1 0 0 0 OA 高尾山写真帖

著者
中村成文 著
出版者
文華堂
巻号頁・発行日
1915
著者
柳田 智也 サクテイ サクリアニ 中村 哲
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.1149-1158, 2022-04-15

同時音声通訳システムは,話者の発話中に翻訳を行い音声を生成する.その実現のために,文より短いテキストから,音声を生成する逐次音声合成が必要である.本論文は,同時音声通訳システムの実現を目指して,日本語における逐次音声合成の提案を目的とする.先行研究は,逐次音声合成のために使用する言語特徴を制限し,合成範囲を単語としている.しかし,日本語音声合成は,アクセント句と呼ばれる単位が重要であり,単語の逐次音声合成が,音声品質と遅延のトレードオフとして適さない可能性がある.本論文では,日本語逐次音声合成のため,逐次音声合成の言語特徴を提案する.そして,言語特徴の組合せから,遅延と音声品質に最適な合成範囲を決定する.実験結果より,アクセント句から呼気段落の合成範囲が音声の品質を保持するために必要であることを示した.さらに,遅延評価を通して,アクセント句が日本語の逐次音声合成へ適することを示した.
著者
山本 裕也 中村 順一 中山 祐治 日野 紘子 角城 靖子 宗 紗千子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1159-1162, 2013 (Released:2013-12-26)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

【背景・目的】スチール症候群の診断は自覚症状と他覚所見を統合して行うとされている. 重度の虚血症状は潰瘍や壊死または不可逆的な神経麻痺などを伴うため, 高い診断能力を有する客観的評価法が求められる. 下肢のperipheral arterial diseaseにおいて, 皮膚灌流圧 (SPP) の測定が有用であると報告されており, 治療方針の決定や予後の治癒能力の判断として臨床的に用いられている. 今回, 上肢におけるバスキュラーアクセス (VA) 関連スチール症候群に対して, SPPの診断能力を検討した. 【対象と方法】当院にて内シャントを有する患者106例を対象とした. VAの診察時にスチール症状の有無を問診し, Fontainの重症度分類によりStage I∼IVの4群に分類し, 症状なし群を加えて5群に分類した. SPPは第3指または最も症状の強い指にて測定した. 5群のSPPの平均値を算出した. また, 対象症例をスチール症状の有無により分類し, 累積相対度数によりカットオフ値を算出した. 【結果】対象症例の内訳は, スチール症状なし43例 (AVF : 24例, AVG : 19例), スチール症状あり63例 (AVF : 16例, AVG : 47例) であった. 各群の平均SPP値は, 症状なし群85.8±25.0mmHg (44例), Stage I群48.4±11.7mmHg (28例), Stage II群35.8±13.5mmHg (17例), Stage III群24.7±10.0mmHg (16例), Stage IV群17.3±2.4mmHg (3例) であった. 類積相対度数によるスチール症候群発生のカットオフ値は, 57.5mmHg (感度 : 87.1%, 特異度 : 95.3%, 陽性尤度比 : 18.2) であった. 【結語】SPPはスチール症候群の診断能力が高く, 同病態の客観的検査法として有用である.
著者
中村 倫太郎 二瓶 俊一 松本 泰幸 伊佐 泰樹 長田 圭司 原山 信也 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.20-23, 2020-04-01 (Released:2020-04-13)
参考文献数
15

当初軽症と判断したが,症状が遷延し治療に難渋した脂溶性有機リン中毒症例を経験した。症例は30代女性。脂溶性有機リンを内服し救急搬送された。来院時コリンエステラーゼ(ChE)は低値だが,症状から軽症と判断された。対症療法のみで経過を診たが第3病日に流涎,呼吸困難感が出現し気管挿管施行。第4病日に症状改善し抜管するも,第6病日に症状が再燃し再挿管施行。第9病日再抜管。第12病日に頻呼吸・呼吸困難感が出現し再々挿管。この時点までChE値低値持続していたが,徐々にChE値が改善。第20病日抜管し,その後状態が安定した。本症例の経験から,脂溶性有機リン中毒症例では,ChE低値が持続する症例の人工呼吸器離脱は慎重に行うべきである。
著者
中村 高康
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.47-61, 2011-05-30 (Released:2019-05-13)
参考文献数
23

