著者
大前 元伸
出版者
『年報 地域文化研究』編集委員会
雑誌
年報地域文化研究 (ISSN:13439103)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-21, 2014-03-31

Le présent article veut traiter du « discours » comme question centrale chez Jean-François Lyotard, en examinant notamment son oeuvre Discours, figure. Notre discussion commencera par clarifier la problématique générale de Discours, figure. Suivant une hypothèse selon laquelle Lyotard vise à décrire l’ « extériorité » de la langue, nous analyserons l’interprétation lyotardienne des théories de Freud qui, selon le philosophe, porte sur la relation entre le linguistique et le non-linguistique, permettant au philosophe d’introduire dans sa discussion la pulsion forclose qu’est la figure et le désir qu’est son expression. L’impossibilité de verbaliser la figure conduit Lyotard à analyser la fonction du désir. Il reconnaît dans le discours le désir à l’oeuvre, qui a les deux aspects contradictoires : régulation discursive et destruction figurale. Grâce à l’interprétation originale de la pulsion de mort, cette contradiction est considérée comme conflit entre le réglage et le déréglage de l’énergie, ce qui lui permet de déclarer que le discours tend à se détruire tout en se stabilisant. Cet argument nous amène à nous poser la question radicale de savoir si la philosophie lyotardienne n’est plus vraie vu que sa critique du discours s’applique au sien. Toutefois, elle consiste à affirmer que le discours ne représente pas une vérité, mais il est un lieu où advient ce qui est à penser. En commentant d’autres ouvrages tels qu’Économie libidinale et Le différend, nous montrerons que Lyotard a pour objectif la déconstruction de l’opposition extériorité-intériorité du discours et que cette problématique persiste pendant tout son parcours philosophique. Ainsi la pensée de Lyotard se manifeste-t-elle comme une quête sans cesse de problèmes plutôt que de la solution.
著者
シー ハワード 土井 正男
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.480-483, 1991-12-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
江上 敏哲
出版者
大学図書館問題研究会
雑誌
大学図書館問題研究会誌 (ISSN:13489186)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.15-26, 2005-06

海外図書館を訪問・見学する際の準備・実践について、経験・反省点を報告する。訪問にあたっては、明確な動機・問題意識・目的設定が不可欠である。訪問先候補をリストアップ・選定し、コンタクトをとり、訪問の承諾を得て、スケジュールを組む。訪問に先立って予習が不可欠である。予習は先方に対する基本的な礼儀である。また余裕ある訪問・見学のためにも、予習を充分に行なうのがよい。事前質問票の送付には、先方に回答を用意する時間を持ってもらう、こちらの訪問意図を具体的に伝える、こちらの熱意を伝える等の効果がある。予習した上で事前質問を作成することによって、疑問点が明確になる。訪問当日に集中できるよう、充分な事前準備が必要である。帰国後に調査結果をまとめ、発表・報告を行ない、次のステップへとつなげる。
著者
岡本 健
出版者
関西学院大学社会学研究科
雑誌
KG/GP社会学批評 別冊: 共同研究成果論集 / 山北輝裕・谷村要・稲津秀樹・吹上裕樹(編) pp.77-95
巻号頁・発行日
2011-02

本論文では,情報社会において旅行者と他者とのつながりがどのように創出されるのかということについて,ネット上のコミュニティオブインタレストと地域社会の地域コミュニティの出会いの場を形成しているアニメ聖地巡礼を事例として議論する.アニメ聖地巡礼は,アニメの背景に描かれた場所を聖地としてそこを訪ねる行為であるが,実際の地域に足を運ぶことから,地域住民と関係性を構築し,地域振興に展開する場合がある.本論文では,そのような展開が見られた埼玉県北葛飾郡鷲宮町を事例とする.特に,鷲宮町で催行される土師祭で「らき☆すた神輿」が登場したことに着目し,その発案や実施の経緯,担ぎ手への聞き取り調査や質問紙調査の結果を分析する.その結果,情報空間,現実空間の双方で多様なコミュニケーションがなされ,つながりが創出されていることが明らかになった.無論,このつながりは自動的に出来上がったわけでは無く,地域側が様々な形でファンの価値観を認めていることを発信し,ファンもそれに応えた結果であった.これは,ファン同士が現実空間で集まる「オフ会」とは異なる性質を持つ.特定の地域に身体的に赴く,という観光の機能によって,地域コミュニティの成員とのつながりが形成され,社会関係資本化している.いわば,つながるはずの無かった人々同士のつながりの形成であり,新たなコミュニティのあり方を提案した実践であると言えよう.
著者
藤原 辰史
出版者
京都大学図書館機構
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.13-16, 2006-06
著者
菊池 浩光
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.105-138, 2013-12-25

