著者
徳増 厚二 長沼 英明 橋本 晋一郎 伊藤 昭彦 和田 昌興 岡本 牧人 山根 雅昭
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.64-72, 2007 (Released:2008-10-10)
参考文献数
17

Hyperosmotic solution of isosorbide has been used for treatment of Meniere's disease since Kitahara et al., Larsen et al. and Nozawa et al.. In recent studies reported that ADH is acting to open water channels, AQP-2 at the endlymphatic membrane and may act worse for labyrinthine hydrops. It is important the serum concentration of isosorbide after administration because ADH should be released if the serum osmotic pressure is elevated by isosorbide above more than 2% of normal serum osmotic pressure. In this study the equation predicting isosrbide serum concentration after oral administration was proposed on the basis of the data by Wakiya's report. It was confirmed the serum osmotic pressure remains below the threshold level for increasing ADH secretion by the routine method of 30 ml/once, 3 times every day. However, the method of 30 ml/once, single or two times every day should be recommended when the serum osmotic pressure before the medication is above 289 mOsm/kg.
著者
平井 友樹 三木 光範 伊藤 稔 中村 誠司 Tomoki Hirai Mitsunori Miki Minoru Ito Masashi Nakamura
出版者
同志社大学ハリス理化学研究所
雑誌
同志社大学ハリス理化学研究報告 = The Harris science review of Doshisha University (ISSN:21895937)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.8-13, 2019-04

近年,オフィスでの執務におけるストレスや疲労が問題となっており,オフィス環境の改善に注目が集まっている.中でも,照明環境に注目した研究では,照明の明るさ(照度)とストレスに関する研究が行われているが,心電図を用いた研究は少ない.心電図はウェアラブル端末を用いることで容易に取得でき,執務の妨げになることなくストレスの測定が可能である.一方で,人によって好みの照度が異なるということが分かっている.本稿では,照明の照度の違いが,心拍変動に与える影響について検証した.また,アンケートによって快適性が最も高い照度を明らかにし,快適性が最も高い照度とその他の照度でのストレスと作業効率を検証した. 検証の結果,作業時のストレスが小さい照度は人によって異なると明らかになった.また,快適性が高い照度の時には,その他の照度に比べてストレスが小さいと明らかになったが,作業効率に関しては差が見られなかった.したがって,快適と感じる照度にすることで作業によるストレスを小さくし,その他の照度と同等の作業効率で作業できるということがわかった.
著者
伊藤 遊
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-40, 2022-02-01 (Released:2022-03-22)
参考文献数
8

本稿の目的は、近年急速に社会的な関心の対象となりつつある「マンガ原画」のアーカイブについて、とりわけ2010年代以降の状況を報告することである。マンガ文化と社会の関係性という背景にも触れつつ、ここでは特に、文化庁によるマンガ原画アーカイブ事業における具体的な実践を紹介する。アーカイブが公的な事業として展開しているという事実は、マンガ文化に対する社会的な評価が変化してきたことを示す一方、アーカイブ作業の現場で顕在化する脆弱性や膨大さといったポピュラー文化の本質は、そうした性質とは真逆の形で定義付けられていた近代以降の「文化・芸術」概念を揺さぶり、拡大させていることもわかるだろう。
著者
伊藤 黎音 打矢 隆弘
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.407-408, 2020-02-20

本稿では、トゥレット症候群患者におけるVR空間内のコミュニケーション手法の提案を記す。トゥレット症候群とは、突発的で不規則に体の一部に速い動きや発生を繰り返す状態であるチック症状が慢性化したものである。ここ数年でヘッドマウントディスプレイ(HMD)がゲームやコンテンツを楽しむために普及しつつある。ユーザはVR空間で活動するために、分身となるアバターを用いて活動することができる。この点に着目し、トゥレット症候群患者がコミュニケーションの円滑化を行えるようにする手法の提案を行う。これにより、VR空間内でトゥレット症候群患者が障がいを気にせず活動を行うきっかけを作ることを目指す。
著者
伊藤 由紀子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.985-995, 1983-09-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
1

