著者
五十嵐豊作著
出版者
中外出版
巻号頁・発行日
1948
著者
足立 雄一 五十嵐 隆夫 吉住 昭 萱原 昌子 足立 陽子 松野 正知 村上 巧啓 岡田 敏夫
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.40-45, 1991
被引用文献数
2

4例の食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを経験した. それぞれの臨床症状について検討し, さらに全員に運動負荷を行い, その前後でCom48/80を用いた皮膚テストを実施した. 症例は男児1名, 女児3名. 13-16歳に発症し, 誘因はエビなどの甲殼類が2名, 小麦およびポテトが1名, 小麦が1名であった. いずれもRASTにて特異的IgE抗体を証明し得た. 運動はランニング, バレーボール, 早足歩行であり, 食後10分から2時間に運動することで発症している. 全員に蕁麻疹を認め, それ以外に意識消失や呼吸困難を認めた. 運動負荷のみでは全員無症状であったが, Com48/80に対する皮膚反応は3例において運動前に比して運動後に増大傾向を認めた. 以上より, 本疾患の発生機序としてアレルギー反応の関与が示唆されたが, 運動による皮膚肥満細胞の活性化の可能性については今後の課題である.
著者
板東 敬子 五十嵐 順悦
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.73-79, 2017-02-05 (Released:2017-03-22)
参考文献数
10

有機化合物中の硫黄及びハロゲン(フッ素,塩素,臭素及びヨウ素)分析において,あらかじめ燃焼装置内で硫黄及びハロゲンを含む有機化合物を燃焼分解し,ガス化された硫黄酸化物及びハロゲン化物を吸収液に通じて捕集して溶解・回収したのち,これをイオンクロマトグラフで定量する自動分析装置が開発されている.硫黄が共存する化合物中の臭素及びヨウ素の分析値については,異常値が得られることがこれまでに度々指摘されてきた.当該装置に著者らが開発した流通装置を接続して検討を行ったところ,許容誤差範囲内(計算値±0.3% 以内)の良好な分析値が得られることが判明し,5元素同時分析法を開発できたので報告する.
著者
五十嵐 理慧 武永 美津子 中山 利明
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

臨床応用可能な神経系DDS製剤の開発を目ざして脳神経細胞由来神経栄養因子(brain derived neurotrophic factor, BDNF)とレシチン誘導体を結合したレシチン化BDNF(PCBDNF)を合成し検討した。まずBDNFの薬理活性が報告されているC57BL/KSJ-db/dbマウスにおける摂食抑制効果、血中グルコース抑制効果、体重増加抑制効果で検討した結果、PCBDNFはBDNFそのものに比較して著明な薬理効果の増強が見られた。用量で比較するとPCBDNFはBDNFそのものより20倍も活性が増強していることが示唆された。その薬理効果増強の機序が何に起因するのかを検討したところ血中半減期の長さに起因するのではなくPCBDNFの高い細胞親和性によることが示唆された。またIn vivoでの検討により中枢神経系への集積性が高くなっていることが観察され血液脳関門(BBB)の通過性が高くなっていることが示唆された。さらに神経系細胞であるPC-pAB1細胞を用いて活性化MAPKをウエスタンブロッティングで追いかけたところPCBDNF添加PC-pAB1細胞は持続的なMAPK活性化を示し、レシチン化によってBDNFに新たな機能が付加されていることが示唆された。持続的なMAPK活性化は細胞を分化の方向に誘導するとされており、これらが薬理効果の増強と大きな関係を持つと考えている。また最適レシチン導入数の同定のために有機合成したPCBDNFについて結合部位と結合数を分析したところ、結合部位は平均的に導入され、平均導入数はBDNF一分子あたりおおよそ3分子のレシチン誘導体が結合していることが判明した。
著者
嶋津 怜那 宮口 雨音 五十嵐 大哉 能見 祐理 松本 均
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

目的:アントシアニン(AC)を経口摂取することで様々な機能性が報告されており、その中にアルツハイマー型認知症予防効果がある。しかし、ACは摂取後、体内で各種フェノール酸へと代謝されることが知られており、この効果に寄与する活性成分が特定されていない。そこで本研究では、ACおよびAC由来の代謝物とされ、尿中で検出される各種フェノール酸に関して、血液脳関門(BBB)の透過性を比較することで、AC投与時の有効成分の探索を行った。方法:雄性Wistar RatにカシスAC抽出物あるいはイチゴAC濃縮粉末をそれぞれ経口投与し、投与前、投与後0~4h, 4~8h, 8~24hに尿を回収し、尿中のACおよび代謝物をLC-MSMSで定量した。また、投与後2, 18hにおける脳中のACおよび代謝物もLC-MSMSで分析した。続いて、Wistar Rat由来のBBBキットを用いてACおよび代謝物のBBB透過性を検討した。結果および考察:カシスAC抽出物およびイチゴAC濃縮粉末を投与したラットの尿からは、ACおよび代謝物として3,4-Dihydroxybenzoic acid (PCA), Caffeic acid, Vanillic acid, Gallic acid, Ferulic acid, Syringic acid, 4-Hydroxybenzoic acid(4-HBA), 3-(4-Hydroxyphenyl)propionic acid(HPPA), 2,4,6-Trihydroxybenzaldehyde(PGAldehyde), 2,4,6-Trihydroxybenzoic acid(PGAcid), Hippuric acidが検出された。これらの化合物は投与前の尿中にはほとんど含まれていなかった。そのうちカシスAC抽出物投与のラット脳組織中には、Gallic acidおよびHippuric acidが、イチゴAC濃縮粉末投与のラット脳組織中にはAC、4-HBA, PCA, Hippuric acid, そしてHPPAが存在することが分かった。これらの化合物を中心にBBB透過性を検討したところ、ACと比較してHPPAなどの一部のフェノール酸におけるBBB透過性が高いことが分かった。このことから、ACが体内で変換されて様々なフェノール酸となり、効果を発揮する可能性が示唆された。
著者
五十嵐 由里子
出版者
日本大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

