著者
堀 卓也 安田 伍朗 井上 真一
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告 (ISSN:03856771)
巻号頁・発行日
no.9, pp.231-234, 1974-03

われわれは今まで前駆体として使用されたことのない,トニトロソフェナントロトリアゾール〔III〕を使い,デヒドロフェナントレン〔IV〕中間体の確認を試み,テトラフェニルシクロペンタジュノンで捕捉すると,相当する化合物,1.2.3.4-テトラフェニルトリフェニレン〔V〕を得た.デヒドロベンゼン発生に前駆体として使用された1-ニトロソトリアゾール環からアリーンの生成が一般的なものであり,デヒドロフェナントレン発生にも使用されることをみつけたので報告する.
著者
松村 崇志 井上 真郷
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-101, no.13, pp.1-6, 2013-12-16

平均律,純正律は音律 (音楽で使われる音の周波数比の決め方) の一種で,代表的な楽器はそれぞれピアノ,バイオリンである.何れも基準音 (ピアノでは 88 鍵盤の中央近くのラの周波数を 440Hz としたりする) に対して相対的な周波数比により各音の周波数を定め,平均律の場合は 「半音上がる毎に 2 の 1/12 乗倍」 と,無理数を用いて決める.一方純正律は小さな正の整数の比を用いるため,和音 (異なる高さの音を複数同時に鳴らす) の構成音が調和してうなりのない美しいものとなる.しかし,純正律はハ長調などの調毎に周波数比率が異なるため,ピアノなどの演奏中に再チューニングが出来ない楽器では,転調が出来ないという欠点がある.本研究では matching pursuit とピアノの特性を利用して,一つのピアノで演奏された楽曲の録音データを純正律で演奏されたような楽曲に変換する手法を提案する.これにより平均律楽器の表現の幅が広がる事が期待できる.結果,時間-周波数スペクトルを期待通りに変換でき,音楽経験の乏しい人でも違いを聞き分けることが出来た.
著者
西谷 崇志 原 慎平 井上 真郷
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27(2009-GI-21), pp.101-108, 2009-03-02

本研究ではダーツ01(301)ゲームを対象に研究を行った。ダーツゲームは状態遷移確率がプレイヤーのスキルに依存する不確定ゲームであるため、未だその戦略的側面についてはあまり詳しく研究されていない。本研究ではプレイヤーが狙った点からダーツが二次元正規分布に従って当たるとするモデルで解析を行った。また、01ゲームの状態遷移には様々な経路が存在する点に着目し、動的計画法を用いることでプレイヤーのスキルに応じて平均的に最も少ないラウンド数で終了条件を満たす戦略を得ることに成功した。また、対戦相手が前述の戦略をとるものと仮定した上での、勝率を最大化する戦略も求め、結果を得た。本手法はより一般的な501ゲームにも容易に適用可能である。
著者
井上 真 LUGAN Bilung IGIN
出版者
日本熱帯生態学会
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2+3, pp.143-153, 1991-12-30 (Released:2009-09-16)
参考文献数
16

