著者
眞鍋 えみ子
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

プログラムは、セルフモニタリング、行動目標の設定とホームワーク、望ましい行動に対する自己強化、自己教示指導、面接によるフィードバックから構成される。チェックシートは睡眠状態、胎動、腹部・出血、体重、食事、運動、生活、気持ち(快適度)、母親イメージ、赤ちゃんと話す(コミュニケーション)の11のチェック項目と自由記述欄からなる。健康行動学習プログラムの臨床的適用を検討するために、妊娠初期の初妊婦を対象に15〜34週までの20週間、健康学習プログラムによる介入指導を行いその効果を検討した。面接指導群20名には、セルフモニタリング(妊娠15週、22週、32週前後)と同一の助産師による面接(妊娠17週、24週、34週前後)を行った。記録群(29名)には、面接指導群と同時期にセルフモニタリングのみ行った。そして統制群34名を設定した。その結果、面接指導群と記録群では、特に食生活や日常生活動作に関するセルフケア行動意図の維持、向上、セルフケア行動の遂行レベルが高いこと、統制群では妊娠末期に不安が若干増強しているのに対し、面接指導群と記録群では妊娠経過と共に軽減するのが認められた。さらに、記録群では介入期間中に20%の者がドロップアウトした。セルフモニタリングは、時間と経済的な面からも効率的な効果が期待される。しかし、1週間の継続したセルフモニタリングができない妊婦はプログラムによる指導の対象外となること、セルフモニタリングの持続には、助産師の個別面接によるフィードバックは有効であることが示された。これらから健康学習指導プログラムは妊娠期のセルフケア行動の向上に有効であると確認された。
著者
岡田 裕成
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、スペインの植民地を中心とする新大陸の先住民像に焦点を当て、その類型と系譜、社会的機能を明らかにしようとするものである。ペルー、メキシコ、およびヨーロッパ各地で調査をおこない、そこで得られた作品および一次資料の分析に基づき、その表象が、自然科学的探査の成果と、古代のテクストなどの典拠に由来する人文主義的関心の双方に依拠して構築されたことを明らかにした。またその人工的なイメージは、植民地の先住民の自己表象の形成に重大な影響を与えたこと、先住民エリートの植民地社会への適応を演出する図像的な装置の役割を、祝祭などの場において果たしたことを明らかにした。
著者
町 博光
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

急激に変容する奄美諸島方言で、いくつかの伝統的な行事に参加した。2時間ほどの行事をビデオに収録することができた。これを文字化して、実際にどのような場面でいわゆる標準語が使用され、どのような場面で方言が使用されているかを観察することができる。開会のあいさつや来賓のあいさつ、また司会進行といった場面では、ほとんどがいわゆる標準語である。それに対して、個人的な呼びかけや話は方言が使われている。奄美諸島における方言の機能を浮き彫りにすることができた。
著者
中森 義輝 KROLZ bigniew KROL Zbigniew
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、新しい知識基盤社会の始まりに際して、知識科学という新しい認識法をどのように確立するかということを深く探究することである。さらには、数学と科学における直観的基盤をどのように説明するかということについて同時に考察し、知識創造における直観の役割を合理的に説明することである。本研究では、数学や科学の知識創造における直観の役割について歴史的な考察を行っている。科学理論は相対主義に固執しているように見えるが、技術や科学実践ではいまだに古典的真理に基礎を置いている。この矛盾を回避する方法を発見することにより、知識創造の新しいメカニズムの発見に結びつける。具体的には、数学の直観的基盤を探求するとともに、日常の数学訓練を説明するシステムの形成を行い、現代数学に対する説明方法の再構築を目指している。さらに、それを集合論へと展開するとともに、現代科学における絶対空間概念の創発についてのケーススタディを行う。平成20年度は特に、ウリツビッキーと中森が提唱している新しい学際的な知識正当化理論である「進化的構成的客観主義」の中のマルチメディア原理において重要であり、さらには知識科学の応用において重要となる言語の抽象的構造に関して考察を行った。また、古典数学に対する直観的解釈(クロールが提唱している知識正当化の方法)の再構築を試みた。これらの成果は、いくつかの論文(印刷中のもの2件を含む)、国際会議等において発表した。
著者
熊谷 道夫 辻村 茂男 焦 春萌 早川 和秀 秋友 和典 永田 俊 和田 英太郎
出版者
滋賀県琵琶湖研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

