著者
佐藤 勝重 中村 清一 小関 隆 山内 富美子 馬場 美智子 三上 正志 小林 龍一郎 藤川 晃成 長岡 滋
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.1037-1041, 1991-08-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
15
被引用文献数
2

56歳女性. 右耳痛・右顔面痛を主訴に当院耳鼻咽喉科を受診, その後右耳介及びその周囲に水疱形成がみられ, 急性呼吸不全を呈して当科に紹介された. 血中抗帯状疱疹ウイルス抗体価は1,024倍と上昇, 神経学的に多発性脳神経麻痺を呈し, 胸部X線写真上右下肺野に浸潤影が見られた. 多発性脳神経麻痺を合併した Ramsey Hunt 症候群と診断, 急性呼吸不全の原因は反回神経麻痺による中枢部気道閉塞と嚥下性肺炎によるものと考えられた. 抗生剤と抗ウイルス剤 (アシクロビル) の併用により著明な改善がみられた. 文献的検索では, 下部脳神経麻痺を合併した Ramsey Hunt 症候群の報告は比較的少なく, さらに, 呼吸器合併症を呈した症例は稀であった.
著者
中村 菊之進
出版者
密教研究会
雑誌
密教文化 (ISSN:02869837)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.184, pp.1-25, 1994-02-05 (Released:2010-03-12)
被引用文献数
1
著者
中村 雅基
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3+4, pp.81-94, 2002 (Released:2006-07-25)
参考文献数
14

自動的に、P波の初動極性を取得し、発震機構解を決定し、十分な精度で発震機構解が決定できているか否かを判別する手法を提案した。P波の初動極性を取得する際には、まず、ベッセルバンドパスフィルタを適用し、次に、ARモデルを用いてP波の初動到達時を得、ARフィルタを適用した。発震機構解の決定には、グリッドサーチによる手法を用いた。十分な精度で発震機構解が決定できているか否かを判別するために、解の安定性、過去に発生した地震の発震機構解等から総合的に判断し、発震機構解の決定精度の評価を行った。気象庁によって読みとられた初動極性の70%が、本手法を適用することによって得られた。また、両者でくい違った験測を行っているのは全体の3.5%以下であり、十分な精度で初動極性の自動験測が行われた。さらに、本手法を適用することにより、気象庁で発震機構解が得られた地震の2.8倍以上の地震について、決定精度の良い解を得ることができた。M<2の内陸浅発地震やMが決定されていないような小さな深い地震でも、十分な精度で発震機構解が決定できることもある。本手法を適用することにより、十分な精度で効率的に発震機構解を決定することができる。
著者
北岡 貴文 楠見 晴重 寺田 道直 中村 真 増田 德兵衞
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.16-24, 2013-04-10 (Released:2014-04-07)
参考文献数
17

京都市伏見区は京都市の最南部に位置し,日本酒の有名な産地である.対象地は 4 km2ほどの地域に酒造会社が所有する約50本の井戸が密集し,地下水の利用が盛んな地域である.本研究は,京都市伏見区域における浅井戸観測井の水位を対象として,周辺の揚水を伴った地下水位挙動を明らかにするために,現場計測ならびに数値解析による検討を行ったものである.本研究の成果として,浅井戸観測井の水位変化を求めるための3次元地層モデルを作成し,酒造会社が密集する場においての地下水位を推定し,実測値と比較的に整合していることが認められた.
著者
諸戸 靖 田鶴浦 昭典 中村 義秋 久保田 稔
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.337-343, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
6

著者らは、三重県桑名郡長島町松蔭・白鶏地区のご老人 (延べ約30名) から、昭和初期の東南海地震を中心とした木曽三川下流域の状況について聞き取り調査を行った。この調査によって、輪中の人々が取水に起因する濃尾平野の地盤沈下と共に、海岸堤防を「撒き石工法」で護岸していたことが判明した。そこで著者らは、地域的には狭い地域ではあるが、東南海地震による被害記録と地元の人々が行った「撒き石工法」について報告する。
著者
中村 秀文
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.789-796, 2009-11-13 (Released:2009-12-17)
参考文献数
6

適切な薬物投与のためには, 薬物動態・薬力学が臨床試験により評価され, 至適投与量が決定されていなければならない. 子どもはダイナミックな発達の過程を経るために, その薬物動態・薬力学も成人とは異なることが知られている. 現在の科学水準では過去のほかの薬のデータに頼って適切な薬物投与設計を行うことは困難であり, 個々の医薬品について必要な年齢で臨床試験を行い, 薬物動態と薬力学の評価をしなくてはならない. 残念ながら国内で小児治験がなかなか行われないために, わが国の添付文書には, 小児についての記載が不十分なものが多い. 今後わが国でも, 小児の治験環境づくりを, 学会・行政・製薬企業が連携して進めていく必要がある.
著者
日高 利彦 針谷 正祥 鈴木 王洋 石塚 俊晶 原 まさ子 川越 光博 中村 治雄
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.203-210, 1991-04-30 (Released:2009-01-22)
参考文献数
22

症例: 27歳,女性.昭和63年9月,紫斑,多関節痛,咳嗽が出現した.平成元年3月症状増悪し,当科に入院となった.入院時,低酸素血症,顕微鏡的血尿,低色素性貧血,高γ-グロブリン血症,低補体価,免疫複合体高値,胸部X線上,両下肺野の網状影を示した.肺機能検査にて閉塞性換気障害,肺拡散能力障害,腎生検にて糸球体への補体,免疫グロブリンの沈着を認めた.また,皮膚生検にてleukocytoclastic vasculitisの所見を得た.過敏性血管炎と診断し,プレドニゾロン60mg/dayの投与を開始したが,肺出血を合併したため,急速な免疫複合体除去を目的として免疫吸着療法を行った.その後,血中免疫複合体の低下と諸症状の改善を認めた.本症のような,免疫複合体高値かつ多臓器障害を伴う過敏性血管炎に対し,免疫吸着療法は有効な補助療法と考えられた.
著者
大屋 周期 山崎 嘉孝 中村 剛之 森重 聡 山口 真紀 青山 一利 関 律子 毛利 文彦 大崎 浩一 内藤 嘉紀 大島 孝一 長藤 宏司
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1605-1610, 2020 (Released:2020-12-08)
参考文献数
15