「高大接続」といえば通常は「教育接続」であるが,高校生の視点から見れば「地域」の観点も接続問題にからんでくる重要なトピックとなりうる.そのことを示すために,本稿では,高校生を対象とするインタビュー・データを用いて,まず最初に,現代の進路多様校の高校生たちには「狭小ローカリズム」が作動していることを示す.続いて,このインタビュー結果を裏付ける量的データを示す.最後に,構造方程式モデルを用いて進学とローカリズムの因果の方向性を検討する.以上の結果から,大学進学率の上昇は若者たちのローカリズムを変容させる可能性があり,「教育接続」の議論の背後で進行するこうした社会変容の可能性を意識しておくことも重要であることを示す.
著者
津田 哲也 中村 光 吉畑 博代 渡辺 眞澄 坊岡 峰子 藤本 憲正
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.394-400, 2014-12-31 (Released:2016-01-04)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

項目間の意味的関連性を統制した非言語性意味判断課題を用いて, 失語症者の意味処理能力を検討した。対象は右利き失語症者 35 例 (平均 65.4 歳) および同年代の健常者 10 例 (統制群)。課題では提示された目標項目に対し, 対象者に 5 つの選択肢のなかから, 最も意味的関連性が強いと判断する 1 項目を指すよう求めた。選択肢は質的に異なる 2 つの意味的な関連性 (状況関連性と所属カテゴリー関連性) の有無を基準に設定した。例えば, 刺激項目が「犬」の場合, 状況と所属カテゴリーもどちらも関連する項目 SC (猫), 状況的関連のある項目 S (家), 所属カテゴリーが関連する項目 C (象), 生物・非生物のみ一致するが状況・カテゴリーの関連性はない項目 N1 (鯛), いずれも関連のない項目N2 (消しゴム) の線画を提示した。その結果, 統制群・失語群いずれも全反応中に占める比率は SC が最も多く, 次いで S または C の順で, N1・N2 は最も少ない反応であった。また, 失語重症度別・聴覚的理解力別での反応に有意な偏りを認め, 重度群・理解不良群は軽度群・理解良好群よりも全反応中の N1・N2 の比率が有意に高かった。失語症者において重症度・聴覚的理解力と非言語性意味処理には一定の関連があることが確認された。以上より, 多くの失語症者は非言語性意味判断において, 状況関連性やカテゴリー関連性という判断基準を利用できることが示された。
著者
西 健 田島 義証 中村 光佑 林 彦多 川畑 康成
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.73-76, 2021-04-15 (Released:2022-05-15)
参考文献数
31

補剤とは, 生体の活力が低下している時に, 生体内に不足している成分を補って機能賦活を行い, 治癒を促進させる漢方薬である. 十全大補湯と捕中益気湯はその代表であり, 免疫賦活効果を中心に, 基礎研究・臨床研究の両面からその有用性が報告されている. 生体に手術侵襲が加わると, 炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの過剰産生が生じ, その結果, 免疫能が低下し, 易感染状態となる. 周術期管理における十全大補湯・捕中益気湯の投与は, 手術侵襲の回復過程における免疫機能のサポートに有用と考えられ, 免疫能が賦活化され, 手術侵襲の負担軽減と生体防御の活性化が期待できる. 十全大補湯は気虚 (気が不足した病態) と血虚 (血が不足した病態) のいずれの病態にも作用する補剤で, 特に高齢者や担癌患者で貧血を伴うような症例でその効果が期待できる. 補中益気湯は気虚 (気が不足した病態) に用いられ, 気が減衰した周術期患者の免疫賦活, 特に感染性合併症の軽減に有用であることが示唆されている.
著者
中村 育夫 藤本 康弘 飯田 健二郎 末岡 英明 岡本 共弘 鳥口 寛 奥野 将之 岩間 英明 河端 悠介 多田 正晴
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.77-80, 2021-04-15 (Released:2022-05-15)
参考文献数
21

