著者
野元 野元 広瀬 健一郎 前田 耕司 廣瀬 隆人 若園 雄志郎 清水 裕二 上野 昌之 慎 基成 套 図格 紅 桂蘭 ゲーマン ジェフ JENNIFER Hixson DAVID Adcock PAUL Hixson 洪 〓柔 SANDRA L Morrison
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

アイヌ民族教育の原理・制度、アイヌ民族教育に関する実践、海外の先住民族・少数民族の教育3つの研究課題の柱に沿って研究・調査行い、アイヌ民族の当事者が設立を求めているアイヌ民族学校、アイヌ民族大学などのアイヌ民族教育機関の具体的なイメージを持つとともに、管理・運営のためのアイヌ民族教育委員会制度や教育内容・方法について検討することができた
著者
松元 美里 古賀 夕貴 樋口 汰樹 松本 英顕 西牟田 昂 龍田 典子 上野 大介
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.319-322, 2020-09-25 (Released:2021-11-14)
参考文献数
5
被引用文献数
5 3

近年,残香性を高めることを目的としたマイクロカプセル化香料の使用が一般化している.本研究ではハウスダストから甘いにおいを感じることに着目し,におい嗅ぎガスクロマトグラフィー(GC-O)を利用した“におい物質”の検索を試みた.分析の結果,ハウスダストと柔軟剤から共通したにおい物質が検出され,香料がマイクロカプセル化されたことでハウスダストに比較的長期間残留する可能性が示された.
著者
澤田 真知 佐々木 伸子 上野 勝代
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.181-186, 1995-10-25 (Released:2018-12-01)
参考文献数
4

IN RECENT YEARS, WOMEN HAVE GIVEN A LOT OF SUGGESTIONS ON COMMUNITY DESIGN. THIS EXPLAINS THAT CITIES HAVEN'T BEEN DESIGNED IN TERMS OF WOMEN'S STANDPOINT IN A SATISFACTORY WAY. THE PURPOSE OF THIS PAPER IS TO ARGUE THAT WOMEN'S VIEWS ON COMMUNITY DESIGN, WHICH HAVE BEEN NEGLECTED, ARE INDISPENSABLE TO THE CITY PLANNING. IN ORDER TO BRING WOMEN'S PERSPECTIVE ON ENVIRONMENTAL DESIGN INTO BOLD RELIEF, WE CHOSE TO CARRY OUT SEVERAL KINDS OF RESEARCHES ON PUBLIC TOILETS THIS TIME.
著者
上野 裕介 江口 健斗
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2218, (Released:2023-04-30)
参考文献数
26

希少種のインターネット取引は、世界的に喫緊の課題となっている。希少種の中でも採集による地域個体群の消滅が強く懸念される分類群に、小型サンショウウオ類がある。日本には 2022 年 2 月現在で 45 種の小型サンショウウオ類が生息し、うち 42 種が環境省のレッドリスト 2020 に掲載されている。さらに近年も分類学的研究が続けられており、この 10 年間に各地の地域個体群が相次いで新種記載されている。また山中の小さな繁殖池に集まり、集団で産卵する種も多いため、成体や卵のう、幼生の大量採集が行われる危険がある。そこで本研究では、希少野生生物種の取引実態の一端を明らかにするために、個人間取引が盛んなインターネット・オークションに着目し、小型サンショウウオ類の取引状況を調べ、その課題を明らかにした。調査では、国内の各インターネットオークションサイトでの取引履歴(商品名、価格、落札日、商品画像や説明など)の情報を網羅的にアーカイブし、無償または有償で提供している企業の情報を用いて、2011 年 1 月から 2020 年 12 月までにオークションサイトの「ペット・生き物」カテゴリに出品、落札された小型サンショウウオ類(生体)を調べた。その結果、日本最大級のオークションサイトでは過去 10 年間で 28 種、計 4,105 件(落札総額 14,977,021 円)の取引が確認できた。種ごとの取引件数は、環境省のレッドリストで絶滅危惧 IB 類(EN)もしくは II 類(VU)に選定されているカスミサンショウウオ群が最も多く(962 件)、次いでクロサンショウウオ、ヒダサンショウウオ群、エゾサンショウウオの順に多かった。小型サンショウウオ類全体での年間の取引件数は、当初は年 200 件ほどで推移していたものの、近年、急激に増加し、2020 年は年 1,117 件(合計落札額 5,282,518 円)を超えていた。この急増は、出品回数の特に多い数人の個人によるものであった。また分類学的研究が進み、それまで隠ぺい種だった地域個体群が新種として記載された後には、それらの種の取引件数が 2 倍以上に増えることがわかった。それゆえ、希少種や地域個体群保全の観点から早急な対策が求められる。なお本調査手法は、他の動植物の取引実態調査にも容易に適用可能である。
著者
松崎 元 大内 一雄 上原 勝 上野 義雪 井村 五郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.69-76, 1999-01-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
13
被引用文献数
4

