著者
加藤 智絵里
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.337-340, 2005
被引用文献数
2

神戸大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科にて2002年4月より言語聴覚士が定期的に口腔・中咽頭癌患者の術後摂食・嚥下障害のリハビリテーションに関わっている。術前よりオリエンテーションを実施しており,その内容と利点について述べる。また嚥下リハビリテーションの開始時には耳鼻咽喉科医師と共に嚥下機能評価を行うことや,実際によく実施している間接嚥下訓練と直接嚥下訓練について舌癌(部切,舌半切,舌亜全摘)と中咽頭癌に分けて具体的に紹介する。
著者
大下 祥枝
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学総合学術研究紀要 (ISSN:13426419)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-39, 2004-12-30

バルザックの5幕劇『継母』は、1848年5月に歴史劇場で初演された。その稽古の最中に作家は、戯曲を通して何を訴えようとしたのか、以下のように述べている。「新しいこと、それは生活の中の真実を描くことである。簡素で平々凡々と営まれている家庭が舞台にかけられているが、その営みのもとで恐ろしいドラマが展開するのである。」この『継母』を取り上げた小論は二部構成になっており、本稿の第一部では、主としてテキストを中心とする調査方法に則り、「生活の中の真実」を観客に実感させるためにどのような工夫が凝らされているかを探ってみた。第I項で作品分析を試み、第II項から第VII項において、主要テーマ、場面展開の方法、登場人物の構想、使用語彙の特徴、小道具、タイトルとサブタイトルに関して、順次考察を加えた。主要人物四人の性格付けや、彼らを取り巻く人物たちの行動パターンの調査によって、若き男女が服毒自殺に追い込まれる悲劇的な結末は避けられないものであったと考えられる。台詞に使われている単語の類型化を通して、次のような特徴が明らかになった。結婚や恋愛に関する表現は、戯曲のテーマに添う形で多く用いられているが、同時に、娘と継母が一人の男性を巡って死闘を繰り広げる場面に呼応して、闘争や生と死に関連する単語も全編にちりばめられている。さらに、一家の主人を除く全員が何らかの秘密を持っているという設定のため、秘密の保持と暴露を表わす単語や、罪と罰に関するものもかなりの頻度で見られる。人物の行動や精神状態を反映させた単語を駆使し、家庭内の一つの事件の展開に現実味を与えながら大団円へと導く作家の手法を見て取ることができる。「生活の中の真実」描写を小説作品で試みてきたバルザックは、それを晩年の戯曲においても実現しているといえよう。タイトルの『継母』とサブタイトルの「私的なドラマ」については、それらが戯曲の内容を的確に表現しているか否かを、同時代の戯曲や辞典類を参考にしながら検討した。バルザックは当初、戯曲を『ジェルトリュード、ブルジョアの悲劇』と呼んでいた。タイトルとしては、そのヒロインの名前をとった『ジェルトリュード』が、そしてサブタイトルは後で付けられた「私的なドラマ」が、この戯曲に合致していると考えられる。なお、小論の第二部では、『継母』の成立に影響を与えたと考えられる他作家の作品、ならびにバルザックの劇作品や小説作品について考察した後、戯曲の公演の様子を再現するために新聞・雑誌の記事を調査する。最後に、1949年にシャルル・デュランがグランシャン将軍役を演じた『継母』のシナリオと原作との比較検討も試み、初演から一世紀を経た時、いかなる形で作品が受容されているかを明らかにする予定である。
著者
藤野 靖久 藤田 友嗣 井上 義博 小野寺 誠 菊池 哲 遠藤 仁 遠藤 重厚
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.304-310, 2009-06-15
参考文献数
13

