著者
上野 善道
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.130, pp.1-42, 2006

<p>現代方言と古文献資料に基づき,本土諸方言のアクセント祖体系を考える.高起群には従来の「高高高高…」の式音調を改訂して「高高中中…」の下降式を建てる.低起群には去声始まりのアクセント型などを組み込む.全体として,下降式と低進式の2つの式,それに昇り核と下げ核の2つの核からなる,従来よりも対立数を増やした私案を述べる.</p>
著者
幾谷 吉晴 上野 秀剛
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.3_84-3_90, 2015-07-24 (Released:2015-09-24)

本論文ではNIRSを用いてプログラム理解における1)数値計算,2)変数の記憶,3)条件分岐の判断が脳活動へ及ぼす影響を調査する.20人の被験者に3種類のコード片を理解する課題と,3段階の難易度の暗算を行う課題を与え,前頭極を計測する実験を行う.実験の結果,暗算の難易度によって脳活動に差が見られない一方で,変数の記憶を必要とする課題において有意に高い脳活動が見られた.結果はNIRSを用いた脳活動計測によりプログラム理解における記憶への負荷を評価できる可能性を示している.
著者
髙田 裕司 上野 遼平 Ramin Banan Sadeghian 永沼 香織 辻 清孝 藤本 和也 横川 隆司
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2, pp.21-28, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

We developed a bi-channel microfluidic device integrated with a four-probe electrode system to measure the trans-epithelial electrical resistance (TEER). Time course of TEER was monitored when the extracellular Ca2+ was removed and replenished both from the upper and lower channels. We showed that tight junctions were disrupted rapidly once Ca2+ was removed from the basal side. However, when Ca2+ was removed from the apical side such disruption progressed slowly. Upon replenishing Ca2+ content at the basal side the TEER recovery pace was also faster than the case of replenishing it at the apical side. We conclude that cell polarity needs to be taken into account during the process of Ca2+ removal/replacement in explaining the dynamics of tight junction disruption/recovery. These results indicate that our approach can be utilized in detecting cell polarity in real time and low invasion.
著者
上野清 編
出版者
吉川半七
巻号頁・発行日
vol.上編, 1890
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.48-58, 2022-01-15 (Released:2022-01-28)
参考文献数
29

目的 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。方法 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。結果 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。結論 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。
著者
前田 達郎 松本 尚之 須藤 昌吉 中原 良樹 上野 邦明 中山 英 森田 啓介 丹羽 雄紀
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.523-524, 2017-03-16

電力システム改革に伴う計画値同時同量制度の導入により、発電事業者は30分毎のゲートクローズ(需給計画の提出締切)やインバランス回避のために、定期点検等の運用上の制約のほか、気温等環境要因による発電能力の補正、燃料ガス導管の流量や燃料在庫管理等の複雑な制約も加味した緻密な発電計画を迅速に作成する必要がある。これらの制約のもとで、最大100台の発電機群の運転状態を決める大規模な最適化計算を、ヒューリスティック計算およびソルバー計算を併用することで、実用的な時間で解くことのできるハイブリッド最適化手法を東京電力フュエル&パワー株式会社と共同開発したので報告する。
著者
上野健爾著
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
1999
著者
井ノ崎 敦子 上野 淳子 松並 知子 青野 篤子 赤澤 淳子
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.49-64, 2012-03-31

近年、10代や20代の若者のカップルにおける暴力、すなわちデートDVが深刻な社会問題として注目されている。デートDV予防の重要性が指摘され、様々な実践活動が各地で展開されているが、生起メカニズムに関する研究はほとんどない。デートDVは暴力問題の1つでもあるが、不健全な恋愛関係の1形態でもある。恋愛関係に関しては、愛着理論に基づく研究が進んでいる。それらの中で、不健全な愛着を示す者は、不健全な恋愛関係を形成しやすいことが指摘されている。このことから、デートDVの生起が愛着の不健全さと関連があると考えられる。そこで、本研究では、デートDVの加害及び被害経験の程度と愛着の不健全さとの聞に関連が見られるかを検討することを目的とした。729人の大学生を対象に調査した結果、男女ともデートDV経験と愛着の不健全さとの聞に関連が見られ、男性の場合は、デートDV加害経験と親密性の回避と関連があり、女性の場合、デートDV加害及び被害経験と見捨てられ不安との聞に関連が見られた。また、男女でデートDV経験のリスクの高い愛着スタイノレが「とらわれ型」であったが、男女でデートDV経験の生起に関係する愛着の次元が異なった。以上のことから、性別の違いによって、愛着の不健全さとデートDVの経験の形の関連には違いがあり、デートDV予防にもジェンダーを考慮したプログラムの開発が必要であることが示唆された。
著者
上野 俊明
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.212-253, 1995-06-30 (Released:2010-12-08)
参考文献数
181
被引用文献数
7 6