つまみ・水栓金具・ふた等の操作具を前提とした円柱の回転操作において, 使用する指の状況が円柱の直径の変化によって, どのように推移するかを検討するため, 32名(19〜20歳の男性23名, 女性9名)の被験者で実験を行った。実験の方法は以下のようなものである。直径が7mm〜130mmの間で異なる木製の円柱(高さ50mm)を45本用意し, 無作為に選択された各円柱を, 順に台上の回転軸に差し込み, 右手で時計回りに回転させる。操作の状況は, 下方からビデオカメラで撮影し, 得られた画像から各指と円柱の接触状況を判断した。その結果, 回転操作開始時に使用する指の本数が変化する境界値を, 相対的に図示し把握することができた。また, 円柱の直径が増大するのに伴って, 各指の接触位置がどのように推移するかを二次曲線で近似でき, その傾向が明らかになった。この結果は, 回転操作機器の形状デザインに役立てることができる。
著者
坂井 健太郎 田中 秀明 古原 千明 下村 有希子 杉山 友貴 吉水 秋子 松井 礼 井上 智博 上野 正克 塚本 竜生 東 治道
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.283-288, 2018 (Released:2018-04-28)
参考文献数
20

にがりは食塩を海水から精製する過程で得られるものであり, マグネシウム (Mg) やカルシウム (Ca) などのさまざまな電解質を含む. したがって過剰摂取は電解質異常を起こし得る. 今回われわれは, にがり大量飲用に起因する高Mg血症, 高Ca血症から心肺停止に至った症例を経験したので報告する. 症例は21歳の女性で, にがり1本を飲用し8時間後に当院へ救急搬入された. 搬入時には会話可能であったが, その後心肺停止に至った. 来院時の血液検査でMg, Caの異常高値が判明したため, 蘇生後直ちに血液透析を行った. 血中Mg, Ca濃度は透析開始後次第に低下していき, 第3病日までには正常化した. にがりの大量飲用では電解質をチェックし, 早期に血液透析を行うことが肝要である. また高Mg血症は心肺停止のみならず, さまざまな臓器の出血傾向を助長し得るため, 集学的な全身管理が非常に重要となってくる.
著者
中村 誓志 森田 恵美子 木村 貞恵 定本 裕美 上野 正嗣 岩井 礼子 生島 忍 広川 慶裕
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.938-942, 2008 (Released:2010-02-07)
参考文献数
13

Scabies is a major form of dermatitis and in the second edition of clinical management guidelines for scabies drawn up by a committee of the Japanese Dermatological Association in 2007,ivermectin was recommended as a drug of choice for its treatment.Ivermectin had been approved as a treatment for scabies and launched in Japan in August 2006.On administering ivermection to 6 patients who developed scabies in our geriatric mental ward,3 of them subsequently developed hepatic function disorders.In order to investigate the cause of these disorders,we examined their weights,ages,drug interactions,and metabolism.We found that blood levels of ivermectin were easily affected by fat in the diet due to its liposolubility.In addition,since CYP3A4,an enzyme considered to be involved in the metabolism of ivermectin,may increase the toxicity of its metabolic products,we concluded that use of ivermectin should be reviewed.It is recommended that hepatic function tests are carried out a week before and after administering ivermectin,and that it should be given at bedtime to avoid drug interactions.
著者
上野 智貴 山本 民次 福岡 浩一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.67-73, 2022 (Released:2022-03-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

