著者
程 曼麗
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学国際社会文化研究所紀要 (ISSN:18800807)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.256-264, 2004-03-25

『華北新報』は日本降伏前の華北地域における最後のよく知られ,日本軍に操作された新聞である。物質節約及び宣伝強化を目指す "華北政務委員会" 政権の新聞新体制の産物である。『華北新報』はいくつかの新聞を作り上げた。これらの新聞は占領された地域の大多数の人々を,日本侵略者と全てを分かち合わせるとともに,人々の決戦情緒,必勝信念を呼びおこす使命を持つ新聞であった。『華北新報』は総合的な矛盾的新聞である。すなわち,素晴らしい新聞経営理念を含める一方,軍国主義を固守し信奉することを創建基礎とする新聞である。その矛盾性及び『華北新報』の分裂は経営者管翼賢の人格矛盾性及び人格分裂に必然的に反映される。
著者
住谷 昌彦 緒方 徹 四津 有人 大竹 祐子 宮内 哲
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.206-211, 2013-10-01 (Released:2014-10-15)
参考文献数
13

四肢切断後に現れる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には末梢神経系と脊髄での神経系の異常興奮とその可塑性に加え,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが最近の脳機能画像研究から確立しつつある.幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構をもとに,われわれが行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)についてその有効性と限界,そして今後の幻肢痛および神経障害性疼痛に対する新規神経リハビリテーション治療の可能性について概説する.
著者
井上 修一
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.275, pp.26-29, 1999-08

■今年5月,日本フードサービス協会(JF)の会長に就任した,ハングリータイガー(横浜市)の井上修一社長は「自分のような小規模企業の社長が,会長にまで押し上げてもらえる。JFは決して大企業の集まりではなく,外食企業の誰もが参加できる団体だ」と強調する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1706, pp.26-29, 2013-09-09

2009年、同社が限定公開した決済サービスは画期的だった。どんなスマートフォンでも備えているイヤホンジャックに、クレジットカードを滑らせる溝のついた「Squareリーダー」と呼ぶ小型端末を差し込み、専用アプリをインストールする。たったそれだけで、スマ…
著者
塩見 浩人 井上 和恵 中村 明弘
出版者
福山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

Komodaらによってラット脳より内因性睡眠促進物質として同定された物質が酸化型グルタチオンであったことから、中枢神経系におけるグルタチオンの新たな生理作用が注目される。本研究においては、睡眠誘発作用と抗侵害作用が密接に関連していることに着目し、グルタチオン(酸化型グルタチオン:GSH、還元型グルタチオン:GSSG)の抗侵害作用の作用機序解明を中心に研究を遂行した。【結果】(1)側脳室内に投与したGSSG、GSHは、釣り鐘型の用量依存性を持つ抗侵害作用を発現させた。最大の抗侵害作用を示す至適用量はGSSGでは0.41nmol/mouse、GSHでは0.82nmol/mouseであった。(2)GSSG、GSHの抗侵害作用はモルヒネ同様ネピオイド拮抗薬ナロキソン(0.5mg/kg s.c.)の前処置で完全に抑制された。(3)GSSG、GSHの抗侵害作用はNMDA受容体拮抗薬MK-801(0.3nmol/mouse i.c.v)の併用投与でも完全に抑制されたが、モルヒネの抗侵害作用全く影響を受けなかった。(4)GSSG、GSHの抗侵害作用はアスピリン(555nmol/mouse i.c.v.)、あるいはプロスタグランジンD2の選択的な合成阻害薬であるSeCl_4(9nmol/mouse i.c.v.)の前処置で優位に抑制されたが、モルヒネの抗侵害作用はこれらの薬物の前処置では全く影響を受けなかった。(5)GSSG、GSHは自発睡眠を優位に増加させたが、ネピオイド拮抗薬ナロキソンを処置することによりその効果が抑制された。以上、本研究において、中枢適用されたGSSG、GSHが、NMDA受容体に働き、プロスタグランジン系(プロスタグランジンD2)→オピオイド系を介して抗侵害作用を発現させることを明かにした。GSSG、GSHの睡眠促進作用もネピオイド拮抗薬で抑制されたことから、GSSG、GSHの睡眠作用にも抗侵害作用機序と同様のプロセスが関与している可能性を強く示唆することができた。
著者
富永 健
出版者
関西法政治研究会
雑誌
憲法論叢
巻号頁・発行日
no.1, pp.49-58, 1994-04-15

In this paper, I study three high courts decisions on the official visiting of the primeminister to the Yasukuni Shrine. I think that there are several problems in these decisions. And so I take up three points : (1) problem of standing to sue on the provision of the separation of religion and politics, (2) whether the religious personarity right is a legal right or interest, (3) what constitutional decision should be.
著者
柳原 邦光
出版者
鳥取大学地域学部
雑誌
地域学論集 (ISSN:13495321)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.227-251, 2009-03
著者
森 正人
出版者
三重大学人文学部文化学科
雑誌
人文論叢 (ISSN:02897253)
巻号頁・発行日
no.29, pp.45-55, 2012

