著者
Ryoji HIWATARI Youji SOMEYA Hiroyasu UTOH Yoshiteru SAKAMOTO
出版者
The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research
雑誌
Plasma and Fusion Research (ISSN:18806821)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1205077, 2023-08-28 (Released:2023-09-06)
参考文献数
9

This article presents the concept of unlimited fusion-energy station (U-FESTA), comprising a fusion power plant and a lithium (Li) recovery facility to recover Li from seawater, for example the Li-separation method by ionic conductor (LiSMIC). To realize the U-FESTA, we discuss the relationship among the seawater-based Li-recovery efficiency, blanket technology on 6Li enrichment, intake cooling seawater in a power plant, and the blanket-replacement period.
著者
陸軍省 編
出版者
陸軍省
巻号頁・発行日
vol.附図, 1907
著者
岩城 覚久 Akihisa Iwaki
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.171-194, 2011-05-20
著者
中條 暁仁 梶 龍輔
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2023年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2023 (Released:2023-04-06)

近年,地域社会とともにあり続けた寺院が消滅していくとする指摘がなされている。一般に,寺院はそれを支える「檀家」の家族に対する葬祭儀礼や日常生活のケアに対応することを通じて地域住民に向き合ってきた。しかし,中山間地域などの人口減少地域を中心に家族は大都市圏へ他出子(別居子)を輩出して空間的に分散居住し,成員相互の社会関係に変化を生じさせているため,いわゆる「墓じまい」や「檀家の寺離れ」などが出現している。こうした諸事象は現代家族の変化を反映するものであり,寺院の動向を追究することによって社会や家族をめぐる地域問題の特質に迫ることができると考えられる。 一方,既存の地理学研究をふりかえると,寺院にとどまらず神社も含めて宗教施設は変化しない存在として扱われてきた感が否めない。寺社をとりまく地域環境が変化しているにも関わらず,旧態依然の存在として認識されているように思われる。宗教施設もまた,地域の社会や経済の変化による作用を受けていることを指摘するのも本研究の問題意識である。 そこで本報告では,実際に解散や合併に至った寺院がどの程度存在するのか,それはどのような地域で生じているのかなどを検討する。また統廃合後の寺院の実態にも言及したい。 発表者は,中山間地域など人口減少地域に分布する寺院をとらえる枠組みを,住職の存在形態に基づいて時系列で4段階に区分し提起している。住職の有無に注目するのは,住職の存在が寺檀関係(寺院と檀家との社会関係)の維持に作用し,寺院の存続を決定づけるからである。 第Ⅰ段階は専任の住職が常住しながらも,空間的分散居住に伴い檀家が実質的に減少していく段階である。第Ⅱ段階は檀家の減少が次第に進み,やがて専任住職が代務(兼務)住職となり,住職や寺族が寺院内に居住しない段階である。第Ⅲ段階は,代務(兼務)住職が高齢化等により当該寺院の業務を担えなくなるなどして実質的に無住職化に陥ったり,代務住職が死去後も後任の(専任あるいは代務の)住職が補充されなくなったりして無住職となる段階である。そして,第Ⅳ段階は無住職の状態が長らく続き,境内や建造物も荒廃して廃寺化する段階である。 このうち,本報告では第Ⅳ段階にある寺院を対象とする。現代においては宗教法人の煩雑な解散手続きまでには至らずに,少数かつ高齢による檀家の管理が行き届かずに,建造物や境内が荒廃し放置された寺院が過疎地域を中心に増加し続けていると考えられる。ただ,こうした寺院は統計的には把握されていないため,本報告では実際に宗教法人としての解散手続きを経て廃寺や合併に至った寺院を対象とする。 本報告で検討するデータは,寺院の統廃合に関する情報を取りまとめていたり,宗派内で公表したりしている曹洞宗・日蓮宗・浄土真宗本願寺派の3派から得られた。これまで解散や合併に至った寺院が個別に報告されることはあったが,それを体系的・経年的に明らかにされることはなかったため,主要宗派からデータが得られたことの意義は大きい。寺院を対象とする研究の遂行にあたっては,寺院の運営に関する詳細な情報,および原則非公開となっている各宗派組織における宗務データの収集が必須である。これまで本報告で目指ざす研究の実践は,対象者の協力が得られなかったために困難を極めたが,近年の寺院を取り巻く環境変化に呼応して各宗派組織が積極的に実態把握に努めるようになっており,データの収集が可能になりつつある。本報告は,これらの前提条件が満たされたことにより可能になったことを断っておく。 本報告では曹洞宗・日蓮宗・浄土真宗本願寺派における寺院の統廃合を検討する。比較可能な1980年代以降をみると,2010年以降解散や合併に至った寺院が顕著に増加していた。地域的には,80年代から過疎の進行した地方圏で目立っていたが,2000年以降は大都市圏にまで拡大している。ただ,宗派によって寺院の分布は異なるため,寺院が集積する地域ほど統廃合件数が増える傾向はある。しかし,こうした中にあっても過疎指定地域で当初多く見られたものが,現在は非過疎地域にまで広く及んでいる点は地域社会の空洞化との関連が指摘できる。また,宗派によって寺院単独の解散と合併による解散の相違があり,地域性と同時に宗派性を加味する必要がある。 中山間地域にある解散寺院の場合,建造物の内部に保管されていた仏像・仏具は合併した寺院に移されていたが,建造物本体は解体費用の負担が生じるため,朽ちて近隣住民に危険が及ばない限り放置されていた。また,解散して数十年以上経過した寺院のなかには,合併寺院や元檀家が資金を出し合って建造物を撤去整地している例もあった。跡地は共用施設に利用されたり,元檀家が石碑を建立してかつての所在を明示していた。
著者
渡邉 貴之 小西 一之 野口 浩正 大福 浩輝 岡田 啓司
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会・九州沖縄産業動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.7-12, 2012-06-30 (Released:2013-05-17)
参考文献数
16
被引用文献数
4 1

