著者
橋本 慧海 白松 俊 五十嵐 康伸 松本 宇宙 青島 英和
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.02, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

近年,従来のトップダウンな組織運営から,メンバーがより自律的に仕事をこなすフラットな組織運営を目指す動きが増えている.しかし,階層的な組織に比べ,個人の自律性を尊重すると全体としてのマネジメントは難しくなる.そこで本研究では,個人の自律性を尊重しつつ,適材適所な組織運営ができるマッチング機構の開発を目指す.具体的には個人の自律性を尊重した適材適所配置支援システムを開発するために,本稿ではタスクやユーザのためのタグ付けを行うためのオントロジーを設計した.さらにタグを用いたタスクとユーザのマッチング手法を検討し,その応用可能性を考察した.
著者
南 光太郎 堅田 元喜 北 和之 反町 篤行 保坂 健太郎 五十嵐 康人
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.208-218, 2020

<p> Following the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident, it has been recognized that bioaerosols with radioactive cesium may have released from radiologically contaminated forest into the atmosphere. In order to evaluate the above process, the emission rate of bioaerosol was inversely estimated using a numerical model named SOLVEG that includes the processes of emission, deposition, and turbulent transport of aerosols. For the inverse estimation, micrometeorological variables and bioaerosol number concentration and flux were observed at a Japanese temperate broad-leaved forest in summer. By tuning modelled emission rate of bioaerosols from forest floor, its best estimate was obtained at the agreement between calculated and observed concentrations below the canopy. General trends of calculated momentum, heat, and bioaerosol fluxes above the canopy were also reproduced in the simulation. In the numerical experiment without bioaerosol input at the top of atmosphere above the canopy, a certain amount (59%) of bioaerosol flux at the floor released above the canopy top, while the rest of the flux deposited onto both canopy and soil. This potential flux above the canopy top was 2.0±1.8×10<sup>-2</sup> μg m<sup>-2</sup> s<sup>-1</sup>, which may correspond to the re-emission rate proposed previously by the chemical transport model.</p>
著者
本武 陽一 五十嵐 康彦 竹中 光 永田 賢二 岡田 真人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2I23in2, 2017 (Released:2018-07-30)

ノンパラメトリックなスパース変数選択法として,L1VMがL1正則パラメータλをone-standard ruleなどのアドホックな手法によって最適化されて適用されてきた.本研究では,L1VMで抽出された説明変数を用い,交差検証誤差やベイズ自由エネルギーによって各λから求められた説明変数を評価する枠組み(λ-スキャン法)を提案する.提案手法をスペクトル分解に適用し,その有効性を検証する.
著者
高橋 光太郎 柏原 健之朗 五十嵐 康彦 馬場 俊孝 堀 高峰 岡田 真人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4K3J1304, 2019 (Released:2019-06-01)

津波による被害を抑えるために,水圧計を使用した津波高即時予測システムは世界中で使われている. 津波の高さは,基本的に伝播中の地形(海底地形)に依存するため,予測には沿岸付近で観測された圧力計の値と海岸近くの予測点での津波の高さの間の相関関係を利用する. 津波高の予測には,被害を最小限に抑えるために予測精度と過小評価を避けることの両方が重要になっている. 従来の方法は,1506の地震シナリオから観測された水圧計の値に幅を持たせその中で最大の津波高を予測値としている.しかし,過小評価を避けるために実際の津波高に比べて大きく予測され,精度の低い手法となっている. 本研究では,ガウス過程回帰を用いた津波高予測手法を拡張し,過小評価が少なく精度の高い予測手法を提案した.また,従来法と提案法において,南海トラフの震・津波観測監視システム(DONET1)の圧力計データを用いて津波高を予測する検証を行い,予測精度と過小評価率の比較を行なった.
著者
鈴木 一成 五十嵐 康人 土器屋 由紀子 赤木 右
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.318, 2008

東アジアのエアロゾルの水溶性成分は、Ca2+、SO42-、NH4+が主要成分となっているため、エアロゾルの化学の大部分をこの3成分で議論できる場合が多い。そこで、Ca2+, SO42-, NH4+の3成分による三角ダイアグラムを用いて大気エアロゾルの化学的特徴を考察した。三角ダイアグラムはH+を考慮する必要のある酸性領域とCO32-を考慮する必要のある炭酸領域に分けることができ、CaCO3とCaSO4、(NH4)2SO4の混合状態を簡単に知ることができる。2002年3月から9月までに富士山山頂の富士山測候所で1日ごとにサンプリングしたエアロゾル試料のデータ(Suzuki et al., in press)を用いた。富士山頂での観測結果から、春季の通常の黄砂時には、ほとんどのCa成分がCaSO4として存在することが特徴的に示された。気塊が汚染地域を通過する際に黄砂粒子と汚染大気由来のH2SO4が混合し反応したと考えられた。夏季には通常の黄砂期間と異なり、SO42-がNH4+と等量濃度でほぼ1:1であり、Ca成分がCaCO3として存在することが明らかとなった。
著者
廣瀬 勝己 五十嵐 康人 猪俣 弥生 青山 道夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.315, 2008 (Released:2008-09-06)

つくばと榛名山上で月間大気降下物試料を採取した。降下物試料中のプルトニウムとトリウム同位体を測定し、その結果をまとめた。両地点共に、春期にプルトニウム降下量の極大が見られた。同様な季節変化はトリウムにも見られた。降下物中のいづれの核種も土壌粒子の再浮遊に起源が求められる。
著者
黒沢 元博 五十嵐 康 宮地 良樹
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1620-1626, 1993

