著者
久米 郁男 北山 俊哉 大西 裕 曽我 謙悟 直井 恵
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、グローバル化、とりわけ自由貿易がどのような国内政治的反応を生み出しているのかを、計量分析と事例分析による過程追跡の手法を結合することで実証的かつ総合的に解明することを目指した。そこでは、自由貿易協定の締結で日本に先行する韓国との比較及び日本国内における中央と地方でのTPPをめぐる政治過程の比較を事例分析的に検証する一方、そこでの知見をサーベイ調査と国会議員候補者調査を利用して自由貿易がもたらす「雇用不安」と「消費者利益」そして、自由貿易協定をめぐって論じられる外交戦略、とりわけ「安全保障」という要因が、貿易をめぐる政治過程に影響を与えることを実証し、そのメカニズムを解明した。
著者
関戸 洋子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究「小空間の認知特性」では、「小空間」をキーワードとして派生する次の主な3テーマ、1)子どもの嗜好する小空間としての住環境、2)空間容積の単位としての小空間「包pao」の検証、3)宇宙建築という限定された小空間、を軸として、これまでの研究活動を次のように実施した。1)「子どもの住環境」の研究については、a)実験とb)調査をおこなった。a)実験では、実際の親子による実験研究をおこない、b)調査では、乳幼児の住居への訪問調査をおこない、昨年度までの報告書に記載の通り、審査論文として研究成果を公表した。2)「空間容積の単位<包pao>」の研究については、文献・実測調査を継続した。これまで、都心の住居における実測などをおこなった。3)「宇宙建築」の研究については、RPD採用時の計画段階では、文献調査のみとしていたにもかかわらず、更に進展させた。具体的には、文献のほか、研究会を開催し、実験研究をおこない、その成果を本報告書に後述の通り、論文として公表した。更に、JAXA公募に選定され、微小重力下の限られた小空間である国際宇宙ステーションISSにおいて、空間の容積感・印象評価・ボール投げを通じたコミュニケーションについて、宇宙飛行士により10月に実施された。国際宇宙ステーションの都合により実施が遅れ、実施後データを受け取ることができたのはNASAやJAXAのデータ検閲を受けた後の12月であった。1月にはNASAへ速報を含む実施報告をおこなった。その後、現在もこの実施成果を審査論文としてまとめている最中である。また、今後のアウトリーチ活動への準備も進めつつある。以上の通り、「小空間」に関する研究活動を多角的におこない、最終的には、住環境の質の向上に資するための研究を着実に実施している。
著者
黒田 尚宏
出版者
金沢医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成19年度は,平成18年度に作成した携帯電話のメール機能を利用したメーリングリストのシステムを利用し,学生の協力を得て更なる試験を実施した.学生の反応は即時応答性が高いことが実証され,またテュートリアル形式の授業の評価コメントを送ったり,授業の宿題など重要なお知らせを通知したりといった使用法については,学生へのアンケートの結果,学生にとっては有用性が高いことが判明した.携帯電話のメール機能を学生への連絡や呼び出しに使うという方法について,学生側の通信費の負担感について調査を行った結果,データ(パケット)量の多いWeb形式よりはメールの方が負担感は少ないものの,ある程度考慮して欲しいという意見が大勢であった.ただし,自分にとって有用な情報は紙の掲示だけでなく携帯メールにも送って欲しいという意見も多く,通信費の問題はあるものの,一方で学生の欲しがる情報を与えていれば,他方で教育目的の活用も受け入れられるであろうという示唆を得た.本学では学生個人のノートパソコンを必携化しているため,通信費の負担が理由で携帯電話のメール機能を利用したくない学生は,本学より付与されるパソコンの電子メールアドレスを利用すればよく,メール機能を教育目的に利用する基盤は整っていると考えられた.平成19年度は更に,簡易なMCQなどの小テストをメールとして発信し,その返信を自動収集・集計する機能を新たに追加して,学生に対してその使い勝手や有用性について検証を行った.検証の結果,Questionメールに対するAnswerメールの対応付けに大きな問題があることが判明した.例えば,複数の教員から同学年の学生に同時期にQuestionメールが発信された場合に,学生がそれぞれに回答した時,どのメールがどのQuestionに対応しているかの判断をどのように解決するか,という問題である.この問題に対し,本文の先頭にQuestionを一意にする番号(制御コード)を付加し,返信時にもそれをそのまま付けた形で返す方式を採用したが,学生側がこれをよく理解していないため,この制御コードを返信時に削除してしまう事態が多発してしまった.他の方式も検討したが,いずれも学生に周知しておかなければならない何らかのルールを設定する必要があり,メールのみでは最良の解決策は考えられなかった.したがって,小テストについてはメール内にWebページへのリンクを掲載し,Web側で回答させるのがよりよい解決方法ではないかという結論に至った.
