著者
伊藤 裕久 栢木 まどか 杉山 経子
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、伝統都市の祭礼空間(巡行路・祭礼拠点の構成など)が、都市空間の形成・改変に対して、どのような変容過程をたどったかを文献史資料と現状の祭礼調査によって解明するものである。主な調査研究対象として取り上げた江戸・東京の神田祭、福岡の博多祇園山笠では、とくに近代・現代都市化過程において、伝統的な祭礼空間が、断絶的な都市空間の改変を修復しながら連続的に変化することで、地域社会の歴史性の継承や地域コミュニティの持続・形成に重要な役割を果たしたことが明らかとなった。
著者
伊澤 佳久平 野間 晃幸 山本 昌志 木村 勝紀 伊藤 裕之 竹友 直生 沼野 香世子 川島 眞
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-5, 2008-01-01
被引用文献数
2 1

慢性的便秘で乾燥皮膚を有する20歳~39歳までの女性56名を2群に分け,LB81乳酸菌(<i>Lactobacillus delbrueckii</i> subsp. <i>bulgaricus</i> 2038株ならびに<i>Streptococcus thermophilus</i> 1131株)を使用したヨーグルトあるいはこれにコラーゲンペプチド(CP)ならびにセラミド(CE)を配合したヨーグルトをそれぞれ120 mlずつ1日2回,4週間摂取させた.摂取前後の比較で,両群ともに皮膚の弾力性,乾燥および鱗屑の程度が改善された.CP・CE含有ヨーグルト摂取群ではキメ密度が有意に改善された.肌状態に関するアンケート調査(19項目)では,両群とも多くの項目で改善がみられた.両群ともに便秘の症状が有意に改善されたことから,本結果にヨーグルトの整腸作用が関与している可能性が考えられた.<br>
著者
吉岡 洋明 伊藤 裕道 田中 泰彦 池田 保 美
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.705-710, 2003-06

To meet the requirements for optimum utilization of power station sites and economic realization of coal fired thermal units, tandem compound 60 Hz 1000 MW large thermal units were developed. One of the most critical items was development of a large-size high strength generator rotor forging with comparable toughness to the conventional rotor forging. Based on the investigation results of existing rotor forging, chemistry optimization was conducted within the specification of conventional turbine generator and low pressure rotor forging by using lab oratory heat materials and 0.28%C-0.25%Mn-4%Ni-1.75%Cr-0.4%Mo-0.12%V high purity steel was selected for the candidate material. Double tempering heat treatment of 550℃ and 580℃ was also developed for increasing the yielding ratio of 0.02% yielding stress to tensile strength to meet the requirements of mechanical properties. According to those laboratory studies, one trial rotor forging with the same diameter as production ones was successfully produced.
著者
伊藤 智広 伊藤 裕子 水谷 峰雄 藤城 克久 古市 幸生 小宮 孝志 樋廻 博重
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.339-344, 2002-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
24
被引用文献数
3 15

アズキ熱水抽出物(アズキ煮汁)の抗腫瘍活性及びその作用機構の一つであるアポトーシス誘導について検討を行った.アズキ熱水抽出物をDIAION HP-20で処理した後,蒸留水,40%エタノール,60%エタノール,80%エタノールと順に溶出溶媒を切り換え,各溶出画分を得た.これらの溶出画分を用いてヒト胃癌細胞(KATO III cells)の形態学的変化,増殖抑制作用及びアポトーシス誘導により生じるDNAフラグメントの検出を行った.その結果,40%エタノール溶出画分に小球状のアポトーシス小体が観察され,さらにアポトーシス誘導により生じるDNAの断片化を示した.また,40%エタノール溶出画分によるアポトーシス誘導についてDNA断片化の濃度及び培養時間依存性に関して検討した.その結果,アポトーシス誘導は濃度及び培養時間依存的であることが判明した.また,40%エタノール溶出画分によるヒト正常細胞に対する影響は観察されなかった.以上より,40%エタノール溶出物による抗腫瘍活性機構にはアポトーシス誘導が関与していることが示唆された.
著者
阪 彩香 伊神 正貫 伊藤 裕子 重茂 浩美
出版者
科学技術政策研究所
巻号頁・発行日
2013-06 (Released:2013-08-01)
著者
太田 淳也 深谷 千絵 笠井 俊輔 赤松 真也子 森川 暁 田子森 順子 江口 徹 税所 芳史 河合 俊英 伊藤 裕 中川 種昭
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.336-345, 2013-01-16 (Released:2013-04-24)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究は糖尿病患者の歯周病罹患状況,ならびにその他の合併症との相互関係を明らかにすることを目的に行われた。被験者は,2010 年 7 月から 2011 年 12 月までに内科に教育入院した 2 型糖尿病患者 105 名(平均年齢 55.4±11.3 歳)とした。評価項目として,現在歯数,プロービングポケットの深さ(PPD),プロービング時の出血(BOP),動揺度を測定した。また,背景因子として年齢・性別・体格指標(BMI)・糖尿病罹患期間・血圧・既往歴,糖尿病合併症に関する評価として網膜症の有無(SDR:単純性網膜症・PPDR:前増殖性網膜症・PDR:増殖性網膜症),腎症の有無,神経障害の有無,動脈硬化性疾患の有無,血液指標を評価し比較検討した。今回の結果から糖尿病合併症である網膜症患者での残存歯数は PDR 患者で他のステージの網膜症患者に比べ有意に少なく(p<0.01 vs SDR, p<0.05 vs PPDR),4〜6 mmPPD 率や 7mm以上 PPD 率では SDR<PPDR<PDR と PPD が深い部位の割合が高くなる傾向を示しているため,網膜症の進行が歯周病の病態悪化になんらかの関与をしている可能性が考えられる。重度の歯周病(最大ポケット深さ 7 mm 以上)を有する患者の割合は腎症以外で有意に高く,糖尿病合併症の有無と歯周病の進行度には相関があることが示された。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(4):336-345, 2012
著者
金子 友香 徳山 博文 脇野 修 木田 可奈子 林 松彦 林 晃一 伊藤 裕
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1047-1052, 2011-10-28
被引用文献数
1

