著者
ボルジギン 呼斯勒 ミャグマルサムボー G. ウルズィードゥーレン S.
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、現地調査と文献研究の両面からハルハ河・ノモンハン戦争(ノモンハン事件)をめぐる中ソ、中モ交渉の真相を考証することを目的とした。モンゴル、ロシア、台湾、中国、日本の諸公文書館、図書館に所蔵されている、これまで使われてこなかった諸史料や聞き取り調査で得られた成果に基づき、中国政府がソ連・モンゴル連合軍のノモンハンでの対日本・満洲国軍との戦いを拡大させるため、いかにソ連、外モンゴル政府を説得したか、いかにアメリカ、ドイツ、イギリス政府に働きかけたかについて検討するとともに、同戦争における中国の対ソ、対日諜報活動や、当時のドイツ政府の同戦争に対する立場とその対応などを明らかにした。
著者
チャン ティフン 松岡 直之 谷口 直樹 後藤 四郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,Barucci-Froeberg, 後藤-松岡-Phuongにより導入・展開された1次元almost Gorenstein環論を完成させ,高次元論に発展させることである。その中でも,Rees代数,行列式環,Arf環のalmost Gorenstein性解析を行い,それぞれ判定条件が得られた。並行して,非Cohen-Macaulay環論の充実のため,Rees代数のsequentially Cohen-Macaulay性解析を行った。
著者
石川 本雄 藤野 貴康
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中国大同炭を燃料とする空気燃焼弱電離プラズマのエンタルピー、導電率、電子移動度などの熱力学的諸量の熱平衡計算を行い、1次元解析により高性能MHD発電機の設計を行った。ついで、ファラデー形MHD発電機の安定性解析を行い、設計したMHD発電機は安定であることを確かめた。さらに、CO2回収方式MHD発電機内衝撃波と境界層の相互作用の解明に関して、側壁電極を持つダイアゴナル形MHD発電機内の圧縮波と境界層の相互作用を明らかにした。
著者
市島 宗典
出版者
中京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、1996年以降、衆議院の選挙制度として用いられてきた小選挙区比例代表並立制下において、国庫支出金を主とする補助金の各地方自治体に対する配分を手段として利用することによって、政権の維持を可能にしてきたということを実証的に明らかにすることである。財政を拡大しにくい、一様に補助金を減らす方向である場合にあっては、政権与党に対する支持の高い地域ほどその度合いが緩やかであることが明らかとなった。したがって、補助金を手厚くする局面にとどまらず、補助金を減らす局面においても、その配分には政治的な影響がみられるということである。
著者
岩崎 奈緒子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の特色は、寛政期の対外政策を、当該期を世界観の変容というダイナミズムの中に位置づけた点にある。具体的には以下のことが解明できた。(1)蝦夷地政策に積極的であった田沼期と蝦夷地幕領期との間に位置する寛政改革期は、蝦夷地政策を展開させる重要な一段階であった。(2)対ラクスマン外交は、むしろ、日本の伝統的な対外関係のあり方に即して策定された(3)定信はロシアに対する深い知識を背景に、礼節を持った法治国家、すなわち、文明の国として、ロシアに対し日本を対置した(4) 「鎖国」の観念がナショナリスティックな色彩を帯びつつ、日本の国是として定着する契機は、日露紛争という近世日本が初めて遭遇した深刻な対外的危機にあった。
著者
友永 雅己 森阪 匡通 伊村 知子 中原 史生 林 美里 田中 正之 足立 幾磨
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-05-31

