著者
石倉 照之 奥野 龍禎 荒木 克哉 高橋 正紀 渡部 健二 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000757, (Released:2015-10-28)
参考文献数
15
被引用文献数
3

症例は23歳男性である.先行感染後に強直間代性痙攣を発症し,抗てんかん薬による治療にもかかわらず,痙攣発作を繰り返した.ウイルス学的検査や抗神経抗体は検索した範囲では陰性で,原因不明であったことから,new-onset refractory status epilepticus(NORSE)と呼ばれる症候群に合致する臨床像であった.ステロイドパルス療法,免疫吸着療法及び経静脈的免疫グロブリン療法を行い痙攣の頻度が減少したが,意識障害は遷延した.本患者血清を用いてラット脳の免疫染色を行ったところ,海馬神経細胞の核及び細胞質が染色され,自己免疫介在性であることが示唆された.
著者
菰田 孝行 阿部 幸恵 大滝 純司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.259-263, 2009 (Released:2010-09-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

1) インターネット検索エンジンGoogleを用いて,「GIO」と「SBO」,「一般目標」と「行動目標」を,それぞれ検索語として入力し「and検索」を行った.2) 「GIO」と「SBO」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,日本の医学教育に関わるサイトであった.3) 「一般目標」と「行動目標」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,医学教育に関わるサイトであった.
著者
Hideo WADA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy (ISSN:00214280)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.380-384, 1973 (Released:2006-10-03)
参考文献数
3
被引用文献数
8 17
著者
寺田 久屋 鈴木 晃世 田中 治夫 山本 勝彦
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.347-354_1, 1992-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
12
被引用文献数
6 6 7

セミミクロHPLCを用いカテキン5種類 (エピガロカテキン, エピガロカテキンガレート, エピカテキン, エピカテキンガレート, カテキン) とメチルキサンチン3種類 (テオフィリン, テオブロミン, カフェイン) の同時定量法を検討した. 試料からの抽出溶媒として40%エタノールを用い, 精製に Sep pak C18を利用し, HPLCには内径2.1mmの Inertsil ODS-2カラムを使い, 検出はUV 207nmで行った. 茶浸出液, 抹茶アイスクリーム, 抹茶煎餅, 抹茶ゼリー及びウーロン茶抽出物入りキャンディーについて行った添加回収実験の結果, カテキン類では, 回収率が83.2~120.4% (変動係数0.4~9.4%), メチルキサンチン類では, 回収率が53.0~106.4% (変動係数0.8~11.0%) であった. 定量限界は, 高感度分析が要求される加工食品において, いずれの物質とも0.1μg/gであった.
著者
今村 知子
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.63-69, 2014 (Released:2014-05-09)
参考文献数
41
被引用文献数
1
著者
Kyoichi ASANO Masaya YAMANO Kiyoshi HARUYAMA Etuo IKAWA Kazumasa NAKANO Masayasu KURONO Osamu WADA
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.19, no.SupplementII, pp.131-143, 1994-10-15 (Released:2008-02-21)
参考文献数
15
被引用文献数
3 4 6

A histopathological study was performed to examine the influence of propagermanium and germanium dioxide (GeO2) on chemically induced renal lesions in rats. Animals were treated with adriamycin or mercuric chloride to induce glomerular or proximal tubular damage, and then given drinking water containing propagermanium (480 or 2, 400 ppm solution) or GeO2 (300 or 1, 500 ppm solution: equivalent to propagermanium in terms of germanium contents). The distal tubular epithelium after 8 weeks dosage with the 1, 500 ppm solution of GeO2 was characterized by vacuolization and deposits of PAS-positive material not only in adriamycin-treated rats, but also in normal rats. In contrast, propagermanium administration was not associated with any alteration in the changes induced by adriamycin or mercuric chloride. We previously clarified that propagermanium had no biochemical influence on the renal function of these renal injured rats. The histological demonstration that this compound does not exert renal toxicity, even when given at a high dosage to renal injured rats, further indicates that it would not exacerbate renal dysfunction already present. This confirms that propagermanium may be a safe compound for use in individuals with compromised kidneys.
著者
中村 孝司 鎌上 孝子 大国 篤史 黄 沾 伊藤 善志通 糸数 憲二 菅又 成雄 鳥居 正男 三宅 和彦 山中 正己 丹羽 寛文
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.2493-2503, 1983 (Released:2007-12-26)
参考文献数
47
被引用文献数
7