地球温暖化の進行に伴い、琵琶湖周辺の気温は過去20年間に約1℃上昇した。これは地球全体の平均値より5倍大きい。このような急激な気温上昇は、結果として琵琶湖周辺の気候を単調かつ安定なものに変えつつある。それに伴って、琵琶湖の深水層でも変化が生じている。平均水温の上昇や、溶存酸素濃度の低下、pHの変化、硝酸態窒素の増加、イサザの漁獲量の低下、塩素イオン濃度の上昇などが挙げられる。このような変化の相互相関はまだ明らかではないが、何らかの有意な関係があることが示唆された。琵琶湖深水層における酸素消費速度を高精度ウィンクラー法によって計測した。それによると、酸素消費速度は冬期に最大となり、8〜28μg/L程度で、夏期には減少した。この値は、見かけの酸素消費速度とほぼ同じであった。2001年〜2004年にわたって琵琶湖北湖の深水層で、自記式の酸素計を用いて溶存酸素濃度を計測してきた。2002年の冬は暖冬で、酸素濃度の回復が十分ではなかったので、その年の秋には、溶存酸素濃度が2mg/L以下になった。2003年の冬は寒く雪が多かったので、酸素濃度の回復が十分で、秋の酸素濃度の低下も小さく5mg/L以上であった。このように冬の気温が十分に低ければ、多くの量の酸素が供給されるので、酸素消費速度が著しく大きくならなければ低酸素にはならない。2004年の冬は暖冬で、全循環が2月までずれ込み、飽和酸素濃度も100%まで回復せず、あきらかな全循環欠損が発生した。このことは、秋に酸素濃度が低くなる可能性があるので注意深い観測が必要である。
著者
高綱 博文
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、戦時期(1937~45年)上海の経済・社会の変容と日本の国策会社・中支那振興株式会社の関連性を歴史的に検証することを目的とする。日本政府により華中地域の占領地開発を目的に、1938年11月に設立された中支那振興株式会社に関する史料を調査・蒐集し、その組織と活動の全容を解明するための以下のような基礎研究を実施した。第一に、中支那振興株式会社に関する史料調査・蒐集を国内外で行い、「中支那振興株式会社関係文献目録」を作成する作業に従事した。第二に、中支那振興株式会社の概要については、「戦時上海の経済・社会変容と中支那振興株式会社に関する基礎的研究」等をまとめた。
著者
小場瀬 令二 藤井 さやか 小山 雄資
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

2007年福田首相は「200年住宅」を提唱し、長期優良住宅施策が実現した。他方大都市では土地の細分化が進み、十分使える住宅が取り壊されている。そこで土地の細分化を防止する試みが各地で取り組まれた。東武東上線沿線など幾つかの各住宅地を比較検討を行った。建築協定や地区計画を実施することが有効だが、そこにいたる1歩として規制のゆるい憲章的なものであっても、住民の運動によっては一定の効果があることを明らかにした。
著者
栗林 景晶 渡邉 直樹
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

再生不良性貧血(Aplastic anemia;以下AA)は、汎血球減少症を呈する症候群である。本研究では、AA患者血清中に特異的に発現する8種類の自己抗体を同定した。これらの自己抗体のうち3つは、健常人と比べAA患者で上昇していた。また、免疫抑制療法不応例よりも反応例で自己抗体価は高く、また、それらが高いほど免疫抑制療法に対する奏功率も高かった。これらの自己抗体は、汎血球減少症の中から免疫異常を有する患者を抽出し、免疫抑制療法の効果を予測するマーカーとなると考えられた
著者
守田 昌哉
出版者
琉球大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