チンパンジーなどの大型類人猿とハンドウイルカなどの鯨類を主たる対象として、われわれ人間の知性の進化を、特に系統発生的制約と環境適応という観点から比較認知科学の手法を駆使して検討を行ってきた。研究は、物理的世界および社会的世界の知覚・認識・理解に関して様々な観点から多様な種を対象に実施された。その結果、基礎的視知覚、空間認識における身体的制約、イルカ類における道具使用的行動、概念的メタファーの理解、他個体認識、聴覚コミュニケーションの種特異性と一般性、オランウータンやイルカにおける向社会行動の発現過程、チンパンジー、オランウータン、イロワケイルカにおける母子間関係の発達的変化を明らかにした。
著者
高橋 憲二
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、過疎地域において、人口減少及び地理的条件不利により、従来型の社会サービスや社会福祉サービスの提供を困難にする中で、高齢期の在宅生活継続の社会的条件を探ることを目的に実施した。そのために、この4年間、島根県江津市桜江町内9集落、津袖野町4集落、大田市温泉津町6集落、浜田市金城町2集落の全世帯調査を実施した。主な知見は以下の通りである。1.島根県下においては2004年度の限界集落数は416集落になっている。今回の調査では21集落を調査した。これは、県下全集落数(3,586集落)の0.58%に相当する。2.限界集落の政策要望は次の3点に集約される。まず、僻地で生活できるだけの年金の保障をおこなうこと。そして、介護保険料や利用料の利用者負担の負担減をおこなうこと。さらに、交通費の負担軽減措置をおこなうことである。3.集落は住民にとって基本的で最小の生活圏である。従って、生活を維持する上で最低限の社会的サービスが堤供されることが必要である。それは、交通手段の確保や、生活環境基盤の整備、食料品・生活必需品の調達、及び郵便・金融サービス、そして介護サービスの提供が求められている。4.市町村合併によって周迦集落の生活支援施設が撤退している。生活必需品を購入できるシステムを再構築するとともに、行政だけではなく、地域住民や民間事業者など多様な担い手との連携・協衝を加えた社会サービス提供手法の検討が求められている。5.高齢化と集落衰退の進行の中で住民の危機意識は高まっている。一部では地域の互助活動や行政と住民活動とのコラボレーション、コミュニティ・ビジネスなども活発に行われている。しかし、こうした動きを広げていくためには、行政によるこれまで以上の財政的、人的なサポートが必要となっている。
著者
田中 元志
出版者
秋田大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

平成12年度は,足音のパワースペクトルの包絡線形状が歩行者,及び履物によって異なることに着目し,その形状をニューラルネットワーク(NN)に学習させることにより,足音の識別を試みた。本研究では,簡単な構成である入力層,中間層,出力層からなる3層の階層構造NNの適用を検討した。学習アルゴリズムにはバックプロパゲーション法を用いた。学習・認識用足音については,11年度と同様に,本学学生に協力して頂き,木造家屋内で歩行時の足音を採取した。履物条件は,家屋内で一般的なスリッパ,靴下,裸足とした。マイクロホンを床上に設置して,歩行時の足音をDATレコーダで録音し,インターフェースを介してパーソナルコンピュータ(11年度に購入)に取り込み,足音データベースを作成した。周波数解析により足音波形のパワースペクトルを求め,その包絡線を求めた。そして,可聴周波数帯域である50Hz〜18kHzの範囲から3〜45点を取り出し,これを特徴パラメータとした。処理プログラムは全てC言語で開発した。特徴パラメータの数によって学習回数,及び教師信号と出力結果の誤差が異なり,試行錯誤の上,NNの入力層のノード数を34,中間層のノード数を47とした。また,結果を0と1の組合せで識別できるように(例えば,歩行者Aのスリッパの足音が00,靴下が11),出力層のノード数を識別したい足音の種類(歩行者,あるいは履物)に応じて2(4種類まで)または3(8種類まで)とした。歩行者を特定して履物を識別した結果,約99%の認識率が得られた。また,履物を特定して歩行者を識別した結果,約91%の認識率が得られ,NNの歩行認識への適用の可能性が示された。
著者
北條 慎太郎
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

