著者
上野 真弘 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.30, pp.25-30, 2008-03-19

近年,P2P によりファイル共有を行うアプリケーションが増加しており,それらが発生するトラヒックは IP ネットワークに大きな影響を及ぼしている.そこで本稿では,トラヒックを減少させるために,ファイル検索に関して非協力的な制御ピアをネットワーク上に参加させることにより,ピアの検索効率を低下させ,共有されるファイル数を制御する方式を提案する.また,Gnutella と Winny を想定したシミュレーション実験を行い,本方式の有効性を評価した結果,いずれのネットワークに対しても検索効率の低下が見られることを確認した.特に,Winny ネットワークに対する効果は大きく,少数の制御ピアでも十分な効果が得られることを示した.P2P file sharing applications are increasing recently, and the traffic affects to IP networks. In this paper, we propose a file sharing control method to reduce file sharing efficiency. In our method, control peers join the file search network and we can control number of shared files of networks. We evaluted our method by computer simulations for Gnutella and Winny networks. From these results, we confirmed decrease of the efficiency of file search for both networks. Especially, the effect on Winny networks is more effective than Gnutella and few control peers can give enougth effect on the network.
著者
坂本 亘 上野 正博
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

魚類の遊泳行動に見られる日周活動リズムの持つ役割を、魚群形成過程の面から検討した。カタクチイワシは活動機能が低下すると浮上し、機能が活発になると沈降し深い層に移動する。この傾向は比較的初期の仔魚期からあらわれることを確かめた。さらにこの浮上・沈降の日周性と流れの鉛直シア-とを組み合せると種ごとに移動して行く方向に差が生じ、次第に魚種ごとの群となって行くことを確かめるため、海洋において実験を行なった。鉛直シア-、つまり表層から次第に深い層に行くにつれ流向が変る傾向は若狭湾西部において明確にあらわれていることを確かめた。特に表層と10mとで比較すると、表層では沖合へ、10m層ではそれと全く逆の湾奥方向へ流れていることを実測により見出した。また、この流れの測定と同時に表層と10m層のカタクチイワシ仔魚の分布密度を比較したところ、表層に分布する仔魚は流れの収束・発散の影響を受けて、集中分布をする傾向が強いことがわかった。仔魚は微細なため、長時間連続的に遊泳行動を記録するための特殊な自動記録装置を開発した。これは発光ダイオ-ドと光トランジスタを230個組合せて作られており、仔魚が発光部を通過すると、その位置・時刻が自動的にマイクロコンピュ-タの中に記録として取り込まれるようになっている。測器の開発及びプログラムに1年半を要したために、カタクチイワシの仔魚発生時期(6月から8月)の研究の間に合わなかったが、カワムツを用いた実験では日周活動リズムを記録することに成功した。これらのカタクチイワシによる日周活動リズムの解析と並行して、実際に海洋を回遊しているアカウミガメの日周活動リズムの解析にも成功し、この活動リズムが大規模な回遊をする際の定位と深いかかわりのあることを確かめた。この部分はすでに学会誌に報告した。
著者
上野 浩晶 中里 雅光
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.2, pp.73-75, 2006 (Released:2006-04-01)
参考文献数
9

近年,肥満者の増加と,肥満を基礎にして発症する糖尿病,脂質代謝異常,高血圧症などの肥満症やメタボリックシンドロームを呈する患者数が増加している.しかし,その根底にある肥満の治療法は不十分なままである.最近,NPYやそのファミリー(PP,PYY)を含めてさまざまな摂食調節物質の同定や機能解析が進んでいる.NPYは中枢神経系に存在しており,強力な摂食亢進作用を有している.NPYニューロンを活性化する入力系としてグレリンやオレキシン,抑制する入力系としてレプチンやインスリンがある.入力系の中でも胃から分泌される摂食亢進ペプチドであるグレリンは迷走神経や神経線維を介してNPYニューロンにシグナルを伝達してその作用を発揮している.PPは主に膵臓に発現しており,摂食抑制作用を有する.PYYは十二指腸から結腸までの腸管で産生され,摂食抑制作用を有する.PYYは迷走神経を介して中枢の摂食抑制系ペプチドであるPOMCニューロンを活性化してその作用を発揮している.これら摂食調節ペプチドの機能解析が進んで,ペプチドそのものや受容体のアゴニスト,アンタゴニストといった新規の抗肥満薬の開発や実用化が期待される.
著者
井原 雅行 金田 洋二 上野 圭一 金山 英明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J82-A, no.5, pp.717-725, 1999-05-25

