著者
神戸 信人 尾高 慎二 康 楠 中村 英樹 森田 綽之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_1017-I_1025, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
5

近年,我が国では,地域の自発的な取り組みによりラウンドアバウトの社会実験や導入事例が増え,平成25年6月には道路交通法の一部を改正する法律が成立し,ラウンドアバウトが環状交差点として法的に位置付けられた.一方,未だラウンドアバウトの導入事例が少ないため,ラウンドアバウトを導入する際に必要となる,自動車や横断歩行者・自転車の交通状況の実測値を踏まえた交通容量上の判断基準は明確になっていないのが現状である.本研究では,ラウンドアバウト運用のされている既存円形交差点やラウンドアバウト社会実験での観測データを用いて,実現交通量の特性を分析した上で,軽井沢町六本辻ラウンドアバウトで観測された交通容量に関する考察を行うとともに,提案されている横断歩行者等を考慮した流入部交通容量推定式との比較を行う.
著者
中村 英仁 藤山 敬史
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
pp.2022-004, (Released:2022-11-15)
参考文献数
41

The purpose of this study is to clarify (1) how the autonomy set by the parent company affects the strategic decision-making of J. League clubs and (2) how clubs negotiate with their parent company over autonomy, focusing on agency. Although literature in management studies has discussed the relationship between subsidiary autonomy and strategic behavior, there is no empirical research on J. League clubs. Therefore, this study analyzes a fourteenyear case of Yokohama F. Marinos to examine the above two research questions. First, this paper describes how the parent company of Yokohama F. Marinos had an impact on the club from 2009, reducing the club's autonomy and constraining its ability to be strategic. Next, we describe how Yokohama F. Marinos responded to the change by extending its autonomy through negotiation and improving its productivity. Finally, we discuss the contributions of this study.
著者
後藤 梓 中村 英樹
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.A_107-A_115, 2015-02-06 (Released:2015-02-06)
参考文献数
13

階層型道路ネットワーク計画では,個別道路の設計・運用に際して目標となる階層数・階層別目標旅行速度・道路間隔について,拠点配置特性や需要特性,目標旅行時間を考慮して適切に設定することが重要である.本論文では,これらの値を目標旅行時間達成状況と建設費用に基づいて設定する手法を提案 する.ここでは,トラフィック機能とアクセス機能のトレードオフ関係から変数の組み合わせが現実的であり,かつ比較検討可能なシナリオ数とするため,接続階層間では目標旅行速度比と道路間隔比の間に比例関係を仮定し,さらに目標旅行速度が最低と最高となる階層をそれぞれ所与とする.この手法のもと,典型的な拠点配置,格子状ネットワークを想定したケーススタディを行い,階層数が拠点間距離別旅行時間や建設費用に及ぼす影響について考察を行った.
著者
中村 英彦
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.8-11, 2011-07

インターネット専業のソニー銀行は2011年6月にサービス開始から10年を迎える。この間、約86万人の顧客を獲得し、開業から5年目には黒字転換を果たした。「日経金融機関ランキング」では直近4年間連続で、顧客満足度が総合第1位になるなど高評価を集めてきた。金融商品の品ぞろえや、店舗レイアウトに相当する画面の操作性を絶えず強化してきたことが評価の要因だ。
著者
川尻 真也 川上 純 岩本 直樹 藤川 敬太 荒牧 俊幸 一瀬 邦弘 蒲池 誠 玉井 慎美 中村 英樹 井田 弘明 折口 智樹 江口 勝美
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.190-194, 2008 (Released:2008-06-30)
参考文献数
12

症例は56歳,女性.主訴は多発関節痛.1999年に拇趾MTP関節の痛風発作を発症した.その後,痛風発作を繰り返すもコルヒチン内服にて症状は軽快していた.しかし,2006年頃より関節痛は全身の多関節におよび,持続性となった.2007年4月,多発関節炎の精査加療目的にて当科紹介入院となった.入院時,著明な高尿酸血症を認めた.入院中,関節炎発作による全身の関節痛および高熱を認めた.関節液所見にて白血球に貪食された尿酸ナトリウム針状結晶を認め,痛風と診断した.デキサメタゾン4 mg筋注およびコルヒチン投与により症状は改善した.
著者
神田 博史 徳本 和佳子 坂本 季代恵 藤井 美智子 平井 裕子 山崎 和男 菰田 泰夫 中村 英雄 石原 茂正 内田 勝
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1367-1374, 1985-04-25
被引用文献数
12

