著者
三上 貞芳 福田 知悠 五十嵐 彩乃 池田 和則 鈴木 昭二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp."1A1-P04(1)"-"1A1-P04(3)", 2014-05-24

Legged robot is one of the ideal mechanisms for moving around muddy, irregular, and fragile surfaces. However, once it is turned over, it is not easy to recover, or is needed for special mechanisms, which cause the robot unnecessarily complex. To realize powerful yet simple legged machine that is able to self-recover from unexpected rolling, we developed a polyhedral shaped robot that has legs capable of performing tripod gait on every face. In this paper we show that this type of multi-faces tripod gait is realized by a simple gears and links mechanism driven by a single motor.
著者
五十嵐 寿一 石井 泰 杉山 清春 IGARASHI Juichi ISHII Yasushi SUGIYAMA Kiyoharu
出版者
東京大学航空研究所
雑誌
東京大学航空研究所集報 (ISSN:05638097)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.7-31, 1964-03

振動,音響現象などの高速度の信号を解析するためのディジタル型相関器を試作したので報告する.相関をとるべき二つの信号はいったんデータレコーダ等に録音しその再生出力を相関器への入力電圧とする.この入力電圧は二つのアナログーディジタル(A-D)変換器によって一定時間ごとにそれぞれ2進4桁の数字に変換され,そのうち一方はシフトレジスタに入りある時間たってから読出されて他方との間に掛算が行なわれる.掛算の結果はパルス数に変換されカウンタに積算されていくが,特にこの相関器においてはA-D変換器等のドリフトによる誤差を最小にするために,二つの数の積のみでなく,それらのある一定数に対する補数同志の積をも積算に繰入れるという独特の方式を採用している.シフトレジスタの段数は11段であるが,二つのA-D変換器のサンプリング時刻はサンプリング週期の1/5ステップごとに相対的にずらせることができる.したがって全体としては正あるいは負の方向に55ステップの時間シフトをとることができる.入力信号の相関値はデータレコーダを繰返し再生しつつこれらの時間シフトのステップについて一つ一つ計算されていく.その際計算に使用するサンプルの数は相関器に任意に設定できるようになっている.この相関器は約400個のトランジスタ論理要素から構成されており約5Kcまでの周波数の入力信号を取扱うことができる.この報告では試作した相関器の動作原理や構造の説明などのほかに,すでにこの装置を用いて計算された多くの相関関数の中から二,三を選んで例示してある。
著者
澤田 昂大 五十嵐 祐
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.177-189, 2020

<p>ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)において,私たちは様々な情報を発信し,周囲の人々とのコミュニケーションを行っている。その一方で,SNSで個人情報を含むセンシティブな内容を発信することは,プライバシーの懸念を高めうる。この問題に対処するため,多くのSNSでは利用者が情報の公開範囲に一定の制限を設けることのできるプライバシー設定機能が実装されている。本研究は,大学生のTwitterユーザーを対象として,ツイートの非公開設定機能の利用動機尺度を作成し,学年,性別および非公開設定機能の利用動機がプロフィール欄における個人情報の記載行動に与える影響について検討を行った。探索的因子分析の結果,「公開範囲のコントロール」,「不利益の回避」,「社会的影響」の3因子が抽出された。また,これらの下位尺度得点を含めた重回帰分析の結果,「公開範囲のコントロール」はプロフィール欄における名前の匿名化を促し,「社会的影響」は個人の特定を容易にしうる情報の記載を促進していることが示された。さらに,学年が上がるにつれてさまざまな情報の記載が抑制されていることや,女性がより積極的に情報の記載を行っていることも示された。</p>
著者
五十嵐 広明 近藤 昭夫
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Specialnumber, pp.157-166, 1977 (Released:2007-03-29)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