カワスズメ科魚類(以下ミクリッド)の精液中には精しょう糖タンパク質SPP120が存在し、このタンパク質はミクリッドに特徴的な口内受精行動において受精成功に寄与えるタンパク質と考える。一方で、タンガニイカ湖に生息するミクリッドには口内受精行動を示さない種が多くいる。本研究課題では、受精行動の変化とSPP120の分子進化率の関係性を検討した。その結果、数ある口内受精行動を示さない種の多くでは、複数のコドンの正の選択が明らかとなった。以上の結果は、行動の変化が受精成功に関わる遺伝子の進化に影響を及ぼしたことを示すものである。
著者
藤田 幸司 本橋 豊 金子 善博 佐々木 久長
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、ヘルスプロモーションの手法であるコミュニティ・エンパワメントの自殺予防対策における有効性を検討するために実施した。積極的な社会参加を促す地域づくり型の介入プログラムを実施した。前後に実施した悉皆調査の結果、コミュニティ・エンパワメントを実施した地域の認知的ソーシャル・キャピタルの向上が認められた。高齢者においては、コミュニティ・エンパワメントによる積極的な社会参加と住民同士の信頼を高める地域づくり型プログラムの実施は、地域のソーシャル・キャピタルを醸成させ、地域力を向上させる可能性が示唆された。
著者
林 徹
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、以下の独立開業ないし起業のプロセスのメカニズムの解明に向けて、部分的ながらもそれに資すると思われる事例を提供するものである。感情面における正の変化が生じると潜在的な起業者の見方が一変する。その後、感情面の起伏と経験が非直線的に進展する。物的資源の獲得と相俟って、懐妊期を経て、潜在的な起業者の顕在化に至る。しかし、特定のどの相手とのどのような相互作用が後押し(支援)となって潜在的な起業者(アクター)の正の感情の高まり(愛情)が惹起され、他方で経営資源がいかに束ねられていくのか。AETを背景とするこうした一連のメカニズムの解明は仮説段階にとどまっている。
著者
塚田 浩二
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,モバイル/ユビキタス環境において,なめらかな粒度の情報を傍受/操作できる新しいインタフェース技法の構築を目指す。本年度は,こうしたコンセプトに基づく具体的な応用例として,「WillCam:撮影者の興味を視覚化するデジタルカメラ」や,「イルゴール:家庭を奏でるオルゴール」などを提案した。WillCamは,時間・位置・温度・撮影者の表情といった周辺的なコンテキスト情報と,ユーザの興味の対象をアイコン化した上で,詳細な写真と一緒に保存するデジタルカメラである。さらに,シャッターを押す強さを圧力センサで検出し,写真や周辺情報への興味の強さを手軽に記録することができる。イルゴールは,家庭内に多数のセンサが組み込まれたユビキタスホーム環境において,オルゴールのメタファを用いて家庭の様子を音で表現する情報提示システムである。ユーザは,オルゴールのふたを開くことで,さまざまな生活音(e.g.話し声,ドアの音,キッチンの調理音)を通して家庭内の雰囲気を感じることができる。さらに,ふたの開閉度合いによって生活音の粒度(e.g.大きさ,数,種類)を制御したり,ぜんまいを回すことで過去の生活音を段階的に遡って鑑賞することもできる。今後は,システムの評価・改良を通して論文執筆や実用化を進めると共に,なめらかな粒度の情報提示/操作に着目したさまざまなユビキタス・インタフェースについて随時模索し,提案/試作を行っていく。
著者
河原 加代子
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
2006

1.本研究は、後遺症として認知機能に障害をきたす割合が高い脳血管障害者を対象に、リハビリテーション病院のベットサイドの生活空間において、患者の動作と脳血流の変化を測定することにより、認知機能のアセスメントと評価、そして具体的な看護方法を開発することを目的とする。2.対象は、リハビリテーション病院に入院中の脳血管障害者7名(男6名、女1名)と、健常者1,1名(男6名、女5名)の合計18名であった。測定用具は、非侵襲的かつ量的視覚的に測定可能な近赤外光イメージング装置fNIRS(functional near-infrared spectroscopy)島津製作所を用いて前頭葉の脳血流の変化を測定した。看護方法の課題(タスク)の作成と精選-歯をみがく、髭をそる、靴下をはく、靴をはく、ボタンをかける、手洗いをする、字をかく、塗り絵をぬる、字をよむ、ルービックキューブ、アイスマッサージ、箸をつかうなど16動作を実施した。3.全タスクにおいて、健常者、脳血管障害者の両者で、介助よりも自力で行った際の脳血流量の変化が著明であった。脳血管障害者が生活動作を再獲得していく過程において、自力で行うことへの看護介入の段階的な援助は、刺激として有効であることを新ためて視覚的に確認することができた。また「食べる」タスクは、他のタスクに最優先して援助される必要がある。「食べる」能力の再獲得は他の日常生活動作の能力を引き出すきっかけともなり得る。この脳賦活化の良質な刺激となるタスク動作の順序性と段階的な刺激の提示が、障害者の機能レベルに合致した介入方法としてプログラミングされることが重要である。こうした看護介入の根拠を明らかにすることは、同時に患者及び家族にとっても機能回復にむけた訓練の効果を視覚的に知ることが可能となる。
著者
今泉 裕美子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