黒毛和種経産牛の栄養状態と胚移植受胎率の関連性について調査した.試験はⅠ期とⅡ期に分けて実施した.泌乳していない黒毛和種経産牛を,Ⅰ期は61頭,Ⅱ期は29頭供試した.移植胚は新鮮1胚または凍結1胚とした.粗飼料は全て収穫時に飼料分析を行った自家産数種の乾草または低水分サイレージのうち2種類をTMRミキサーで混合して給与した.飼料設計は,Ⅰ期は可消化養分総量(TDN)130%,乾物摂取量(DMI)100%以上とし,可消化粗蛋白質(DCP)は考慮しなかった.Ⅱ期はⅠ期の代謝プロファイルテスト(MPT)結果を考慮して,これら粗飼料に圧片トウモロコシを加えTDN 120%,DCP 200%未満,DMI 100%以上とした.両期とも胚移植開始2カ月前から体重が維持できるよう混合粗飼料の給与量を調整した.Ⅰ期は20頭,Ⅱ期は10頭を無作為に抽出し,MPTを胚移植開始1カ月後に実施した. TDNの充足率はⅠ期がⅡ期よりも有意に高かった(137% 対113% , p<0.01)が,MPTを取り入れ高タンパク状態を改善したⅡ期のDCP充足率はⅠ期に比べ有意に減少した(310%対147% , p<0.01).DMI充足率は114%と107%で差は認められなかった.給与した飼料の平均デンプン(NFC)含量はⅠ期が7.9%,Ⅱ期が17.6%とⅡ期が有意に高かった.Ⅱ期はⅠ期に比べ血中遊離脂肪酸,β-ヒドロキシ酪酸が有意に低かった(p<0.05,p<0.01)ことから,低NFCに起因するル-メンの発酵不足によるエネルギー不足が改善されたことが考えられた.また,血液尿素窒素もⅡ期がⅠ期に比べ有意に低かった(p<0.01)ことから,Ⅱ期では,Ⅰ期においてみられたルーメン発酵不足と高タンパク飼料によるル-メン内の利用しきれないアンモニアの発生が抑えられたと考えられた.胚移植受胎率はⅠ期37.7%(23/61),Ⅱ期は65.5%(19/29)とⅡ期が有意に高く改善された(p<0.05).以上のことから,黒毛和種受胚牛の受胎率はDCPの過剰摂取やDCPとNFCのアンバランスな場合に低下すること,MPTを基にした飼料設計で改善することが認められた.また,イネ科牧草の飽食給与は,著しい蛋白過剰をもたらす可能性があることが明らかになった.
著者
Masafumi Inyaku Marenao Tanaka Tatsuya Sato Keisuke Endo Kazuma Mori Itaru Hosaka Takuma Mikami Araya Umetsu Hirofumi Ohnishi Yukinori Akiyama Nagisa Hanawa Masato Furuhashi
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.64369, (Released:2023-08-30)
参考文献数
31
被引用文献数
1

Aim: A high level of directly measured small dense low-density lipoprotein cholesterol (sdLDL-C) is a strong risk factor for ischemic heart disease (IHD). However, it remains unclear whether estimated sdLDL-C level is a predictor for IHD. We investigated the associations of new onset of IHD with levels of total cholesterol (TC), high-density lipoprotein cholesterol (HDL-C), non-HDL-C, triglycerides (TG), LDL-C and calculated sdLDL-C by Sampson’s equation. Methods: After exclusion of subjects with IHD or those with TG ≥ 800 mg/dL, a total of 18,176 subjects (men/women: 11,712/6,464, mean age: 46 years) were recruited among 28,990 Japanese individuals who received annual health checkups. Results: During the 10-year follow-up period, 456 men (3.9%) and 121 women (1.9%) newly developed IHD. Multivariable Cox proportional hazard analyses after adjustment of age, sex, obesity, smoking habit, family history of IHD, estimated glomerular filtration rate, hypertension and diabetes mellitus at baseline showed that the hazard ratio (HR) (1.38 [95% confidence interval: 1.03-1.85]) for new onset of IHD in subjects with the 4th quartile (Q4) of sdLDL-C (≥ 42 mg/dL) was significantly higher than that in subjects with the 1st quartile (Q1) (≤ 24 mg/dL) as the reference, though the adjusted HRs in subjects with Q2-Q4 of TC, HDL-C, non-HDL-C, LDL-C and TG were comparable with those in subjects with Q1 of the respective lipid fractions. The adjusted HR with a restricted cubic spline increased with a higher level of calculated sdLDL-C as a continuous value at baseline. Conclusions: sdLDL-C level calculated by Sampson’s equation is a predominant predictor for the development of IHD in a general Japanese population.
著者
西尾 聡悟 寺上 伸吾 竹内 由季恵 松本 辰也 髙田 教臣
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.137-147, 2022 (Released:2022-06-30)
参考文献数
43
被引用文献数
1

