著者
大久保 正
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin Of The National Institute of Japanese Literature
巻号頁・発行日
no.01, pp.233-249, 1975-03-25

まだ公刊されていない本居宣長の書簡中から、七月三日付門人荒木田尚賢宛の一通と、日付・宛名を欠くが、門人小篠敏宛と推定される一通の計二通を選び、本文を翻刻すると共に、その年次を考証し、あわせてその宣長研究上に有する意義を考察した。 From some letters of Motoori Norinaga which has not been yet published , a letter addressed to a disciple Arakida Hisakata dated July 3rd and the one with no address and date to a disciple Ozasa Minu, 2 letters in total were chosen, the text was reprinted and studied the year of historical evidence. In addition,the meaning in a study of Norinaga was considered.
著者
大久保奈稚子著
出版者
ひかりのくに
巻号頁・発行日
1980
著者
普天間 朝上 金城 政樹 大久保 宏貴 仲宗根 素子 川越 得弘 金谷 文則
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.167-173, 2017

We reviewed 30 cases of brachial plexus palsy (11 complete palsies, 19 upper palsies), with reconstruction of the shoulder abduction and elbow flexion using nerve transfer and/or graft. Clinical outcomes and surgical effectiveness were evaluated.<BR>The average age at surgery was 25.2 years, the average period from injury to surgery was 3.4 months, and minimum follow-up was 1 year, averaging 3.7 years.<BR>Regarding shoulder reconstruction, accessory nerve transfer to suprascapular nerve was performed in 16 cases (combined with axillary nerve reconstruction in 6 upper palsies). Nerve graft was performed in 6 cases.<BR>For elbow reconstruction, intercostal nerve transfer to the motor branch of the biceps muscle was performed in 17 cases. Oberlin procedure (in 9 cases) and partial median nerve transfer (in 3 cases) were performed for upper palsy.<BR>Nerve graft procedures were not satisfactory in shoulder reconstruction. However, accessory nerve transfer with axillary nerve reconstruction achieved favorable results, with muscle strength recovery to MMT 3 or greater in shoulder abduction.<BR>Intercostal nerve transfer achieved favorable result in younger patients.<BR>The Oberlin procedure achieved better elbow function in the short term. However, in C5 - 7 root injury cases, the Oberlin procedure was less effective. Median/ulnar funiculus transfer should be selected following confirmation by electronic stimulation during operation.
著者
吉野 浩一 深井 穫博 松久保 隆 高江洲 義矩
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.92-97, 2002-04-30 (Released:2017-12-15)
参考文献数
30

喫煙と歯周病や口腔がんとの関連はよく知られているが,生活習慣と関連が深い歯の喪失についての研究はきわめて少ない。本調査は,喫煙習慣および口腔保健行動と歯の喪失との関連について5年間のコホート調査を行うことを目的とした。対象は某銀行の従業員の男性129人とし, 1992年から5年間追跡調査した。その結果,20〜39歳群の喫煙者は一人平均0.40歯喪失歯が増加し,非喫煙者の0.13歯に比べて多い値であった(p<0.01)。40〜59歳群では,喫煙者は0.75歯,非喫煙者は0.51歯と多い傾向を示したが有意な差はみられなかった。口腔保健行動と歯の喪失との関連をみると,40〜59歳群ではかかりつけの歯科医院のある者に歯の喪失する者の割合が高かった(p<0.05)。さらに,単純ロジスティック回帰分析を行った結果,20〜39歳群では喫煙習慣が歯の喪失に有意な関連を示し(p<0.001),オッズ比は8.08(信頼区間1.83〜35.72)であった。以上の結果から,20〜39歳群の若年成人では,喫煙習慣が歯の喪失に強く関連していることおよびコホート調査の重要性が示された。
著者
加藤 秀治 伊藤 江平 北村 明大 池永 訓昭 久保田 和幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.17-00258-17-00258, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Recently, a titanium alloy has been as biomaterials that have stable mechanical property and superior biocompatibility. But the titanium alloy generally has higher young’s modulus in comparison with cortical bone, then bone resorption was occurred by stress shielding. For this reason β-type titanium alloy exhibiting super-elasticity and super-plasticity was developed. This alloy has high tensile stress and low young’s modulus too. However, the characteristics of this alloy is lost by severe heat environment and external force. Therefore, there is possibility that the advantageous characteristics may be lost during cutting. In this study, the effect of cutting temperature and cutting force on the affected layer was investigated by milling with small ball end mill tool in order to decrease the affected layer by cutting process. At the cutting speed of 16.0m/s, the thickness of the affected layer exceeded 2.5μm because of increasing of cutting temperature that approached to the neighborhood of transition temperature of this alloy. On the other hand, the affected layer was observed for the cutting condition of high cutting force by increasing feed rate of a tooth, depth of cut and pick feed, the thickness of the affected layer was 0.7μm .So, the affected layer was dominant by the influence of cutting temperature. To decreasing affected layer, the cutting temperature is able to decrease to decreasing feed rate of a tooth or depth of cut.
著者
小川 道子 上田 敏彦 大久保 滉 森井 外吉
出版者
関西医科大学医学会
雑誌
関西医科大学雑誌 (ISSN:00228400)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.544-555, 1976-09-20 (Released:2013-02-19)
参考文献数
27

