著者
鈴木 誠 栗田 和弥 麻生 恵
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.5-8, 1995-03-31
被引用文献数
3 3

日本人と結婚し在日する知日家欧米人とその伴侶の日本庭園に対する認識・イメージをアンケート調査し比較考察した。その結果、彼等の日本庭園の体験度、理解度は日本人と大差はな<、日本庭園に対する感覚的イメージもほば同様であった。日本庭園関連用語などはむしろよく理解していると自認し、外国人にも日本庭園は理解できると彼我共に認めていた。彼我で異なるのは、借景の意味内容や枯山水の認識、わび・さびについての理解がやや低くなることであった。また、「日本庭園」から日本人が具体的庭園要素を連想イメージするのに対し、欧米人は静寂、緑、平和などの印象を多くあげ感性的に庭の雰囲気を享受する姿勢をもつことが認められた。
著者
湯淺 太一 貴島 寿郎 小西 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.200-209, 1995-02-25
被引用文献数
10

NCXは,超並列計算実用化のための重要な計算モデルの一つであるデータ並列に基づくプログラミングのために設計された拡張C言語である.C言語からの移行が容易であること,効率の良い処理系が低コストで実現できこと,統一のとれた言語であること,などを目指して設計された.フルセットのC言語を実行する能力をもつ仮想プロセッサ群を基本とし,プロセッサ間通信などのデータ並列計算機能を,ベースとなるC言語の設計方針にできるだけ従って設計されている.さまざまなアーキテクチャ上で使用されることを前提としており,実際にいくつかの異なるアーキテクチャをターゲットとした処理系の開発が現在進められている.本論文では,NCXの主要な拡張機能を,プログラム例と共に概説し,仮想プロセッサという単純明解な概念を基本としながら,データ並列計算に十分な機能をNCXが提供できることを示した.
著者
板垣 春昭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.186-189, 1996-12-01
著者
草田 清章
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.53, pp.57-60, 2006

若者の職業能力蓄積不足・不安定就労の増大は、中・長期的な競争力の低下、社会保障システムの脆弱化など社会不安の増大につながる危険性がある。そこで本報告では、若者の自発的な離職行動を、キャリアの入り口における躓きとして環境要因および個人の内的要因から考察し、個人のチャレンジを支えるためのキャリア保険制度の創設について検討する。今後、組織内における個人の自律性が高まることに伴い人間行動のわずかな変容が、即、業績を左右する可能性がある。人材育成の課題は、単に成果主義を導入し賃金格差を拡大するという制度論の前に、組織と個人との関係に何を基礎とするのが最適かを、いま一度考えることにある。それは、個人の選択と責任を基礎としたチャレンジ・システムの設計とチャレンジを支えるためのセーフティネットの構築(キャリア保険制度の創設)にある。
著者
高橋 能彦 佐藤 巧 伊部 歩
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学農学部研究報告 (ISSN:03858634)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.97-102, 2006-03

新潟特有の冬季低温寡照条件で、2004年秋から2005年春にイチゴ「越後姫」を温室ハウスで高設促成栽培し、灯油燃焼式の炭酸ガス発生機を用いて炭酸ガス施肥効果を検証した。炭酸ガスは日の出から5時間施用し、1月から3月の午前9時から12時までの平均炭酸ガス濃度は約1,500cm3 m-3であった。炭酸ガス施用でイチゴの硝酸吸収が促進されて葉色は濃く推移した。炭酸ガス施用区の累積収量は炭酸ガス無施用の対照区より17%増収した。規格別収量では炭酸ガス区で20g以上の大型果実が多くなった。また、炭酸ガス施用で果実糖度は有意に増加し、対照区より1.0~3.5度高くなった。以上、新潟の冬季気象条件で炭酸ガス施肥によるイチゴの増収および品質向上効果が認められた。The present study was made to investigate effect of CO2 application to strawberry cv. "Echigo-hime" for green house forcing culture in Niigata region, that the climate condition is low temperature and low amount of solar radiation in winter. Experiment was conducted from autumn 2004 till spring 2005 in Niigata University Shindoori Station. CO2 gas was applied from sunrise for 5 hours, and the average concentration was about 1,500 cm3 m-3, in the period in Jan. to Mar. in a.m. Leaf color CO2 treated plants was higher than the control, due to the active NO3-N absorption. And total yield increased about 17% compared with the control. CO2 treated plants had much harvest of big fruits of 20g or more. The sugar content (Brix) of fruits was higher about 1.0-3.5 degrees by CO2 treatment. Conclusion, CO2 application to strawberry was effective technique in that winter conditions as Niigata region.
著者
永田 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.23, pp.1-6, 2008-05-02