The MeOH extract of Ganoderma lucidum has an inhibitory action on histamine release from rat mast cells. From the physiologically active fraction of the extract, along with the known triterpenes ganoderic acids A and B, two new triterpenes were isolated and named ganoderic acids C and D. The structures of ganoderic acids C and D were determined to be 3β, 7β, 15α-trihydroxy-11,23-dioxo-5α-lanost-8-en-26-oic acid and 7β-hydroxy-3,11,15,23-tetraoxo-5α-lanost-8-en-26-oic acid respectively. Ganoderic acids C and D were shown to inhibit histamine release from rat mast cells. Quantitative analysis of these triterpenes was performed for the purpose of crude drug quality control.
著者
鬼木 泰成 中村 英一 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.589-592, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
13

足関節impingement exostosis(以下IE)は脛骨前下縁と距骨背側に発生する骨増殖性変化であり,足関節痛を引き起こす場合がある.今回,IEによる疼痛に対し鏡視下手術を施行した4例を経験したので報告する.【対象】足関節痛にて受診し,単純X線にてIEが確認された4名(男性3名,女性1名),平均年齢15.5歳.【局所所見】軽度の背屈制限と足関節前面に圧痛,運動時痛を認めた.【X線】脛骨前下縁と距骨頸部背側にIEを認め,強制背屈にて衝突像を認めた.足関節不安定性を2名に認めた.【足関節鏡所見】滑膜の増生と軟骨に覆われた骨増殖像を確認し,強制背屈にて衝突を確認した.【手術】鏡視下に骨棘切除術,滑膜切除術を施行した.【経過】疼痛は消失し,スポーツ可能となった.【考察】IEに対する鏡視下手術は低侵襲で,比較的早期のスポーツ復帰が可能であった.問題点としては骨棘の再発についての十分な経過観察が必要であると考えられた.
著者
神谷 行宣 山根 宏敏 中村 英一郎 山口 将則 樋高 由久 酒井 昭典
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.36-40, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
9

頸椎後方手術後の舌下神経麻痺を経験したので報告する.症例は46歳女性.主訴は右上肢痛.1年半前より頚部痛と右上肢痛あり.当科受診し,頸椎症性脊髄症+神経根症と診断.椎弓形成術(C4-6)と椎間孔拡大術(右C4/5)を施行した.術後より舌に発赤,腫脹と構音障害,舌の右方偏位を認め,右舌下神経麻痺と診断された.ビタミンB12の内服と言語リハビリ療法にて治療を行い,術後3か月にてほぼ舌の偏位は改善した.頸椎後方手術後に舌下神経麻痺を生じる原因として,気管チューブ等の麻酔時の口腔内異物による圧迫性神経障害であるとの報告が多く,本症例でも同様に舌への圧迫が原因と考えられた.
著者
オマ-ル オスマン 奥田 隆明 中村 英樹 林 良嗣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究では、日本では従来より実施されてきた車検制度が、自動車の大気汚染物質排出を抑制する効果の分析手法を開発するとともに、その効果の事後的分析への適用をはかった。さらにその結果を踏まえ、車検制度を今後の発展途上国での交通公害対策として導入するにあたっての効果および課題について整理を行った。車検制度が自動車の大気汚染物質排出抑制に及ぼす効果には、1)代替促進効果:車検費用の賦課によって、車齢の高い車から新車への買い換えを促進させ、低排出車が早く普及する効果、2)車両整備効果:車両の劣化によって排出レベルが基準を上回るようになった車両に対し、整備によって排出レベルを低下させる効果、の2つがある。以上の効果を推計するために、まず1)については、車保有者の車両存廃選択行動を、集計ロジット型のモデルにより表現した。説明要因として、各車両の車齢に依存する維持・車検費用と、新車購入費用を組み込んだ。また2)については、運輸省が実施した排出ガス実態調査を利用して、車両の加齢による汚染物質排出量変化を車検制度がある場合とない場合に分けて推計るモデルを構築した。以上の計量モデルによる分析例として、日本の全乗用車を対象に車検制度による大気汚染物質削減効果を推計した。その結果、1989年においては、一酸化炭素については23.4%、炭化水素については16.0%、一定の削減効果があることが把握できた。また、両物質ともに、2)車両整備効果による削減が全体の95%以上を占めることも明らかになった。一方、発展途上国の車両整備制度に関する調査を行った結果、日本よりかなり緩やかであることが分かった。したがって、日本と同レベルの車検を実施した場合には、その効果は日本以上に得られることが予想される。
著者
織原 幸一 齊藤 嘉久 中村 英夫 押立 貴志
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.191-199, 2017 (Released:2019-10-01)