Reported: This autopsy case of myasthenia gravis in a 41 year old female revealed thymus hyperplasia with germinal centers remaining in the fatty tissues. The infiltration of lymphocytes (lymphorrhage) was remarkable only in the tissues near the thymus, namely the intercostal muscles, myocardium, and thyroid; in the other affected skeletal muscles, it was only slight. The Lymphorrhage in the myocardium was so remarkable that was histologically diagnosed as subacute myocarditis.Discussed: In agreement with recent studies, these findings seem to suggest the view that myasthenia gravis is an autoimmune disease.
著者
深瀬 昌悟 大久保 宏貴 川越 得弘 金城 政樹 普天間 朝上 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.904-908, 2017

【症例1】26歳,男性,他院で左アキレス腱皮下断裂に対し腱縫合を施行された.術後感染を来しデブリドマンを施行され,皮膚・アキレス腱欠損に対する再建目的に紹介された.初回手術で抗生剤含有セメントビーズを留置し,veno-accompanying artery fasciocutaneous(以下VAF)flapで被覆した.皮弁術後4週で腓腹筋筋膜弁を用いたアキレス腱再建術を施行した.術後2年,片脚立位・つま先立ちが可能となり趣味のバスケットボールにも参加している.【症例2】64歳,男性,他院で左アキレス腱付着部裂離骨折に対し骨接合術を施行された.術後感染を来し,紹介された.デブリドマン,抗生剤含有セメントビーズ留置を行い,術後7日後に,皮膚欠損部をVAF flapで被覆した.皮弁術後4週,腓腹筋筋膜弁を用いたアキレス腱再建術を施行した.術後8ヵ月で片足つま先立ちが可能となりソフトボールに参加している.
著者
久保田 壮活
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.474-479, 2005-11-01 (Released:2017-05-25)