消化性潰瘍の治療に当つて嗜好品をいかに取り扱うべきか, 今日でも不明確な点が多い. また潰瘍の経過に及ぼすこれらの効果についての検討もきわめて乏しい.著者らは, 内視鏡的に経過を追跡しえた症例591例 (平均観察期間5年11カ月) を対象として, 喫煙, 飲酒, コーヒー摂取の潰瘍再発, 治癒に与える影響について検討を行つた.その成績は次の通りである. 1. 喫煙は消化性潰瘍の再発率を統計的に有意に上昇させ, 明らかな悪影響を与えることが示された. また潰瘍の治癒率にもある程度の抑制効果が示された. 2. 飲酒およびコーヒー摂取は, 消化性潰瘍の再発率, 治癒率に大きな影響を与えなかつた.
著者
山川 祥秀 守屋 正憲
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.16-21, 1983 (Released:2007-07-05)
参考文献数
17
被引用文献数
4

‘カベネル•フラン’のウイルスフリー樹と汚染樹の果汁成分の経時的変化を, 1982年に, それぞれ4年生の自根樹を用いて調査し, 次の結果を得た.1. 9月下旬, ウイルスフリー樹の果粒は果重2.15g, 果径14.5mm (果房重240g), 汚染樹のそれらは1.80g, 14.0mm (果房重170g) の最大値に達し, ウイルスフリー樹の果粒の方が重かった.2. 汚染樹の果汁糖度は9月上旬12%に達した後, 全く増加が見られなくなった. 一方, ウイルスフリー樹の果汁糖度は9月上旬以降も順調に増加し, 9月下旬18%に達し, 汚染樹のそれを5~6%も上回った.3. 9月30日, 汚染樹のグルコースは5.75%, フラクトースは5.49%であった. 一方, ウイルスフリー樹のグルコースは8.43%, フラクトースは8.96%であって, 汚染樹のそれらを大きく上回った.4. 果汁酸度は9月下旬, 汚染樹の0.90g/100mlに対し, ウイルスフリー樹は0.60g/100mlと低く, 低酸度であった.5. 9月30日, 汚染樹の酒石酸は0.900g/100mlと高く, リンゴ酸は0.388g/100mlであった. 一方, ウイルスフリー樹の酒石酸は0.664g/100ml, リンゴ酸は0.284g/100mlで, 共に汚染樹より低かった.6. 完熟期, ウイルスフリー樹の果汁pHは3.30, 汚染樹のそれは3.20であった.7. 仕込み5か月後の利き酒によると, ウイルスフリーー樹のワインは品種特有のアロマが強いが, 酸味, 渋味がやや不足した. 一方, 汚染樹のワインはアロマが劣るが, 酸味, 渋味は強く, 赤色も濃かった. したがって, 低酸含量となりがちなウイルスフリー樹の場合, 原料果実の収穫, 仕込み時期の選択に問題があるものと思われた.
著者
長尾 和明 山本 浩之 笠 博義 竹津 英二 木村 義弘
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集 (ISSN:18849091)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.263-268, 2003-11-17 (Released:2011-06-27)
参考文献数
6

Iiyama tunnel has bored into Tertiary sandstone, mudstone and tuffbreccia which include inflammable gas like methane gas, at boundary of Nagano and Niigata prefecture. For methane gas is very combustible and explode easily, investigation and monitoring of inflammable gas is very important for safety construction of the tunnel. It was reported that horizontal exploratory boring, automated monitoring system and ventilation system for dilution of the gas were applied effectively on this tunneling.
著者
Mitsuteru OKAWAUCHI Masaya TSUBOI Kazumi NIBE Eiji NAGAMINE Hideaki IWANE Kazuyuki UCHIDA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.15-0721, (Released:2016-01-29)
被引用文献数
3

An intraocular mass lesion was found in the left eyeball in a spayed female Pembroke Welsh Corgi dog. The surgically resected left eyeball was pathologically examined. Histologically, the mass lesion consisted of proliferation of the atypical cuboidal or columnar epithelial cells, arranging in papillary, tubular or solid form. In addition, some neoplastic cells showed oncocytic change characterized as large oval cells with numerous eosinophilic intracytoplasmic granules. Cytoplasm of the oncocytic cells showed dark blue granules by phosphotungstic acid-hematoxylin stain. Immunohistochemically, the oncocytic cells were intensely positive for cytochrome C. Based on these findings, the ocular mass was diagnosed as iridociliary adenocarcinoma with oncocytic change. The findings indicate that the oncocytic changes of the neoplastic epithelial cells might be caused by mitochondrial accumulation.
著者
山川 祥秀 清水 均 櫛田 忠衛
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.454-460, 1982 (Released:2007-07-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

