著者
FUNK Patricia LITSCHIG Stephan
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.17-14, 2018-02

This paper investigates whether the form of the legislative institution - assembly versus parliament - affects the level and composition of local public expenditure. We use two research designs in distinct samples of Swiss communes. Our event study analysis focuses on medium-sized and mostly German-speaking communes that switched from assembly to parliament from 1945 to 2010. The regression discontinuity analysis is based on small communes from a French-speaking canton over the period 1986-2005 and exploits a cutoff in local population. Event study estimates suggest that parliament adoption increases total spending by about 6 percent and that this increase is driven mostly by general administration and education spending. In contrast, regression discontinuity estimates are too noisy to be informative. To understand the mechanism at play, we run a survey among assembly participants and document a sizeable under-representation of 20- to 40-year-olds as well as of women in assemblies compared to both the electorate and to voters. Switching from assembly democracy to parliament in our setting therefore seems to increase the representation of two demographics that are known for their relatively strong preferences for education spending.
著者
藤井 讓治
出版者
史学研究会
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.361-389, 2010-05
著者
武田 尚子
出版者
武蔵社会学会
雑誌
武蔵社会学論集 : ソシオロジスト : Journal of the Musashi Sociological Society (ISSN:13446827)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.5, pp.49-66, 2003-03-22

市街地の落書きについて,近年,これまでにない対応がみられるようになった。例えば,県レベルで,落書きを禁止する条例が制定されるようになった。また,街路全体をカバーする防犯・監視カメラが設置されるようになった。本稿では,岡山県岡山市,栃木県大田原市,東京都新宿区の3つの事例を取りあげ,地域共同管理論の視点から,各事例の特徴を考察した。地域共同管理論で,管理の主体として着目されているのは町内会・自治会である。しかし,調査した事例では落書き問題に対して,行政や当該町内会・自治会の対応には限界があり,近接する地域の住民のネットワークや労働組合が地域共同管理に関与していた。このような当該町内会・自治会所属とは異なる人々が地域共同管理に参加することが地元のメディアの関心をよんだ。そして,地元メディアによって報道されたことが,結果的には落書きに対する抑止力につながっている。本稿では,落書きというリスクに対して,町内会・自治会以外にどのような人々がどのような過程を経て,共同管理の担い手として参加し,複合的な地域共同管理の態勢を構成しているかを明らかにした。
著者
坂本 信介 坂本 尚子 上村 佳孝
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要 自然科学 (ISSN:09117237)
巻号頁・発行日
no.50, pp.43-52, 2011

50号記念号研究ノート慶應義塾大学日吉キャンパス特色GP「文系学生への実験を重視した自然科学教育」の事業Ⅲ「新しい実験テーマの開発と実験マニュアルの整備」(生物学)の継続事業として, 「動物の最適採餌理論」を題材とした新たな学生実験テーマの開発を行った。具体的には材料の選定, 実験計画の決定, 学生配布資料・提出用レポートのフォーマット作成, 学生対象の試行実験を行った。本プログラムでは新規実験手法の体験よりも, むしろ, 科学的思考力を養うことに重点を置き, パターン認識や仮説検証のプロセスを訓練することを目的とした実験の開発を行った。学生が動物の役割を演じるrole-playing実験であり, 具体的には, 学生が動物のつもりで餌探索を行い, どのように餌が採集できたかについてグラフ化し(パターン認識), なぜそのようなパターンが得られたのかについて仮説をたて検証する(仮説検証)という流れである。試行実験では, 誘導的に仮説を導く過程においてヒントの有無, および, 班による議論の有無という二種類の操作を行い, 仮説とその検証方法を正しく導くことができたかを4グループの間で検証した。仮説の正答率はヒントを与えたグループでやや高く, 仮説を検証するためのプロセスを正しく辿ることのできた学生の割合は, ヒントなしで議論をしたグループがもっとも高かった。このことは, 正しい仮説検証のプロセスを導く上でより重要なのは仮説をたてる上でのヒントよりも仮説をたてる上での十分な議論であることを示唆している。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.191, pp.32-34, 2005-09

診療所にとって、良い人材を採用し、育成して、さらに定着させることは、経営上最も重要な課題の一つと言っていい。職員の質の良しあしが患者の獲得に大きく影響するからだ。 関西地方でC医院を経営するC院長は、「人材の確保・育成が重要なことは十分に理解している。だが、なかなか思うようにはいかない」とため息をつく。そう吐露する背景には、こんな事情があった。
著者
岩木 信喜 田中 紗枝子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.42, 2017 (Released:2017-10-16)

問題に対する回答に与えられる正答フィードバック(FB)を遅延させると、回答直後に与える場合よりも正答の記憶が定着すると言われてきた(e.g., Kulhavy, 1977)。しかし、手続き上の問題が指摘され、正答FBを与えてから再テストまでの時間(lag-to-test, Metcalfe et al., 2009)を直後FB条件と遅延FB条件の間で統制すると効果が消失したという報告がある。これについては、そのように統制してもなお効果を認めた研究(Mullet et al., 2014)もあり、結果が一致していない。本研究では、漢字熟語の読み課題を使って追試し、効果の有無を検討した。その結果、lag-to-testを統制した場合、遅延FBの学習促進効果は認められなかった。
著者
梁周興嗣撰
巻号頁・発行日
1617