本稿は一九〇五年に大阪毎日新聞社が開催した「西国三十三所順礼競争」に注目し、それが日本の近代化のプロセスに埋め込まれる様態を検討する。ここではギデンズの近代性の三つの側面、すなわち、時間と空間の切り離しと再編成、象徴的通標(貨幣)や専門化システムをとおした信頼に基づく社会関係の切り離し、思考や行為を吟味する再帰性が、順礼競争においてどのように現れていたのかを考える。競争という言葉が表すように、それは札所寺院間の空間的隔たりを交通機関を用いることで乗り越え、巡礼空間を圧縮し、それにより巡礼に要する時間を短縮しようとした。また、空間的に隔たった場所の地理的情報を、電信システムを用いながらできるだけ早く読者に発信したのである。順礼競争において巡礼の事物や行為の吟味も行なわれた。すなわち、慣習として巡礼に携帯してきた物品や衣装は取捨選択され、動きやすさを重視するために洋装も取り入れられた。情報伝達のための時間と空間を圧縮する近代的な装置の新聞社は、巡礼を宗教的な文脈からいったん切り離し、娯楽、観光、学問の文脈へと位置づけ直していった。とりわけ巡礼中に記される記事は、各地の地理的データの収集にも寄与した。その中で、巡礼空間の風景もまた、前近代的な風景観や身体感覚に根ざした宗教的な風景観とは異なり、風景を風景として対象化する近代的な風景観によって描写された。
著者
宮腰 淑子 五十嵐 修一 永尾 侑平 井上 重宏 佐藤 朋江 関谷 可奈子 新保 淳輔 佐治 越爾 森田 健一 佐々木 修 岡本 浩一郎 佐藤 晶 山崎 元義
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.8-15, 2012-01-25 (Released:2012-01-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)は,雷鳴頭痛を主徴とし,脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である.本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした.【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した.【結果】発症年齢は39-53歳(平均44歳)で,女性が4例,男性が2例であった.全例に雷鳴様頭痛を認めた.3例が脳卒中を発症し,全例が女性であった.脳出血が1例,くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった.ベラパミルが5例に投与され,症状改善がみられたが,1例に片麻痺の後遺症を残した.【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には,RCVSを鑑別に含める必要がある.
著者
福本 久人 田端 吉彦 岡本 美幸 筧 重和
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.28, 2012

<b>【目的】 </b>近年、高校卒業後の入学生における文章読解能力や文章表現能力の低下が著しい状況がある。文章読解能力の低下により、漢字が読めない、教科書や文献の内容について理解できないことが起き、定期試験の不合格や留年、もしくは退学につながるケースも少なくない。また、臨床実習においてはレポート作成や症例報告書の作成などの機会が設けられるが、その作成に膨大な時間を費やしたり作成自体ができないこともある。このような事に対応するため、当校では入学後コラムなどを用いて文章読解能力や文章表現能力の向上を試みているので報告する。<br><b>【方法】 </b>対象は、理学療法学科1年生40名とした。方法は、新聞のコラムを使用して行っている。最初の段階として、コラムを書き写すことからはじめ、次に語彙調べおよび文章内容の段落分けを行わせ、コラム内容についての理解度の向上に取り組んだ。最終段階として、文章内容の要約とタイトル設定を指示した。特に文字制限は設けないものの内容の理解度および文章表現の適切化についての指導を行っている。頻度としては、週に3回より開始し5回を限度として行っている。<br><b>【結果】 </b>最初の文章を書き写す段階では、書き写すだけでも非常に時間がかかる学生や誤字脱字が多い学生も見られた。しかし、これは繰り返し行うことで徐々に改善が見られた。次の内容についての理解の文書化については、何を書いてよいのかわからない、コラムの書き写しになってしまう、など多くの学生が文章化できない状況であった。個別に指導を行うことで改善されていったが、問題として非常に膨大な時間を費やさないとできないことであった。内容を理解するために必要な時間、理解した内容を文章表現化するための時間は、指導を繰り返す中でも改善されないケースも見られた。<br><b>【考察】 </b>高校までの教育課程の中で、コラム程度の文字数であっても文章を読む機会が少ないこと、内容を理解し文章化する機会が少ないことが影響しているのではないかと考える。また、携帯電話の普及や電子メールの普及により、他者とのコミュニケーションをはかる機会が少なくなっていることも原因の1つではないかと考える。電子メールなどでは、いわゆる略語や絵文字が乱用されており、時・所・場合に応じた適切な表現や言葉をしようされることがないため、電子メールの活用によって文章表現能力の向上にはつながっていかないと考える。<br><b>【まとめ】 </b>今回、入学生に対し文章読解能力および文章表現能力の向上を目的に、コラム課題を実施した。文章を読む、文章を書く事を習慣化させることで、一定の改善傾向はみられた。今後の課題としては、より有効な方法へと更に検討が必要ではないかと考える。<br> 本発表を行うにあたり、あいち福祉医療専門学校倫理委員会の承認を得ている。
著者
中山 剛史
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.383-408, 2008