著者
NGUYEN V. Chuyen 川上 正舒 黒木 昌寿
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究において、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは酸化反応および白内障の進行を効果旨的に抑制するという結果を得ていることから、他の食餌性抗酸化剤の併用による糖尿病合併症の抑制効:果について明らかにすることとした。即ち、アスタキサンチンとアスコルビン酸、α-トコフェロール、トコトリエノールの各抗酸化剤の併用による効果について検討した。その結果、アスタキサンチンとトコフェロールあるいはトコトリエノールを併用した場合では、対照群に比し酸化抑制が観察された。また、酸化ストレスの指標となる尿中8-OHdGの低値も観察された。一方、アスタキサンチンに高濃度のアスコルビン酸を併用した場合では、腎臓中の過酸化脂質生成量が多く、過剰なアスコルビン酸の摂取は、生体内における過酸化反応を促進する可能性があることが明らかとなった。また、アスタキサンチンには、体内におけるα-トコフェロールの消費を抑制し、体内に蓄積させる作用があることも示された。さらに、アスタキサンチンと水溶性抗酸化剤のフラバンジェノールの併用による糖尿病の進行抑制効果を検討した。その結果、糖尿病ラットにおいて、肝臓、腎臓および血清において、アスタキサンチンとフラバンジェノールを併用した場合では、対照群に比べて脂質過酸化反応および白内障の抑制がみられた。また、尿中8-OHdGも低値を示したことから、これらの抗酸化剤の併用は、酸化ストレスの抑制により、生体組織中の過酸化脂質の生成および蓄積を有効に抑制しうることが示唆された。さらに、血清中の中性脂肪値についても、アスタキサンチンとフラバンジェノールの併用により低くなる傾向が示され、糖尿病における脂質代謝異常を改善させる可能性が示唆された。これらの結果から、アスタキサンチンとフラバンジェノールの併用は、糖尿病による生体内の過酸化反応を有効に抑制し、糖尿病およびその合併症の予防・進行抑制に効果を示すことが期待された。今後、糖尿病の予防法と治療法の開発が大きな課題となると考えられ、本研究の成果がその一助となることを期待する。なお、病院での臨床試験は2007年中に行う予定である。
著者
大友 昌子
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

2007年に台湾、朝鮮半島、日本における20世紀前半の社会事業政策を、帝国日本の植民地統治という視点から比較研究成果を刊行した。この研究成果に基き東アジアにおける福祉文化の共通基盤を探ることを目的に、互助の地域組織についての横断的な調査を行った。研究成果としては、東アジアの福祉文化的基盤にはベトナムなど中華の影響を受けた他地域も研究対象に入れる研究上の必要が生じた。ここには中華福祉文化圏とも称すことが出来る地域組織や互助組織が分布し、またこれらを道徳や倫理によって社会的規範とする思考基盤に共通性が見られた。一方、地域組織や互助の実際や展開には各地域の福祉文化が反映していることも明らかとなった。
著者
加藤 靖恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日仏の図書館や研究所で集中的に調査を行い,またフランス各地の代表的なゴシック教会の資料を収集した。またフランス学士院図書館でマール草稿の調査も開始した。19世紀にゴシック時代の彫刻作品と古代ギリシア美術とを好んで比較する傾向を調査し,国際集会,フランスの論考集,日仏の学術雑誌で発表,またパリ第3大学のプルーストセンターで講演を行った。
著者
喜々津 仁密 奥田 泰雄
出版者