ニホンナシの育種は農研機構および全国の県の試験場で行われている.育種において最も重要な形質は黒星病抵抗性であり,生理障害の発生少,収量性,早生性,高糖度,自家和合性なども重要な育種目標となっている.近年温暖地においてナシの発芽不良が問題となっているため,温暖地でも安定栽培可能な品種の開発が求められている.そのような中で,黒星病抵抗性,自家和合性,黒斑病抵抗性,早生性,果皮色についてはDNAマーカーが開発され現場の育種に利用可能となっている.しかしながら, これらの形質は遺伝の顕性と潜性 (優性と劣性),質的形質と量的形質,対立遺伝子に異なる複数の効果があるなどの特徴があるため,効率的な選抜のためにはそれぞれの形質の遺伝様式を十分に理解したうえでDNAマーカーを使う必要がある.本総説ではニホンナシの育種に重要な59品種のこれらの形質の表現型と遺伝子型データベースを公開し,それぞれの形質の遺伝様式と利用技術についてとりまとめ解説する.
著者
吉川 虎雄
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.8-24, 1963-01-30 (Released:2009-11-12)
参考文献数
10

In February, 1957, the Japanese Antarctic Research Expedition established a station, called “Syowa”, on a small island off Prince Olav Coast, East Antarctica. The station had been occupied by the wintering teams untill February, 1962, except during the period from February, 1958, to January, 1959. Various kinds of scientific observations, for example, aeronomy, meteorology, geology, geomorphology, glaciology, biology, and so on, had been carried out at the station and on its surrounding Antarctic continent. The station was temporarily closed in February, 1962, on account of logistic and financial difficulties, and the reopenning of the station for scientific activities is now being discussed by the Japanese government.In this paper, activities of the Japanese Antarctic Research.Expedition are described and some of scientific results in geography, geology, geodesy, glaciology, and so on are briefly explained.
著者
中川 邦昭
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.198-206, 2004-04-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10

京都での写真撮影の始まりを検討し, 定説であった堀与兵衛ではなく, 堀内信重が先駆であること, また, 彼が撮影条件の一定しない屋外で, すぐれた技術を駆使して観光写真を撮影していたことを示す.知恩院の寺徒の家に生まれた堀内信重は, 江戸時代末期に京都で亀谷徳次郎と出会い, 写真術を修得した.堀内は被写体が特定でき, 写真業を生業とした, 京都で最も古い写真師であると判定される.知恩院を訪れた参拝客や観光客を対象に写真撮影の営業を行なっていた彼は, 京都で初めての観光写真家であったと考えられる.堀内の写真について, 当時の風俗との関係, 同時代の写真や絵画からの影響などについても考察する.
著者
貝谷 久宣
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.52-58, 2019-11-30 (Released:2020-01-04)
参考文献数
27
被引用文献数
1

ADAは,明白な心理的原因なしで突然激しい陰性情動が生じ,それに引き続き主に過去の無念な思いが侵入反芻する発作である。ADAでも,CPTSDの症状である再体験症状,認知面の変化(無力感など),パーソナリティの変化(孤立など),感情制御上の困難(自傷行為など)が程度の差はあるが認められる。ただ,後三者の状態はADAの根底にある社交不安と拒絶過敏性により説明される。また,以下の点でADAはCPTSDから区別される:発症から終末まで一定の経過を取る;過去の不幸な出来事は心的外傷というほど激しくなく,その記憶のテーマは多岐にわたる;パニック症ではパニック発作と不安・抑うつ発作が交互に出現する;不安・抑うつ発作の不安・焦燥は侵入思考の内容への反応以上の激しさ(不安発作)が認められる。以上より,ADAはCPTSDに近似ではあるが区別されうる病態と考えられる。
著者
柴崎 浩一 渡辺 卓也 長谷川 勝彦 山脇 敏裕
出版者
日本歯科大学新潟短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

H. pyloriの初感染時期を推測する目的で、園児とその両親を対象に唾液中のH. pylori DNAの検出を行った。園児のH. pylori DNA検出率は年齢とともに上昇する傾向がみられ、4歳児と5歳児の間で有意に上昇していた。H. pylori陽性であった園児の母親のH. pylori陽性率は陰性児の母親の陽性率に比し有意に高率であった。これらは園児における初感染は3歳未満で起こっており、4.5歳間でも感染の危険性が高いことを示している。さらに、H. pylori陽性児の母親の陽性率が高かったことは母親から園児への感染が最も重要であることを示している。