著者
大音 俊明 増田 政久 林田 直樹 ピアス 洋子 中谷 充 浮田 英生 志村 仁史 茂木 健司 塚越 芳久 中島 伸之
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.36-39, 2001-01-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Intravenous leiomyomatosis (IVL) は子宮筋腫あるいは子宮内静脈壁から生じた組織学的に良性な平滑筋腫が静脈内に成長進展したものと定義され, まれに右心系へ達することもある疾患である. 症例は43歳の女性で, 右内腸骨静脈から下大静脈を経て右房右室にいたるIVLに対し体外循環を用いた開心・開腹による腫瘤摘出術を行った. 体外循環を開始するさい, 下大静脈への脱血管挿入は腫瘤が障害となり困難であった. 経右房的腫瘤切除を行ったのち, 脱血管を挿入したが予想外に出血が多く血行動態の悪化を招いた. 経右房的腫瘤切除は循環停止下に行ったほうが安全かと思われた. また術後, 腫瘍組織が残存した場合には再発の可能性が高いので本症例では予防的に抗エストロゲン剤の投与を継続している. 術後2年4カ月を経過し静脈内に再侵入する腫瘍像は認めず手術および術後の薬物治療が有効であったと考えられた.
著者
中野 茂夫 中島 伸 不破 正仁 小山 雄資
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.18, no.40, pp.1101-1106, 2012-10-20 (Released:2012-10-20)

The purpose of this paper is to clarify the architectural feature and background of the removing and reconstruction about former government office of Tomobe national sheep farm. Tomobe national sheep farm was one of five sheep farms instituted by Agriculture Department in Taisho era. That government office may be the only building of former national sheep farm in existence. That government office was removing from Hojyo national sheep farm and reconstruction. That office has been conservation since that time.
著者
菊本 統 中島 伸一郎 小山 倫史 酒井 直樹
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,吸排水に伴うヒステリシスや体積変化による飽和度変化の影響も考慮した発展型の水分特性曲線モデルと、それを組み込んで締固め過程から変形・破壊までシミュレートできる不飽和土の構成則を開発した。これらのモデルの適用性は,排気非排水圧縮や浸水,せん断シミュレーションを通して検証し,同モデルを用いれば最適含水比と最大乾燥密度を持つ締固め曲線を解析的に表現できることを明らかにした。さらに,有限変形理論に基づいて、2年目までに開発、検証を行った構成モデルと水分特性曲線モデルを組み込んだ有限要素解析コードを開発するとともに、大変形問題のシミュレーションを通して検証を行った。
著者
矢野 隆夫 西山 哲 中島 伸一郎 森石 一志 大西 有三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.120-130, 2011 (Released:2011-12-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

透水性舗装の貯留・浸透特性を飽和―不飽和浸透解析や気液二相流解析等で評価する場合,舗装を構成する各材料の不飽和浸透特性を精緻に把握しておくことが必要である.そこで透水性舗装の材料としてポーラスアスファルト混合物,路盤材および数種の路床材に対して,水分保持特性試験および飽和―不飽和透水試験を実施し,解析における不飽和パラメータの取得を行った.ポーラスアスファルト混合物に対する試験結果については既に報告しており,本論文では路盤材および路床材の結果について報告する.試験結果を既存のモデル式でフィッティングしたところ,水分保持特性は Van Genuchten 式の適用性が良い事を,路盤材の不飽和透水特性は主に Irmay 型の式で,路床材は Van Genuchten 式でよく表現できることを明らかにした.
著者
中島 伸佳 桑木 信輔 石原 浩二 田中 英彦
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.39-48, 2012