国立研究開発法人建築研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、近年顕在化した建築物の甚大な竜巻被害の実態を踏まえ、既往の科研費課題で開発した竜巻発生装置を活用した低層建築物の風圧実験を実施するとともに、竜巻による突風荷重モデルの精緻化を行った。具体的には、竜巻と建築物との相対的な大小関係に関するパラメータをモデルに導入し、屋根に鉛直上向きに作用する突風荷重が建築物の規模が小さいほど大きくなる傾向を示した。また、竜巻の作用を受ける大規模な屋根を有する鉄骨造施設に着目し、折板屋根と鋼板製外壁の有限要素モデルを構築した。そして、上記の風圧実験データを用いて、屋根上を竜巻が通過する状況を想定した時刻歴応答解析を行って竜巻による被災機構を解明した。
著者
木脇 奈智子 斧出 節子 冬木 春子 大和 礼子
出版者
羽衣国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

私たちの研究グループは、本調査に先立って、平成13年度・平成14年度にも、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C)(1))を受け「育児におけるジェンダー関係とネットワークに関する実証研究」と題した大量アンケート調査を実施した。平成13年度調査では、マクロで見た場合の現代日本家族の子育ての特徴を明らかにした。その後私たちは大量調査ではすくいあげることができなかった個々の親たちの本音に迫りたいと考えた。また、平成13年度調査では分析の対象にできなかった単親家族、共働き家族、再婚家族、父親が育児休業を取得した家族など、近代家族を超える家族の子育てについても、取り上げ分析したいと思った。このような問題意識から実施したのが本調査である。平成16年5月に本調査に着手し、初年度には研究会を重ねて先行研究の検討と質問項目を作成した。平成17年3月から平成18年3月まではインタビュー調査と分析を行った。その結果母親22名、父親10名、計32名に生育歴や育児観、家事育児分担、ジェンダー観などそれぞれ1時間半におよぶインタビュー結果を得ることができた。対象者は当初平成13年度調査において「インタビュー調査に協力してもよい」と答えて下さった方々としたが、対象者の多様性を持たせるために、知人の紹介で関西圏に居住する共働きのご夫婦や単親家庭、再婚家庭へ対象者を拡げ、その結果を報告書冊子にまとめた。報告書は6章からなり、1章「調査の目的と方法」、2章「男性の子育てと仕事との葛藤」3章「専業主婦の子育て分業意識・子育て観」4章「家事・育児の外部化」、5章「定位家族体験と親子関係」6章「男性にとっての家事・育児とはなにか」となっている。夫婦で(別々に)インタビューを行っているカップルが多く、子育てや家事に関する男女の意識の違いやズレが明らかになった。
著者
西山 享 岩尾 慎介
出版者
青山学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

戸田格子の解の超離散化に必要な,解の表示の正値性について集中的に研究を行った.Lax表示された戸田格子の方程式と解の離散化について,基礎的な理論に対する理解を深めるとともに,その結果を「特異曲線を用いた有限戸田格子の正値性の代数幾何学的特徴付けについて」として,現在論文にまとめている.一方,戸田格子のLax表示と旗多様体の量子コホモロジー環およびそのK理論への一般化,とくにPeterson同型に関する研究を継続中である.シューベルト多項式,グロータンディク多項式などの計算・その行列式表示に関しても多くの部分的結果を得ているので,まとめて,何らかの形で成果として発表したい.
著者
川端 猛夫 SOKEIRIK Y. S.- SOKEIRIK Y.S.
