著者
中村 有吾 丸茂 美佳 平川 一臣 澤柿 教伸
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.39-49, 2008-02-01 (Released:2009-03-26)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

北海道東部,知床半島のほぼ中央に位置する羅臼火山は,過去約2,200年間のうち3時期にマグマ噴火したことが知られており,それぞれ降下テフラ(Ra-1 : 500~700 cal BP, Ra-2 : ca. 1,400 cal BP, Ra-3 : ca. 2,200 cal BP)および火砕流を噴出した.これら羅臼起源のテフラは,いずれも斜方輝石および単斜輝石を含むなど鏡下での特徴が類似するが,脱水ガラス屈折率は異なり,識別が可能である.羅臼火山の南西約4.5kmに位置する天頂山火山から約1,900年前に噴出した天頂山aテフラ(Ten-a)は,多量の石質岩片のほか,フレーク状火山ガラス,斜長石,斜方輝石などの本質物質を含む.その火山活動はマグマ水蒸気噴火だったと推定される.Ten-aの噴出量は約0.02km3である.羅臼岳の南~南南西方向約5km付近,標高500~750mの地域には,羅臼湖など多数の沼沢地や湿原が点在する.複数の湿原での掘削調査の結果,駒ヶ岳c1テフラ(AD1856),樽前aテフラ(AD1739),駒ヶ岳c2テフラ(AD1694),Ra-1,摩周bテフラ(774~976 cal BP),Ten-a, 一の沼火山灰の存在と層序が明らかになった.そのほか,知床半島の南部には,摩周起源の摩周lテフラ(ca. 13,000 cal BP)が分布する.

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著者
中村天風述
出版者
日本経営合理化協会出版局
巻号頁・発行日
1988
著者
小田原 誠 荻野 裕司 瀧澤 佳津枝 木村 守 中村 訓男 木元 幸一
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.81-86, 2008-03-15 (Released:2008-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

大麦黒酢,大麦糖化液,酢酸を高血圧自然発症ラット(SHR)に与え,大麦黒酢が血圧に与える影響について調べた.その作用機序の検討としてin vitroにおけるアンジオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性の測定を行った.また,酸度とエキス分を等しくした大麦黒酢と米黒酢について,SHRを用いた単回投与試験を行い,血圧降下作用を比較した.(1)単回投与試験,連続投与試験のいずれにおいても,大麦黒酢は蒸留水(対照)と比較して有意に血圧を降下させることが示された.これにより,大麦黒酢は血圧降下作用を有することが明らかとなった.(2)連続投与試験において,酢酸だけでなく大麦糖化液においても血圧降下作用が認められたことから,大麦黒酢の血圧降下作用は,酢酸と大麦由来の成分の両方によるものと考えられた.(3)大麦糖化液ならびに中和した大麦黒酢においてACE阻害活性が認められたことから,大麦黒酢には大麦由来の血圧降下作用物質が含まれ,ACEを阻害することで血圧上昇を抑制していることが示された.(4)酸度とエキス分が等しくなるように調製した大麦黒酢と米黒酢について,SHRを用いた単回投与試験を行った.大麦黒酢と米黒酢はどちらも対照と比較して有意に血圧が降下しており,今回の実験では大麦黒酢の方が血圧降下の程度が高かった.このことから,大麦黒酢は米黒酢と同等以上の血圧降下作用を有することが示された.
著者
岡本 佳男 毛利 晴彦 中村 雅昭 畑田 耕一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.3, pp.435-440, 1987-03-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
4 7

光学活性なポリ(メタクリル酸トリフェニルメチル)(PTrMA)を3種の異なる方法で大孔径シリカゲルに化学結合させ,高速液体クロマトグラフィー用のキラルな充填剤を調製した。その結果,メタクリル酸トリフェニルメチルとメタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピルとのブロック共重合体を用いるともっとも多量のPTrMAをシリカゲルに化学結合できることが明らかになった。メタノールを溶離液に用いた場合の種々のラセミ体に対する光学分割能は,従来までのPTrMA担持型充填填剤と類似していた。また,この化学結合型充填剤ではPTrMAが溶解するテトラヒドロフランやクロロホルムといった溶離液も使用可能であった。クロロホルムを溶離液に用いて,(±)-PTrMAを(+)体と(-)体に部分的に光学分割することができた。また,ラジカル重合で得られたポリ(メタクリル酸ジフェニル-2-ピリジルメヂル)も光学分割でき,このポリマーがらせん構造を有していることがわかった。化学結合型充填剤はGPC用の充填剤としての性質も有していた。分子量数千から百万までの単分散ポリスチレンを分析すると,分子量の対数値と溶出時間との間によい直線関係が得られた。
著者
北原 武 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.85-90, 2006-12-07
被引用文献数
2