‘甲州’ブドウの昭和55年の味なし果と健全果について, 果実の粒径及び粒重と, 主要成分である糖と酸の経時的変化を調べて, 次の結果を得た.1. 味なし果の粒径と粒重の増加曲線は成熟過程中, 健全果とほとんど同じ形を示した. ただし, 味なし果の方が粒径, 粒重ともに終始わずかに大きい値を示した.2. 味なし果の糖度は9月初めの着色の時期までは健全果と全く同じ上昇を示したが, その後は上昇が止った. 健全果はその後も順調な上昇を示し, 収穫期には18~19%まで上昇し, 味なし果との差は6~7%に達した.3. pH の変化については, 味なし果はゆっくりとした直線的な上昇傾向を示したが, 健全果は典型的なS字曲線を示した.4. 還元糖は幼緑果期を除けば上記糖度の場合と同様であった.5. 滴定酸度は8月上旬に味なし果で5.00g/100ml, 健全果で5.15g/100mlの最高に達し, 以後急減して, 収穫期には逆転し, 味なし果0.95g/100ml, 健全果0.86g/100mlとなった.6. ブドウ糖と果糖の総量の変化は還元糖の場合と同様であったが, 収穫期に味なし果ではブドウ糖5.2%, 果糖5.7%, 健全果ではブドウ糖8.4%, 果糖9.4%となった. また, G/F値は成熟初期は1で, 9月初めになって1を割り, 収穫期に味なし果で0.92, 健全果で0.89となった.7. 酒石酸とリンゴ酸の総量の変化は滴定酸度の変化と同様であったが, 成熟初期では酒石酸よりもリンゴ酸が多く, 両酸とも味なし果の方が健全果よりも少なかった. しかし, 収穫期にはリンゴ酸よりも酒石酸が多く, 味なし果では健全果よりわずかにリンゴ酸が多く, 酒石酸は少なかった. また, 結合型の酸の割合を計算し, 味なし果で17.4%, 健全果で24.6%の値を得た.‘甲州’の味なし果樹の外見的生育経過と収穫量は健全果樹とほとんど違いはなく, 強いて言えば, 味なし果実の方がわずかに着色が劣る程度であった. しかし, 成分的には味なし果の言葉が示すとおり, 糖分が極端に低く, 酸が高く, ‘水っぽい’ものであって, この変化は着色の始まる9月になって突然に起こるものである.
著者
松石 宗大 阿部 泰英 飯島 晃良 庄司 秀夫 三沢 一仁 小島 啓 中間 健二郎
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.139-143, 2016-01-20 (Released:2016-01-29)
参考文献数
14

HCCI 機関の課題である高負荷運転領域の拡大手法の一つに過給が挙げられる。本研究では吸気圧力による当量比の変化がHCCI 燃焼の低温酸化反応及び主燃焼にどのような影響を与えるかについて,分光学的手法及び素反応数値計算を用いて詳細に調べた。実験及び数値解析を行った結果,主燃焼は当量比を下げると緩和する。一方低温酸化反応は吸気圧力増加による当量比の低下によって活発になることが確認された。
著者
阪口 祐介
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.3-18,130, 2011-02-28 (Released:2015-05-13)
参考文献数
14
被引用文献数
2

How did the unemployment risk in the labor market change after the collapse of the bubble economy, while both globalization and the economic slump progressed? In this paper we answer this question by analyzing the determinants of unemployment risk. Unemployment is defined as an employee’s involuntary job-shift for reasons such as bankruptcy, business closure, and dismissal. This paper focuses on two topics: the effect of the expansion of non-standard jobs,and the change of determinants. First, we examine whether the rise of unemployment risk after the collapse of the bubble economy was influenced by the expansion of non-standard jobs. Second, we investigate the changes in the determinants of unemployment risk such as the position in the labor market, education, and occupation. Concretely, this paper verifies three hypotheses: universalization of risk, stratification of risk, and stability of the determinants. We analyze the determinants of unemployment risk by using the data of Social Stratification and Social Mobility (SSM) (2005). The results are the following. First, concerning the rise of unemployment risk after the collapse of the bubble economy, the direct effect of the period was strong, but the mediation effect of the expansion of non-standard jobs was weak. Second, though the unemployment risk increased after the collapse of the bubble economy, there was no change in the tendency that employees in small firms and in non-standard jobs are exposed to unemployment risk.
著者
丸山 真央
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.476-488, 2012-03-31 (Released:2013-11-22)
参考文献数
47

