著者
輪田 真理 入口 豊 井上 功一 山科 花恵 東明 有美
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第IV部門 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.15-28, 2012-02-29

本研究は,現在なでしこリーグの中でもトップクラスの環境を持ち,日本代表選手を多く輩出しているJリーグ所属浦和レッドダイヤモンズの下部組織である「浦和レッドダイヤモンズレディース」と,ぎりぎりのクラブ運営の中でもなでしこリーグ残留を続け,日本女子サッカーリーグでは最も歴史のある市民クラブ「伊賀フットボールクラブくノ一」(筆者所属)の事例を中心に,日本女子サッカーリーグ所属クラブの現状を明らかにし,それらから見ることのできる課題を検討することで,日本女子サッカーリーグ所属クラブの展望を考察することを目的とするものである。本稿では,まず,その前提となる日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の歴史と現状を明らかにした。Japan national women's football team won the World Cup of Women's Football in 2011.7. After then Women's Football is rapidly gaining popularity in Japan. However, an environment of women's football in Japan is not favorable. The purpose of this study was to examine the current status and the future prospects of the Japan Women's Football League through the case study of the two teams (Urawa Red Diamonds Ladies and Iga Football Club Kunoichi) belong to the League. Especially, before examining the case study of the two teams, the present study is to examine the History and Current Status of the Japan Women's Football League the following topics :###1. Japan Women's Football League (1)Establishment and purpose of the Japan Women's Football League (2)History of the League (3)Restart of the League (4)Reformation of the League###2. Reformation of"Nadeshiko League"###3. "Nadeshiko Vision"
著者
小島 ゆみこ アンナ 小林 修一 トマス ジャビエル アコスタ アヤラ 工藤 眞樹子 宮本 明夫 高木 光博 宮澤 清志 佐藤 邦忠
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.119-122, 2002-02-25
被引用文献数
1

Microdialysisシステム(MDS)は, 異なる細胞間の内分泌学的解析を分子レベルで行う方法である.今回, 馬の排卵前卵胞液中プロジェステロン(P_4), エストラジオール17β(E_2), アンドロステンジオン(A_4)とプロスラグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)濃度を調べた.卵巣から卵胞を取り出し, ホルモン測定のため卵胞液を採取した.卵胞の大きさを大(30mm<), 中(29〜16mm)および小(15mm>)に区分けして, 各々の卵胞液中のホルモン濃度をEIA法により測定した.卵胞の大きさの違いで, P_4とPGF_<2α>濃度に有意差はなく, (A_4)濃度は大と中の卵胞間で差異を認めた.E_2濃度は, 中卵胞より大卵胞が高値であった.卵胞膜の小片にMDS操作を行い, LHを感作した時にP_4,A_4とPGF_<2α>分泌は増加した.PGF_<2α>を感作した時, P_4とA_4分泌の増加は認められたが, E_2の変動は小さかった.今回の結果から, 排卵前卵胞はLH感作により卵胞膜での黄体化とステロイドホルモン分泌を促進した.さらに, 発情周期のホルモン動態は, 他の動物種と大きく異なることが明らかとなったが, 主席卵胞が選択される機序は十分説明できなかった.
著者
高木 智世 森田 笑
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.93-110, 2015

日本語会話でしばしば用いられる「ええと」は,従来,「フィラー」や「言いよどみ」などと呼ばれてきた.本稿では,質問に対する反応の開始部分に現れる「ええと」が,相互行為を組織する上でどのような働きを担っているかを明らかにする.具体的にどのような環境において,質問に対する反応が「ええと」で開始されるかを精査することにより,上述の位置における「ええと」が,単なる「時間稼ぎ」や発話産出過程の認知的プロセスの反映ではなく,質問に対する反応を産出する上での「応答者」としてのスタンスを標示していることを明らかにする.日本語話者は,質問を向けられたとき,まずは「ええと」を産出することにより,「今自分に宛てられたその質問に応答するには,ある難しさを伴うが,それでも,応答の産出に最大限に努める」という主張を受け手(質問者)に示すことができる.すなわち,「ええと」を反応のターンの開始部分で用いることは,相互行為の進展が阻まれているように見える事態において,「今ここ」の状況についての間主観性を確立し,相互行為の前進を約束するために利用可能な手続きなのである.
著者
八板 昭仁 七森 浩司
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.1-9, 2005-02

