著者
光藤 英彦
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.363-375, 1994-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14

鍼灸医学における穴位主治の伝承は, 古方における方と証に匹敵すると考えられる。しかし唐代以後, その伝承の整理にはほとんど手がつけられなかった。その最大の理由は, 明堂経の亡佚である。近年, 黄帝内経明堂類成の一部が我が国の仁和寺において発見され, この研究に端緒が生まれた。1980年代の善本の復刻事業がこの方面の研究に拍車をかけた。私共の研究も, この流れの一端に位置する。私共の研究の特徴は, 穴位主治条文の字列構成を解析するという方法論を用いている点と, 医心方穴位主治の執筆者の見識を研究対象にしている点にある。私共は, この2つの視点から, 穴位主治の伝承を整理し, 伝承の本来の姿を明らかにすることを試みた。

2 0 0 0 OA 大坂五戦之圖

巻号頁・発行日
vol.[5], 1000
著者
岡崎 真博 森島 信 松谷 宏紀
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.89-90, 2019-02-28

近年、GPUなどのハードウェアを用いた処理の高速化、省電力化などが研究されている。また、扱われるデータ量が増え続けることが予想され、高速化、省電力化の需要はますます高まっている。本論文では複数のGPU(Graphics Processing Unit)をネットワーク経由で用いて、演算の高速化を行い、評価を行う。通常GPUは、マシンのPCIeに直接接続して使用することが多いが、大量のGPUを同時に使用する際や、複数のマシンで単一のGPUを使用する際にはネットワーク経由で使用する必要がある。本論文ではクライアントサーバモデルによる接続手法とPCIe over 10GbEによる接続手法の2つを使用し、特徴に合わせて割り当てを行う。
著者
五十嵐 由里子
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.311-319, 1992
被引用文献数
4

現代日本人女性の遺体20体にっいて,腸骨耳状面の前下部に認められ,妊娠や出産に関係すると考えられている窪みや溝を観察し,その強さと,妊娠や出産の経験との関係を調べた.遺体の死亡年齢は49歳から99歳にわたり,このうち出産の経験がある者は16体であった.出産や流産にっいての情報は,家族へのアンケートによって得た.これらの窪みや強さは,事前に近代日本人の骨格標本の骨盤を調査して作った三段階の基準(強い,弱い,無し)に従って判定した.<br>その結果,強い窪みや溝は経産婦にのみ現れ,窪みや溝が無いと判定された1例は未産婦であった(Table 1と2).さらに,妊娠と出産の回数がわかった個体にっいて,これらの窪みや溝の出現状況を分析した結果,これらの特徴が出産の際にではなく妊娠の間に形成され,その強さは妊娠の回数とある程度の相関を持っことが示唆できた(Fig. 6).また,最終出産後18年から65年たっても,これらの窪みや溝は消えないことがわかった(Table 1).
著者
黒須 朱莉
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.103, 2019 (Released:2019-12-20)

本研究の「IOCにおける国歌国旗廃止案」とは、オリンピック競技大会における国歌や国旗を用いた儀礼を廃止しようとする案のことを指す。これまで、1953年から1974年までのIOC関連会議では、国歌国旗の廃止を求める提案が審議されてきたことが明らかになっている。この間の廃止案の展開は、第1期(1953-1957)国歌廃止案の提起、第2期(1960-1963)国歌廃止案に対するIFの賛同とIOC総会での支持の広がり、第3期(1965-1968)国歌国旗廃止案の提起とIOC総会での支持の広がり、第4期(1973-1974)IOC総会における国歌国旗廃止案の消滅に区分することができる。その後の国歌国旗廃止に関わる諸事実は、オリンピックを対象とした文献や研究の中で断片的に触れられているものの、廃止案の連続性という観点からの検討は行われていない。以上のことから、本発表では1974年に総会の審議事項から消滅した廃止案のその後の展開を、1975年から1981年までに定め、この間のIOC関連会議における国歌国旗廃止に関する提案の有無、及び提案と審議の内容を整理し、1974年以前との連続性を検討することを目的とする。
著者
園生 智広
出版者
早稲田大学人間科学学術院
雑誌
人間科学研究 (ISSN:18800270)
巻号頁・発行日
vol.22, no.補遺号, pp.129-130, 2009-03-25
著者
菅原 尚子 武藤 泰明
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_211-2_226, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
15

One of the authors has analyzed the relationship between playing and spectating sports behavior during school-hood by setting adult sports spectating behavior as an explained variable, and confirmed a certain relationship. The purpose of this study was to clarify what timing of school-age the groups which come into contact with sports tend to continue or resume spectating sports in adulthood, based on the theory of carry over effect. The data was secondarily obtained from the research conducted by the Japan Volleyball League organization through an online survey. The respondents were asked whether or not they had experienced spectating or playing sports at each school-age stage (elementary school, junior high school, high school and university). Spearman′s rank correlation coefficients between spectating or playing sports in each school-age and the behavior modification stage of spectating were calculated, and Fisher's z-transformation and Bonferroni correction were used to evaluate the significance of difference in correlation coefficients for each school-age. As in the previous research on playing sports, the results revealed that spectating in university indicated significantly higher correlation with the behavior modification stage of current spectating, compared with other school-ages. In some cases of excluding the group that had been spectating since school-age, the correlation coefficients between spectating in elementary school/junior high school and the behavior modification stage of current spectating showed significant differences in comparison with other ages. This suggested that past experience may be carried over and facilitate resumption of spectating in adulthood, even when interrupted. Our results suggest that sports organizations are required to have a medium- to long-term perspective that takes into account the re-socialization of spectators while consciously targeting the school-age in which significant tendency is confirmed.
著者
高橋 B. 徹
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 = Bulletin of Jissen Women's University Faculty of Human Life Sciences (ISSN:24336645)
巻号頁・発行日
no.58, pp.31-40, 2021-03-19