瀬戸内海では, 長期的な窒素・リンの総量規制により, 近年では魚介類の漁獲量低下やノリの色落ちといった貧栄養化問題が指摘されている。対策の一つとして, 下水処理場等事業所からの排水の緩和が行われるようになってきたが, 陸域からの負荷は沖合まで届かない。そこで本研究では, 栄養塩を溶出させることで魚介類を増殖・成長させることを想定し, 実海域で使用できる施肥材を開発することを目的とする実験を行った。原料は完熟発酵鶏糞を主成分とし, これに鉄分と固化剤を加えてプレスした固形の施肥材を作成した。フラスコレベルで溶出試験を行い, 施肥材から溶出するN/P/Fe比が微細藻類の増殖にとって好適な比となるよう工夫した。現場用にサイズをスケールアップした施肥材を用いて溶出試験を行ったところ, 5か月以上の溶出持続性が確認された。以上より, 開発した施肥材が海域において持続的な栄養塩の供給機能を発揮できることを明らかにした。
著者
木村 妙子 木村 昭一 自見 直人 倉持 利明 藤田 敏彦 駒井 智幸 吉田 隆太 田中 隼人 岡西 政典 小川 晟人 小林 格 小玉 将史 齋藤 礼弥 清野 裕暉 片平 浩孝 中野 裕昭 吉川 晟弘 上野 大輔 田中 正敦 大矢 佑基 前川 陽一 中村 亨 奥村 順哉 田中 香月 Kimura Taeko Kimura Shoichi Jimi Naoto Kuramochi Toshiaki Fujita Toshihiko Komai Tomoyuki Yoshida Ryuta Tanaka Hayato Okanishi Masanori Ogawa Akito Kobayashi Itaru Kodama Masafumi Saito Masaya Kiyono Yuki Katahira Hirotaka Nakano Hiroaki Yoshikawa Akihiro Uyeno Daisuke Tanaka Masaatsu Oya Yuki Maekawa Yoichi Nakamura Toru Okumura Junya Tanaka Kazuki
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要 = The bulletin of the Graduate School of Bioresources Mie University
巻号頁・発行日
vol.45, pp.11-50, 2019-09

Preliminary results of the deep-sea faunal survey conducted from the TR/V Seisui-maru of Mie University in April 2018 are presented. 18 taxonomists and ecologists working on a wide variety of animal taxa participated in this survey. Surveyed areas included the Kumano Sea (off Mie Prefecture) and south of the Kii Strait (off Tanabe Bay, Wakayama Prefecture), at depths of 80-821 m. Sampling gears employed were beam trawl and biological dredge. The collection is represented by macrobenthos and meiobenthos from 11 animal phyla, including arthropods, echinoderms, annelids and molluscans. The number of phyla occurring in each station varied from 3 to 7. The station with most diverse fauna at the phylum level was St. 3B (south of the Kii Strait, 421-543 m depth, sandy mud bottom). Meiofauna includes priapulids and small arthropods, such as ostracods, tanaidaceans, isopods, cumaceans and acarus. In addition to free-living species, parasitic crustaceans, platyhelminthes, acanthocephalans, annelids and cnidarians were also collected from fishes, ascidians, urchins, holothurians, crustaceans and polychaetes. Preliminary identifications are given for Ostracoda, Cirripedia, Amphipoda, Decapoda, Asteroidea,Ophiuroidea, Holothuroidea, polychaetes, Echiura, Mollusca and Xenoturbellida.
著者
石田 昭夫 上野 友美
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology · The Japanese Society of Soil Microbiology
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.67-72, 1996-12-31 (Released:2009-10-05)
参考文献数
10

非好塩性細菌である大腸菌(Escherichia coli ATCC-9637)を用いて,海水環境下での菌の増殖及び耐塩性誘導とその保持について,天然海水の代わりに組成成分の明確な人工海水を使用し検討した。2.5倍濃度の人工海水に酵母エキスを加えた培地では,この大腸菌株はほとんど増殖できないが,通常濃度の人工海水であれば十分に増殖できることが分かった。さらに,通常濃度の人工海水に酵母エキス(1%)を添加した培地で,30分間前振盪処理をすることによって,無処理では増殖の観察できない2.5倍濃度の人工海水中でも菌増殖が可能となる耐塩性が誘導された。このような耐塩性の誘導には,培地の人工海水濃度が通常の1/2~1付近が最も効果的であること,さらに酵母エキスを必要とすることが分かった。このことは,淡水性の大腸菌が河口周辺または海水環境下で酵母エキスのような有機物の存在があれば,耐塩性が誘導され,より高濃度の塩分環境に適応出来ることを示唆している。誘導された耐塩性は,有機物なしでも人工海水中に低温下で菌体が保存された場合は,少なくとも2週間はほぼ完全に保持されそれ以降次第に消失することが分かった。耐塩性の保持に有効な人工海水の成分を検討したところ,浸透圧を維持するNaClとMgイオン及びCaイオンの共存が必要であることが分かった。一方,純水中で菌体を保存した場合は,耐塩性は1週間でほぼ消失したが,平板培養法で観察した生菌数はわずかの減少しか見られないことから,耐塩性の消失と菌の死滅は別個の機構によると考えられる。
著者
上野 耕平
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_141-2_150, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
14