ヤスパースの哲学は、実存と超越者とのかかわりにもとづくきわめて「宗教性」の高い哲学であるといいうるが、他方において、ヤスパースは哲学と宗教との相違を強調し、みずから「哲学」の立場に立って、権威への服従に基づく「宗教」に対して鋭い批判を行っている。とりわけ、「神が人となった」というイエス・キリストにおける神の「啓示」を唯一絶対の真理とみなすキリスト教の「啓示信仰」に対して、超越者の「暗号」を聴きとる「哲学的信仰」の視点から批判的な対決を行っている。ヤスパースは「啓示信仰」に対して、(1)神人キリストの放棄、(2)啓示の暗号化、(3)排他的唯一性の放棄という「三つの放棄」を要求するが、これは「啓示信仰」を「哲学的信仰」へと解消させることではなく、むしろキリスト教が教義への束縛と排他性の要求から脱け出て、その根源にある「真摯さ」へと立ち還ることを呼びかけるものである。ヤスパースの宗教批判の意義は、異なった信仰の根源同士が相互に出会いうる開かれた対話の道を開くことにあるといえよう。
著者
宮村 充彦 横田 淳子 西原 利治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.4, pp.579-582, 2016-04-01 (Released:2016-04-01)
参考文献数
9
被引用文献数
2 5

Nonalcoholic steatohepatitis (NASH) is a chronic progressive liver disease characterized by intense liver steatosis accompanied by hepatocyte destruction, inflammation and fibrous, despite little or no history of alcoholic consumption. There are also cases of drug-induced secondary steatohepatitis. Drug-induced steatohepatitis is a relatively rare type of drug-induced liver disease, but close attention to the possible onset of steatohepatitis is needed when drugs with the potential to induce fatty liver are prescribed for long term use. Estrogen is a factor indispensable to smooth fatty acid β-oxidation in hepatocytes. However, treatment with Tamoxifen markedly suppresses fatty acid β-oxidation in the liver. As free fatty acids are toxic, their accumulation results in the activation of alternative fatty acid oxidation pathways mediated by CYP2E1 in cytosol and lipid peroxidases in peroxisomes in hepatocytes. CYP2E1 enhances lipid peroxidation and dicarboxylic acid synthesis via the activation of fatty acid ω-oxidation that injures mitochondria and results in the emergence of ballooned hepatocytes. In such cases, the attenuation of alternative fatty acid oxidation pathways could have some beneficial effects on mitochondrial injury, since fibrates (PPAR-α ligands) are potent enough to stimulate neutral fat consumption through the activation of peroxisomal fatty acid β-oxidation. Fortunately, fibrates attenuate serum estrogen levels by affecting estrogen receptor expression, so the co-administration of fibrates with Tamoxifen is expected to exert higher efficacy in breast cancer patients with Tamoxifen-induced hepatic steatosis.
著者
馬場 重樹 佐々木 雅也 安藤 朗
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.1099-1104, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
84

ヒトは腸内細菌叢と共生している。腸内細菌叢は宿主であるヒトの栄養代謝、防御機構、免疫機構の発達に大きく寄与している。ヒトの腸内細菌叢の異常はdysbiosisと呼ばれ、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群、メタボリック症候群、喘息、心血管疾患など種々の疾患との関連性が示唆されている。また、dysbiosisの原因として、抗菌薬やプロトンポンプ阻害薬などの薬剤だけでなく、欧米型の食事、環境因子など種々の要因が考えられている。日本人の腸内細菌叢は他の国と比較し生体に有益な機能を有していると報告されているが、ここ数十年で炎症性腸疾患の患者数が爆発的に増加しており、欧米型の食事パターンとの密接な関連性が示唆されている。腸内細菌叢は食事内容の影響を大きく受けるためdysbiosisの原因となるライフスタイルを避ける必要がある。本稿では腸内細菌叢の機能やdysbiosisがどのような要因で生じるのかについて解説を行う。

2 0 0 0 OA 俗謡開点

著者
田中巴雷 作歌
出版者
国性文芸会
巻号頁・発行日
1925

2 0 0 0 OA 歌沢茶話

著者
英十三 著
出版者
町田書店
巻号頁・発行日
1926