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

α位に分岐のない脂肪族アルデヒド間のクロスアルドール反応を目的とした触媒開発に取り組んだ。標的反応はアセトアルデヒドと3-アシルアミノプロピオンアルデヒド(RCONHCH_2CH_2CHO)とのクロスアルドール反応で、生成物は高脂血症治療薬リピトールの合成中間体となる。本触媒ではアルデヒドのエナミンへの活性化にプロリン骨格ではなく、ピペリジンを用いた。ピペリジンはプロリンのアミン部分であるピロリジンに比べて、生成するエナミンの反応性が低い。これにより反応性の高いアセトアルデヒドのみをドナーアルデヒドとして活性化できると期待した。一方、3-アシルアミノプロピオンアルデヒドのアクセプターとしての選択的活性化は、触媒分子のピペリジン4位に組み込んだアミノ基による基質のアミドNH基との水素結合形成を介して基質のホルミル基が反応点近傍に配置された触媒側鎖のカルボン酸によりプロトン化を受けることで達成したいと考えた。想定通り、3-アシルアミノプロピオンアルデヒドをアクセプターとし、アセトアルデヒドをドナーとするクロスアルドール反応が進行したが、過反応により脱水が起こり、アルドール縮合体が得られた。現在、脱水を起こさず、アルドール反応の段階に留めて制御する反応系を検討中である。また位置選択的ハロゲン化触媒の開発を目指し、スルフィド及びチオアミドを活性中心とする有機触媒を開発した。これらはオレフィン類のハロアミノ化の良好な触媒となることわかったが、位置選択性の獲得にはまだ至っていない。
著者
宮治 眞 長尾 正崇 藤原 奈佳子
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

次の視点より検討した。1.判例データベースを用いて、35年間の最高裁判決から医療訴訟における事例を17例(医療側勝訴3例、医療側敗訴14例)抽出した。これを今回考案した1事例1頁の一覧性をもつフォーマットに要約し、事故防止を考慮した類型化を試みた。その結果、病状の進行が凡そ1ヶ月未満で比較的急性に進展する病態においては、慢性に経過した病態とくらべて、診療早期の「観察」による誤りや、その当時の医療慣行に従って診療することが、判断の誤りに基づく誤行為を招きやすい傾向であった。2.患者側の真摯な訴えはコメディカルスタッフにもインフォームドコンセントが適応されるべき課題か否かを検討した。その結果、コメディカルスタッフをどこまでの職種とするかについて、大きな差がみられた。3.病院の立地条件やコメディカルスタッフのインフォームドコンセントまで広げると、地域医療における医療管理も視野に入れる必要が考慮された。NPO法人「たすけあい」名古屋が地域に根付く過程を検討した。4.地域医療連携を視野にいれて、病院医療の立場から患者の安全をどのように担保していくかについて、本院の電子カルテシステムを日本医療機能評価機構の自己調査評価票に基づいて検討した。その結果、患者の安全医療の観点から電子カルテシステムをもっと見直すべきであること、システムの機能を拡大していくことが確認できた。以上を総括すると、「安全の医療」「安心の医療」「満足の医療」を「安全の生活」「安心の生活」「満足の生活」へ還元すべきことが示された。このことの基準は最終的には法律によって規定されるべきであると思われた。しかし、患者の真摯な訴えに代表される患者側の要請は、価値観を包含しており、法律と倫理の狭間の問題ともいえる。したがって、医療管理からみた場合、医療側が患者側の求める「満足の医療」「満足の生活」の垣根をどこまで共有できるかは、次の課題である。
著者
大江 真道
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

不時の豪雨いわゆるゲリラ豪雨による冠水がイネ生育へ及ぼす影響を明らかにするために1、2、4、8日の冠水処理を生育時期別に行った。生育初期に生じた影響は生育とともに回復し、収量への影響は小さかった。生育後期では、籾の分化期、花粉の形成期、稔の前期の処理で影響が大きく、2日以上の冠水で収量が減少した。収量の減少は弱勢の籾の退化に因る籾数の減少に起因した。生育後期の長期冠水(8日)は通常出現しない遅発分げつ(分枝)を促進した。見かけの茎数は増えるが穂を形成することは無かった。このような分げつの出現は重心を高め、倒伏に弱い姿勢に導いた。以上の障害は水温が高い場合ほど顕著であった。
著者