慢性腎不全維持血液透析中,低栄養,鉄過剰症,骨髄異形成症候群(MDS)など複数の免疫能低下に寄与する要因が重なり,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)によるシャント感染・敗血症を契機に多発膿瘍の合併に至った症例を経験した.透析患者のシャント感染を契機に,本症例のような重症多発性化膿性膿瘍を合併することはまれであり,文献的考察を加え報告する.症例は67歳,女性.慢性糸球体腎炎を原病として,慢性腎不全の進行に伴い,1988年に血液透析導入となった.1993年骨髄穿刺の結果骨髄異形成症候群と診断され(染色体異常なし),2007年から適宜赤血球輸血を施行されていた(合計40単位).2010年1月14日血液透析施行中40度の発熱があり,両下肢痛と腰部痛が出現した.インフルエンザ迅速試験陰性で解熱鎮痛薬を処方されるも改善せず,1月19日WBC 8,600/μL,CRP 46.75mg/dLであり,精査加療目的で同日当院へ緊急入院した.Vancomycin hydrochloride(VCM),meropenem hydrate(MEPM)を開始したが,第3病日,血液培養でMSSAが検出されたため,第4病日からcefazolin sodium(CEZ)へ変更した.Gaシンチグラフィ,MRI,CTなど各種画像検査および眼科検査で,シャント部皮下膿瘍,腰部硬膜外膿瘍,腰部脊椎炎・椎間板炎,多発化膿性関節炎,腰部化膿性筋炎・傍脊柱筋筋肉内膿瘍,多発性細菌性肺塞栓,右眼内炎が認められ,シャント皮下膿瘍から播種性に全身膿瘍をきたしたと考えられた.CEZを継続したところ,血液培養は陰性化し,各感染巣は縮小,消失した.本症例は維持透析,MDS,低栄養,鉄過剰症などのさまざまな易感染性の要素を有していたため,非常にまれな重症多発性感染巣が形成されたと考えられた.このような複数の易感染傾向を有する患者では特に日常の感染対策が必須である.今後,易感染性の末期腎不全患者の増加が見込まれるが,感染症の予防という点から,感染のリスク要因を極力排除し,症状出現時における早急な検査,診断を進めることが重要である.
著者
伊藤 裕一 岩瀬 義昌 中尾 彰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.747-752, 2011-02-24