植物性食品を中心とした食生活は、生活習慣病の予防や治療に効果があるとされている。乳酸菌や酵母により発酵熟成させた植物発酵エキスは、多種多様な植物性原料を用いて、発酵と糖蔵という伝統的な食品保存技術を応用した発酵食品である。本研究では、植物発酵エキスの有効性(栄養的特性や保健機能)に関する研究を行った。植物発酵エキスには、58.5%の炭水化物、3.7%のタンパク質、1.3%の脂質をはじめ、18種類のタンパク質構成アミノ酸や種々のビタミン類、食物繊維、ファイトケミカル(ポリフェノール、テルペノイド等)が含まれていた。さらに、植物発酵エキスは抗酸化作用、血圧上昇抑制作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、チロシナーゼ阻害作用を有していることを「in vitro 試験」により明らかにした。
著者
斎藤 典男 更科 広実 布村 正夫 幸田 圭史 滝口 伸浩 佐野 隆久 竹中 修 早田 浩明 寺戸 孝之 尾崎 和義 近藤 英介 知久 毅 若月 一雄 鈴木 弘文 安富 淳 小林 信義 菅谷 芳樹 吉村 光太郎 石川 文彦 中島 伸之
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.381-388, 1995 (Released:2009-06-05)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

初発および再発直腸癌に対する骨盤内臓器全摘術(TPE)の適応と予後について検討した.対象は最近の13年間に施工した初発TPE22例と局所再発TPE14例の計36例である,36例中15例(初発6,再発9)に術前照射(30~40Gy)を行った.再発TPEでは初発例に比べ手術侵襲(手術時間,出血量)が大きく術後合併症の頻度も高く,術前照射群で同様の傾向を示した.5年生存率は初発TPE例で55.2%を示し,n0~n1群は良好であった.再発TPEの5年生存率は48.6%であるが,無再発5年生存率は31.1%と低値を示した.再発TPEでの長期生存例は,術前照射群に認められた.再発および再々発型式は,血行性転移が主であった.初発例のTPEは安全であり,遠隔転移の有無に関係なく局所制御の意味で従来の適応を拡大してよいと考えられた.再発例に対するTPEでは,厳重な症例選択により,生命予後の延長と良好なQOLの得られる症例も認められた.
著者
中島 伸 田中 暁子 初田 香成
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.181-192, 2015

本研究は,城南住宅組合を対象に組合活動を通時的に分析し,住環境を下支えしてきた土地所有の状況など明らかにすることで,住環境の形成・維持へとつながる住民主体のまちづくりへの知見を得ることである。組合の活動記録の一次史料と土地所有形態の変遷を調べることで,理想的田園生活を目指した城南住宅組合は当初こそ別荘利用の形態で住宅地化が進まなかったものの,戦中,戦後より住宅地として居住実態が伴ってくると,当初より定めた規約による各住宅地での環境整備が進んだ。共同借地経営の住宅組合という組織ではあるが,土地所有など前提となる経営基盤が大きく変化する中で,住環境維持を目標にしつつも,居住者のコミュニティ活動を相互補完的に行う中で,組織活動を継続してきていることがわかった。
著者
坂本 憲史 平良 誠 中島 伸一 井手 淳二 寒野 龍弘 本多 一宏 師井 位栄
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.836-841, 1991-11-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

We Reported two cases of pyogenic arthritis of the knee which were obliged to undergo arthrodesis. Both cases had past histories of repeated steroid injection into the knee joints. Initially they were treated with closed irrigation-suction therapy, but did not improve at all, and finally underwent arthrodesis.Second case was a deep sepsis after total knee arthroplasty. In both cases bacterial isolation from specimens revealed pseudomonas pseudomonas aeruginosa, but bone union was obtained favorably by external fixation.
著者
中島 伸一 杉山 将 ニコン
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.453-483, 2013-09-25

変分ベイズ学習は,行列分解モデル,混合分布モデルや隠れマルコフモデルなど,ベイズ学習の計算が困難なモデルにおける有力な近似学習手法として知られており,その良い性能が様々なアプリケーションにおいて実験的に示されてきた.実験的成功に伴って理論解析も活発に行われ,解のスパース性を誘起する相転移現象などの興味深い性質が解明されている.本論文では,変分ベイズ学習理論の最新動向を紹介する.
著者
奥 健太 中島 伸介 宮崎 純 植村 俊亮
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG11(TOD34), pp.162-176, 2007-06-15

