著者
武田 孝太 八馬 智
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.157, 2015 (Released:2015-06-11)

近年、土木構造物を観光資源として活用する「インフラツーリズム」という新しい旅行形態が注目を集めている。このインフラは大量生産品ではなく、地域の実情に合わせて一番最適な解を導きだしている。それは地域の特性を反映しているため、インフラを知る事で地域を理解する事が出来ると推測される。地域を理解することは地域活性化の手掛かりになると考え、このテーマを研究する事にした。 本研究では、インフラツーリズムが年間を通した地域固有の観光対象にするために、各地域で提案、実証し、一つの方法を示す事を目的とする。二つの地域で、産業観光のモニターツアーとインフラツーリズムの提案を行い、以下の成果が得られた。まず、福島県いわき市の産業観光のモニターツアーでは、その地域の産業施設などを実際に視察する事で、その地域がどういった経緯や文化を経て、形成されたのかを体感することができ、それによって地域の理解が深まるということがわかった。そして、立山インフラツーリズムでは、インフラは地域住民が気付いていなかった地域固有の観光資源に成り得る価値が潜んでいるという事がわかった
著者
寺本 咲子 庭川 要 村岡 研太郎 小川 将宏 國枝 太史 松嵜 理登 山下 亮 松井 隆史 山口 雷蔵 鳶巣 賢一
出版者
THE JAPANESE UROLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.696-700, 2011-09-20
参考文献数
9
被引用文献数
3

患者は55歳男性.肉眼的血尿,右腰痛を契機に発見された右腎癌でリンパ節・骨・肺転移を認めた(cT1bN1M1).経腹膜的右腎摘除術を施行した.病理組織診断でCD10,P504S,CK19陽性でありTubulocystic carcinoma(pT3a)と診断した.転移巣に対する治療でSunitinibを投与し,CTで腫瘍縮小(部分奏功;PR)を認めた.術後12カ月現在増悪なく治療継続中である.Tubulocystic carcinomaはlow-grade collecting duct carcinomaとAminらが紹介したものに相当し,2004年のWorld Health Organization(WHO)分類に含まれていないまれな腫瘍である.組織学的には,腫瘍細胞は立方体から扁平の形状で嚢胞を取り囲んでおり,大きな核小体と好酸性か両染性の細胞質を有し,軽度の細胞異型があり,その中にHobnail型細胞も認められる.免疫組織学的には,Tubulocystic carcinomaは近位尿細管マーカー(CD10,P504S)と遠位尿細管マーカー/集合管マーカー(Parvalbumin,CK19)の両方に染色されるのが特徴である.この腫瘍は増殖性に乏しい病理組織所見を呈するが,転移・浸潤しやすい性質を持つとされる.転移に対する治療法は確立されていないが,本症例ではSunitinibが有効であった.<br>
著者
浜野 喬士
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-161, 2013-09

早大学位記番号:新6410

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著者
室生犀星 著
出版者
村山書店
巻号頁・発行日
1957
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.374-375, 2016

特集にあたって:原薬の物理化学的性質を把握し,得られた情報に基づき原薬形態と製剤の双方を適切に設計することは,優れた医薬品を創出するための極めて重要な課題の一つである.今回の特集号は,原薬の結晶形に注目した5年前の「クリスタルエンジニアリング」(47巻11号)の続編として企画した.共結晶や固体分散体といった低分子医薬品の結晶・粉体研究と製剤への応用など医薬品開発における最前線の研究とともに,製薬企業における製剤設計戦略について,本分野の第一線で活躍されている先生方に最新の情報を交えながら解説いただいた.本特集号が原薬から製剤設計に至る道筋を今一度考える機会となれば幸いである.表紙の説明:昨年,日本薬学会広報委員会がマスコットキャラクターを公募し,191作品の中から「長井博士」(ながいはかせ)と「ドリン君」(どりんくん)が選ばれた.今回が本誌デビューとなるご両名には,製剤中における有効成分の固体分散体化による溶解性改善メカニズムを解説いただいた.ゆるキャラグランプリ(ゆる-1)の頂点を目指し,彼らの今後の活躍に注目していきたい.
著者
出澤 剛
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.886, pp.42-45, 2015-05-14

2015年4月、前社長の森川亮氏から社長のバトンを受け取った出澤剛氏。ギアを上げ、スピードを上げる今年を正念場ととらえる。キーワードは「ライフ」と「グローバル」。米フェイスブックや中国テンセントといった競合とどう対峙していくのか。
著者
西澤 由隆
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.23-34,144, 1996