高齢者の手術増加に伴い, 高齢者にみられる術後認知機能障害 (postoperative cognitive dysfunction : POCD) や術後せん妄 (Postoperative delirium: POD) が問題となり, 周術期の予防と管理が重要である.  抑肝散と抑肝散加陳皮半夏は神経症, 不眠症, 小児夜泣き, 小児疳症 (神経過敏) が適応で, 消化器症状 (悪心, 嘔吐) を有する場合は抑肝散加陳皮半夏を選択する. 作用機序は, ①セロトニン神経系と②グルタミン酸神経系が関与している. 通常, 成人1日7.5gを2‐3回に分割し, 食前または食間に経口投与する. 術前5~7日前より服用し, 術後早期より再開し退院日まで服用させる. 重篤な副作用に低カリウム血症 (偽アルドステロン症) がある. POCDやPODを改善し, また入院中の睡眠導入剤や抗不安薬などの併用薬の使用を減少させる可能性がある.  本稿では, 抑肝散と抑肝散加陳皮半夏によるPOCDとPODの予防と管理について述べる.
著者
神應 知道 片岡 祐一 花島 資 中谷 研斗 佐藤 照子 土屋 志保 内藤 亜樹 中村 優 三浦 芳典 浅利 靖
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.835-842, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【目的】多職種運用 ICU栄養管理プロトコール導入効果の検討。【方法】ICU滞在2週間以上の患者でプロトコール導入前と導入後の2群間で栄養管理の結果を後方視的に検討。【結果】導入前(127人)に比べ導入後(103人)では,3週目のプレアルブミン(16.9mg/dL,20.7 mg/dL,p=0.013),4週目のアルブミン(3.3g/dL,3.6g/dL,p=0.025),経腸栄養投与開始日(3.9±4.2日,1.8±0.4日,p=0.038),ICU入室48時間以内の経腸栄養投与率(35.4%,53.4%,p=0.008)が有意に改善した。ICU滞在日数(22.6±11.5日,20.8±7.3日,p=0.15),ICU死亡率(16.5%,8.7%,p=0.059)は改善傾向を認めた。さらに ,48時間以内の早期経腸栄養達成に関する多変量解析では ,プロトコール導入はオッズ比2.16と独立した因子であった。【結論】多職種運用 ICU栄養管理プロトコールは,48時間以内の早期経腸栄養を達成でき,臨床栄養内容を有意に改善させた。
著者
高橋 智弘 照井 克俊 及川 浩平 青木 英彦 遠藤 重厚 小松 隆 中村 元行
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.2, pp.S2_36-S2_40, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
12

背景:早期の電気的除細動が院外心肺停止(CPA)患者の生存率改善に有用であると報告されている.当院救命救急センターへ搬送されたCPA症例の現状を調査したので報告する.方法:2007年4月から2010年3月まで当院救命救急センターの外来診療記録をもとにCPAの病名のある270名のうち,救急隊により直接当センターへ搬入された院外CPA 223例を後ろ向きに調査した.結果:CPA患者の原疾患のうち心血管疾患は136例(61.0%)で,そのうち一般市民の目撃のある症例は60例(自宅内発生が70%)であった.60例のうち心室細動(VF)は20例であり,その予後をみると生存退院例が8例(40%),社会復帰例が5例(25%)であった.対象の中に一般市民による自動体外式除細動器(AED)使用例(public-access AED:PAD)はなかったが,院外で救急隊員による除細動が成功した3症例は全例神経学的後遺症を残さず社会復帰していた.無脈性電気活動(PEA)または,心静止(asystole)は合計40例であり,生存退院例が3例(8%)あったものの,社会復帰した例はなかった.内因性CPA症例への一般市民の心肺蘇生法(CPR)実施率は42.1%であり,過去の当院での成績に比べてやや増加していた.考察:院外心肺停止患者の救命率向上には,一般市民へのCPRのさらなる普及と,AED設置の充実が重要と考えられた.
著者
三辺 義雄 森 則夫 武井 教使 中村 和彦 豊田 隆雄
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