無線WANは広く一般に使われるようになったが,その帯域は動画やクラウドの利用に十分なものでない場合が多い.その一方で,様々な種類のWANデバイスを持つ多くのユーザは帯域を常時使用しているわけではない.本研究ではこの問題を,(1)複数の無線WANユーザ間での帯域共有(2)仮想ネットワークの利用(3)ネットワーク状態に応じた資源の戦略的運用,という3つの手法により解決する.第一の手法では,余剰帯域を持つユーザが帯域を必要とするユーザに無線WAN帯域をad-hoc WLANを経由して提供し,マルチパスネットワークを構築する.そして,第二の手法である「IP-Layerでマルチパス通信を仮想化する」ことにより,マルチパスをシングルパスに隠蔽してアプリケーションとサーバに提供する.最後に,第三の手法により,ネットワークの状態に応じて動的に最適な通信手法を決定することで,様々な環境において構築された仮想ネットワークの性能を向上させる.本研究では,これらすべての仕組みをClick modular routeというソフトウェアルータを利用して実装する.構築したシステムの実環境における性能測定の結果,通常の通信と比較して25%から60%の性能向上結果が得られることを示す.
著者
徳山 博文 鷲田 直輝 脇野 修 原 義和 藤村 慶子 伊藤 新 上山 菜穂 乃村 元子 林 晃一 伊藤 裕
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.649-653, 2010-08-28
被引用文献数
1

症例は46歳,女性.41歳時に骨盤部胞巣状軟部肉腫の治療に伴い右骨盤半裁,人工股関節置換術を施行された.2005年に腎動脈狭窄に対して経皮的腎血管拡張術を施行されたが徐々に腎機能が悪化し,2007年1月に腹膜透析(CAPD)が導入された.2008年3月に転倒し,右大腿骨骨折にて当院整形外科に入院,観血整復固定術・自家腓骨移植術を施行された.5月15日より腹痛を認めたが腹膜炎の所見は認めず,5月21日退院となった.5月29日外来受診時は血液検査所見に異常所見はなかったが,5月30日より腹痛出現,徐々に症状増悪し,6月5日当院を受診し腹膜炎疑いにて緊急入院した.抗生剤の点滴静注(ceftazidime hydrate(CAZ)1 g/日,cefazolin sodium(CEZ)1 g/日,vancomycin hydrochloride(VCM)1 g/日)および腹腔内投与CAZ 1 g/日,CEZ 1 g/日)を施行したが,症状改善せずCAPD排液細胞数は540/μLから940/μLへ上昇した.第5病日,排液細菌培養にて複数菌が判明し,第6病日には腹痛が増悪し,排液は黄色混濁し排液細胞数5,200/μL,腹部CTにてfree airを認め緊急手術となった.大腿骨頭置換のボルトの背側の骨盤腔の間隙に小腸が嵌頓し,回腸末端部より30 cm口側に嵌頓部の穿孔を認めた.術後は集中治療室にて持続的血液透析濾過を施行し,同時にエンドトキシン吸着を施行した.術後経過は順調であり,腹膜透析から血液透析へ移行した.本症例では抗生物質の無効,CAPD排液の色調異常,CAPD排液培養から複数菌の検出などから,通常の細菌性急性腹膜炎ではないと判断し,腹部CTで確定診断に至った.骨盤あるいはその支持組織への侵襲手術後の骨盤内間隙に腸管嵌頓を誘発し,CAPDの中止を余儀なくされた症例を経験した.
著者
川城 信子 土橋 信明 荒木 昭夫 古賀 慶次郎 河野 寿夫 伊藤 裕司
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.1056-1061, 1994
被引用文献数
14 1

NICU退院時のABRが正常であり,その後難聴と判明した症例10症例について検討した.退院時のABRが正常であったので難聴に気付いた時期が遅れた.難聴は生後10カ月から3歳3カ月で判明した.難聴の程度は90dB以上の高度難聴が6例,低音部の聴力が残存し,高音漸傾型の高度難聴が3例,60dBの高音漸傾型で中等度難聴が1例であった.<br>全例が周産期に重症の呼吸婚環障害があり,全例が挿管し人工呼吸の呼吸管理を行っていた.原因疾患としてPPHNの状態が10例中8例に認められた.これはPPHN25例中の8例,32%に難聴が発生したことになる.人工呼吸管理症例166例中12例,7.2%に難聴の発生があった.ECMOを使用した症例が6例あり,ECMO使用例8例の75%に難聴が発生したことになる.難聴の原因として人工呼吸管理方法に問題があるのかもしれない.また,アミノグリコシド系の薬剤,フロセマイド利尿剤も全例に使用されており,これらの薬剤の使用も否定できない.ABRが正常であっても安心してはならず,重症の呼吸困難症例では聴力についての観察が必要であり,6カ月および1歳前後にはABRによる聴力のスクリーニングが必要であることが判明した.
著者
鈴木 幹子 伊藤 裕子
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.31-46, 2002
被引用文献数
2