「千字文」は天地玄黄に始まる4字句の韻文を1字の重出もなく、250句一千字に作り、注を付したもの。南朝梁の周興嗣(‐521)撰。1巻。漢字文化圏の諸国で、習字手本・初学教科書として久しく用いられ、その文字を借りて、順序を表すことも行われた。本書は周興嗣の注を基本に、後世の註釈家の説を加えた古注本・纂図本と呼ばれる系統のもので、日本では江戸時代初期まで広く流布した。本版は元和3年(1617)木活字印本。古活字版。巻末に刊記がある。慶長13年(1608)木活字印本の翻印本とみられる。活字の整った佳版である。
著者
有田 豊 Gorbunov Oleg G.
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.157-173, 1996
参考文献数
23

タイで得られたスカシバガ科,モモブトスカシバ属Melittia Hubner,[1819]の2新種,M.sukothai sp.nov.とM.bella sp.nov.を記載し,東洋熱帯から知られている3種,M.eurytion(Westwood,1848),M.nepcha Moore,1879およびM.gorochovi Gorbunov,1988をタイから新しく記録した.今までにタイから記録されていたM.siamica Walker,[1865]と合わせてMelittia属は6種類になる.Melittia eurytion(Westwood,1848)(Figs 1-3,9,11-12)個体の大きさは,開張25-34mmとかなり変化がある.前翅中室外方透明紋も大きさや形にかなりの変異がある(Fig.9).食草は不明であるが,成虫は4-5月,7-9月に採集されている.また水銀灯を使った夜間採集の灯に夜明け前に数頭が飛来した.Melittia nepcha Moore,1879(Fig.4)インド(ダージリン),ネパール,北ベトナムから記録があり,今回タイ北部のチェンマイから1♂を初めて記録した.Melittia sukothai sp.nov.(Figs 5,13)本種はややM.newara Moore,1879に似ているが,後脚脛節の長毛の前半がM.newaraでは黄色なのに対して本種では白いことで区別される.食草や生態などは不明である.Melittia bella sp.nov.(Figs 6,14,16)この新種はamboinensisグループに非常によく似ている.前翅中室外方透明紋の形でこのグループのcelebica Le Cerf,1916,meeki Le Cerf,1916およびmarangana Le Cerf,1916と区別される.2♀がタイの低地で採集されているのみである.Melittia gorochovi Gorbunov(Figs 7-8,10,15,17)ベトナムから記載された種であるが,今回タイからも記録された.タイでは8-11月に熱帯林を切り開いた林縁部で採集された.
著者
香村 翼 伊藤 孝紀
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.H01-H01, 2010

国内における傘の年間消費量は1億3,000万本でその内9割がビニル傘である。環境問題としての傘の大量消費を見直そうと、レンタル傘の取り組みが行われるようになった。本研究では、住民の意識を把握することで、都市部におけるレンタル傘のシステムを構築するための知見を得ることを目的としている。本研究ではレンタル傘の貸出システムやレンタル傘の利用実態に関する市民の意識を調査した。調査した市民の意識から得られた知見は、レンタル傘の設置場所や貸出システムを決定する際の指針とすることが可能である。今後の展望として、本研究から導かれる知見と、都市部における実際のレンタル傘の動き方や利用者の属性等のデータを合わせ、レンタル傘が都市において円滑に循環するシステムの構築を目指す。
著者
宮原 孝治 稲葉 知己 野間 康宏 津崎 龍一郎 石川 茂直 馬場 伸介 和唐 正樹 妹尾 知典 永野 拓也 高口 浩一 河合 公三
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.341-347, 2009 (Released:2012-07-17)
参考文献数
13

症例は75歳,女性.心窩部痛のため前医を受診.内視鏡にて胃体部にびらんを伴う小隆起性病変が散在し,生検組織で真菌を多数認めた.酸分泌抑制剤も抗真菌剤も無効であり紹介された.胃液分泌検査でBAO0.6mEq/hr,MAO1.49mEq/hrと低酸状態であり,Helicobacter pylori陽性であった.炎症改善と酸分泌回復を目的として除菌療法を行い,症状,内視鏡所見とも著明な改善を得た.
著者
豊嶋 陵司 田内 健二 遠藤 俊典 礒 繁雄 桜井 伸二
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.14062, (Released:2015-04-30)
参考文献数
27
被引用文献数
3 3

The purpose of this study was to clarify the biomechanical factors that influence intra-individual variations in step frequency (SF) and length (SL) during sprint running. One male sprinter participated as a study subject, and performed a 60-m sprint at maximal effort. Experiments were conducted 5 times, with a total number of 14 trials. The ground reaction force and positions of markers attached to the joints were recorded using force plates and a motion capture system. Trials were divided into SF type and SL type depending on the SF/SL ratio, and the kinematic variables and ground reaction force were compared. The main results were as follows.   1)  There were no significant differences in sprint velocity and stance time between the SF type and the SL type.   2)  The flight time of the SL type was longer than that of the SF type.   3)  Vertical components of the ground reaction force and impulse during the stance phase were larger for the SL type than for the SF type.   4)  The thigh angle of the swing leg was larger for the SL type than for the SF type during almost all phases.   5)  The hip joint of the swing leg was flexed to a greater degree during the stance phase and first half of the flight phase for the SL type than for the SF type.   6)  There were no marked differences in the segment and joint angular velocities between the SF type and the SL type.   These results indicate that changes in step frequency and step length with flight time are due to an increase or decrease of vertical impulse. Moreover, it was revealed that vertical impulse is influenced by the thigh angle of the swing leg during the stance phase, rather than by the angular velocity of the swing leg.