本論文では,ユーザの状況に応じて適切な情報を提供する状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案する.膨大な情報からユーザの嗜好に合致する情報を提供する手法として,情報推薦システムに関する研究が行われているが,ユーザのそのときの状況(時間帯や天気,同伴者,予算など)に応じて変化するユーザの嗜好に対し,柔軟に対応することは容易ではない.そこで我々は,状況に応じて変化するユーザの嗜好を適切にモデル化する手法を提案した.本論文では,このモデル化手法を適用した状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案し,検証実験に基づいて,提案手法の評価を行った.この中で,提案手法であるコンテクスト依存型情報フィルタリングとコンテクスト依存型協調フィルタリングの有効性や特長の違いを明らかにするとともに,対象コンテンツの特徴パラメータの最適化に関して考察した.
著者
中島 伸一郎
出版者
山口大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

都市水害を抑制する新しい舗装構造として側面流入型の貯留浸透舗装を提案した.本舗装構造の基本的水理特性および力学特性を把握するため,路盤材に対する大型透水試験と舗装模型に対する繰返し平板載荷試験を実施した.透水試験の結果,路盤材の透水係数は粒度分布によらずおおむね10-1cm/secであることを明らかにした.舗装模型に対する繰返し平板載荷試験の結果,浸水時には路面のたわみが大きくなるとともに路床面に作用する応力が上昇するが,これは浸水により路盤の剛性が低下することが原因である可能性が高いことが明らかとなった.
著者
高村 真一 鈴木 靖夫 日江井 鉄彦 島田 永子 中島 伸夫 田中 純二 三宅 弘治 三矢 英輔
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.453-457, 1987-03

A case is presented of priapism resulting from disseminated intravascular coagulopathy (DIC), which was diagnosed by pathological studies of the amputated penis and skin biopsy. To our knowledge, this is the first case reported in Japan. This 72-year-old-man visited a hospital complaining of fever and cough, and was administrated for treatment of bronchitis and liver cirrhosis. A few days after admission, multiple purpura with edema and pain appeared over the skin regions on the bilateral knee joint, foot joint and upper extremities. A week after purpura appeared, priapism began. Regardless of irrigation and aspiration of corpora cavernosa and glans-cavernosa-fistula creation, penile necrosis developed. We had to perform penile amputation. The pathology of the amputated penis and skin, and blood coagulative examination suggested that DIC resulted in priapism. DIC was controllable by the use of FOY and heparin. He was discharged and is an outpatient.
著者
中島 伸介 張 建偉
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発を行った.さらに,情報発信者および情報受信者としてのブロガー分析に基づく,信頼性の高い情報の判定技術,トレンド情報の抽出技術,情報発信者のプロファイリング技術とこれに基づく情報推薦技術の開発に取り組んだ.成果としては,研究協力を頂いている企業において,本研究の成果の一部を実サービスにて活用していただくなど,技術の実用化という意味でも成果を上げている.特に,流行トレンドの早期発見方式に関する研究では,難関国際会議での論文採択や推薦論文としての学会論文誌への採択を受けると共に,国内研究会発表にて3度受賞するなど,学会においても高く評価された.
著者
中島 伸子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.202-213, 2012-06-20

本研究の目的は,老年期における身体・心的属性の機能低下について,幼児や小学生がどのように理解しているのか,そしてそれはどのように発達するかを検討することであった。24名の5歳児,28名の6歳児,24名の7歳児,28名の8歳児,31名の大学生の5群を対象に,5種の身体属性(走る速さ,風邪に対する耐性,腕力,心臓の働き,骨の強度)と心的属性として記憶力の計6属性について,5歳(幼児)から21歳(若年成人)および21歳から80歳(高齢者)へと加齢後どのように変化するかを「以前より衰退する」「以前より向上する」の2選択肢のもとで予測させた。その結果,(1)老年期における身体属性の機能低下については,5歳から気づきはじめ,6歳では大学生と同程度の理解に達すること,(2)老年期における記憶力の低下についての理解は,幼児から7歳くらいまでは希薄なのに対して,8歳以降,大学生にいたるまでに明確になること,(3)記憶力の低下についての理解の発達的変化には,記憶力と身体ないしは脳(頭)との関連性についての認識が関与していることが見出された。老化現象の理解の発達に関わる認知的要因について,素朴生物学の発達と心身相関的な枠組みの獲得という観点から考察した。