In our study, we focused on ordinary female adolescents to investigate how the acceptance of femininity affects the tendency toward eating disorder through the former's effect on self-esteem, degree of satisfaction with one's physique, and consciousness of the opposite sex, by hypothesizing of a causality model for each stage of development. Our subjects were 698 girls whose ages ranged from the upper grades of elementary school to college and university age, and who were surveyed via a questionnaire in regards to their acceptance of femininity, self-esteem, degree of satisfaction with one's physique, consciousness of the opposite sex, and tendency toward eating disorder. Our results indicated that (a) for girls of a junior high school age and older, being unable to have "active acceptance of femininity" increased the "tendency toward eating disorder" because of lowered "self esteem;" (b) with junior high school and high-school students, the path from "degree of satisfaction with one's physique" to "tendency toward eating disorder" disappeared, suggesting that early and middle adolescence was in a state of confusion in terms of physicality; (c) in all stages of development, the "acceptance of femininity" elevated the "tendency toward eating disorder" through former's effect on "consciousness of the opposite sex," sensitivity to the words and actions of the opposite sex acting as a trigger for the "tendency toward eating disorder;" (d) for college and university students, "reluctant acceptance of femininity" makes "self-esteem" lower and induces the "tendency toward eating disorder," suggesting that the adaptation to a traditional female roles induced the "tendency toward eating disorder" through lowered "self-esteem."
著者
伊藤 裕子 後藤 智美 三上 栄一 猪飼 誉友 林 留美子 棚橋 高志 大島 晴美
出版者
愛知県衛生研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

食品中に残留する動物用医薬品の分析法は、もっぱら未加工非加熱の食品を対象としており、変性した脂質やタンパク質、調味料などから構成された加工食品を分析する方法はほとんどない。そこで、日本食を中心とした加工食品中の残留動物用医薬品について、向流クロマトグラフィーや固相抽出を前処理にLC-MS/MSを分離検出に用いた分析法を検討し、トリフェニルメタン系合成殺菌剤とその代謝物、ベンズイミダゾール系寄生虫駆除剤とその代謝物、サルファ剤、キノロン剤について、効率的かつ実用的な分析法を確立した。
著者
伊藤 裕久
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究は、中世段階に宗教都市として大きく発展した伊勢国宇治山田を主な対象として現存する都市遺構と文献史料によって復原的分析を行い、中近世移行期の都市空間の成立・変容過程について考察したものである。分析の観点として注目したのは、都市共同体を組織し都市建設の主体となった御師集団の居住形態であり、御師屋敷の空間構成と都市空間との関係性について検討を加えている。また同様に御師町を構成した山梨県の上吉田・河口など、他の宗教都市についても比較検討を行っている。御師屋敷の空間構成については、前屋敷をもつ引込路型の御師屋敷群によって構成される中世的な集住形態から、接道型の御師屋敷が街道の両側に並列的に配置され両側町を構成する近世的な集住形態へと移行する過程が解明された。また、前屋敷を構成する町家型を主とした零細御師の集住形態が具体的に復原することで、零細御師の主家-家来関係などの点から、近世において町共同体を越えた広域的な御師集団のネットワークが形成されたいることが明らかとなった。以上から、宇治山田においては、中世郷村から自然形成的に生成された独立性の高い集落群(郷)が連結されることで、中世末には都市の居住領域を濠・木戸門などの構によって明確に区画した中世都市空間としての発達をみせること。そうした中世的達成を前提として、近世初までに中世末の有力御師家を核とした同心円的な空間領域が再統合されることで、表と裏で階層的な住み分けが計られた街道沿いの両側町を基本単位とする並列的な都市空間構造が成立することが判明した。中近世移行期の都市空間構造のもっとも大きな変化はこの点に求められると言える。
著者
黒野 弘靖 菊地 成朋 伊藤 裕久
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の伝統的な街路や水路沿いの景観である、上越市高田の「雁木通」、柳川市の「掘割水路」、国分寺市の新田村「並木道」を対象とし、その景観を、住まいと公的空間との間で利用と所有の関係が調整された結果もたらされたものと捉え、それが現在まで持続してきた住み手の側の論理を把握した。屋敷地の利用、建物や樹木の配置に、住居と共用空間の相補関係が表れている。
著者
栢木 まどか 伊藤 裕久
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.603, pp.199-204, 2006
被引用文献数
1 1

This paper analyzed the fireproof communal building after Great Kanto earthquake, taking 3 examples planned by Reconstructing Building Assistance Co., ltd. supporting for fireproof architectures in Tokyo and Yokohama. Spatial composition of these buildings showed that the procedures of cooperation were very complex because of adjustment of different rights of land (ownership, leasehold and rented house). But they were achieved without the support of the law for communal building, and clarified that the communal building had various possibilities concerning the city residence of the revival period.