①日米政府の刊行・未刊行史・資料、聴き取りから、信託統治への移行期に関する統治及び政策の全体像の提示、②米海軍が収集した日本の統治に関する情報が極めて限定されており、アメリカ文化人類学者の植民地社会分析を日本による統治の実態と突き合わせて検討、③信託統治への移行過程は、米軍の南洋群島占領統治から検討すべきこと、非現地住民引揚げまでで時期区分する必要性を提示、④米の極東政策と信託統治政策との関係を日本兵と非現地住民の帰還政策から分析した。但し⑤新たな史・資料を収集しえたが情報が僅少で、改めて今後の調査方針をたて、⑥当時10代後半以後の中等教育を受けたインフォマントからの情報の重要性を確認した。
著者
須浪 徹治 新井 隆景 滝田 謙一 松尾 亜紀子
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

H22年度研究実施計画に基づき研究を実施し,下記の成果を得た.1.境界層制御について,インレットと燃焼器の境界層剥離抑制を目的に,縦渦導入装置を設計し,燃焼実験による剥離抑制効果の確認と,着火・保炎等の燃焼特性への影響を調査した.また,壁面摩擦抗力低減の理論的検討を進めた.2.燃料噴射器・混合制御手法では,噴射器の縦渦導入部形状をパラメータとした性能評価を非燃焼・燃焼実験,CFD解析により実施し,混合・燃焼性能向上に必要な知見・データを取得した.3.着火・保炎・燃焼制御手法では,実験で観察された超音速燃焼器内のデトネーション生成・伝播・減衰の過程をCFDにより再現するとともに,伝播条件・伝播特性について調べた.着火装置について,超音速流中で誘電体バリア放電と非平衡プラズマの生成に成功し,これを用いた燃焼試験を実施した.4.広帯域燃焼器設計について着火,保炎,燃焼,インレット-燃焼器干渉抑制の全ての性能向上を目的とした燃焼器流路の形態提案と形状設計を行い,第1期エンジン設計へ適用した.5.インレット始動特性・性能評価については,可変形状インレットの可変量変化に伴う性能(インレット出口気流状態)についてCFDにより調べた.また,インレットの設計・性能予測ツールに関し,CFDによる評価・検証を進め,広帯域インレット最適化に向けた課題抽出を行った.6.第1期エンジンについては,H21年度成果および上記1~5の重要成果を適用してエンジン形態決定・形状設計・製作を行った.また,CFDによる事前性能評価を行った.7.燃焼器作動特性・性能評価については,HIEST燃焼実験(H24年6月)により実施予定である.
著者
澤渡 浩之
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

ダウン症者における先天性心疾患と睡眠時無呼吸症候群との関連についての報告、ダウン症者特有の睡眠体位と睡眠時無呼吸症候群との関連とについての報告と睡眠時無呼吸症候群の簡易検査装置のパルスオキシメトリーを用いて検討したダウン症者特有の睡眠体位と睡眠時無呼吸症候群との関連についての報告を国際誌へ投稿し全て受理されている。いずれの論文もダウン症者における睡眠時無呼吸症候群は、非常に高率であることと睡眠時無呼吸症候群の危険因子に関して報告している。また、ダウン症者の睡眠時無呼吸症候群に関する国際調査を行うべく、スコットランドのチームと研究基盤を作り、研究を行った。この国際研究を実施するに当たって、双方のチームの立案段階でのデーターベースの作成やデータの解析を行った。最終的に我々は、成人のダウン症者のデータをスコットランド人・日本人合わせて約800名収集できた。以上の研究の内容をスコットランドのチームと共同して論文化しており、近日中に国際誌に投稿する予定である。今後は、さらに精度の高い検査法で疫学調査を行いより確立したデーターベースの作成を行う予定である。睡眠時無呼吸症候群は、心血管病、注意欠陥多動性障害、学習障害との関連が示唆されている。このことから、本研究は、睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療へと繋げることが出来る内容となっているため、ダウン症者のQOLや予後の改善に大きく貢献出来るものだと考える。また、調査範囲を国際研究へ広げたことから日本だけでは無くヨーロッパの国々にも貢献出来る研究に発展したと考えている。
著者
浮葉 正親
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