古人類集団の人口構造を推定する際に要となるのが、古人骨の年齢推定である。古人骨において比較的残りやすい部位である腸骨耳状面を用いた年齢の推定方法は、Lovejoy et.al(1985)、五十嵐(1990)らによって掲示されている。今回は、東京慈恵会医科大学所蔵の近代日本人骨格標本のうち、生年月日と死亡年月日の記録があり、年齢の信憑性が極めて高い資料(男性30体、女性8体、年齢は25歳から85歳)を用いて、耳状面の形態による年齢の推定方法を新たに作った。新たな方法による年齢の推定値は、従来の方法による値と完全には一致しないことがわかった。縄文時代には地域によって人口構造が異なっていた可能性が、五十嵐(1990)によって示唆されている。今回は国立科学博物館所蔵の、蝦島貝塚(岩手県)人骨(縄文時代後・晩期、男性16体、女性30体、不明16体)を対象として、この集団の人口構造を推定した。年齢推定には今回新たに設定した方法を用いた。結果は以下の通りである。蝦島集団では、30歳代後半から40歳代前半での死亡率が最も高かった。蝦島集団の死亡率は、10歳代後半から30歳代前半では、他の本州集団(福島県三貫地遺跡、愛知県伊川津遺跡、吉胡遺跡、岡山県津雲遺跡)より高いが北海道集団より低く、30歳代後半以降では他のどの集団よりも高い。妊娠痕が判定できた全ての女性個体に妊娠痕が認められた。妊娠回数が多かったと判定した個体は40歳代後半以上の個体の60%を占める。この割合は、他の本州集団より高いが北海道集団より低い。以上の結果から、蝦島集団は、他の本州集団より多産多死傾向にあったが、北海道集団ほどではなかったという可能性が示唆できる。日本大学松戸歯学部で解剖された女性遺体6体について、骨盤上の妊娠痕の観察を行った。今後遺族へのアンケートによって、生前の妊娠出産に関する情報を収集する予定である。
著者
五十嵐 由里子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.321-329, 1992 (Released:2008-02-26)
参考文献数
29

腸骨の耳状面前下部に認あられる「妊娠痕」の出現状況を,いくっかの縄文遺跡の間で比較した。北海道では,観察した全ての女性人骨が妊娠痕を持ち,同時に,強い妊娠痕を持っ個体の割合が他のどの遺跡集団(三貫地,吉胡,伊川津,津雲)より高く,したがって,平均妊娠回数が他より高かったと考えられる。各遺跡集団の生存曲線の分析から,北海道では,早年死亡率が他より著しく高く,したがって,他より多産である必要があったことがわかった。結論として,縄文時代には,北海道のように出産率と早年死亡率がともに高い地域集団と,三貫地,吉胡,伊川津,津雲のように,両者とも低い地域集団があったことがわかった。
著者
度会 悦子 五十嵐 崇訓 渡邉 美香子 矢後 祐子 福田 啓一
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.218-225, 2015
被引用文献数
1

「化粧よれ」とは, ファンデーションがほうれい線や目元などのシワに経時で溜まる化粧崩れ現象である。化粧がよれると, シワが目立ち, 疲れまたは老けた印象を与える。ゆえに, 多くの研究が着目してきた皮脂による化粧崩れ現象だけでなく, 顔の動きによる化粧よれを防止する技術が必要となる。本研究では, 化粧よれ防止技術の開発を目的とし, 化粧よれの①メカニズム探索, ②定量的評価および, ③処方への応用を行った。その結果, 化粧よれは, ファンデーションの粉が皮脂に濡れて, シワが動くことにより, ファンデーションの粉が「とれ」および「凝集」を引き起こすことで生じることを見出した。さらに, メカニズムを基に化粧よれをモデル系で再現し, 再現した化粧よれの画像をヒストグラム解析することで, 化粧よれ(ファンデーションの「とれ」および「凝集」)の定量的評価方法を開発した。最後に, この評価方法を用いて化粧品原料をスクリーニングし, 弾性ポリマーと高重合シリコーンの組み合わせが化粧よれを防ぐことを見出した。この組み合わせを処方に応用することで, 化粧よれを防ぐ化粧下地の開発へ展開することができた。
著者
五十嵐 善哉 座波 健仁 田中 規夫 佐藤 創 鳥田 宏行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_229-I_234, 2018 (Released:2018-11-10)
参考文献数
17

防潮林は,津波に対して流体力低減や浮遊物捕捉などの効果を持つ.その一方で,樹木が破壊され流木化し家屋への被害を増長するリスクも有する.樹木が流木化せずその場にとどまる転倒破壊であれば,津波に対する抗力低減効果と捕捉効果は期待できる.樹木の胸高直径が太ければ破壊されにくくなるが,生育のためには定期的に密度を小さくする必要があり,間伐が行われる.本研究は,樹木破壊を高精度に取り入れたモデルを使用し,北海道のクロマツ間伐条件で生育した防潮林のデータにより,津波減勢効果と樹木破壊状況を評価することを目的とした.樹木破壊の観点では,間伐により樹木を十分に育てて胸高直径,枝下高を大きくした方が良いが,津波減勢の観点では,樹林帯の厚みが大きくなるように,ある程度密度があり,枝下が高くない条件が最もよい.