プナンの人々は狩猟採集によって生計を維持してきたボルネオ島の先住民である。彼らはさまざまな森林産物の交易を通して,焼畑民族であるダヤクの人々と直接的な共生関係を結ぶと同時に,華僑が支配するアジアの交易網に組み込まれていた。しかし,近年インドネシア領に居住するプナンの人々の生活は,貨幣経済の浸透と焼畑耕作の導入にともなって急速に変化しつつある。 その現状を明らかにするために東カリマンタン州ブロウ県クレイ郡にある2 つの集落(ナハス・セパヌンNahas Sebanung とロング・メライLong Melay) にて,クレイ・プナンKelay Punan の人々の経済生活に関する調査を実施した。 クレイ川最上流に位置するナハス・セパヌン集落の人々は森林内で狩猟採集を営み,年に4 回だけ集落に出てきてアラブ系商人に森林産物を販売している。従って,集落は1 年のうちほとんどが無人となる。そもそも,この集落には商人が森林産物の集荷の便を考えて新しく建てた数戸の仮設住宅しかない。これに対してプナンの集落としてはクレイ川の再下流に位置するロング・メライ集落の人々は1973 年に焼畑耕作を導入して以来,焼畑作業のある時期は集落に戻り,作業を終了すると森林へ入るという生活パターンをとっている。 ロング・メライ集落の人々は,これまで毎年原生林を利用して焼畑耕作を行なっていたが,1989 年に初めて焼畑跡地の二次林を利用した。しかしその休閑期間はわずか3 年であり,休閑期間における植生の回復度合いは,クニャー・ダヤク(ケニャKenyah) の人々による焼畑の場合と比較してはるかに劣っている。これは伝統的焼畑民族ではないクレイ・プナンの人々が森林保全と調和した焼畑用地の循環システムを持たないのが原因と考えられる。 ロング・メライ集落での焼き畑作業においては,伝統的焼き畑民であるクニャー・ダヤクの集落のような労働組織の分化は見られない。しかし,自家労働で行なわれているのは火入れ作業のみであり,伐採・播種・収穫の各作業は主に“Peldau”と呼ばれている労働組織により実施されている。これは数世帯間での等価労働交換と違い,集落全員による共同労働のことである。 ナハス・セパヌン集落の人々の現金所得源は75% が籐(ラタン), 23% が沈香, 2% が砂金の販売である。支出内訳は43% がロングボートのモーター用燃料の購入, 28% が米の購入となっている。さらにアラブ系商人からモーターを購入したのが大きく響いて,恒常的な債務奴隷となり,森林産物の採集を余儀なくされている。 ロング・メライ集落では現金所得のうち31% が沈香, 26% が籐の販売収入である。支出の42% が米を除く食費, 31 %がロングボートのモーター用燃料費にあてられている。住民達は商人に対しである程度の負債を負っているが,調査不可能であったナハス・セパヌン集落での負債額よりずっと少額であることは確かである。 アラブ系商人はナハス・セパヌンでの森林産物の交易を独占しており,それより下流域の集落においてはプロウ人の商人と競合している。彼ら商人は何人もの仲買人を支配下において,ブロウ県全域から籐,燕の巣,沈香を集荷している。これらの森林産物はスラバヤやジャカルタ経由で輸出される。 以上,急速に市場経済の末端に組み込まれて,負債を抱えながら森林産物の採集を続け,一方で焼き畑耕作の導入によって定住性を高めつつも,自らの居住環境(森林)を劣化させる可能性の高いクレイ・プナンの人々の実態を鑑みるに,彼らの生活の安定化と森林の保全とを両立させるための対策が必要と考える。
著者
小川 将史 井上 真郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.306, pp.321-328, 2014-11-10

本研究では,組み合わせ最適化問題である『複数巡回セールスマン問題』の厳密な最適解の探索を行う.この問題では,全ての都市を何れかのセールスマンが一度ずつ訪れて共通の出発地点に全員戻るのに要する時間を最小にしなければならない.ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)とsimpathアルゴリズムを応用することにより,条件を満たす解を全列挙し,最適解の効率的な探索が可能なアルゴリズムを提案する.
著者
小川 将史 井上 真郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.306, pp.321-328, 2014-11-17

本研究では,組み合わせ最適化問題である『複数巡回セールスマン問題』の厳密な最適解の探索を行う.この問題では,全ての都市を何れかのセールスマンが一度ずつ訪れて共通の出発地点に全員戻るのに要する時間を最小にしなければならない.ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)とsimpathアルゴリズムを応用することにより,条件を満たす解を全列挙し,最適解の効率的な探索が可能なアルゴリズムを提案する.
著者
井上 真花 佐藤 新一
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.621, pp.66-71, 2011-03-14

Facebookが注目されている。ソーシャルネットとして国内では後発だが、世界規模ではトップだ。無料で使えるサービスなので、使いながら理解することをお勧めする。前編は、Facebookの概要と登録手順などを紹介する。
著者
大和田 泰伯 井上 真杉 大西 真晶 森野 博之 実藤 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.260, pp.143-146, 2011-10-19

Internet of Things (IoT), M2Mなど物同士が通信を行う社会におけえる通信基盤インフラとして,もしくは地域における情報流通基盤インフラとして,我々はNerveNetを提案している.NerveNetでは,基地局内データベースによるネットワーク内のデータ蓄積・同期,コンテキストに応じた情報配信,マルチパスの構築とリンク切断時の自動パス切換え,遅延を許容する通信からリアルタイムな通信まで,ユーザアプリケーションの要求に応じて様々なネットワーク機能を提供する情報流通基盤技術である.本稿では,NerveNetを用いたリアルタイム広告配信システムと,北海道岩見沢市にて行なった住民参加型の実証実験について紹介する.
著者
三浦 龍 井上 真杉 浜口 清 大和田 泰伯 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.406, pp.51-56, 2013-01-17

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築している.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また,距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
井上 真杉 大和田 泰伯 浜口 清 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄 三浦 龍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.25-30, 2013-05-09