申請者は、亜鉛トランスポーターが輸送する亜鉛イオンがシグナル因子として機能し(亜鉛シグナル)、骨軟骨代謝や免疫応答に深く関わることを明らかにしてきた。亜鉛の欠乏症は重篤な免疫機能の低下を引き起こすことが知られているが、亜鉛や亜鉛トランスポーターがどのように免疫系を制御しているのか、その分子機序は明らかにされていない。本申請研究は、免疫系の一つの柱である抗体産生に関わるB細胞において高い発現を示す亜鉛トランスポーター ZIP10に注目し、B細胞特異的にZIP10を欠損したマウスを構築することによってその機能を解析した。ZIP10欠損マウスでは末梢の成熟B細胞の減少が認められ、それが関与する抗原特異的な抗体産生能が減弱していた。また、ZIP10を欠損したB細胞の寿命は野生型と比較して短く、この表現型はB細胞内因性の異常に起因していることが判明した。成熟B細胞の生存や抗体産生能はB細胞受容体(BCR)シグナルによって制御されていることが知られている。ZIP10欠損B細胞では、BCR刺激依存的な細胞増殖能の低下が認められ、BCRシグナル伝達の異常が確認された。興味深いことに、予想に反して、ZIP10欠損B細胞ではBCRシグナル伝達の中心的な役割を果たすSrcファミリーキナーゼ LYNの活性化がBCR刺激後に亢進しており、この原因の一つとしてLYNの制御因子であるCD45の脱リン酸化活性が減弱していることがわかった。すなわち、今回得られた結果は、ZIP10がBCRシグナル伝達における新規のレギュレーターであり、CD45の活性を介してシグナル強度を調節することによって、B細胞の機能を制御していることを明示するものである (論文投稿準備中)。本研究は、第八回 トランスポーター研究会年会 優秀発表賞 および 第86回日本生化学会大会 鈴木紘一メモリアル賞 の表彰を受けた。
著者
柿沼 陽平
出版者
帝京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

申請者はこれまで、中国古代において貨幣(経済的流通手段)とそれを中心とする貨幣経済が具体的にいつどのように展開し、それが当時の社会にいかなる影響を与えたのか、また当時の人びとがそれにどう対処したのかについて検討してきた。本課題はその一環をなすもので、とくに前漢武帝~王莽期の貨幣経済史について検討した。検討の結果、前漢後半期~王莽期の貨幣経済の動態は、従来一般に想定されているほどに激変を伴ったものではなく、むしろ継続的側面が濃厚であると考えるに至った。またその反面、前漢貨幣経済は武帝期に大きく変化したようである。
著者
山崎 健一
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

地震波の伝搬と同時に電磁場の変動が観測されることがある。この研究では、震源からある程度離れた場所での現象に焦点を絞って、既知の物性理論から予測される地震時電磁場変動を計算し、それを観測事実と比べることにより、仮定した既知の理論だけで観測事実を説明しうるのかを明らかにすることを試みた。その結果、既知の理論だけでは説明できない変動が含まれていることが確認された。このことは、地震動を電磁場変動に変換する未知のメカニズムがまだ存在することを示唆している。
著者
高橋 淑子
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14年度は主に、ヤマトヒメミミズの再生過程でなにがおこっているのかという基本的な知見を得ることに集中した。得られた結果を以下に示す。1.再生過程におけるからだの前後極性を知るために、5種類のHox遺伝子のcDNA断片を得た。2.より効率よくシグナルを得るためのin situ hybridization法を探索した。3.人工的にミミズを切断した直後、どの細胞種が再生過程の中心的な役割を担うかについて、増殖細胞のマーカーであるPCNAを用いて、切断後経時的にその発現を観察した。結果、ネオブラスト周辺の数細胞が最初に増殖を開始することがわかった。これに引き続き、表皮が増殖能を獲得することも観察された。4.再生過程に特異的に発現する遺伝子群を探ることを目的に、ESTプロジェクトを開始した。平成15年度は、前年度の観察から得た再生過程でみられるイベントの知見をもとに、分節と再生に関与する遺伝子を同定することに注目した。今年度の活動と得られた結果を以下にまとめる。1.前年度から進行しているESTプロジェクトの結果に加えて、「再生中ミミズ」と「再生を完了しているミミズ」のサブトラクトラクションを行うことで、再生芽に特異的に発現する遺伝子の候補を34クローン得た。2.これら全ての遺伝子についてin situ hybridization法を用いて、発現パターンによるスクリーニングを行った結果、再生中期の再生芽に発現する21遺伝子を特定した。また、このうち11遺伝子は既に再生初期で発現が認められた。3.上記の結果を発現パターンでカテゴリー別に分類したところ、再生初期から表皮に強い発現をみせる遺伝子、表皮を除く再生芽に発現する遺伝子をはじめとして、さまざまな発現パターンを示す遺伝子が得られた。これらの活動から、ヤマトヒメミミズの再生過程の分子機構に関し、全く新しい知見を多く得ることができた。
著者
高橋 雅延
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.実験1強烈な感情が対人記憶に及ぼす制御効果について検討するために、ある人物の一日の行動を写した写真18枚を材料とし、情動的な刺激(死体)を提示した場合(情動群16名)の前後の記憶について、情動的な刺激を提示しない場合(中立群16名)の再認記憶と比較検討した。その結果、ネガティブな感情が対人記憶に対して順向抑制効果を与えることが明らかとなった。これは、そのような状況において、精緻な処理が行えず、記憶が悪くなったのではないかと考えられた。2.実験2ある男子大学生の一日について述べられた文章を材料とした。そして、この男子学生に抱く対人感情(ポジティブ感情、ネガティブ感情)を操作するために、その人物の友好的描写を読ませるネガティブ感情群27名を設け、1時間後に、文章の偶発自由再生を求めた。その結果、対人記憶課題では、ポジティブ感情をもった群の方が、行動の種類によっては、そのような感情の源となった行動とは一致しない敵意性行動の再生成績が高い傾向が見受けらた。このように、行動によって結果のパタンが異なることから、矛盾情報というように一つのカテゴリで行動をまとめてしまうのではなく、矛盾情報の中でも、細かく行動別に調べていくことが必要であると思われる。
著者
錦織 淳美
出版者
岡山大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