バスケットボールのゲームでは、チームのボール保持によって攻撃と防御が交互にまたは連続的に行われる。このようなゲームにおける攻撃と防御の切り替えは、バスケットボールの特徴的なプレーということができるであろう。その中速攻は、防御から攻撃への早い局面転換や得点地域へ早くボールを進めてショットする特性を持っており、短時間に多くの得点が可能となる第1攻撃法といわれている。本研究は、バスケットボールのゲームにおける攻防の転換局面においてバックコートでボールを獲得したチームのボール獲得方法と攻撃形態の関係および、フロントコートへボールを進める時間と攻撃形態の関係について調査することとした。調査対象は、女子大学生の全国トップレベルのチームであり、全日本学生バスケットボール選手権の決勝リーグの6試合12チームとした。調査の結果、全攻撃数における速攻の割合は18.4%であり、ボール獲得方法別の速攻の割合は、スティール56.0%、リバウンド27.5%でありスティール、リバウンドにおいて速攻の出る割合が高かった。また、ボール獲得からボールがセンターラインを越えるまでの時間は、速攻の約60%が3秒未満であり、3秒未満でボールをフロントコートへ進めた時の速攻になる確率は、ボールをフロントコートへ3秒以上かかって進めたときの約4倍であった。速攻をスタートするチャンスは原則的には、ボールの保持が転換するごとにあり、その転換局面が不意であるほど効果的なチャンスになるが、リバウンドやその他の方法によるボールの獲得から、ファーストパスの距離や速さといった防御から攻撃への素早い局面転換が必要となり、ボール獲得から概ね3秒でボールがセンターラインを越えることがその目安になると考えられる。
著者
鈴木 舜一
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.5, pp.256-261, 2008-05-15
参考文献数
39
被引用文献数
1

In the middle of the 8th century, a prospecting party under the Provincial Government of Michinoku discovered a gold placer at Nonodake Hill, the Province of Michinoku, Northeast Japan. The placer was worked by corvee labor. It was the earliest gold mining in Japan K. Kudaranokonikishi, Governor of Michinoku, offered 33.75 kg of gold to the Emperor Shomu in 749. The people of the northern parts of Michinoku were saddled with 9.4 g of gold in poll tax from 752. The gold was used for gilding of the great bronze statue of Buddha at Nara which was under construction. The statue, 15.8 m in height, was completed in 757. A total of 150 kg or more of gold was gilded the statue and others. In 760, the Japanese Government minted the first gold coin in Japan, which was named Kaikishoho. The working was interrupted because of a rebellion by the natives against the Government in 774, and was reopened after 38 years' disturbances of war. The gold diggings decreased in production from the early part of the 9th century. The placer gold had been almost exhausted in the 15th century. A very small quantity of gold is still obtained from the remains of the diggings.
著者
前田 泰樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.710-726, 2005-12-31
被引用文献数
2 2

社会学にとって人々の行為を記述するとはどのようなことだろうか.この問いは2つの論点に集約されてきた.すなわち「どのような記述をしても不完全さは残るのではないか」という記述の可能性への問いA, 「社会学的記述はメンバーによってなされる記述とどのような関係にあるべきか」という記述の身分に関わる問いBである (Schegloff 1988) <BR>本稿では, まず問いAに対し, 記述の懐疑論には採用し難い前提が含まれていることを論証する.さらに, その前提のもとで見落とされてきた論点として, 実践において行為を記述することは, それ自体, メンバーシップカテコリーへと動機を帰属させる活動でありうる, ということを示す.<BR>次に問いBに対し, H.サノクスたちによる社会学的記述の方針を検討する.まず, メンバーによる記述はそれ目体手続き上の特徴を備えている, ということを確認し, その実践の手続き上の特徴によって制約を受けつつ社会学的記述を行う, という方針を検討する.さらにその検討をふまえて実践の分析を行い, 行為を記述することが動機や責任の帰属といった活動であること, また, その活動が実践の編成にとって構成的であること, を例証する<BR>要約するならば, 行為を記述することは, それ自体, 動機や責任の帰属といった活動であり, その他の様々な実践的活動に埋め込まれている.本稿では, こうした実践の編成そのものを記述していく方針の概観を示す.
著者
須田 義大 青木 啓二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.809-817, 2015
被引用文献数
7