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築した.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また、距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
河合 隆志 牛田 享宏 井上 真輔 池本 竜則 新井 健一 西原 真理
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.181-189, 2014-08-30 (Released:2014-09-16)
参考文献数
20

Many patients have neck and back pain, and their standing posture (spinal alignment) is sometimes considered to be one of the factors that contributes to such pain. Thus, it would be useful to evaluate spinal loads in that posture. A method to evaluate individual spinal loads using link segment models made from body mass distributions using DXA (dual–energy X–ray absorptiometry) was developed.   An element was defined as 1.30 × 1.22 cm, and a detailed body mass distribution consisting of 7473 elements was constructed using DXA equipment (QDR4500). The subjects' bodies were divided into cervicofacial (vertex–C7 ⁄ T1), thoracic (C7 ⁄ T1 – T12 ⁄ L1), and lumbar (T12 ⁄ L1 – L4 ⁄ 5) segments. Each mass, M1, M2, and M3, and the center of the masses were calculated. With these parameters and DXA images, each torque, TC7/T1, TT12/L1, and TL4/5, was calculated from the following formulas: TC7/T1 = M1gr1cosθ1, TT12/L1 = M1g (l2cosθ2 + r1cosθ1) + M2gr2cosθ2, and TL4/5 = M1g (l3cosθ3 + l2cosθ2 + r1cosθ1) + M2g (l3cosθ3 + r2cosθ2) + M3gr3cosθ3 (r1, r2, and r3: lengths from the rotation center to each center of mass; l2 and l3: lengths of C7 ⁄ T1 – T12 ⁄ L1 and T12 ⁄ L1 – L4 ⁄ 5; θ1, θ2, and θ3: angles formed between a horizontal line and r1, r2, and r3). In order to reproduce the standing posture on DXA, the standing side was formed by a vacuum cushion for operative position in advance.   The parameters from DXA in the lateral view were as follows. In case 1 (38–year–old man, healthy, 164.0 cm and 55.5 kg), they were M1 = 4.50, M2 = 13.24, M3 = 6.92 kg, TC7/T1 = –0.28, TT12/L1 = –3.80, and TL4/5 = –6.42 Nm (facing right, clockwise: positive). In case 2 (76–year–old man, lumbar spondylosis, 156.9 cm and 59.6 kg), they were M1 = 4.83, M2 = 14.27, M3 = 10.34 kg, TC7/T1 = –1.69, TT12/L1 = –16.1, and TL4/5 = –44.3 Nm. In case 3 (71–year–old woman, lumbar spondylosis, scoliosis, 147.2 cm and 49.0 kg), they were M1 = 4.63, M2 = 11.42, M3 = 5.36 kg, TC7/T1 = –2.53, TT12/L1 = –16.0, and TL4/5 = –27.0 Nm. Torques at L4/5 were 6.9 and 4.2 times greater in cases 2 and 3 than in case 1. Total masses calculated from DXA were 54.5, 59.0, and 47.6 kg, and errors between these and actual weights were –1.8, –1.0, and –2.9%, respectively.   A method for evaluating spinal loads as torques was developed using DXA. In the future, it will be possible to use this method to evaluate factors such as pain and the effect of rehabilitation. The relationships between torques and various scales (such as pain, depression, ADL, and QOL) need to be examined, taking into account age, sex, muscular strength, etc.
著者
井上 真奈美 田中 愛子 川嶋 麻子 丹 佳子 野口 多恵子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.7-15, 2005-03
被引用文献数
1

本研究は、学生の看護基本技術経験に関して臨床の看護師がどのように認識しているかを明らかにし、今後の技術教育を検討する際の一助とする目的で行った。調査は、山口市周辺にある300床以上の医療機関3施設に所属する看護職760名を対象に、看護基本技術103項目毎に、「学内演習での経験」「臨地実習での経験」の必要性の有無、さらに「臨地実習で経験する際の実施条件(水準)」の認識について選択方式で回答を求めた。結果として、669(88%)の有効回答を得た。看護基本技術103項目すべてに対して50%以上の看護職が、学生時に「学内演習」および「実習場」での経験が必要であると考えているこが明らかになった。一方で、学生が看護基本技術を実習の場で展開する際の実施条件(水準)においては、教員や指導者から指導を受け「学生が単独で行ってよい」とする看護基本技術項目は限られており、臨地実習場での指導監督が必要な項目や、見学としての実習参加を求める項目が多くあることがわかった。これらの結果から、今後の学生の看護技術修得に向けて検討すべき課題や臨地における学生指導のあり方について考察した。
著者
橋口 友美 井上 真郷 岡田 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.55-60, 2008-03-05