○研究目的 :病院-薬局薬剤師の真の連携を実現するために、病院薬剤師による入院患者の服薬アドヒアランス評価および患者指導データを薬局薬剤師と共有し、患者の外来診療での服薬アドヒアランス総合評価を各種病態・検査値の変化と共に経時的に観察する。さらに、如何なる患者の特性が服薬アドヒアランスの維持に影響を与えるかを薬局薬剤師からの情報をもとに明らかにする。○研究方法 :対象は岡山大学病院循環器内科病棟に入院歴のある冠動脈疾患、心不全の慢性疾患患者とし、以下の調査を行った。1, 入院患者のこれまでの服薬(服薬アドヒアランスを含む)に関する自己評価、2, 病院薬剤師による服薬評価、3, 薬局薬剤師による服薬評価、4, 外来での病識・薬識の経時的変化調査、である。薬剤師は、患者の入院・外来通院中における病識・薬識・内服コンプライアンスを各5段階で評価を行った。また薬局薬剤師は、処方薬の残数チェックにより、服薬アドヒアランスの厳守度を経時的に評価した。また、心血管リスク因子として脂質検査値(LDL、HDL、TG)、血糖検査値(HbA1C(NSGP)、IRI)や腎機能検査値(Cr、UA、K)を経時的に調査した。さらに、患者の疾病再発率と患者の特性との相関を検討した。○研究成果 :計10例の患者情報を収集・解析した。病院および薬局薬剤師間で病識・薬識・内服コンプライアンス評価が一致する場合がほとんどであったが、一部、評価が異なる場合もみられた。アドヒアランスに問題のある患者が抽出され、より効果的な指導や処方提案につなげていくことが可能であることが明らかとなった。また病院との患者情報共有により、適切に患者服薬指導を実施することができたと薬局薬剤師からの高い評価を受けた。今後、研究を継続し、外来患者の薬物治療管理・検査値変化・予後改善について調査を重ねていく。
著者
佐藤 克文 島谷 健一郎 依田 憲 渡辺 伸一 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成 高橋 晃周 坂本 健太郎 赤松 友成
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