デジタルシステムの高速・低消費電力化に向けて、低電圧動作、細粒度な電源ドメイン管理、動的な電圧・周波数制御の導入が進むが、その実装にはダイナミック電源ノイズの考慮が欠かせない。高精度・低電圧なアナログIPの開発においては、基板ノイズにさらされるSoC環境下で性能を発揮する設計が求められる。LSI搭載システムのEMC性能を高めるためには、チップとボードで連携した低ノイズ化設計が必須になる。本稿では「LSIにおけるノイズ問題」に焦点をあて、LSI設計に役立つノイズの知識獲得と、インテグリティを指向する設計技術に向けた取り組みについて紹介する。
著者
Haynes Louise
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.247-261, 2008-12-23

This study offers a content analysis of the lyrics of 100 songs of protest during two periods of war, the Vietnam War during the 1960s and early 70s and the war in Iraq which began in March of 2003. It provides a brief overview of some of the social and technological conditions which have led to the changes that have taken place in recent protest songs. The article shows that more recent protest music has become more specific, with a greater focus on historical events than occurred in the lyrics of protest music written during the years of the Vietnam War.
著者
阿部 雅嗣 三輪 譲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.630, pp.7-12, 2005-01-20
被引用文献数
1

本論文では, ユビキタス社会における先進的マルチメディア処理を用いた統合型キャンパスシステムを構築するため, URLエンコードした任意の日本語テキストから規則音声合成を行うWeb対応型の音声合成サーバ・クライアントシステムを提案する.本システムは, サーバからクライアントへ, 合成音声波形の転送が必要という欠点があるが, 音声合成ソフトウェアを利用者がインストール不要のため, 利用者に扱いやすく, また, 携帯を含めたマルチプラットホームのクライアントで利用可能という長所を持つ.また, 本論文では, Web型電子メールや日本語Webページの音声読み上げ, 日本語漢字試験のヒント音声や日本語聴解試験の問題音声のe-Learning等への応用例について述べる.
著者
中野 貴瑛 瀧本 岳
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.11-20, 2011-01-05

ヒロヘリアオイラガParasa lepidは庭木や街路樹にしばしば大量に発生する外来生物で,幼虫が毒棘を有することからも日本の侵略的外来種ワースト100に記載されている.ヨコヅナサシガメAgriosphodrus dohrniも外来生物であり,ヒロヘリアオイラガを捕食することが知られている.しかし,両者の関係は詳しく調べられていない.本研究では,ヨコヅナサシガメの存在がヒロヘリアオイラガの営繭数に与える影響を明らかにすることを目的とした.2009年の8月と10月に,千葉県内の4ヶ所の桜並木において,計355本のサクラを対象に,ヒロヘリアオイラガの当期繭数,ヒロヘリアオイラガの世代,ヨコヅナサシガメの有無を記録した.ヒロヘリアオイラガの当期繭数を応答変数として一般化線形混合モデルの当てはめを行った.赤池情報量基準に基づくモデル選択の結果,ヒロヘリアオイラガの世代とヨコヅナサシガメの有無,およびそれらの交互作用項を説明変数に含むモデルが,最適なモデルとして選ばれた.この結果から,ヨコヅナサシガメが木にいることは,その木のヒロヘリアオイラガの当期繭数を減らす効果があり,その効果は第2世代で特に強いことが分かった.ヒロヘリアオイラガの個体群動態に関する先行研究からは,第2世代成虫期から翌年第1世代繭期への個体群増加率が,成虫密度の増加に伴って上昇することが示唆されている.このことから,ヨコヅナサシガメの捕食によってヒロヘリアオイラガの第2世代の繭数が減少することは,翌年第1世代の発生量を抑制している可能性があると推測できる.また本研究が明らかにしたヒロヘリアオイラガとヨコヅナサシガメの外来生物間相互作用は,これらの外来生物対策には群集生態学的な視点が重要であることを示唆している.
著者
大木 典雄 望月 茂喜 伊藤 昭浩 阿部 文昭 小川 修 保坂 陽之助 秋山 稔 持田 泰秀
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.19-22, 1998
被引用文献数
2 2

The seismic isolation retrofit of the main building of the National Museum of Western Art required excavating the foundation ground under the existent building and installing isolation devices beneath the existing footings. Before the installation of isolation devices, it was necessary to construct piles beneath the existing footings in order to support the weight of the building temporarily during excavation process. The piles were made of steel pipe segments, and were driven by oil jacks utilizing the weight of the building for reaction force. During the retrofitting process, the subsidence of the building supported by the piles were monitored and controlled to avoid causing damage to the superstructure.
著者
田中 穂積
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.289-316, 1991-01-31

日本から得られたかActosa (ミズコモリグモ)属に含まれる10種の再記載を行なった。それらの種は以下のとおりである。Arctosa cinerea (タイリクミズコモリグモ), A. daisetsuzana (ダイセツコモリグモ), A. fujiii (フジイコモリグモ), A. hikosanesis(ヒコサンコモリグモ), A. depectinata (カガリビコモリグモ), A. laminala (ネッタイコモリグモ), A. kawabe (カワベコモリグモ), A. subamylacea (クロココモリグモ),A.ebicha(エビチャコモリグモ). A. niccensis (ニッコウコモリグモ).これら10種のうち,1種(A. niccensis)を除く9種について検索表をつけた。