除草剤のラッソー乳剤<SUP>®</SUP>を自殺目的で服毒し、短時間のうちに塩化ベンゼンによると考えられる全身痙攣,循環不全等を呈して死亡した症例を経験した。症例は52歳の男性で,うつ病のため通院中であった。自宅で倒れているところを発見され,救急要請。近くに空のラッソー乳剤<SUP>®</SUP> 500 ml入りの瓶が落ちており,服毒自殺による急性薬物中毒の疑いで搬送された。意識レベルはJCS 200,GCS 4(E1V1M2)であった。胃洗浄,活性炭・下剤を投与し,輸液等にて加療開始したが,発見から約12時間後より全身痙攣を発症し,痙攣のコントロール困難となり,頭部CTでは著明な脳浮腫を認めた。更に血圧低下を認め,昇圧剤にも反応しなくなり,発見から約22時間後に死亡した。当科搬入時のアラクロールの血清中濃度は8.0μg/ml,塩化ベンゼンは17.8μg/mlであった。ラッソー乳剤<SUP>®</SUP>は主成分がアニリン系除草剤であるアラクロール(43%)で,溶媒として塩化ベンゼンが50%含有されている。アニリン系除草剤中毒ではメトヘモグロビン血症を起こすことが知られているが,本症例では認められなかった。溶媒である塩化ベンゼン中毒では,肝・腎障害の他に脳障害や循環不全がある。本症例のように早期に死に至る大量服毒例では,塩化ベンゼンによる脳障害や循環不全が主な死因になると推測された。
著者
Jung Matthias Weis Christian Wehn Norbert
出版者
一般社団法人 情報処理学会
雑誌
IPSJ Transactions on System LSI Design Methodology (ISSN:18826687)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.63-74, 2015
被引用文献数
44

In systems ranging from mobile devices to servers, Dynamic Random Access Memories (DRAM) have a big impact on performance and contributes a significant part of the total consumed power. Conventional DDR3-based solutions are stretched thin as their maximum bandwidth is limited by the I/O count and interface speed. As new solutions are coming onto the market (JEDEC DDR4, JEDEC WIDE I/O, Microns hybrid memory cube: HMC or JEDECs high bandwidth memory: HBM) it is critical to evaluate the performance of these solutions and assess their suitability for specific applications. Furthermore, in systems with 3D stacking, the challenges of high power densities and thermal dissipation are exacerbated. It is crucial to have a flexible and holistic DRAM subsystem framework for exhaustive design space explorations, which can handle all this different types of memories, as well as the aspects of performance, power and temperature.
著者
斉藤信太郎
雑誌
精神医学
巻号頁・発行日
vol.43, pp.211-217, 2001
被引用文献数
1
著者
鈴木 昇一 佐久間 拓也 前田 英明
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.133-170, 1996

多段階認識法で用いられる2つのモデル構成作用素T○、T● が構成されている。認識システムは原パターンφを恰も、T○φ、或いは、T●φかのごとく、錯覚して、φの認識処理をすることが可能になる。 得られたモデル構成作用素は、数理形態学における開化作用素◆◆○、閉示作用素◆◆●に対応するものであり、2値化パターンについては、T○=◆◆○、T●=◆◆●と一致するものである。集合の特性関数を2値化パターンφとみなし、T○、◆◆○、T● 、◆◆●のべキ等性などが独自な方法で証明されている。 Two model-construction operators T○, T● are constructed here, which are needed to design a faculties of multi-stage recognition. A recognition system can extract features from Toφ, T●φ instead of φ and therefore can classify Tφ exactly as though Tφ were φ Two operators T○ and T● obtained here correspond to the opening operator ◆◆○ and the closing operator ◆◆● respectively. We shall show that T○φ=◆◆○φ and T●φ=◆◆●φ hold good for any binary pattern φ. The idempotencies of four operators T○, ◆◆○, T●, ●◆◆ are proved using the fact that a binary pattern is equivalent to the corresponding characteristic function of a set.
著者
保井 健呉 ヤスイ ケンゴ Yasui Kengo
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.1979-2058, 2015-03

研究ノート(Note)「ガザの自由」船団事件を契機に、封鎖法は様々な国内、国際機関からの評価を受けた。そこで、本稿では事件を手がかりに海上封鎖を分析し、その慣習法規則のあり方を明らかにすることを目的とする。封鎖法の検討では、中立国通商保護の要請から生じた伝統的要件に加え、第二次世界大戦後の人道規則の発展により生じた人道的要件を確認した。そして、「ガザの自由」船団事件におけるこれらの要件の評価を検討することで、今日の封鎖において適用される慣習法規則を確認した。After the Gaza flotilla incident, blockade law is analyzed by various institutions. Hence, this article will reveal the modern customary blockade law based on these reviews. In considering, I retraced the development of traditional requirements derived from protection of neutral benefits and humanitarian requirements affected according to the progress of humanitarian law after the WW2. Then, I confirmed modern customary rules of blockade through the analysis of the Gaza flotilla incident.
著者
杉森 保
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
1994