東京大学柏図書館は, 東京大学「3極構造」構想の一つである柏キャンパスの中心的図書館として, 平成17年2月正式開館した。柏キャンパスで活動する学生教職員のための学習研究図書館としてだけではなく, 全学資料共同利用センターとして, 50万冊収容可能の自動化書庫を備え, 文献提供の拠点としても機能している。さらに社会に開かれた図書館として, 社会連携を中心としたさまざまな活動, 「場」の提供も重要なサービスと位置づけている。「次世代型図書館」をキーワードにつくられた東京大学柏図書館の建設計画から完成までの経緯をたどり, 活動中の現在, そして, 今後の計画について述べる。
著者
小栢 進也 久保田 良 中條 雄太 廣岡 英子 金 光浩 長谷 公隆
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0051, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】膝を伸展させる代表的な筋は大腿四頭筋であるが,足や股関節の筋は下腿や大腿の動きを介して膝を伸展できる。このため,ヒトの多関節運動においては膝関節以外の筋も膝伸展運動に関与する。変形性膝関節症(膝OA)患者は立脚初期の膝伸展モーメント低下が報告されており,大腿四頭筋の膝伸展作用が低下している。しかし,膝OA患者は大腿四頭筋以外のどの筋で膝伸展作用を代償しているのか明らかではない。筋骨格シミュレーションによる順動力学解析は筋張力と関節角加速度の関係性を計算式により算出することで,膝伸展運動における筋の貢献度を調べることができる。そこで,本研究では膝OA患者の歩行分析から,筋が生み出す膝関節角加速度を調べ,膝伸展に貢献する筋を調べる。【方法】対象は膝OA患者18名(72.2±7.0歳),健常高齢者10名(70.5±6.7歳)とした。被験者の体表に18個のマーカーを貼り,三次元動作分析システム(3DMA-3000)およびフォースプレートを用いて歩行動作を測定した。マーカーの位置情報には6Hzのローパスフィルターを適用した。次に,OpenSimを用いて順動力学筋骨格シミュレーション解析を行った。8セグメント,7関節,92筋のモデルを使用した。解析はモデルを被験者の体に合わせるスケーリング,モデルと運動の力学的一致度を高めるResidual Reduction Algorithm,筋張力によってモデルを動かすComputed Muscle Controlを順に行い,歩行中の筋張力を計算式により求めた。さらに各筋の張力と膝関節角加速度の関係性を調べるためInduced Acceleration Analysisを用いた。データは立脚期を100%SP(Stance Phase)として正規化し,立脚初期(0-15%SP)での各筋が生み出す平均膝伸展角加速度を求めた。統計解析には歩行速度を共変量とした共分散分析を用い,筋張力と筋が生み出す膝伸展加速度を膝OA患者と健常高齢者で比較した。【結果】0-15%SPの張力は大腿広筋,足背屈筋群,ひらめ筋,腓腹筋で膝OA患者が健常高齢者より有意に低く,股内転筋群で有意に高い値を示した。膝伸展角加速度の解析では大腿四頭筋(膝OA患者2656±705°/sec2,健常高齢者3904±652°/sec2),足背屈筋群(膝OA患者-5318±3251°/sec2,健常高齢者-10362±4902°/sec2),ヒラメ筋(膝OA患者1285±1689°/sec2,健常高齢者3863±3414°/sec2),股内転筋群(膝OA患者1680±1214°/sec2,健常高齢者1318±532°/sec2)で有意差を認めた。【結論】膝OA患者と健常高齢者では大腿四頭筋と足背屈筋群に大きな差を認めた。膝OA患者は立脚初期の大腿四頭筋の発揮張力低下により膝伸展作用が低下する一方で,前脛骨筋を含む足背屈筋群の発揮張力を減少させ,その膝屈曲作用を低下させている。足背屈筋群は下腿を前傾することで膝を屈曲させるため,膝OA患者は足背屈筋群の張力発揮を抑えて立脚初期に膝屈曲が生じない代償パターンにて歩行していることが明らかとなった。
著者
久保田 康裕 楠本 聞太郎 藤沼 潤一 塩野 貴之
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.267-286, 2017