磯貝治良の初期作品33篇と在日朝鮮人作家を読む会の同人誌『架橋』のバックナンバー(創刊号.第26号まで)を電子化し、ホームページ「ジローの文学マダン」を作成してインターネット上に公開した(http ://www. isojiro-yomukai. com)。また、磯貝の発表作品目録(1957年~ 2012年2月)、在日朝鮮人作家を読む会の活動記録(1977年. 2012年3月)、『架橋』総目次(創刊号.第31号)を収録した報告書『社会参加としての在日朝鮮人文学.磯貝治良とその文学サークルの活動を通して』(全100頁)を刊行した。その報告書には、磯貝の初期作品33篇を収録したCD「磯貝治良作品集1」を添付した。
著者
木谷 誠一 西川 洋文 柳沢 雄太 和田 萌
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平成22年国民健康栄養調査によれば若者の脂肪エルギー比率は、20代の年代に多く、とくに飽和脂肪酸の摂取量が増加している。疫学的あるいは臨床的に脂質と健康の関連が報告されているが、本研究は細胞レベルで、特にトランス脂肪酸は炎症惹起作用を、魚油は,それに対して炎症抑制作用をもつことを、明らかにした。アラキドン酸や飽和脂肪酸も炎症惹起作用を持っていた。細胞レベルの知見で、栄養保健と予防医学にひとつのエビデンスを提供した。
著者
西村 充司
出版者
和歌山大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

平成20年度より生活科に,保護者参加による少人数・体験型カリキュラム『附属っ子ミュニケーション"和み"大作戦!』(通称『和みカリキュラム』)を開発,展開している。実践においては,茶道や華道に関する保護者の経験や専門性を生かすことで,担任だけでは実現できなかった日本の伝統文化にリンクする子どもたちの体験の場を広げることができた。そんな中,「校庭の草花を摘んでお花を生ける体験」では,自然そのものが教材となり,その特性や生活の場面を考える学びが生まれ,必要な分だけを摘んでお花飾りをするという,いわば自然への畏敬の念,また相手の心の和みを意識して工夫する子どもの姿が見られた。また,「日本の伝統文化・生活様式にふれる体験」では,普段の生活からは少し距離のあるおもてなし,手作り生活,花・茶道などの活動の継続により,子どもの意識の中では普段の生活との距離感が縮まり,家庭生活に活かす子どもの姿が見られた。さらには,「もっとおもてなしをしたい。」という,よい意味での『自己主張』『自己顕示』も芽生え,3学期には父兄や和みカリキュラムでお世話になった保護者の方々をお招きしてのお茶会を1・2年生全学級で開催することができ,子どもたち全員が自分で抹茶を点てることができた。できる自分を見てもらいたい・認めてもらいたい,そのために,おもてなしの対象に応じ,よりよいおもてなしの方法を主体的に考える,生活科としてのスキルを身につける学びの質の高まりも生まれた。これらは30人という少人数の学級規模だからこそ実現できたと実感している。もちろん結果として,日本の伝統文化への親しみと愛着が増し,子どもたちの日常生活の立ち居振る舞いにはこれまで以上の落ち着きを感じるし,挨拶や基本的な生活習慣・マナーの面においても向上が見られるようになった。
著者
牛尾 知雄 金 寛
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

竜巻等の突風,雷放電,局地的大雨による甚大な気象災害の防止に対する社会的要求は,年々その重要性が認識されるようになってきている。本研究では,昨年開発に成功した超高速走査が可能なフェーズドアレイレーダネットワーク,広帯域レーダネットワークそして雷放電の3次元標定装置を核として,大阪,神戸地域を中心に観測網を構築,そのデータ配信処理アルゴリズムの開発とデータ配信システムの構築を行った。