1. 低張液処理押しつぶし法を真正蜘蛛類の11科17属18種に試みた結果, ほとんどの種で鮮明な染色 体像を得ることが出来, この方法は特に精原細胞分裂中期および還元分裂のさまざまな時期の染色体像 にすぐれていた.2. 低張液処理押しつぶし法により, オオヒメグモ Theridion tepidariorum 雄の22本の染色体がす べて小さい腕をもった端部動原体染色体であることがわかり, 2本のX染色体の一方と考えられる短い染色休が確認出来た.3. IMAI and KUBOTA の方法および酢酸解離空気乾燥法を原法に改良を加えて使用し, そのうち特に酢酸解離空気乾燥法は精原細胞分裂中期の染色体像にすぐれていた.4. IMAI and KUBOTA の方法および酢酸解離空気乾燥法に改良を加えた方法によるスライドに, SUMNER の BSG 法を用いた結果, オオヒメグモ, ササグモ Oxyopes sertalus の染色体の動原体付近が濃染し, この部分に構成的異質染色質が存在することがわかった.5. ササグモでは鮮明なC-バンドが得られたが, 1本のX染色体を含む21本のすべての染色体の動原体付近のみが濃染し, この部分のみに構成的異質染色質が存在することが示唆された.6. C-バンド法により性染色体を識別しようとする試みは成功しなかったが, オオヒメグモの染色体の一部には, 動原体付近以外の染色体末端が濃染するものがあるようであり, C-バンド法は真正蜘蛛類の核型の進化を考える上で, ある程度有効な方法であることが示唆された.
著者
佐倉 統 五十嵐 太郎 片山 杜秀 菅 豊
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

この研究は、近代以降「『日本的』という標語がどのように語られてきたか」を分野横断的に比較し、近代・現代における「日本的」イメージの多様性を総覧するとともに共通性を抽出するものである。「民族」について様々な言説が乱れ飛ぶ現在、学術的かつ専門的な見地から、日本とその国民が自らをどのようにイメージしてきたかを明らかにして、現在におけるひとつの「規矩」を提供することは、社会的にも意義があると考える。
著者
立山 千草 五十嵐 喜治
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.218-224, 2006-04-15 (Released:2007-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
6 11

ナス果菜外果皮の色が異なる4種のナス果菜において,外果皮,果肉,花弁部位を3%トリフルオロ酢酸で抽出して得られる粗抽出液およびそのSep-Pak Plus C18カートリッジ吸着画分からメタノールで溶出して得られる画分(粗精製抽出液)についてアントシアニン色素およびクロロゲン酸含量の測定を行った.また,DPPHラジカル消去活性を測定し,それら含量と消去活性との関連性について推察した.(1)緑ナスおよび白ナス外果皮の試料からはアントシアニン色素が検出されなかった.これらの花弁には,ナスニンが主要アントシアニン色素として含まれていた.米ナス外果皮の主要アントシアニンはデルフィニジン3-O-ルチノシドと同定された.また,新たにデルフィニジン3-O-ルチノシド-5-O-グルコシドも含まれることが明らかとなった.(2)各種ナス果菜外果皮および花弁粗抽出液,粗精製抽出液はいずれも,DPPHラジカル消去活性を示した.各ナスのDPPHラジカル消去活性は,クロロゲン酸含量と高い相関を示し(相関係数r=0.762),クロロゲン酸がこれらナスのラジカル消去活性と強く関わっていることが推察された.
著者
澤田 昂大 五十嵐 祐
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.177-189, 2020-07-01 (Released:2020-08-27)
参考文献数
32

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)において,私たちは様々な情報を発信し,周囲の人々とのコミュニケーションを行っている。その一方で,SNSで個人情報を含むセンシティブな内容を発信することは,プライバシーの懸念を高めうる。この問題に対処するため,多くのSNSでは利用者が情報の公開範囲に一定の制限を設けることのできるプライバシー設定機能が実装されている。本研究は,大学生のTwitterユーザーを対象として,ツイートの非公開設定機能の利用動機尺度を作成し,学年,性別および非公開設定機能の利用動機がプロフィール欄における個人情報の記載行動に与える影響について検討を行った。探索的因子分析の結果,「公開範囲のコントロール」,「不利益の回避」,「社会的影響」の3因子が抽出された。また,これらの下位尺度得点を含めた重回帰分析の結果,「公開範囲のコントロール」はプロフィール欄における名前の匿名化を促し,「社会的影響」は個人の特定を容易にしうる情報の記載を促進していることが示された。さらに,学年が上がるにつれてさまざまな情報の記載が抑制されていることや,女性がより積極的に情報の記載を行っていることも示された。
著者
佐藤 馨一 五十嵐 日出夫 堂柿 栄輔 中岡 良司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.191-197, 1984