マスト細胞は生体内に広く分布するが,その形態,機能には臓器差と種属差が存在する.ヒトマスト細胞は,顆粒内エンドペプチターゼの種類により,トリプテース含有マスト細胞とトリプテース,カイメース含有マスト細胞に分類可能である.マスト細胞はIgEを介する特異的刺激の他,多彩な刺激因子により活性化され,多彩なメディエータを遊離する.活性化マスト細胞における細胞内生化学的機構は,刺激により異なる.
著者
市川 寛子 川端 大貴 五十嵐 康彦 永田 賢二 永福 智志 田村 了以 岡田 真人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は識別問題に対して,N個の入力変数からK個選んだすべての変数の組み合わせに対して,クロスバリデーションエラー(CVE) を計算し,その分布を求めるK-スパース全状態探索をもちいた変数選択法を提案した.本研究では,この手法の数理的な性質を研究するために,実データ解析だけでなく,仮想計測実験(VMA)を用いて,この手法の数理的な性質を調べた結果を報告する.
著者
五十嵐 康人 北 和之 牧 輝弥 竹中 千里 木名瀬 健 足立 光司 梶野 瑞王 関山 剛 財前 祐二 石塚 正秀 二宮 和彦 大河内 博 反町 篤行
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

著者らは, 福島第一原発事故の放射能汚染による大気環境影響評価のため, 福島県内の汚染地域に設置された観測地点で放射性セシウムの大気への再飛散を研究してきた。その結果, 1) 都市部での観測結果と異なり, 典型的な里山である観測点では,特に夏季に放射性Csの大気中濃度が上昇し(Fig. 1),2)これを担う粒子は, 見た目や光学顕微鏡像からダストと思われたが, 意外にもその大部分が実は生物由来であること(Fig. 2)を見出した。真菌類が放射性Csをカリウムと誤認し濃縮する事実を考慮すると, 再飛散を支える実体として胞子が想定できる。仮に真菌胞子のみが137Csを運ぶとして, 胞子一個当たりの137Cs量を幾つかの仮定下で推定すると, 5×10-10-3×10-7 Bq/個となり, 森林から胞子が9×103-5×105個/m2/秒飛散する必要がある。この値は,Sesartic & Dallafior (2011) Table 2のForestの最大値387個/m2/秒よりも1~3桁も大きい。しかし実際, 今夏の予備観測で,バイオエアロゾル個数濃度は5-8×105個/m3に達することが確認され, 我が国の森林から予想以上のバイオエアロゾルの飛散が起きていることがわかった。さらに上記仮定に基づくと, 大気中137Cs濃度は2.5×10-4-0.15 Bq/m3となり, 現実の放射性Csの再飛散と凡そ辻褄が合う。これらから, 夏季におけるバイオエアロゾルによる放射性Csの再飛散を真剣に考慮すべきことがわかってきた。
著者
恩田 裕一 山本 政儀 山田 正俊 北 和之 竹中 千里 浅沼 順 中島 映至 篠原 厚 神田 穣太 五十嵐 康人
出版者
筑波大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

1.領域内の相互啓発と情報共有:全計画研究班の研究が円滑に進むよう統括を行った。WEB中継会議システムを活用して全構成員間のより緊密な連携を図った。 2.研究支援活動:「データベースワーキンググループ」を統括し、事故発生以降の環境データ、モデリングデータ、分析データを使いやすい形で整理し、関係研究者に提供した。また「分析チーム」を統括し、分析がIAEAスタンダードになるようproficiency testの結果を反映させた。3.公募:各計画研究の補完・推進を目的として採択した第ニ期公募案件について研究支援を行った。
著者
赤木 右 片山 葉子 土器屋 由起子 五十嵐 康人
出版者
東京農工大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

富士山測候所を利用して、1990年代初めより大気化学観測を続けてきた。しかしながら、2004年9月の測候所無人化が急遽決定され、1992年以来連続観測を行ってきたオゾン濃度をはじめ、大気化学関係の装置の撤収が要求された。その様な状況の中、測候所の協力を得て、特別に割かれた2004年6月18-22日の期間を利用して、従来の体制の中で最後の集中観測を行った。さらに、2005年は太郎坊避難所を中心に集中観測を行い、山頂での測定は、BC、パーティクルカウンターなどに限定して行った。観測項目は以下の通りである。エアロゾルおよび雨水の主要化学成分,粒径分布,雨水の主要化学成分、エアロゾルの粒径分布、^7Be濃度,SO_2濃度,O_3濃度,CO濃度,^<222>Rn濃度、COSの鉛直分布、同位体、NOx、ブラックカーボン。今年度は、梅雨明け前後にあたり、前半は曇りがちで、後半は比較的安定した晴天となったため、降水試料は得られなかった。2002年から2005年までの4年間に行った観測結果を整理し、次の様な結論を得た。まず、山頂と太郎坊とで得られたデータを比較することにより、(1)一般に化学成分の濃度は山頂において低いが、より細かくみると、COS濃度は山頂の方が高い、オゾンは山頂からの変動が先んずる、などの結果を得た。各成分の発生過程、分解過程について制約することが可能である。さらに、(2)自由対流圏の連続観測プラットフォームとしての富士山頂は理想的な地点であり、航空機観測の補完を行い東アジアの大気化学の情報を与える。(3)山体を4000mの観測タワーとみなすことで、微量気体の鉛直分布などの研究が出来る。