本論文では,ユーザの潜在的好みを推定する手法を提案する. 同手法では,ユーザ本人のアクセス履歴に加え,好みの似ている他ユーザ(=類似ユーザ)を探し,そのアクセス履歴も活用する. そのため,ユーザ本人が未アクセスの情報集合の中に埋もれていて潜在的好みに合致する情報を推薦提示できる. 本推定手法は「直接的類似ユーザ探索手法(SUSM:Similar-User Search Method)」と 「間接的類似ユーザ探索手法(ISUSM:Indirect Similar-User Search Method)」から構成される. SUSMはユーザ本人と他ユーザのアクセス履歴を比較し,共通にアクセスされた情報が最も多い他ユーザを探す手法である. ISUSMはSUSMにより探し出された類似ユーザの情報を用いて間接的に類似ユーザを探す手法である. 本手法を音楽検索システムに適用し,潜在的好みに合致する情報を類似ユーザのアクセス履歴から探して推薦曲とした. 実験の結果,ユーザ本人のアクセス履歴のみから推薦曲を選ぶ場合と比較して,提案手法の場合はユーザ本人の好みに合致する推薦曲(=有効推薦曲)が2倍以上に増加することを確認した.
著者
上野 敦志 中須賀 真一 堀 浩一
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.297-308, 2000-03-01
被引用文献数
9

Real robots should be able to adapt autonomously to various environments in order to go on executing their task without a break. For this purpose, they should be able to learn how to abstract useful information from a huge amount of information in the environment while executing their task. This paper proposes a new architecture which performs categorical learning and behavioral learning parallelly with task execution. We call the architecture Situation Transition Network System (STNS). In categorical learning, it makes a flexible state representation and modifies it according to the results of behaviors. Behavioral learning is reinforcement learning on the state representation. Simulation results have shown that this architecture can learn efficiently and adapt to unexpected changes of the environment autonomously.
著者
森 靖 小林 浩 上野 洋一郎 森谷 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.67-71, 2006-11-09
被引用文献数
1 1

発展途上国などの情報弱者地域への導入が期待されているflying S-CSMA/v-MCA方式は,衝突回避手続きに伴うRTT浪費問題を根本的に解決し,広域化を可能にするものである.方式開発にあたっては,これまで長短パケット数比を固定した静的なトラフィックを印加し,スループット特性や遅延特性などをシミュレーションにより評価してきた.ところで,近年急速に普及が進んでいるVoIPやストリーミングなどのリアルタイム系サービスに対応するには,QoS制御の導入が必須である.これに伴って,印加トラフィックを現在のサービス利用状況を反映したものに見直す必要が出てきた.大学キャンパス内で発生しているトラフィックを計測し,利用されているサービスやその利用頻度およびトラフィックパターンなどのモデル化を行い,トラフィックが動的に変動するシミュレーション環境を整備した.
著者
田口 信一 深瀬 仁 今崎 光勇 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.437-438, 1992-09-28

データベースは,高度情報化社会において非常に重要な位置にあり,様々な分野に導入されている.このデータベースの索引,検索するのに利用されるものとしてシソーラスがある.しかし,シソーラスを構築する上で幾つか問題点があるため,標準化されたシソーラスを構築することが困難である.よって,本稿では,主題分野について深く認識のある専門家が,シソーラスを構築する過程においてユーザをサポー卜するシステム,"THEMSYS"の開発について述べる.
著者
シンハ プラディープ 湯浅 敬 西川 宏 上野 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.93, no.262, pp.55-61, 1993-10-07

ネットワークが一般的になるにつれて,ネットワークアプリケーションのための言語支援が求められている.現在,RPCがネットワークアプリケーションを作るための,最も人気のある言語レベル支援である.しかしRPCのクライアントサーバーモデルは,ある種のインタラクションに対しては柔軟に対応できない.例えば,複数プロセスが相互に作用したり,RPCメッセージとユーザ入力イベントを同時に扱うようなアプリケーションを作るのは困難もしくは不可能である.本論文はこの問題を解決するためのオブジェクトモデルと,それに基づくプログラミング言語支援について述べる.
著者
荻原 哲也 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.133-134, 1995-03-15