年表の作成は歴史の研究において最も基本的な、しかも重要なプロセスである。土木史研究においても明治以降については、「近代欝本土木年表」としてすでに発表されている。しかし明治以前については体系的に作られた土木史年表はなく、その編成が大きな研究課題として残されている。本文はこの点に着目し、小川博三著「日本土木史概説」から明治以前の主要土木史事項を抜きだし、明治以前日本土木史年表を試作したものである。この年表では明治以前を五つに区分し、各時代ごとに30~33の項目を取り上げた。<BR>本研究の最終目的は日本土木史年表の作成にあるが、本文ではとくに年表編集のプロセスにおいて、リレーショナル・データベースを用いて簡便に土木史史料を整理し、修正し削除する方法を開発した。すなわち本研究では大型電子計算機によらず、安価でかっ日本語入出力が可能なパーソナルコンピュータを用い、さらに入力した文章データを各種ファイルに再編集した。この結果、膨大な文書史料から必要事項を任意に検索、修正、削除することが可能となり、土木史史料の作成・整理・保管・再編集作業のシステム化、迅速化が図られることになった。
著者
松田 真一 深田 信幸 大石 昌仁 岡 宏明 原 良介 小島 愛 中野 駿 元吉 克明 五十嵐 繁樹 佐々木 裕子 亀山 菜つ子 窪田 和寛
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
pp.26.e4, (Released:2021-03-18)
参考文献数
17

保険請求データベース(DB)や電子カルテ DB 等,日常診療の情報が記録されたリアルワールドデータ(real-world data:RWD)は,薬剤疫学研究における重要なデータ源の一つである.日本において,2018年4月より製造販売後調査の新たなカテゴリーとして,医薬品の製造販売後データベース(製販後 DB)調査が追加された.以降,医薬品リスク管理計画(risk management plan:RMP)において製販後 DB 調査が計画され,製販後 DB 調査の実践が期待されているが,現時点で結果公表まで至ったものはほとんどない.一方,海外においては RWD を用いた DB 研究成果は現時点で多数報告されている.海外と日本では,DB 自体の特性(項目・構造等)の違い,医療環境・慣習の違い等を念頭におく必要はあるが,そのような前提を踏まえて海外 DB 調査論文を精読し,研究仮説,研究デザイン,手法等を吟味することは,日本における製販後 DB 調査の計画・実行・結果の解釈を実践するうえで参考価値があると考えた.本報告の目的は,海外 DB 調査論文の批判的吟味を通じて,DB 調査の特徴や注意点を考察すること,そして,日本における製販後DB 調査の実践に役立つ提言を行うことである.本稿が,今後の製販後 DB 調査を計画・実施するうえでの一助になれば幸いである.
著者
内野 峻輔 佐藤 太一 中村 裕幸 五十嵐 洋
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.G-4-2, 2016

<p>In this study, we constructed a driving simulator and attempted to assist the driver in parallel parking by presenting auditory stimuli. For this purpose, we developed an acoustic information system that has the driver turn the steering wheel on the basis of sound-pressure differences in white noise output from left and right speakers. This system provides acoustic feedback to the driver based on deviation from the target value for steering wheel operation. First, we conducted an experiment to identify the manner in which people react to acoustic information given in this way and establish appropriate control parameters. Next, we investigated how acoustic information could affect driving characteristics in parallel parking. Furthermore, based on the parallel parking experimental results, we investigated and fixed the appropriate control parameters for each operating value of steering wheel. Even if we use the fixed control parameters, the acoustic information system is effective in providing driving support.</p>
著者
五十嵐 忠孝
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.111-138, 2018

<p>Periodical swarming of the polychaete species, named palolo in English, has been known as socially, culturally, and spiritually important event in Islands Southeast Asia and South Pacific. This study aims at exploring (1) taxonomy and ecology of the palolo and (2) mechanisms of traditional calendars in Indonesia, based on cross-cultural and transdisciplinary analyses of previous studies which have been published since the early 18th Century and the author's fieldwork data. As the results, cultural events relevant to the palolo swarming geographically existed only in Lesser Sunda Islands, Moluccas, and New Guinea Island in Indonesia. It was also found that the swarming mostly occurred in February or March in these regions, but in October or November in South Pacific (e.g, Samoa). Local people predicted the time of the palolo swarming by observing celestial and lunar movements. Indigenous calendars were also based on these movements, especially heliacal rising of Pleiades or Antares. In case of Lombok Island, the palolo swarming corresponded to 20th day of 10th month in the indigenous system and people stopped counting next month after this month in waiting for the next heliacal rising. In the author's analyses, this is a sophisticated intercalation system under low astronomical technology. It is concluded that the non-conscious intercalation is the key technology and the palolo swarming is the best fitted natural phenomenon for traditional lunisolar calendrical systems in Eastern Indonesia.</p>
著者
瀬戸 夕輝 佐戸川 弘之 佐藤 洋一 高瀬 信弥 若松 大樹 黒澤 博之 坪井 栄俊 五十嵐 崇 山本 晃裕 横山 斉
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.140-143, 2011-05-15 (Released:2011-08-24)
参考文献数
9