加藤 丈佳 鈴置 保雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

半径 4km 圏内の 17 地点で観測した日射量データや、協力企業から提供を受けた中部地域の日射量データについて、観測地点間における短周期変動の独立性などを解析した。その結果、1/√N 則を適用することで、1 地点の観測データは半径 15~20km の範囲の空間平均日射変動特性を表せることを確認した。その結果に基づき、遷移仮説を応用して観測点周辺の日射変動平滑化効果を表すローパスフィルタ(LPF)を構築した。LPF を中部地域 61 地点の日射データに適用するとともに、住宅分布に基づく各観測点の重みを考慮して、中部地域全体の空間平均日射を算定し、 32 分周期以下の短周期変動特性や数時間にわたる大きな日射変動の年間発生回数等を統計的に評価した。また、日射変動特性の評価の一環として、翌日の空間平均日射量 1 時間値を予測する手法を開発した。さらに、スプライン補間によって観測地点間の任意地点の日射量を推定する手法や天空画像の解析によって一定範囲内の空間平均日射量をリアルタイムに把握する手法を開発した。
著者
村田 忠禧 須川 英徳 白水 紀子 村崎 恭子 任都栗 新
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1)日本語、中国語、韓国語における情報交換を行なううえで、人名・地名等固有名詞に使用される漢字は翻訳不能なため、その互換性確保が大きな課題となる。本研究ではそのためにどのような漢字がそれぞれの言語の情報交換用漢字符号集で不足しているのかを具体的に明らかにすることができた。2)日本語と中国語における漢字の使用状況を政治演説、国語教科書、新聞、人名地名などの分野でかなり大量な素材を用いて分析した結果、それぞれの漢字符号集に含まれる漢字のうち、日本語では4,710字、中国語においては6,593字が使用されていた。日本語の場合にはJIS漢字符号集の約4分の3にすぎない。中国語の場合にはGB漢字符号集の漢字総数とほぼ等しい。JIS漢字符号集には現実の現代日本語で使用されることのない漢字がかなり多く、再考を要する漢字符号集であることが明らかになった。3)それぞれの言語の漢字情報を99.9%をカバーするのに、日本語の場合には約2,800字、中国語の場合には約4,300字が必要であるが、日本語も中国語もいずれをも99.9%カバーできるようにするためには4,700字以下の漢字集合でよいことが判明した。これは東アジアで漢字情報を共有化するうえの貴重なデータといえる。4)日本と中国での中学校の国語教科書における漢字使用状況を分析した結果、学校教育や外国語として日本語や中国語を学ぶ人への漢字教育を行なううえの役立つデータが集まった。5)漢字をそれぞれの言語特有のものと考えるのではなく、東アジア共通の文字体系として考えることが大切であり、日本語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国・朝鮮語の共同実態調査が必要であることが明確になった。
著者
西田 友是 楽 詠灝
出版者
広島修道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では, 従来のCGの表現能力を拡充して写実性の増強を目指すとともに, それに基づいたアートへの応用についても提案を行う. この目的のため, 材質の構造および光学特性を考慮して, 物理ベースのシミュレーションと可視化を行う手法を開発した. 構造を考慮することによって, 対象物の外観の表現能力が向上し, 対象物の動きもよりリアルに表現することが可能となった
著者
佐甲 徳栄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

少数の電子をナノスケールの人工的な低次元ポテンシャル井戸に閉じ込めた人工原子は,量子力学原理に基いて動作する次世代ナノデバイスの基本素子としての大きな役割が期待されており,その量子構造の解明は最も本質的な研究テーマである.本研究では,人工原子および自然原子における電子スピン配列を決定する「フントの規則」および電子の集団運動を規定する「角度相関」に着目し,その起源の解明に取り組んだ.そして,スピンが反平行な一重項状態の波動関数において共役フェルミ孔と呼ばれる空孔が存在することを見出し,この共役フェルミ孔の存在によってフント則の起源および角度相関の由来が説明できることを明らかにした.