The purpose of this study was to clarify the impact of a rash guard on the likability of a swimming class from the perspective of the psychological difficulty of wearing a swimsuit. In study 1, 127 college students (20.35years old; 54 males, 73 females) completed a retrospective survey on the psychological difficulty of wearing a swimsuit in junior high school. The results revealed that psychological difficulty can be divided into four concerns: body shape, other people′s gaze, sunburn, and body hair. In study 2, 315 students (13.39years old; 165 males, 150 females) belonging to a junior high school that allowed them to wear a rash guard in swimming class and 290 students (13.93years old; 138 males, 152 females) belonging to a junior high school that did not allow them to wear a rash guard in swimming class completed a survey on the likability of the swimming class, requests for wearing a rash guard in future classes, and the psychological difficulty of wearing a swimsuit. The results revealed that wearing a rash guard impacted the likability of a swimming class by reducing students′ anxiety about sunburn.
著者
谷口 枝穗 増澤 佑哉 島谷 直孝 多村 知剛 上野 浩一 栗原 智宏 本間 康一郎 佐々木 淳一 田口 寛子 新庄 正宜 武内 俊樹
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.475-478, 2020-12-28 (Released:2020-12-28)
参考文献数
11

【背景】今回, 水痘を罹患した後に脳梗塞を発症した小児の1例を経験したので報告する。【症例】4歳の男児。右上下肢脱力で当院へ救急搬送された。来院後, 救急外来で一過性の右上下肢麻痺および構音障害が確認された。頭部MRI検査拡散強調画像で左内包後脚に高信号域, MRA検査で左中大脳動脈本幹の血管狭小所見を認め急性期脳梗塞と診断し, 同日入院した。入院5週間前に水痘罹患歴があり, 入院時の髄液検査より水痘・帯状庖疹ウイルス (varicella zoster virus : VZV) DNAが検出され, 水痘罹患後の血管炎による脳梗塞と診断した。アシクロビル (Aciclovir : ACV), プレドニゾロン (Prednisolone : PSL), 抗血栓薬投与により症状は単相性に改善し, 第18病日に自宅退院となった。【考察】小児期の脳梗塞の原因は, 成人と比較し多岐に渡り, 水痘罹患も主要な原因の一つである。小児脳梗塞症例においては, 基礎疾患の検索のほか, 水痘をはじめとした感染症の罹患歴ももれなく聴取することが重要である。
著者
川口 慎介 井尻 暁 上野 雄一郎
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

『干し草の山から針を探す』という西洋の慣用句がある。困難な事業の例えだ。とはいえ、干し草に火を放てば針だけが残るだろうし、強力な磁石を用意すれば針だけを吸い付けられるだろう。つまり、干し草と針それぞれの性質を十分に把握すれば、針を発見するという目的は困難なく達成できるのだ。地殻内環境の炭化水素研究にあてはめると『干し草(熱分解起源)から針(有機合成反応起源)を探しだすためには両者の性質(同位体システマチクス)を十分に把握するのが有効だ』ということになる。本研究では干し草の性質を解明する。
著者
上野 奨太 髙屋 成利 増田 知子 吉尾 雅春
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12246, (Released:2022-10-05)
参考文献数
42

【目的】脳卒中患者の歩行練習において,長下肢装具から短下肢装具への移行に要する日数に関連する入院時因子を探索的に調べること。【方法】対象は回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)で長下肢装具を使用して歩行練習を行った片側大脳半球損傷の脳卒中患者200名。長下肢装具を使用した練習日数を目的変数,入院時の各種評価項目を説明変数とする重回帰分析を行って関連する因子を探索した。【結果】下肢Brunnstrom Recovery Stage, Scale for Contraversive Pushing合計点,Functional Independence Measure運動項目および年齢が関連因子として検出された。【結論】回復期病棟入院時の下肢運動麻痺の回復ステージが低く,Pushingの程度が強く,機能的自立度の運動項目が低く,年齢が高いほど,長下肢装具を使用する練習期間が長期に及びやすいことが分かった。
著者
嶌田 理佳 上野 範子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.2_87-2_99, 2002-06-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
107

アメリカやイギリスでは1990年頃までにほとんどの施設でナースキャップが廃止された。 私服導入を含めたユニフォームの変遷と共に必然的に廃止に至ったと考えられるが,この背景にはナースキャップの表現する看護婦像が専門職のものとしてふさわしいかどうかを議論したフェミニズムの視点もあったと考える。 歴史的に欧米でも女性は主体的に生きることは許されず,一生を男性に捧げるものとされてきたが,看護が伝統的に女性の職業であったために,1960年代まで看護婦は医師や病院経営者ら男性による支配をうけてきた。 その後,女性のみに着用が求められるナースキャップは,差別的であるとの指摘や伝統的女性観を想起させ,新時代の看護婦のイメージとして不適切との主張がナースキャップ廃止に影響を与えたのではないかとみられる。 この論文では英米の文献を参考に看護史と女性史に基づき,ナースキャップの表現する女性性と看護婦像について考察した。