大学生は研究活動を通じて問題解決能力や批判的思考力を身につけることができる。研究活動には専門知識や研究プロセスのスキルが必要になる.しかし,研究初心者は研究プロセスを理解していないことが多い.特に研究プロセスにおける問題発見の重要さを理解していない.本稿では,研究プロセスと問題発見の重要さを理解させるためのPBL を提案する.これは,学習者の研究プロセスの進行を支援しながら進めることで,学習者が研究プロセススキルを身につけることを目的としている。学習者は目標と現状を考えるためにカードソート法を用いる.問題発見にはなぜなぜ分析シートを使用する。解決策の策定には、問題解決マトリックスシートを使用する.評価の設定にはカードソート法を用いる.その結果、実験参加者の86%が研究活動を理解することができた。また、目標と現状の設定や解決策の策定に失敗することを抑えることができた.また、実験参加者は問題発見の意義についても理解した.一方で、問題発見すること自体や評価方法の設定には失敗している.
著者
吉岡 陽
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.334, pp.106-108, 2012-07

「15年足らずで産地を代表する大手がここまで力を失うとは……」一報を受けた取引先の担当者は、こう漏らした。眼鏡フレームの国内生産量の9割以上を占める福井県鯖江市。この地で名を馳せていた野尻眼鏡工業が3月30日、福井地裁に自己破産を申請した。 負債総額は約37億円で、2011年12月期の売上高は15億円ほど。
著者
安部 計彦
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.187-194, 2005
参考文献数
6

乳幼児期に体験した虐待はその後の人生に大きな影響を及ぼし,心身症状を示す例も多い.未熟で無防備な子どもは,圧倒的な暴力で安全を脅かされ,長時間放置される中で,心身のバランスを崩しながら,歪んだ形でその場に適応している.その結果,虐待から逃れ,成長した後も人生の長期にわたって歪みは残り,心身のバランスは歪み,人との安定した関係を築けす,自他への暴力や攻撃的な言動が現れる.また他者から支配されることを嫌い,自他の人を信用していないため,援助関係の構築も困難になる.このような虐待が心身症状として現れるメカニズムやその対応法について報告する.筆者は長年児童相談所で,心理判定員および判定係長として子どもや家族の治療や心理的援助を担当し,また相談係長として介入や家族調整,地域や関係機関による援助体制の構築を行ってきた.また長年,心理治療の一つである箱庭療法について,九州大学病院心療内科の先生方と勉強会を続けてきた.今回はこれらの経験をふまえ,児童虐待と心身医療の関係について述べたい.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1906年01月12日, 1906-01-12
著者
和田 修平 椎塚 久雄
出版者
The Japan Joint Automatic Control Conference
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.38-38, 2010

現在,音楽は色々なメディアを通し人々に浸透している.人々はそれぞれのニーズにあった流れで音楽を入手している.CDショップでCDを購入する際は,アーティストや曲やPOP,ジャケットなど多くの要素が購入のプロセスに影響していると考えられる.商品のパッケージは,消費者に知覚・認知,記憶させそれがイメージ喚起と繋がり,購入のきっかけになるとされている.本稿ではCDジャケットに着目し,CDにおけるジャケットの価値を見いだすことを目的としている.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.817, pp.179-183, 2002-03-11

1997年5月。松下電器産業の光ディスク事業部では,携帯型DVDプレーヤの開発部隊がデザイン担当者を交えて何度目かのデザイン検討会議を開いていた。このころ既に固まりつつあった携帯型DVDプレーヤの外部デザインを詰めるのが目的である。 「5.8インチ型の液晶パネルを使って,CDジャケット・サイズを実現すると,全体的なデザインはこんな感じになると思います。
著者
吉村 有矢 今 明秀 野田頭 達也
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.304-311, 2016-07-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
28

【目的】地方病院におけるPreventable Trauma Death(以下PTD)の検討,外傷診療の質の評価と向上【対象と方法】当院の2010〜2014年度における日本外傷データバンク登録症例を対象とし,Trauma and Injury Severity Score(TRISS)法と第三者を加えたpeer reviewによりPTDを判定した.【結果】死亡例は147例.受傷30日以内に死亡した予測外死亡は17例.peer reviewで5例をPTDと判定した.その原因は救急室の初期治療の遅れ4例,搬送先選定の誤り1例.一方,予測外死亡が死亡回避不可とされた理由は,既往症4例,重症頭部外傷3例,高齢2例,死因不明2例,合併症1例であった.【考察】本邦におけるPTDの報告は少ない.TRISS法のみのPTD判定には限界がある.第三者を加えたpeer reviewを追加することで,外傷診療の質の評価と問題点の抽出が可能となり,改善に取り組んだ.【結語】客観的なpeer reviewによるPTDの検討が必要である.