我が国の鉄道は,1872(明治 5)年 10 月 14 日に開業した.鉄道の創始国であるイギリスよりも 47 年 遅れての出発であったが,2022 年には開業 150 年を迎える.その間,「安全と信頼」に対する先達の英 知と努力が脈々と受け継がれ,今日の我が国の安全・安心な鉄道を支えている.鉄道創成期における先 見性に満ちた技術的な選択や辛苦,新しい技術を積極的に導入してきた経緯を含め,我が国の鉄道信号 における安全性・信頼性技術の変遷について述べる
著者
中村 英慈 久保 有朋 岡崎 篤行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-44, 2020-06-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
15

花街は日本の文化をソフト・ハード両面から包括的に継承している稀有な場であり、近年ではその価値が再評価されつつある。赤坂花街は、明治期には多くの陸軍や政界の客が利用する等、東京都内では新橋と並び特に格式の高い花街として知られていた。本研究では赤坂花街の戦前の最盛期である1933年頃、戦後の最盛期である1955年頃、衰退が始まる直前の1965年頃、衰退過程である1988年、現時点の2019年の5時点での花街建築の業種毎の分布とその変遷を明らかにする。主な結論として、花街建築の集積する場所が1933年以来変化していないこと、昭和末期以降に料亭の営業形態が茶屋形態から料理屋形態中心に変化したこと、置屋の大半がいずれの年代においても路地沿いに分布していたことが挙げられる。
著者
平本 匡寛 望月 寛 高橋 聖 中村 英夫
出版者
日本信頼性学会
雑誌
信頼性シンポジウム発表報文集 2005_秋季 (ISSN:24242357)
巻号頁・発行日
pp.29-32, 2005-11-18 (Released:2018-01-31)

ATS地上子のQ値管理は、安全性確保のためには必須の要件である。現在、Q値管理は沿線に配置されたATS地上子を定期保全によりQ値測定装置で計測している。また、省力化を目的として車上からATS地上子のQ値を検測することもおこなわれているが、レベル管理が主体であり正確なQ値計測と対応性の点で問題がある。提案する手法は、車上側のアンテナ(車上子)の電流値検測によりQ値を算出するもので、地上子対アンテナ間の距離や相互誘導係数値によらない安定した計測ができる。
著者
長谷川 卓 中村 英人 黒田 潤一郎 守屋 和佳
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

C4植物は700万年前頃に顕在化した被子植物で,通常の光合成回路の前段にCO2濃縮回路を持ち効率的な炭素固定を行う.この形質の成立過程は謎に包まれているが,「白亜紀中期の約1億年以上も前のオーストラリア南西~南極大陸にかけてがC4植物誕生の場である」という仮説を立て,これを検証する.炭素循環の大きな攪乱期の前後の試料から有機分析を進め,分子レベルの炭素同位体比分析など先進的手法も取り入れる.どの時代でどの環境激変と連動してC4植物が誕生・進化したかを明らかにし,その時代の環境背景を更に詳しく理解していく.C4植物のみに由来する有機分子の発見を期待している.