2000年代以降, 都市研究で「国家のリスケーリング」論が影響力をもつようになっている. これは, グローバルやリージョナルな経済・政治統合が進むなかで国家諸機構の機能や影響力がその地理的スケール上の編成を変化させることに注目し, 都市やそのガバナンスの変化との関連を明らかにするものである. 「都市」は, 従来の都市研究でしばしば所与の空間的単位とみなされてきたが, 「地理的スケール上の編成の変化 (リスケーリング)」という発想を採り入れることで, それが資本や国家のスケール的編成と相互規定的に生産される地理的スケールのひとつであり, それゆえ今日, 「都市」というスケールをどう定義するかということそれ自体が「スケールの政治」の争点になっていることが明らかになる. 本稿では, この視角による都市研究の基本的な問題構制と成果を整理し, グローバル化とネオリベラリズムのもとでの都市ガバナンスの変化を捉えるのに有益であることを示す. そのうえで「平成の大合併」をめぐる地方都市の事例の簡単な分析を行う. 基礎自治体の合併は, 既存の「地域/都市」スケールのガバナンスを担う政治行政機構を再編して, 新たな「地域/都市」スケールでガバナンスを組織しなおす「国家のリスケーリング」のひとつだが, 事例分析から, 日本でこれがどのような政治経済的な力学で進められたのかを明らかにする. あわせてこの視角による都市研究の課題を引き出し整理する.
著者
岡田 英孝
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.335-336, 2008 (Released:2008-12-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
倉田 さつき 金谷 誠久 水内 秀次 永禮 旬
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.121-125, 1993-02-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
3

重症心身障害児者(以下重心)病棟において一括して施行するハブラシの洗浄消毒方法について検討した. 入院患者歯磨き後のハブラシを水道水流水, 0.5%グルタルアルデヒド, 0.1%次亜塩素酸ナトリウム, 85℃高温乾燥機, 70℃流水でそれぞれ洗浄, 消毒し, 好気性菌について残存菌数を比較した. また種々の細菌をハブラシに付着させ, 同様の洗浄, 消毒後の残存生菌数を比較した. さらにハブラシに残存した細菌群をより短時間で除菌する目的で, 電子レンジによるマイクロ波照射を湿潤状態, 乾燥状態の歯磨き後のハブラシに対して行い, 残存菌数の測定を行った. ハブラシに付着した細菌の除菌についてはグルタルアルデヒドと70℃の流水がそれぞれ充分な除菌効果が得られたが, 前者は毒性が残留するため, 湯を用いての洗浄が重心病棟で日常行いうる有効な方法と考えられた. 電子レンジでは, ハブラシの湿潤, 乾燥にかわからず, 5分の照射で充分な殺菌効果が認められた.
著者
中井 春香 武村 雅之
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.7_220-7_229, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
14

1945年1月13日に発生した三河地震の特徴としては、東南海地震の約1か月後に発生した地震であること、戦時中であったこと、そして家屋喪失数に対して死者数が多い地震であることがあげられる。飯田(1985)のデータにおける三河地震の被害として一般的に用いられている数値は調査データの最大値の総括であり、市町村単位とする内訳に戻れないことが判明した。このため、1945年1月14日の愛知県警備課による統一的なデータも用いながら、各市町村のデータを算出し震度分布図をGISを用いて作成した。その結果、沖積低地である岡崎平野や矢作川流域では被害が大きく、幡豆山地などの丘陵地に属する地域は被害が小さかった。また、地盤による震度や被害の影響は、東南海地震と類似していたことがわかった。一方、断層のごく近傍では、全潰家屋の割に死者数が特に多く発生している傾向もみられ、断層近傍特有の被害にも注目する必要があるものと考えられた。
著者
永井 哲夫 海老原 務 新谷 博明 須佐美 英作 大橋 淳 宮岡 等 酒泉 和夫 藤野 雅美 矢島 正隆 浅井 昌弘
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.438-447, 1989-04-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 13

Tw enty patients with typical glossodynia were examined from a psychological aspect.They all had premorbid inclination toward hypochondriasis and obsession (e. g., punctiliousness, or extreme perfectionism).Perseveration in response to “ superficial sensation of paresthesia of the tongue” occurring secondary to dental treatment or onset of stomatitis was the basis of the symptoms. According to time-course changes in the symptoms, patients attributed an erroneous significance to normal oral tissues, by which the lingual tonsil and lingual papilla were recognized as abnormal. They also showed signs of “ cancerphobia” because they were in the cancer-associated age group or had a past or present history of cancer in their near relatives. These findings, which are three important causative factors of this condition, were found to be common