多中心性キャッスルマン病は,リンパ節病理像によって特徴づけられるリンパ増殖性疾患でIL-6高値を特徴としている。症例は17歳の日本人男性,発熱,頭痛,倦怠感,体重減少を伴っていたが,血圧は正常であった。臍下部に可動性良好な腫瘤を触知し,血液検査所見は小球性貧血,低アルブミン血症,IL-6高値,sIL-2R高値,VEGF高値を示した。造影CT検査で55 mm大の骨盤内腫瘤と腸間膜周囲のリンパ節腫大を認め,多中心性キャッスルマン病を疑い骨盤内腫瘍を摘出した。術後,血圧が緩徐に上昇し可逆性後頭葉白質脳症による痙攣を発症した。高血圧の精査で,術前の血中ノルアドレナリン,ノルメタネフリン高値が判明し,摘出標本でIL-6およびクロモグラニンAが陽性であることから,IL-6産生パラガングリオーマと診断した。多中心性キャッスルマン病に類似した発熱,貧血などを来す病態の鑑別診断として,血圧上昇を伴わない症例でもIL-6産生褐色細胞腫・パラガングリオーマを考慮する必要がある。
著者
渡辺 健 中村 麻美 石田 哲也 渡邊 忠朋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.105-120, 2022 (Released:2022-03-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

コンクリート構造物の様々な設計条件に対応するために,従来指摘されていた配合や外気相対湿度に加えて,混合セメント,骨材収縮ひずみおよび水掛かりの影響を入力可能な,コンクリートの収縮ひずみ予測式を構築した.予測式は,3次元材料-構造連成応答解析システムDuCOM-COM3に基づき定式化しており,構造物を想定した部材厚や,水結合材比の低いコンクリートも含めて,収縮ひずみの長期材齢への適用性を確保している点に特徴がある.また,高炉セメントコンクリート(B種)を用いた供用中のプレストレストコンクリート(PC)桁に生じているコンクリートのひずみおよびPCラーメン橋のたわみなど,コンクリートの収縮が一因とみられる現象が,予測式を用いて説明されることを確認した.
著者
中村 剛
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.14-18, 2020 (Released:2020-04-04)
参考文献数
15

Consider the role of familiar home appliances concretely and deepen their understanding. Furthermore, we explain the features of the latest home appliances and support the realization of a rich life.
著者
熊木 俊朗 大貫 静夫 佐藤 宏之 設楽 博己 國木田 大 夏木 大吾 福田 正宏 笹田 朋孝 佐野 雄三 守屋 豊人 山田 哲 中村 雄紀 守屋 亮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

擦文文化期における地域間交流や社会変化の様相を解明するため、北見市大島2遺跡にて擦文文化の竪穴住居跡の発掘調査を実施した。大島2遺跡は標高の高い尾根上というやや特異な環境下にあり、低地や砂丘上にある他の集落とは異なる性格を有することが予想されたが、発掘調査の結果、海獣狩猟や動物儀礼、住居の廃絶儀礼、建築木材の選択、木製品の様相などに、オホーツク文化やトビニタイ文化との関連を思わせるような特徴が認められることが明らかになった。
著者
小井土 正亮 原仲 碧 中村 剛
出版者
日本スポーツ運動学会
雑誌
スポーツ運動学研究 (ISSN:24345636)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.29-43, 2017 (Released:2020-05-08)
参考文献数
16

The aim of this study, as a case study of college football short-term tournament, was to clarify the practical wisdom related to member selections in team sports. The participant is a head coach of a men’s university football team in Japan. After the short-term tournament, a dialogue was held by the second author with head coach. Group interviews consisted of focus group basis for 5-6 players. Audio data obtained by the interviews were converted to the text. This was followed by discussions among the head coach and co-authors for phenomenological reflection. The results highlighted two practical wisdoms in the coaching scene that are “management for players’ motivation” and “maintenance of team functionality”.
著者
太田 美穂 松原 良太 川野 真太郎 大部 一成 緒方 謙一 中村 誠司
出版者
日本口腔内科学会
雑誌
日本口腔内科学会雑誌 (ISSN:21866147)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.47-51, 2014 (Released:2015-09-06)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

抜歯後出血は局所的要因に起因することが多いが,出血性素因から生じる場合もある。本報告は,80歳代女性の抜歯後出血を契機に明らかとなった慢性播種性血管内凝固症候群(DIC)の1例である。血液検査でDICに起因する止血凝固異常と診断され,トロンボモジュリン製剤投与にてDICは改善したが,その原因となる基礎疾患は認められなかった。治療終了後は経過観察を行っているが,DICの再燃なく経過良好である。
著者
中村 幸宣
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.514-520, 2020-10-10 (Released:2020-10-10)
参考文献数
5

MBDを開発に適用するということは,システムズエンジニアリング (SE) の概念を用いて「製品の複雑性」に対応するべく「V字モデル (Vee model)」の左側で階層的に目標を割付けて行く際にモデルを活用するということである.そのためには「どんなモデルをどのように作製し,どう活用するか」の方法論が非常に重要であり,これができて初めてMBDの真価を発揮することができると言える.本稿ではその方法論としてFunctional Property Cascading法を紹介し,事例を示す.