加速度時系列データから簡便にスペクトログラムを作成し、k-means法による自動判別を行い,いくつかの行動にカテゴライズするソフトウェアーEthographerを作成した。本ソフトを用いることで、複数種類の対象動物から得られた加速度時系列データを簡単に解析する事が可能となり、対象動物毎の生理・生態学上の発見に加えて,種間比較による研究成果が得られた。
著者
佐藤 朋子
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、精神分析の創始者フロイトによる生物学の知見の援用や生物学からの語の借用に注目し、彼独自の心理学的言説、なかでも情動の問題の錬成におけるそれらの意義を検討し、その一部を明らかにした。とくに痛み、喪、不安などの不快な情動について後期の彼が行った身体的次元の問いの提起がトラウマをめぐる思索の深化を伴っていることを明確にした。また二〇世紀ヨーロッパ思想史の観点から彼の情動概念の重要性を指摘した。
著者
泉家 康宏
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は運動療法の臓器保護作用を骨格筋由来ホルモンの観点から検討した。筋肥大が誘導できる遺伝子改変マウスでは腎疾患モデル後の組織障害が減弱しており、機序として腎臓でのeNOSの活性化が関与していた。骨格筋由来ホルモンを網羅的に探索し、Heme oxygenase-1 (HO-1)とThrombospondin-2 (TSP-2)をスクリーニングした。骨格筋特異的HO-1欠損マウスの解析から、HO-1は血管内皮細胞やマクロファージ由来である可能性が示唆された。TSP-2は心不全患者のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。本研究成果は骨格筋を中心とした臓器連関の機序解明に寄与すると考えられた。
著者
吉田 匡秀
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

社会的敗北ストレスによって視床下部背内側核、延髄弧束核、延髄腹外側核に存在するプロラクチン放出ペプチド産生ニューロンが活性化した。プロラクチン放出ペプチド遺伝子欠損マウスは恐怖の作動閾値が低下していることを見出した。プロラクチン放出ペプチドは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症を抑制できる可能性がある。
著者
原納 淑郎 大嶋 寛
出版者
大阪市立大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

本研究は, 燃料用エタノール生産の省力化を図るべく, エタノールならびにグルコース耐性に優れた固定化酵母を調整するとともに, それを用いたエタノール発酵と, 蒸留法よりも省力化できると見積られている浸透気化法によるエタノールの濃縮とを同時に行なう分離型バイオリアクターの開発を試みたものであり, 主として次の結果が得られた.1.高濃度エタノール生産用固定化酵母の調整1)アルギン酸カルシウムゲル包括固定化酵母に, ポリ塩化ビニル, ポリビニルピロリドン, ポリスチレン等の疎水性ポリマー粉末を20〜30%同時に包括することによって, 固定化酵母のエタノール耐性ならびにグルコース耐性が増大し, それにともなって回分法で達成されるエタノール濃度は1.5倍(15wt%)に増大した.2)エタノールならびにグルコース耐性が増大する原因(機構)について検討した結果, 疎水性ポリマー表面への吸着とポリマ表面近傍および液本体間のグルコースならびにエタノールの分配とが重要な因子であることが推察された.2.分離型バイオリアクターによる高濃度エタノールの連続生産1)ポリ塩化ビニルを同時に包括した固定化酵母による発酵とシリコンゴムチューブを用いる浸透気化を複合した流通式リアクターを用いることにより, 通常の発酵で得られるエタノール濃度の5〜7倍の270〜350g/Lの高濃度エタノールを連続的に生産できた. 酵母活性の半減期は2.5ケ月であった.2)本バイオリアクターは, 完全混合槽型リアクターとして取り扱えることがわかり, エタノールによる非拮抗阻害を考慮した本プロセスの動力学的把握を試みた結果, 実験データを充分に整理できるとともに, 種々の反応操作のシュミレーションが可能となった.
著者
赤石 記子 長尾 慶子 岩田 力
出版者
東京家政大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

加熱条件及び発酵条件の異なる小麦粉製品の抗原量に及ぼす影響について研究を行った。普通小麦粉及びスペルト小麦粉を用いてヨーグルト発酵液及び麹発酵液を添加した各種ソースを作成し、それらの抗原量を、発酵液を添加しない基準ソースの抗原量と比較した結果、いずれのホワイトソースに比べてもブラウンソースの抗原量が少なく、発酵液添加ホワイトソースでは基準ホワイトソースよりも多く低アレルゲン化の可能性が期待された。