古来から,心的外傷になるような衝撃体験は日常生活の中にあったはずで,神代の「古事記」の中にも外傷体験と思われるエピソードが見出される。本論では,わが国で人びとが心的外傷体験をどのように受けとめて対処してきたのかについて論じる。 明治期以降,日本は急速に近代化を進め,鉱工業や土木業が隆盛になり,労働災害後の,とりわけ頭部外傷を伴うさまざまな症状への対応が求められるようになった。すでに西欧で議論されていた心的外傷概念は,「外傷性神経症Traumatische Neurose」や「災害神経症Unfallsneurose」として移入された。これらの疾患は,現在のPTSD の近似概念と考えられてきたが,ヒステリーや器質的疾患が含まれるなど多義を擁して統一見解に至らず,また,多くの医家には賠償欲求が引き起こす心因性のものとして受けとめられていた。わが国では,戦前,戦後を通して心的外傷研究には関心が寄せられず,阪神・淡路大震災(1995)の発生で初めて注目を集めるようになった。
著者
北原 モコットゥナシ
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
アイヌ・先住民研究 (ISSN:24361763)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.7-34, 2021-03-01

本稿では、先住民研究において重要な知見を提供してきた歴史的トラウマ概念を取り上げ、アイヌ民族研究における有効性を考える。現代のアイヌ民族の文化状況は、近代のそれとは大きく変化し、偏見や差別を引き起こす文化的差は減少してきていると考えられる。その反面、民族性の違いに起因する疎外感やアウティング(属性の暴露)に対する恐怖といった状況はそれほど変化しておらず、それがアイヌのとしての自己肯定感を持ちにくい状況を生んでいる。歴史的トラウマと、スティグマの概念を導入することによって、こうした状況の説明が可能になる。 次に、トラウマを可視化することと、その解消が研究上・政策上の課題であることを述べる。従来のアイヌ政策では、こうした悲嘆・トラウマの存在やその治癒が意識されないか、軽視され、もっぱら文化振興に重心がおかれてきた。文化の喪失とトラウマは、連動してはいるけれども完全には重ならず、文化を回復すれば差別による問題も解消するわけではない。今後の政策においては、文化復興とは別にトラウマの解消に取り組むこと、その際、他の差別やハラスメントにおける加害防止プログラムなどを参照すべきことを提言する。
著者
Kajihara Hiroshi Gibson Ray Mawatari Shunsuke F.
出版者
日本動物学会
雑誌
Zoological Science (ISSN:02890003)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.491-500, 2003-04
被引用文献数
7

Potamostoma shizunaiense gen. et sp. nov. (Nemertea: Hoplonemertea: Monostilifera) is described from the mouth of the River Shizunai, Hokkaido, Japan. This genus is readily distinguished from other monostiliferans by an oesophagus opening far anteriorly into the rhynchodaeum, a well developed excretory system extending the whole body length, terminals of the excretory collecting tubules situated between the body wall circular muscle layer and the dermis, and bilobed testes in males.
著者
三浦 清美
出版者
北海道大学スラブ研究センター
雑誌
スラブ・ユーラシア研究報告集
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-23, 2012-03

文化空間としてのヴォルガ. 望月哲男, 前田しほ編
著者
阿部 智和 山口 裕之 大原 亨
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.171, pp.1-26, 2019-03

セイコーマートは、2000年代前半に、事業の拠点としてきた北海道にターゲット市場を絞り、価値提案を当該市場に適したもの (プライベート・ブランドの展開、店内調理の導入など) へと変化させていく。さらに、この動きに併せて、取扱品目の生産・物流部門の内部化 (垂直統合) を進めていく。本稿の目的は、この動向を追跡することにある。具体的には、当時の競争環境について概観したうえで、同社の物流活動、販売活動、生産・調達活動を記述する。最後にこれらの活動間のシナジー効果を示す。
著者
高橋 勅徳
出版者
東京都立大学大学院経営学研究科経済経営学会
雑誌
経済経営研究 (ISSN:2434690X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-31, 2021-03-20

The purpose of this paper is to approach the formation, maintenance andexpansion of emerging markets, the process by which people are socially formed as market participants, using auto-ethnographic methods. In previous research, the formation, maintenance and expansion of emerging markets have been viewed as a type of transaction involving the emergence of new values, such as populations, networks and clusters, on the one hand, and on the other hand, from legitimizing activities, such as entrepreneurs' alliance with industry standards and institutional authorities. In this paper, therefore, I use autoethnography, in which researchers themselves register with marriage counseling agencies, to clarify the marriage activity market, which was formed as an emerging market in the 2000s.
著者
田上 善夫
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.169-194, 2010-11

本論では,風の祭祀にかんして,まず現在の実態を明らかにする。とくに風の祭祀の分布密度の高い,信越地方とその周辺を例として,特色のある民間行事をとりあげる。こうした風の祭祀について,とくに以下の3点から分析を加える。まず共通点の多い,信州とくに諏訪周辺の風の祭祀からの分析である。次に記紀に始まる古文献にみられる風の祭祀からの分析である。さらに風の三郎とかかわりの深い,全国に進出した諏訪信仰からの分析である。最後にこれらの分析に基づいて,風の祭祀にみられる風の観念について,検討を試みる。