識","探索にあたっての気分","物理的な条件","探索の実行","情報/資料の入手","探索結果に対して抱くもの"である。さらに,"知りたい/読みたい気持ちの蓄積"が"探索の実行"の直接の要因になり,"図書館での探索に対する認識"が個人の"探索の実行"のあり方に影響を与え,探索の結果,"情報/資料の入手"が起こり,"探索結果に対して抱くもの"が表れるといった,カテゴリ間の関係も明らかになった。
著者
李 志炯 Lee Jee-Hyung
出版者
筑波大学比較・理論文学会
雑誌
文学研究論集 (ISSN:09158944)
巻号頁・発行日
no.20, pp.166(93)-149(110), 2002-03-31

はじめに 関東大震災を語る際、最も多く用いられることばは〈未曾有〉である。そのことばは当然そのような出来事の希有さを意味するものであるが、その希有さとは、単に地震そのものや「日本史上最大」といわれる被害規模の大きさのみに向けられるものではない。 ...
著者
Kumagai T. Shiotari A. Okuyama H. Hatta S. Aruga T. Hamada I. Frederiksen T. Ueba H.
出版者
Nature Publishing Group
雑誌
Nature Materials (ISSN:14761122)
巻号頁・発行日
2011-11-27
被引用文献数
107

もっとも軽い元素である水素原子(プロトン)の連続リレー移動反応の直接観察と微視的機構を世界で初めて確立. 京都大学プレスリリース. 2011-11-28.
著者
岡市 洋子 岡市 広成
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.29-34, 2001-06-30
被引用文献数
7

本研究では, 8匹のラットを用いて, ラットの複雑な聴覚刺激に対する弁別能力を調べた。1レバーのスキナー箱を使用し, S+刺激に対する反応にはVI10秒で報酬を与えた。第1段階では, BeatlesのYesterdayとホワイトノイズを刺激に用いた。報酬随伴性はカウンターバランスさせた。10セッションの訓練で, Beatles S+群, ノイズS+群, ともに3匹ずつが80%以上の正反応率を示した。第2段階では, S+を変えずに, 両群のラットのS-をMozartに変えた。その結果, ノイズS+群は3セッションの訓練で1匹を除き約95%の正反応率に達したが, Beatles S+群は7セッションの訓練で約85%の正反応率となった。第3段階ではBeatles Yesterdayと実験者の演奏するYesterdayが与えられた。10セッションの訓練で, 7匹のラットが70%以上の正反応率に達し, ラットが異なる演奏者が演奏する音色と音の高さはやや異なるものの, 旋律が等しい2曲を弁別することができること示した。
著者
宮本 陽一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、日本語の比較構文に生起する「より節」が目的語の数量を比較対象にする場合に、「かき混ぜ規則(scrambling)」、「数量詞上昇(Quantifier Raising)」等によって、生成された位置とは異なった位置に移動できることを明らかにした。これは、付加詞からの移動が常に排除されるわけではないことを意味している。この結果から、付加詞(特に二次述語)であっても主節と(素性照合によって)関係を結べる場合には抜き出しが許されることを明らかにした。
著者
齊藤義仰 村山 優子
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.520-528, 2011-02-15
被引用文献数
3

動画共有サービス上の広告として,テレビのように動画の途中で広告動画を挿入するミッドロール型の広告手法が徐々に現れ始めている.しかし,既存のミッドロール型広告動画挿入手法では,一定の時刻になると時報のように広告動画を再生させたり,ランダムな再生時間に広告動画を再生させたりする手法がとられており,動画の視聴を妨げるタイミングで広告が再生されるという問題がある.そこで,我々は動画の視聴を妨げないタイミングで広告動画を挿入するため,視聴者コメントを用いたミッドロール型広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムを提案する.利用する視聴者コメントは,ニコニコ動画のように動画中の特定のシーンと関連付けられたコメントを利用する.投稿されたコメントを時系列で分析することによりシーンの特徴を推定し,適切な広告動画挿入タイミングが決定できると考えられる.本研究では,単位時間ごとのコメント数に着目し,動画の視聴を妨げないタイミング付近でのコメント数の変化を検出し,広告動画の挿入を試みる.本論文では,広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムを作成するための予備実験を行い,単位時間ごとのコメント数と適切な広告動画挿入タイミングの関係について調査した.さらに,予備実験により得られた知見から,広告動画挿入タイミング決定アルゴリズムを考案し,提案アルゴリズムの適用範囲について評価を行った.In recent years, mid-roll advertisements which insert a video advertisement at the middle of the video content appear gradually. However, the mid-roll advertisements usually interrupt video viewing because it inserts a video advertisement at the fixed or random time. To solve this issue, we propose an algorithm for mid-roll advertisement insertion based on audience comments. The algorithm determines timing for advertisement insertion not to interrupt audience's video viewing as much as possible on the supposition that there are some characteristics in the amount of comments at the appropriate timing. In this paper, we report results of a preliminary experiment to write an advertisement insertion algorithm and the detail of the proposed algorithm. Moreover, we also evaluate the proposed algorithm and discuss its issues.
著者
板野 稔久
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.513-516, 2010-07-31
参考文献数
8