マシン・トゥー・マシン通信(以下,M2M通信)では,マシンのバッテリライフ向上が最重要課題の一つとなっている.それに伴い,チップの消費電力を低減させるための低消費電力化技術や,各レイヤにおいて通信量を削減するためのプロトコル技術等が盛んに研究されており,消費電力を抑制することによるバッテリライフ向上が図られている.本稿では,小容量リチウムイオンバッテリの放電実験を行い,得られた放電特性を考慮したバッテリ容量を最大限に活用するためのトラヒック制御方式について提案する.
著者
関口宰 中村亮太 上林憲行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.561-562, 2011-03-02

大学生活において基本的な行動様式を修得することは、社会に出て高い評価を得ることに繋がる。本研究では社会人の行動様式の基礎であるタイムマネージメントを、大学生活に沿う形で身につけることを目的とし、既存のWebカレンダーサービスと連携した学生生活支援サービスを構築した。本サービスにおいて、スケジュール登録フォームでは履修した講義を選択することでWebカレンダーに講義スケジュールや担当講師、場所等の情報を自動的に登録することが可能である。そのほかにも、1週間の予定・計画と実際の活動結果をグラフ化することで、視覚的な対比が可能となり、タイムマネージメントの評価機能を有する。
著者
藤本 憲正 中村 光 福永 真哉 京林 由季子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.201-207, 2016

比喩文の理解課題を作成し,健常高齢者(統制群),コミュニケーション障害を認めない右半球損傷者(右なし群),それを認める右半球損傷者(右あり群),左半球損傷の失語症者(失語群),それぞれ15名に実施した.比喩文は一般的になじみの低い直喩文30題とし(例:道は,血管のようだ),検者がそれを読み上げた後,その意味に最も合う文を4つの選択肢から選ぶよう求めた.さらに同じ比喩の口頭説明課題とトークンテスト(TT)を実施した.結果は,統制群と比較し,右なし群では比喩理解課題,TTともに同等の得点であり,右あり群では特に比喩理解課題で有意な低下を示し,失語群では比喩理解課題,TTともに有意な低下を示した.比喩理解課題と比喩説明課題の得点には有意な相関関係が認められた.右半球損傷における比喩理解障害を議論する際は,コミュニケーション障害の有無を考慮する必要があると考えた.
著者
中村 義孝
出版者
立命館大学
雑誌
立命館法學 (ISSN:04831330)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-61, 2011
著者
中村 祐司 上原 稔
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-6, 2010-09-10

今日,ブログなどの CGM の普及や,写真ないし動画投稿サイトの流行により,ネットワーク上の情報が増大している.これらの情報は多量のディスクを用いた大規模ストレージの運用によりデータを保存しているが,ストレージのディスクが増えると信頼性が低下するという問題が発生する.ストレージの信頼性を向上させる技術として RAID があるが既存の RAID では 1 または 2 台の故障までしか修復できず信頼性が不十分で,階層型 RAID を用いれば十分な信頼性を得られるが容量効率が低くなるという問題点がある.我々は非階層で 3 耐故障を実現する NaryRAID を開発した.NaryRAID は基本 RAID より耐故障性に優れ,階層型 RAID より容量効率が優れている.本研究では NaryRAID のパフォーマンスを向上させる方法とその効果の評価について述べる.Today, CGM(Consumer Generated Media) such as blog is spread. In addition, photo and video sharing sites become popular. In this way, the amount of information in network increases drastically. Such information is usually stored into a large-scale storage which consists of many disks. In such a storage system, the larger the number of disks is, the lesser the reliability of the system. RAID is usually used to improve the reliability of a storage. However, it is not enough because conventional RAID repair only either one or two faults. Therefore, we require more than 2 fault tolerant RAID. If hierarchical RAID is employed, more than 2 fault tolerance can be realized but the capacity efficiency is decreased. We have proposed NaryRAID which realizes 3-fault tolerant without hierarchical organization. The capacity efficiency of NaryRAID is larger than that of hierarchical RAID. In this paper, we describe how to improve the performance of AAA and evaluate its effectiveness.
著者
中村惕斎 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1], 1695
著者
米沢 昭一 畦地 速見 中村 久 鈴木 勝夫 二宮 幾代治
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.169-182, 1968