我々は,約10年をかけてプログラミング教育向きの統合型知的プログラミング環境INTELLITUTORの開発を行ってきた.理系大学におけるアルゴリズム中心型のプログラミング教育の中で利用されることを意図している.主として,Pascalによるクイックソートプログラムを例題として,システム開発や評価を行ってきた.INTELLITUTORシステムは,プログラム入力支援システムGUIDE,論理ミスの検出,意図の推定,訂正の助言を行うプログラム理解システムALPUS,および,プログラミング知識の教授を行う知的CAIシステムTUTORから構成される.一方,近年,C言語がパーソナルコンピュータ,ワークステーションなどの小型コンピュータの世界で広く普及しつつあることを背景として,Pascalに代わってCの教育が行われるようになってきた.こうした背景に対応するために,INTELLITUTORを両言語対応に拡張しつつある.これにともなって,サブシステムであるALPUSも拡張を行っているが,その方法として,両言語で書かれたプログラムを一度言語独立な抽象表現に書き換えてから理解処理を行うやり方を採用した.本稿では,C言語プログラムを抽象化する方法とその能力の汎用化について報告する.なお,C言語はANSICとする.
著者
小澤 英昭 上野 香里 鈴木 健也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.321-322, 1997-03-12

マニュアルやカタログのような大量の文書情報を一元的に管理したり, 組織間や異種のシステム間で情報の流通を促進することを目的として, SGML (Standard Generalized Markup Language) を利用する例が増えている. SGML は, 例えば章や節と言った論理的な構造を付与した電子的な情報の記述法を規定しているだけであり, 電子的な文書情報システムとして誰もが簡単に利用するためには, 簡単に SGML データを作成できるエディタや, ディスプレイ上で SGML データを見易いビューワといった, 各種のツールが必要である. 我々はディスプレイ上で誰でもが簡単にマルチメディア情報を閲覧, 検索するためのインタフェースとして, 本のメタファを用いたブックメタファシステムを提案してきた.本稿は, このブックメタファシステムをべースとして, マニュアルの様な大量の SGML で記述された情報を, 電子的な本に自動的に展開し, 利用者に提供する SGML ブックメタファを提案する.
著者
上野 香里 鈴木 健也 小澤 英昭 外村 佳伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.9, pp.19-24, 1998-01-29
被引用文献数
1

ブックメタファは、ビデオ・静止映像・音・文字等の情報を含むマルチメディア電子本を初心者が簡単に作成および閲覧できるツールである。本報告では、コンピュータをあまり使いこなせない人に対して、WWW上で情報を読みやすくするビューアとしてブックメタファを用いる方法を紹介する。ブックメタファを用いれば、目次や各項目が一元的に並ぶため、階層を意識する必要はなく、また、前進と後退の操作だけで情報を閲覧できる。コンピュータ上で文書を閲覧する際のブックメタファの有効性を検証するため、ブックメタファと一般的なWWWブラウザとを用いて、マルチメディア情報をコンピュータ上で閲覧する効率を比較する認知実験を行った。その結果、ブックメタファを用いれば初心者でもページめくり操作のみで閲覧できるため、文書全体をコンピュータ上で閲覧する際に特に有効であることがわかった。The book metaphor is a hypermedia database system with a book-like user interface. We have been creating electronic on-line manuals with this system up to now. Browsing data through the book metaphor is easy for novice computer users. When such users browse WWW data, they tend to be obstructed by the style of the HTML viewer and the rapid movement to other nodes in the data structure. This paper proposes that the book metaphor be used in a WWW data viewer. By using this viewer, users can scan the data using only forward and backward operations: they don't need to be aware of the underlying hierarchy, because the table of contents, data pages, and index fall in a linear progression. This paper examines the effectiveness of the book metaphor as a WWW data viewer.
著者
上野谷 敏之 水谷 義弘
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.341-347, 2006 (Released:2006-04-26)
参考文献数
50
被引用文献数
1