著者
白仁田 沙代子
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

固体高分子形燃料電池における電極触媒のPt使用量削減を目指した新しいPt単原子電極触媒の開発を行った.その結果,次の成果が得られた.(i)Pt担持量がわずか0.6wt%の低担持量電極の作製に成功した.(ii)水素酸化反応におけるオンセット電位は,本研究で作製した電極はPt板と同程度であった.
著者
高木 英明 張 勇兵 李 頡
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1. 次世代の無線移動体通信システムにおける所要周波数帯域幅算出法(株)NTTドコモやノキアの技術者らと考案した次世代移動体無線通信システム(IMT-Advanced)のための所要周波数帯域幅算出法とそれを用いた周波数帯域が、2007年11月の世界無線通信会議で決定された。その方法を中心に関連技術を解説した成書H. Takagi and B. H. Walke(編著)、Spectrum Requirement Planning in Wireless Communications, John Wiley and Sons, 2008(248ページ)を出版した。その後、上記の世界標準方式を改良する周波数利用法を考案し、その待ち行列モデルの解析とシミュレーションを行った。2.セルラ移動体通信網におけるハンドオーバ数の計算とその応用セルラ移動体通信網においては、ユーザが通話中に隣のセルに移ると、そのセルで新たに周波数を割当てたり、位置情報を更新したりするハンドオーバ処理が必要となる。ハンドオーバの失敗は、通話の強制切断につながるので、ハンドオーバ数の評価は重要である。幾何学的確率及び再生確率過程の理論を応用して、移動体の一通話当りのハンドオーバ数の確率分布を計算した。同じ方法を用いて、基地局における移動体の位置情報管理のためのデータ更新の最適時間間隔を決定する理論モデルを作り、数値計算を行った。3. 時間的に急激に変化する通信負荷が通信チャネルの性能に与える影響の計算モデル無線通信システムにおける送信フレームへの周波数資源の動的割当て法として、確率過程モデルの時間に依存する状態確率の解析を行った。関連して、有限の待合室をもつ待ち行列において、全稼動期間の確率分布を、ラプラス変換ではなく、時間の陽関数として与えた。
著者
楠 綾子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

冷戦期の日米の安全保障関係は、とりわけ旧日米安全保障条約下(1951~1960年)においては、在日米軍基地の設置と運用が中核となっていた。基地は米軍の極東戦略を支える重要なシステムであった。他方で、基地は、いわゆる「基地問題」という形で日本国民の反米感情を刺激し、日米関係の不安定要因でもあった。本研究は、米軍の戦略的利益と基地周辺住民の利益を可能なかぎり均衡させる方途を求めて、日米両政府が基地の設置と運用の方式について合意を形成した過程を考察した。
著者
松浦 年男 松井 理直
出版者
北星学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題では日本語の諸方言における有声阻害重子音の音響音声学的実現ならびに形態音韻論的分布について明らかにしてきた。特に天草市の諸方言における実態を詳しく調査し,同じ形態論的環境でも地域によって有声阻害重子音で実現するか否かが異なることを明らかにした。また,山形市周辺部についても調査を行い,声帯振動の実現が九州(天草)と異なることを明らかにした。さらに,九州地方の複数の地点において語根複合(助数詞,二字漢語)で有声阻害重子音が見られるかを調査し,一部の地域において生産性が高いことを指摘した。