Using the 1994 American National Election Study data, this article tests five different hypotheses that attempt to explain the Republican victory at the 1994 Mid-term Congressional Election. Because the 1994 ANES data contains panel samples who responded at both 1992 and 1994 waves, it permits a researcher to study the reasons of the 1994 Republican vote gain from the previous election. The hypothesis tested here include: 1) Disapproval-of-Clinton-administration hypotheses, 2) personal-economic-condition hypothesis, 3) party-support-realignment hypothesis, 4) distrust-against-incumbent-candidates hypothesis, and 5) party-mobilization hypothesis. The cross-sectional analysis indicates that each factors, except for the personal economic condition, has statistically significant association with the vote choice while controlling for the effect of other factors. The panel analysis, however, suggests that the mobilization hypothesis only explains the Republican gain from the previous election. The analysis implies that unlike most journalistic accounts that tend to attribute the Republican victory to the change in voters' attitude and behavior, the electorate took only a passive role.
著者
冨田 晃
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.103, pp.73-77, 2010-03-31

グラスハープとは、ワイングラスなどの椀形のガラスを水で濡れた指で擦って音を出す楽器である。グラスハーモニカ GlassHarmonica(アルモニカ Armonica)は、グラスハープから派生した楽器であり、ベンジャミン・フランクリが1761年に発明したものである。これらの楽器は、18世紀後半のヨーロッパにおいて盛んになるが、19世紀には衰退した。そして近年、欧米諸国や日本においてこれらの楽器の復興現象がみられる。
著者
大久保 誠也
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-4, 2011-02-26

本研究では,ゲームの情報教育への利用について検討する.最初に,短期間の情報教育講義でも利用しやすい不完全情報ゲームとして,陣地付き 3 目並べを定義する.次に,その簡単な解法について議論し,最後に,実際に講義で利用した結果について述べる.In this work, we discuss a trial of education using imperfect information game. First, we define Tic-Tac-Toe with Field as an easy game with imperfect information. Second, we show easy method to solve this game. Last, we discuss the effect of this trial.
著者
Yuto SANO Mai MIYAZAKI Rina YAEGASHI Minoru OKAMOTO Arisa MASUKO Seiya MAEHARA Kazuya MATSUDA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.18-0369, (Released:2018-11-06)
被引用文献数
1

An 8-year-old castrated Toy poodle presented with swelling and proptosis of the right third eyelid caused by an exophytic mass on the bulbar surface. Histologically, the mass was composed of stratified neoplastic basaloid cells, arranged in nests and interconnecting islands, which were mixed with tubular structures. Immunohistochemically, the basaloid cells were positive for p63 and cytokeratin (CK) 14, and the inner epithelial cells of the tubular structures were positive for CK7, CK8, and CK19. According to these findings, the mass was diagnosed as a basal cell adenocarcinoma. Although basal cell adenocarcinoma is rare in animals, it should be included in the list of differential diagnoses for superficial tumors of bulbar conjunctiva of third eyelid in dogs.
著者
前村 佳幸 Maemura Yoshiyuki
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
18世紀の宮古島一地方役人の"履歴書" : 「染地氏六世勤書」の料紙と様式 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
no.93, pp.25-40, 2018-09

We investigated an original "Tsutomegaki" document and compared it with similar transcriptions and historical materials from Miyako and Yaeyama islands, which had a different administration system from that of Okinawa island in the early modern era. Although Tsutomegaki (translated as "curriculum vitae" in English) were maintained in each family, it is fundamentally not classified as a private document, because in preparing and appending the document, the administrative agency of the island was involved. The Tsutomegaki we analyzed consists of three parts: (1) a statement on the person's position in his own distinguished lineage (e.g. Someji-uji) on the island, (2) a list of his official business and his career in chronological order, and (3) Okugaki, a part that includes his administrative executives' signatures and seals. In addition, there is a part for appending his career after the preparation of the document. This part is certified by the Zaiban, a first-grade official dispatched from the Shuri government. Furthermore, this study showed that the paper material used in making the document is Kazinoki (Broussonetia papyrifera), or Kozo, which does not have loading material like rice glue. This was revealed by analysis using C dyeing solution based on JIS-P8120/8-2-2technique. The micrographs of the paper fiber and the photographs of a magazine for which the scrap papers of the original document were used as book covers are inserted in this article.
著者
Benderly Beryl Lieff
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.60-68, 2008-02