To investigate the relationship between teeth clenching in Intercuspal position and isometric shoulder adduction movement in 12 normal subjects, the muscle strength and electromyogram (EMG) of the seven muscles concerned were measured by using Cybex 6000 Extremity Testing and Rehabilitation System and surface EMG analyzing system. Normalized peak torque (n-PT) and normalized average torque (n-AT) were analyzed to find muscle strength. Normalized integrated EMG (n-iEMG) was analyzed to find muscle activity.The results were as follows :1. For n-AT, the value in 100 %MVC significantly increased by 5.4% as compared with that in the rest position (RP) .2. There was a significant positive correlation between biting force of intercuspal position (ICP), 20%MVC, 50%MVC and 100%MVC and muscle strength of n-PT and n-AT.3. For n-iEMG, the value of latissimus dorsi, teres major, triceps brachii and forearm extensor muscles in 100%MVC significantly increased by 8.4%, 13.0%, 9.3% and 18.9% respectively as compared with that in RP.4. There was a significant positive correlation between biting force of intercuspal position (ICP), 20%MVC, 50%MVC and 100%MVC and muscle activity of pectralis major, latissimus dorsi, teres major, biceps brachii, triceps brachii, forearm extensor and forearm flexor muscles.
著者
岡坂 史紀 上野球
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.10(2007-OS-104), pp.1-8, 2007-01-30

アプリケーション,サーバー,カーネルの開発に統一のプログラミング環境を提供することによって容易に拡張可能なコンポーネントオペレーティングシステムを構築する手法として,システムコールおよびアップコールをC++言語の純粋仮想関数呼出しに基づいて定義し,それらをオペレーティングシステムのカーネルがリフレクションを使って処理する手法を提案する.また,この手法によって,ファイルサブシステムやTCP/IPプロトコルスタックを特定のオペレーティングシステムに依存しないアプリケーションプログラムとして開発した事例について報告する.
著者
小泉 優 岩崎 宏 山田 梢 末田 尚之 菅村 真由美 上野 哲子 宮城 司道 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.175-182, 2013-07-20 (Released:2014-08-01)
参考文献数
19

症例は 50 歳、男性。慢性咳嗽とリンパ節腫脹が出現したため、内服加療を受けていた。 改善を認めなかったため、1 カ月後に紹介となった。血清 sIL-2R が 864 U/mℓ と高値であったため、悪性リンパ腫を疑って、リンパ節生検を施行した。病理診断はリンパ節炎であった。以後、外来で抗生剤投与を行ったが、改善を認めなかった。血液検査を追加、施行したところ IgG4 が 1,100 mg/dℓ と亢進していた。IgG4 関連疾患を疑い、再度全身麻酔下に顎下腺摘出術とリンパ節摘出術を施行した。免疫染色を行い IgG4 陽性形質細胞の組織への浸潤を認め、確定診断に至った。プレドニン30mg/day より開始し、2 週間で10 %の漸減療法を行った。顎下腺、リンパ節は縮小し、呼吸器症状も落ち着いた。IgG4 も 300 台まで低下を認めたが、完全寛解には至っておらず、プレドニン 20mg/day で維持している。
著者
上野 正雄
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.65-71, 2017

少年法は保護処分すなわち教育によって少年を更生させようとする.しかし,近時の少年法を巡る 動きを見ると少年の責任を追及するという姿勢が強くなってきている.その背景には,少年を可塑性 が高いという点で質的に成人と異なる存在と見るか(子ども観),少年と成人の連続性を重視して本質 的な相違はないと見るか(小さな大人観),法対象者の見方の違いがある.このような中で,近時の脳 科学・神経科学の進歩は,衝動的行動を抑制する前頭前皮質の成熟は20代後半まで緩徐に進行するが, 感情をつかさどる大脳辺縁系は10歳頃に始まる思春期に成熟が促進され,この両者の成熟速度の不均 衡のため,10代の若者は危険な行動に走りがちだが,一方で環境に素早く適応することができる,と いう知見をもたらした.これは「子ども」観が拠って立つ科学的根拠の一つとなる.反面,非行少年 に対する責任を追及するという方策は,少年の更生とそれによる社会の安全確保にとって望ましいも のではないことになる.その上で,「子ども」観の徹底という点から,少年法上のいくつかの制度につ いてどのように解釈し,運用することが適切なのかを検討する.
著者
福嶋 裕造 藤田 良介 上野 力敏 山下 和彦 内海 康生 清水 知己 戸田 稔子 大森 あさみ
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.35-41, 2019 (Released:2019-08-26)
参考文献数
29
被引用文献数
3

当院では整形外科領域の炎症を伴った症例について霊仙除痛飲の方意で越婢加朮湯と大黄牡丹皮湯を併用して治療を行っている。代表症例を提示して原文による文献的考察を行った。また,整形外科疾患に於いて非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs : non-steroidal anti-inflammatory drugs) が使用しにくいまたは無効であった症例に対しても同処方は有効であり,文献的考察を加えて報告する。