覚醒剤の乱用者数は世界中で増加している。覚醒剤の使用により、幻覚妄想状態、うつ状態、攻撃性の亢進など、様々な精神症状が惹起されることが知られている。さらに、これらの症状は覚醒剤の使用中止後もしばしば遷延することが報告されている。これまでの動物実験により、覚醒剤はセロトニン神経に対する傷害作用を有することがわかっている。そこで我々はポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)を用いることにより、セロトニン・トランスポーター(5-HTT)密度を測定し、これらの変化と臨床的特徴との関連について検討した。なお、本研究は浜松医科大学倫理委員会で承認を得ており、研究の詳細を説明した後に文書による同意を得た者のみを対象とした。対象は覚醒剤使用者12名及び健常者12名である。精神症状評価には、攻撃性評価尺度、ハミルトンうつ病評価尺度、ハミルトン不安評価尺度、簡易精神症状評価尺度(BPRS)を用いた。トレーサは、5-HTTへの選択性の高い[^<11>C](+)McN5652を用いた。動脈血漿及び脳内から得られた時間放射能曲線を用いて[^<11>C](+)McN5652 distribution volumeイメージを作成し、これらのイメージをもとにvoxel-based SPM全脳解析を行った。覚醒剤使用者では、健常者と比較して、脳内の広範囲における5-HTT密度が有意に低下していた。また、眼窩前頭前野、側頭葉、前帯状回皮質における5-HTT密度の低下が攻撃性の増強と密接な関連があることが明らかとなった。これらの結果とこれまでの動物実験の結果とを勘案すると、覚醒剤使用者ではセロトニン神経が傷害されている可能性があることが示唆された。セロトニン神経は攻撃性や衝動性を抑制する働きを担っていると考えられている。覚醒剤使用者では、セロトニン神経が傷害された結果、セロトニン神経の機能障害が生じ、攻撃性が亢進するものと考えられる。現在この結果は論文受理された。さらにproton MRS studyでは、トルエン患者の基底核の膜代謝異常が、患者の精神症状の程度と相関していることを見出し、論文発表した。
著者
八谷 瑞紀 熊野 亘 中村 正造 堀江 淳 村田 伸
出版者
公益社団法人 佐賀県理学療法士会
雑誌
理学療法さが (ISSN:21889325)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.83-87, 2022-02-28 (Released:2022-04-29)
参考文献数
9

[目的]パーキンソン病患者を呼吸機能検査から正常群と拘束性換気障害群の 2 群に分け,身体機能および日常生活活動との関係について明らかにすること。[対象]パーキンソン病患者15人。[方法]%VC が80%以上の正常群,80% 未満の拘束性換気障害群の 2 群に分けた。評価項目は,大腿四頭筋筋力,足指把持力,虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト,重心動揺,Functional reach test(FRT),片足立ちテスト,5 m 歩行テスト,10m 障害物歩行時間,timed up and go test,機能的自立度評価法を用いた。2 群間をMann-Whitney の U 検定により比較した。[結果]拘束性換気障害群は正常群よりも片足立ちテストは有意に保持時間が短く(p=0.04),FRT は有意に到達距離が短かった(p=0.01)。一方,それ以外の項目は2群間に有意な差を認めなかった。[結論]パーキンソン病特有の運動障害により拘束性換気障害を生じる程の筋の柔軟性および胸部可動性の低下は,片足立ちテストや FRT にも影響を与える可能性が示された。