一次視覚野(V1)における輪郭抽出の性質は,特定の傾きに対しての方向選択性を持つモジュールの働きによるものであり,この性質を現す単純なモデルとしてGaborフィルタが用いられる.本研究では,視覚画像にGaborフィルタをかけて得られたフィルタ出力から,Bayes推定によって視覚画像を逆推定するという実験を試みた.これは,V1での脳活動情報を観測することで,今見ている視覚画像を推定することに相当する.Bayes推定を用いた画像修復の問題において,事前確率やノイズに並進対称性がある場合はFourier変換を用いて簡単に画像修復をすることができるが,畳み込みフィルタであるGaborフィルタも,Fourier変換を利用することで計算量を減らし,解析解を導くことができる.また,モデルに含まれるハイパーパラメータも,観測画像より推定が可能なことを示す.
著者
仁平 和博 井上 真吾 沖原 光晴 屋代 智之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.2963-2972, 2005-12-15
被引用文献数
8

著者らは,ソフトウェアと携帯端末のみを用いて歩行者にリアルタイムかつ地域に密着した情報提供を行うためにNomadic Agent(NA)を提案している.NA とは位置情報を認識し,特定の範囲内の情報を保持したまま,その範囲内に存在し続けることが可能な一種のMobile Agent である.本論文では,NA の移動先として選択する領域を情報提供範囲外にまで広げ,最適な移動先端末を選択する移動アルゴリズムと,特定の範囲内につねに2 つのNA を発生させることで,突発的なアクシデントに対応するDNA(Dual-NA)を提案する.We had proposed and implemented Nomadic Agent (NA) for pedestrians to provide locationbased and real-time information only using software and mobile terminals. NA is a kind of Mobile Agent, which migrates between terminals based on its physical location. NA is able to keep its position on a specific area and has a function to maintain information of the area. We propose agent migration algorithms to select the optimal terminal. "DNA (Dual-NA)" which has an ability to cope with unexpected accidents. To realize these functions, NA generates its clone as backup in the specific area.
著者
中野 龍平 播磨 真志 小倉 恵実 井上 真輔 久保 康隆 稲葉 昭次
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.581-585, 2001-09-15
参考文献数
23
被引用文献数
15 27

カキ'西条'果実の軟化に対するエチレンの関与を明らかにするとともに, 果実のエチレン生合成に及ぼすCTSD脱渋に相当するCO_2処理と貯蔵中の湿度条件の影響を調査した.'西条'果実を>95%CO_2で16時間処理した後, 温度20℃湿度40∿60%の条件下で貯蔵すると, 収穫後2日(CO_2処理後1日)よりエチレン生成が検出され, 収穫後5日より軟化果実が多発した.1-methylcyclopropene(MCP)によりエチレンの作用を阻害すると, この急激な軟化は完全に抑えられた.CO_2処理を行わずに, 果実を低湿度下(40∿60%)および高湿度下(>95%)で貯蔵すると, 低湿度下で貯蔵した果実では収穫後2日よりエチレン生成の誘導と急激な軟化が観察された.高湿度下で貯蔵した果実ではエチレン生成・軟化発生とも収穫後10日まで抑えられた.一方, CO_2処理果実では, 高湿度下で貯蔵した場合でも収穫後2日よりエチレン生成とそれに伴う急激な軟化がみられた.以上より, '西条'果実の収穫後の軟化には, 水ストレスおよび脱渋処理に伴うCO_2ストレスによって誘導されるエチレンが関与していることが示された.
著者
奥田 裕規 井上 真 斎藤 暖生 土屋 俊幸 藤掛 一郎 三俣 学 八巻 一成 奥 敬一 垂水 亜紀 深町 加津枝 田中 求 大地 俊介 大久保 実香 横田 康裕
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

脆弱化した社会組織を活性化させるためには、地域社会に新しいアイ デンティティを形成する社会変化を促す必要がある。このような社会変化を促すためには、「内 発的発展」が重要な役割を果たす。「内発的発展」は、地域住民を結ぶネットワーク上に存在し、 ネットワークは、地域住民共通の「大切なもの」を守ろうとする「思い(紐帯)」で結ばれてい る。そして、地域の「大切なもの」を守ろうとする「思い」が強ければ強いほど、そのための 取組が活発化し、「地域資源(コモンズ)」に対する要求が高まる。