現在,2020年までの自動運転の実用化を目指して日本,米国および欧州において技術開発が進められている。自動運転は人間に代わり認知,判断,操作を行う必要があり,高度な情報処理や走行制御が求められる。このため自動運転として,数台の車両が車群を構成して走行する隊列走行システムが開発された。この隊列走行システムを通じ,白線に沿って自動操舵する車線維持制御技術や車車間通信技術を用いた車間距離制御技術が開発された。隊列走行システムの後,現在一般道での自動運転を目指した技術開発が行われており,キー技術として,制御コンピューターの故障時における安全を確保するフェイルセーフ技術や障害物を確実に認識するためのローカルダイナミックマップ技術およびAI化を中心とした自動運転アーキテクチャーが開発されている。
著者
木野 和代 岩城 達也 石原 茂和 出木原 裕順
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.33-38, 2006
被引用文献数
3

The purpose of this study was to explore the relationship between humans and objects they treasure using the analogy of interpersonal relationships. Four hundred and eighteen undergraduates were asked to name objects they were especially fond of. They then rated the likeness or similarity of these things to themselves and others, and they specified the reason they liked the objects. The results showed that certain objects carried with them strong metaphors for the subjects' interpersonal relationships. The study also analyzed the relationship between these metaphors and the reasons given by the subjects for liking the objects named. Although this was an exploratory study, the analysis of the relationship between humans and the objects might be useful for the development of new products that people will treasure.
著者
伊藤 隆二
出版者
東洋大学
雑誌
東洋大学児童相談研究 (ISSN:02885247)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-15, 1999-03

子どもの「嗜虐性」の発生機序を単に人間関係の葛藤や軋轢から解明するだけではなく,現代社会の不平等性にもメスを入れる必要がある。ここに報告した4事例から,いじめる子どもには実存的空虚感,「甘え」への欲求不満,恥の意識の希薄化,それに畏怖の念の消失などが共通していることが示唆されたが,これらは不平等性を助長する社会に生きることから生じたことを解明した。そこで子どもの「嗜虐性」発生を阻止するためには不平等社会を真の平等社会へ転換させる教育を開始する必要がある。その教育は人間の尊厳性を基軸とした平等の精神を社会に取り戻すいとなみであり,それはトランスパーソナルな視点から構築されるものである。
著者
吉田 綾乃 浦 光博 黒川 正流
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.144-151, 2004

In this study, the authors have paid attention to people's reactions to others' self-derogative presentation. Study 1 indicated that people have the script that a self-derogative presentation would elicit a denial response, such as "I don't think so," from the receivers. Moreover, it was also suggested that the derogator has the tendency to believe that the receiver's reaction has an effect of either maintaining or enhancing self-evaluation. Study 2 suggested that the Japanese would make self-derogative presentations, not only on the basis of interpersonal motivations, but also on the basis of self-affirmative motivations. The necessity of examining the details of the effects of self-derogation and the receivers' reactions was discussed.
著者
池田 俊雄
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.77-82, 1971-06-01
被引用文献数
1

Shin Kobe railway station on the Sanyo Shinkan Sen (New Sanyo Line) is situated at the south piedmont of the Mt. Rokko and underlied by active fault named Suwayama fault. Then the elevated railway structures are underlied three different beds such as granite rock, fault clay and alluvial sand and gravels. So, the special considerations were carried out for the design of the structures with regard to the effects of differential movements of the ground due to active faulting, uneven subgrad reaction under the basement structures, and heaving pressure due to swelling of the fault clay.