抗生物質を混合し, 化学療法剤として応用する傾向は近年盛んで, 国の内外を問わず, 特に動物薬において著るしい。これら混合抗生物質製剤の分離定量については, これまで, 各種試験菌のうち原株を使用して, 各種抗生物質と混合されたペニシリン (PC) の分離定量1)をはじめ, ジヒドロストレプトマイシン (DSM) 3), フラジオマイシソ (FM) 4), ロイコマイシン (LM) 4), クロルテトラサイクリン (CTC) 2)およびバシトラシン (BC) 3)についての試験をおこない, その成績は過去数回にわたつて, 目本化学療法学会に報告した。しかし, 試験菌原株のものつ抗生物質分離能力には, おのずから限度があるので, この限界を越えた高い濃度の抗生物質が混入されたばあい, 混合試料のままでは, 定量したい目的の抗生物質のみの力価を確実に証明することが不可能なばあいが生じてくる。<BR>このように, 混合抗生物質の濃度が増大したばあい, その混合抗生物質に対する試験菌の耐性度を上げることによつて, 目的とする抗生物質の分離は容易になるわけである。われわれは, このような意図に基づいて, 耐性という特殊能力をもつ試験菌の育成と, その応用方法に関する試験をすすめてきた。<BR>獲得させる耐性の程度は, 混入を予想される抗生物質の量によつて左右されるが, われわれは試験菌の活力が著るしく阻害されない限り, できるだけ高度の耐性を付与することにつとめた。しかし, 抗生物質の種類や, 試験菌によつて, 耐性がなかなか高まらないものと, 比較的早く高まるもの, または天井知らずの上昇性を示すものなどがある。また, ある程度高い耐性を付与しても, 普通寒天継代をつづけるとき, 急速に低下してしまうもの, または非常に安定しているものなどがある。<BR>われわれは, 高度の耐性を付与した, しかも安定性を兼ねそなえた4種のDSM耐性株について, DSMと混合する他の抗生物質の分離定量試験をおこない, 実用的に応用価値の高い成績を得たのでその概要を報告する。
著者
中村 正市
出版者
尚絅大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03871568)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.29-36, 2006-02-27
著者
平 将人 二瓶 直登 遠藤 あかり 谷口 義則 前島 秀和 中村 和弘 伊藤 裕之
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.173-182, 2012

タンパク質含有率の増加を目的とした出穂期の窒素追肥が,硬質コムギ品種ゆきちからの中華麺適性に及ぼす影響を検討した.出穂期における窒素追肥量の増加に比例してタンパク質含有率は高くなり,SDSセディメンテーション沈降量および湿グルテン含量は増加して生地物性は強くなった.一方,グルテンインデックスは低下したが,中華麺官能検査におけるゆであげ7分後の食感の評点は有意に高くなった.したがって,出穂期の窒素追肥によりグルテンインデックスは低下してグルテンの質は変化するが,生地物性が強くなることで中華麺のゆでのびを抑えられることが明らかとなった.また,福島県でゆきちからを喜多方ラーメン用として栽培する際に目標となるタンパク質含有率を明らかにするために,製粉工場でゆきちから100%で製造されたタンパク質含有率が9.1,9.8および10.8%の中華麺用粉を用いて中華麺官能検査を行い,タンパク質含有率と中華麺適性との関係を検討した.外国産硬質コムギを原料に用いたタンパク質含有率が11.8%の中華麺専用粉と比べて,ゆきちからの色相およびホシの程度の評点は10.8%でも有意に高かった.また,ゆであげ7分後の食感の評点はいずれのタンパク質含有率においても有意差は認められなかったが,総合評価の評点は9.8%および10.8%で有意に高かった.したがって,福島県で喜多方ラーメン用にゆきちからを栽培する際には,出穂期の窒素追肥により,タンパク質含有率を粉で10.0~11.0%程度にすることが望ましいと考えられた.
著者
尾口 仁志 中村 広一 石川 圭子 瀬戸 皖一
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-25, 1988-12-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

The patient, a 22 years old man, came to us hoping to receive dental treatment under general anesthesia on account of his extreme dental treatment phobia.The symptoms had been manifest since primary school. On the first medical examination day, the patient found it impossible to sit in a dental chair.We diagnosed a severe dental treatment phobia from his symptoms. As a result of six hours of interviews, at the rate of two hours a day, we recognized the possibility to cure the patient of his symptoms.Although a long period would be required, we decided to proceed with systematic desensitization.In systematic desensitization, we utilize autogenic training for reciprocal inhibitation. In the early stage, we used desensitization by image, then in-vivo desensitization.At the same time, we combined assertive response and modeling therapy.As a consequence, we were able to successfully alleviate the dental treatment phobia itself, although a total treatment period of 11 months was required.