システム化保全計画の概念と理論に基づく生物多様性の空間情報の分析は、保全の利害関係者に様々な選択肢を提供し、保全政策の立案・実行における意思決定を支援する。本論では、日本の生物多様性保全研究を推進する一助として、システム化保全計画を概説した。保護区ネットワーク設計の基本概念は"CARの原則"である:包括性(comprehensiveness)、充足性(adequacy)、代表性(representativeness)。全ての地域を保護区にするのは不可能なので、現実の保全計画では、生物多様性のサンプル(抽出標本)を保護区として保全する。CARの原則は、母集団の生物多様性のパターンとプロセスを、抽出標本内で再現するための概念である。システム化保全計画では、生物分布データを利用して保全目標を定義し、保全に関わる社会経済的コスト(土地面積や保全に伴って生じる社会経済的負担)を考慮し、保全優先地域を順位付けする。この分析は、地域間(保全計画のユニット間)の生物多様性パターンの相補性の概念に基づいている。かけがえのなさ(代替不可能度、irreplaceability)は、保全目標の効率的達成における、ある場所や地域の重要度を表す指標概念である。保全優先地域を特定する場合、保全上の緊急性や必要性を組み込む必要があり、代替不可能度と脅威と脆弱性の概念を組み合わせるアプローチがある。これにより、各サイトは、プロアクテイブな事前対策的保全地域とリアクテイブな緊急性の高い保全地域に識別される。保全計画では、様々な保全目標を保全利益に照らして検討することが重要である。Zonationが実装している効用関数は、メタ個体群や種数—面積関係の概念に基づいて空間的な保全優先地域の順位付けを可能にしており、有望である。システム化保全計画の課題の一つは、生物多様性パターンを静的に仮定している点である。生物多様性を永続的に保全するため、マクロ生態学的パターンおよび種分化、分散、絶滅、種の集合プロセスを保護区ネットワーク内部で捕捉するスキームを検討すべきだろう。システム化保全計画は生物多様性条約の学術的基盤で、愛知ターゲット等の保全目標を達成する不可欠な分析枠組みである。今後、日本でも実務的な保全研究の展開が期待される。
著者
露口 小百合 伊藤 知子 今義 潤 江口 智美 久保 加織 高村 仁知 中平 真由巳 原 知子 水野 千恵 明神 千穂 村上 恵 和田 珠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】揚げる・炒める分科会ではこれまで揚げ種重量の10倍程度の油を用いた一般的な揚げ方法での様々な研究を行なってきた。しかし、最近では環境問題や健康への配慮から少量の油で揚げる「シャロウフライ」と呼ばれる方法が注目されている。そこで今回は揚げ種が浸る程度の少ない油量で揚げた場合の揚がり具合について検討した。 【方法】試料として豚カツ(業務用冷凍豚一口カツ)およびサツマイモ、揚げ油はキャノーラ油を用いた。油の量は「ディープ」(油の深さが揚げ種の厚さの2倍)、「シャロウ1」(同1倍)、「シャロウ1/2」(同1/2倍)とした。温度調節付きガスコンロと26cm径のフライパンを用い、豚カツは180℃、5分間、サツマイモは160℃、6分間揚げた。揚げ操作中に揚げ種の中心温度と油温の変化を測定し、揚げ操作後の重量変化より吸油率と脱水率を算出した。官能評価はパネル6~8名で、評点法(外観、油臭さ、におい、味、揚がり具合、テクスチャー、総合)と順位法で行った。 【結果】脱水率は、豚カツ、サツマイモともに「シャロウ1/2」で低かった。吸油率は、豚カツでは油量による差はみられなかった。中心温度は「シャロウ1/2」では温度上昇が遅かった。官能評価の評点法は、豚カツ、サツマイモともに外観、におい、揚がり具合、テクスチャーおよび総合において「シャロウ1/2」が有意に低い評価であった。順位法では、豚カツは、「ディープ」、「シャロウ1」、「シャロウ1/2」の順に好まれた。サツマイモの「シャロウ1/2」では仕上がりが不均一で水っぽく感じられ、脱水率の結果と一致していた。以上の結果から、油量の違いは揚がり具合に影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
松浦 弘幸 根本 哲也 久保田 怜
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.71-76, 2012-05-30 (Released:2017-09-02)
参考文献数
9

我々は,従来から有名な情報理論のベイズ定理を量子力学的方法を用いて書き換えた.それには,古典的な確率定理を全て確率演算子,確率振幅,そして,演算子に読み替える必要があった.古典的(従来のベイズ定理)と量子力学形式の最大の相違は,干渉項の有無である.量子力学的な表現では,初期状態ベクトルがたとえ純状態であっても,終状態では混合することを要求する.これは,純状態の重ね合わせの原理に相当する.ニューラルネットでは,この量子混合状態は,エファプスのような軸索間の干渉,また,神経終板,シナプス等が想定されている.神経の結合様式では,図式的には収束型であるが,数学的方法としては発散タイプの推計を行う事になる.結合部では多くの情報が混合するが,この中でも幾らかは以前の情報を保持している.この情報の拾い出しが量子力学の期待値を取ることに相当する.