アビゲイル・バローズ(Abigail Burroughs)は21歳の若さで亡くなった。遺された父親たちは現在,米食品医薬品局(FDA)の長官であるエッシェンバッハ(Andrew von Eschenbach)を相手取った訴訟を起こしている。
著者
下定 雅弘
出版者
中國文學會
雑誌
中國文學報 (ISSN:05780934)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.22-47, 1974-10
著者
白幡 洋三郎 村井 康彦 井上 章一 小野 芳彦 山地 征典 園田 英弘 村井 康彦 飯田 経夫 山折 哲雄 イクトット スラジャヤ 長田 俊樹 白幡 洋三郎 セルチュク エセンベル
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

平成6年度は、イスラム文化圏における日本の生活文化の受容調査であり、対象国としてトルコを選び、イズミール、アンカラ、イスタンブールを中心に調査を行った。トルコはイスラム文化圏とはいえ、近代化に一定の成功をおさめた国であり、生活用品の分野においては先進国と同様の工業製品がみられるものの、日本製品はきわめて少なかった。また親日国であるといわれているにもかかわらず、教養・実用・趣味・娯楽等の分野においても日本にかかわりのあるものは意外なほどに見つからなかった。むしろ西洋、とくにドイツとの関係が著しいことが確認できた。このことにより、トルコをイスラム文化圏と見るとともに、西洋文化圏もしくは西洋文化に強く左右されている文化圏と見て、日本文化とのかかわりを考察すべきであろう。平成7年度の対象地域は南アジア・東南アジアであった。ベトナムにおいては、ベトナム戦争終結後、社会主義政権が新たな経済政策をとり、その安定的発展によって民衆の生活に新しい展開が生まれている。その新しい展開の中に日本の伝統的な文化に属す茶道・華道なども、一定の受容が見られる。しかしとりわけ日本の生活文化としては、現代の大衆文化と見てよい電化製品の普及やカラオケ・コンピュータゲームなど娯楽分野での受け容れがきわめて顕著に見られた。また、もともとは中国経由で入ってきた盆栽が、日本語のBONSAIとして広まっている。すなわち中国経由の既存文化が、外からの刺激(日本の文化)によって新しい展開を見せている点で注目される。文化の盛衰を構造的に分析する材料として重要だと考えられる。またインドにおいては、日本の生活文化の進出はきわめて低調であり、大衆文化としてほとんど受け入れられていないことがわかった。華道や俳句では、知識人を核にした富裕層にのみ愛好会や同好会の形で存在している程度である。これは国民の所得水準によって規定されているものと考えられ、日本の生活文化の普及を大衆レベルでの異文化受容と考えた場合、経済的な要因が大きな困難となる実例であろう。タイにおいては、広い分野での日本の生活文化の受容が見られる。とくに日本の食品や生活用品はすでに広く生活の中に定着している。日本食やインスタントめんなどは、日本の手を放れ自前で独自の加工を施したものも豊富に出回っている。マンガは日本のものが翻訳されて各種出版されており、タイ人の手によるタイ語ならびに中国語の漫画が出回るほどになっている。娯楽や実用・趣味の分野でも日本の生活文化は広く受容されていることがあきらかとなった。平成8年度の調査地域である旧社会主義圏では、生活必需品のレベルでの日本の生活文化受容が見られたものの、それ以外での、「教養」「精神」「趣味」「娯楽」など、経済的な余裕に左右される分野での受容は乏しいことが明らかとなった。この地域では、社会主義政権の崩壊後、生活は不安定になったが、一方で西側諸国からの物資・情報が、以前より広範に流入している。従って、旧社会主義政権下にくらべて「異文化」の受容は進んではいるものの、その範囲は狭い。テレビ、冷蔵庫、オ-ディオ機器などの電化製品では、高価な日本製はあこがれの的だが、日本製を装ったものが市場に流通しており、特異な日本の生活文化受容が見られる。社会主義政権の崩壊に急激な暴力革命が伴ったル-マニアでは、経済復興が遅れており、国民生活に余裕がなく、日本製品に限らず西側の製品全般が贅沢品とみなされ、これらの需要は低迷している。華道・茶道・盆栽・俳句などの教養分野は、わずかに一握りのインテリ層に受容され、禅や宗教など精神文化の領域は表面にはまったく現れていない。日本の生活文化を大衆レベルでの海外への進出からとらえると、受容する側の生活水準に規定されることが明らかになった。したがって、文化の通文化性に関しても、その文化項目固有の「通文化性」は、受け入れる側の経済的、文化的状況に大きく左右されるといえるであろう。