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:博士(理学) (課程) 学位授与年月日:平成6年3月25日 副論文・参考論文はPDFに含まれていません。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.587-598, 2016

<p>日本の電子出版30年の歴史を電子辞書と電子書籍の2つのコンテンツから概観する。日本の電子出版はCD-ROMの登場とともに誕生した。電子辞書は1980年代後半に生まれたCD-ROM辞書から始まり,1990年代後半には携帯電子辞書端末が主流となる。1999年iモードがリリースされると会員制のケータイ辞書引きサービスが生まれ,現在はネットワーク辞書とスマホ辞書アプリが主流になるなど時代によって媒体が変化してきた。現在はネット上の無料辞書引きサービスや検索エンジンに押されて有料電子辞書は苦戦をしている状況である。一方,電子書籍は電子辞書に比べると普及に時間がかかった。最初の電子書店は1990年代半ばにできたが,iモードによってケータイでコミックが読めるようになると徐々に普及が進み,スマートフォンの発売や米国での電子書籍のブームを受けて,日本でも2010年は「電子書籍元年」と騒がれた。現在はまだ印刷本の電子化という段階にとどまっているが,今後電子ならではの表現が加わることが期待される。</p>
著者
赤井 良行 李 昇姫
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.221-228, 2014
被引用文献数
2

In this thesis, the relationship between sound and colour has been analysed with two different methods. First, colours are applied to sounds using the psychological technique that is based on a study on synaesthesia. In the second approach, the ideal tones are linked to hues that are referring to adjectives. However, both methods have their disadvantages. This study investigates the relationship between timbres and colours with quantitative data from tonal structures.<BR>In the first step, the relationship between timbres and colours is aggregated by conducting an experiment with subjects. The results are compared with the quantitative structure of the tone colours. From the result, four basic laws that define the causal relationship between timbre and cool or warm colours have been defined: overtone, fundamental frequency, length of sound and decay of sound.
著者
桐山 信一 Nobukazu KIRIYAMA
出版者
創価大学教育学会
雑誌
創大教育研究 (ISSN:21851395)
巻号頁・発行日
no.22, pp.1-14, 2013-03

要約\n\n 福島における子どもの甲状腺検査結果(平成23・24年度)が報道され,ガン患者が一人見つかった。甲状腺異常のデータ(結節・嚢胞などの症状)を統計的に比較すると,平成24年度が23年度に比べて有意に増加していた(p<.001)。また,質的には5mm 以上の結節の出方で,過去に実施された長崎のデータに比べ,福島のデータには次の違いが見られた。\n(長崎:0,福島(H23):0.93,福島(H24):1.14;N=250換算)\n\n\n したがって,原発事故直後に福島の子どもたちが放射性ヨウ素による甲状腺被爆を受けた可能性が強く疑われる。また,甲状腺異常(特に大きな結節)が増加していることから,今後その中から悪性の甲状腺癌が発生する確率が高まるだろう。したがって,事故後4年以内では,甲状腺異常の出方に注目する必要がある。甲状腺検査データは,今まさにリアルタイムで起こっている危機的事象を示す貴重な資料であり,科学教育の題材としても重要なものである。\n\n\n The thyroidal inspection data (2011, 2012) of the child in Fukushima were reported in nets.One cancer patient was found in that. As a result of our analysis, the thyroidal abnormal cases(nodule, cyst) of 2012 were significantly increased statistically in comparison with those of 2011 (p<.001). For the nodule (5millimeters and further), a difference was seen in data of Nagasaki\ncarried out in the past and data of Fukushima. Therefore, children of Fukushima were more likely to expose to radiation in thyroid gland with the radioactive iodine just after the Fukushima nuclear plant accident. And because thyroidal abnormality continues increasing, it is thought the probability that thyroid cancer produces will rise in future from the abnormality\nincreased. Therefore, it will be necessary to pay more attention to thyroidal abnormal increase after an accident within four years. The thyroidal inspection data are right valuable documents indicating a critical phenomenon caused in real time now. It is important to use data of Fukushima for science education.