症例は83歳男性.2006年に,他院にて高度房室ブロックに伴うAdams-Stokes syndromeのため左鎖骨下から経静脈的にペースメーカー(pacemaker : PM)(DDD)を移植された.2008年にPM電池留置部の創部離開を生じた.滲出液の培養は陰性であり,PMの金属によるアレルギー性皮膚潰瘍疑いと診断された.PM電池をpolytetrafluoroethylene(PTFE)シートで被覆し左鎖骨下に移植されたが再び創部の離開を生じ,対側の右鎖骨大胸筋下にPM再移植術を受けた.その後,電池感染のためPM電池を摘出された.高度房室ブロックによる徐脈を認めたため,同年12月10日当院紹介となり救急搬送された.同年12月18日に全身麻酔下に季肋部正中切開による心筋リード植え込み術(VVI)を施行した.感染による縦隔洞炎のリスクも考慮し小切開としたため,心室リードのみの留置とした.また皮膚部分で生じやすいPM金属との免疫反応を予防するためにPM電池とリードの両方をPTFEシートで被覆し,PM電池は腹直筋下に留置した.術後経過は良好で創部離開を認めなかった.また術後4カ月後のパッチテストではニッケルとシリコンに対してのアレルギー反応を認めたため,本症例の皮膚離開がPMの素材に対するアレルギーが原因であったと診断した.PM素材に対するアレルギー患者へのPM電池植え込み術の1例として報告した.
著者
江木 盛時 黒田 泰弘 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 小谷 穣治 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 志馬 伸朗 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 谷口 巧 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 鶴田 良介 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 土井 研人 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 土井 松幸 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 中田 孝明 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 中根 正樹 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 藤島 清太郎 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 小倉 裕司 細川 直登 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 升田 好樹 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 松嶋 麻子 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 矢田部 智昭 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 安宅 一晃 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井上 茂亮 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 射場 敏明 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 垣花 泰之 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 川崎 達也 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 久志本 成樹 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, 2020
被引用文献数
2

<p>日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。</p>
著者
川上 隼斗 笹田 裕太 五十嵐 覚 秋田 純一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1174-1183, 2015-04-15

視線計測はユーザインタフェースや心理状態の分析などインタラクション分野での幅広い応用が期待されている.サッケードと呼ばれる高速な眼球運動は,従来の視線計測システムではリアルタイムでの追尾が不可能であるものの,新しいインタラクションへの応用が期待されている.本稿では,サッケードを含む眼球運動を500[fps]以上の高フレームレート,かつリアルタイム(低レイテンシ)で計測・追尾が可能な視線計測システムの開発について,高速カメラとFPGAを用いた実動作検証システムと専用イメージセンサの設計のそれぞれについて述べる.またそれを用いて「サッケードが行き着く先」を先回りで予測する手法について検討した結果について述べ,さらにそのリアルタイムのサッケード予測を用いるインタラクションの可能性について考察する.
著者
五十嵐 多恵
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-12, 2018 (Released:2021-02-06)
参考文献数
15

近視は、遺伝要因と環境要因の相互作用が原因となり発症し進行する。近代化に伴う環境変化によって小児の近視患者が急増加する一方で、近視が強度で病的であるほどMendel遺伝疾患や稀な影響力の大きい遺伝子変異が関与する傾向が知られており、幼少期からの強度近視患者には、遺伝要因が近視の発症と進行の主因と考えられる患者の割合が高い。近年は学童近視に対しては近視進行予防治療が行われ、単一遺伝性の網膜疾患に対しては遺伝子治療が行われるようになった。今後、近視診療従事者は、個々の近視患者の発症と進行の原因を正しく理解し、適切な医療情報の提示を行うことが重要になると予測される。また病的近視患者の視機能を生涯に渡り良好に維持するためには、小児期の早期に病的患者を同定し、適切な合併症管理に結びつけることが重要である。眼底写真で視神経乳頭周囲のびまん性萎縮の形成を確認するとともに、脈絡膜厚をモニタリングすることや、広角OCTを用いて後部ぶどう腫の初期病変を同定することは、早期診断のための有用な指標と考えらえる。