スギ花粉症患者治療群23例, 未治療群8例, 健常な林業従事者7例, 市街地在住の正常者7例を対象とし, 血清および鼻汁中のIgG, IgE抗体をそれぞれ protein A-Sepharose CL-4B を用いた radioimmunoassay とRAST法による測定した.血清IgG抗体は, 治療群>未治療群および林業従事者>正常者の順に高値を示した.減感作治療により血清IgG抗体は上昇したが, 鼻汁中IgG抗体/albumim が上昇する傾向はなかった.季節中の花粉暴露の多い林業従事者では, 季節前に比べ季節中に血清IgG抗体, 鼻汁中IgG抗体/albumin の上昇傾向を認めた.血清IgE抗体, 鼻汁中IgE抗体/albuminは治療開始後上昇する傾向はなく, 季節中には治療群, 未治療群ともに血清IgE抗体の上昇を認めた.スギ花粉に対する局所でのIgG抗体産生の可能性, 減感作治療の方法などについて考察し, 症状との相関性についても検討した.
著者
中川 弘 水野 竹美 清水 隆浩 金子 旬一 角野 政弥 伊藤 武 坂井 千三 寺田 厚
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.61-66, 2001-06-30 (Released:2010-07-12)
参考文献数
27
被引用文献数
6 7

Lactic acid bacteria belonging to the human normal flora of the mouth and intestine were used for fermented food as starter cultures.In salted vegetables fermented by lactic acid bacteria, the fermentation of lactic acid bacteria was markedly affected by salt concentration.A sample of 23 salted vegetables were purchased from a retail shop in Tokyo, and 2 homemade samples were also used.A total of 164 strains of lactic acid bacteria were isolated from 19 samples.For the fermentation test, API 50 CH galley and CHL medium were used according to the manufacture's instructions, and identification of species of lactic acid bacteria was performed using API 50 kit and Bergey's manual.Lactic acid bacteria levels ranged between 104 cfu/g and 108 cfu/g widely.The isolated lactic acid bacteria were Lactobacillus, Lactococcus, Leuconostoc and Pediococcus.The predominant species were Leuconostoc mesenteroides and Lactococcus lactis.
著者
三反畑 修 綿田 辰吾 佐竹 健治 深尾 良夫 杉岡 裕子 伊藤 亜妃 塩原 肇
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

1. はじめに 鳥島近海地震(M5.6-5.7)は伊豆・小笠原島弧上の鳥島近海に位置する海底火山体の地下浅部で、ほぼ10年に一度観測されている、火山性の津波地震である。最新のイベントは2015年5月2日(JST)に発生した。本発表では、この地震により発生した津波の観測データに基づく、津波解析の詳細を報告する。なお、火山性津波地震の観測からメカニズム提唱までを含む本プロジェクトの概要は、深尾らによる別途発表に譲る。2. 津波観測 2015年の鳥島地震に伴って発生した津波は、伊豆小笠原諸島沿いの島嶼部を中心に、潮位計等で数十cm程度の津波が観測され、特に八丈島八重根港では約60cmの最大振幅を記録した(JMA, 2015)。一方で、我々が震央距離約100kmの深海底に展開した計10点の水圧計アレーでも、高精度の津波記録の観測に成功した。アレーで観測された津波波形は、数mmの負の信号から始まり、2.0 cm程度の正の信号が続き、同程度の振幅の後続波を伴っていた。そこで我々は、アレーで記録された津波波形を用いて解析を行い、鳥島地震に伴う地殻変動に伴う海水面擾乱、すなわち津波波源のモデル化を行った。3. 津波の分散性を考慮した津波波線追跡 まず津波の分散性を考慮して、アレーの津波波形から低周波数成分から順に高周波数成分の位相走時を読み取り、平面波近似によってアレーへの入射方向を調べると、低周波位相ほど、震央と観測点位置を結ぶ大円方向から、入射方向が大きく外れることがわかった。我々は、分散性を含む線形重力波の位相速度式を用いて局所的津波位相速度場を再帰的に計算し、周波数ごとに津波波線追跡を行うことで、特に海溝沿いの深海部で位相速度が周波数によって大きく異なることが、これらの周波数特性の原因であることを明らかにした(Sandanbata et al., 2018, PAGEOPH)。 さらに、走時および入射方向の周波数依存性をもっともよく説明する点波源位置をグリッドサーチによって調べると、点波源は直径8km程度の円形をしたスミスカルデラのリム内に精度良く求まった。仮に点震源をカルデラ外にずらすと、走時と入射方向を同時に説明することはできなかった。一方、津波初動の入射方向も同様に調べ、それを初期値としてアレーから波線を射出し、初動の走時分だけ逆伝播させると、カルデラリム北端近傍に達した。これらの結果は、鳥島地震に伴う隆起現象はスミスカルデラの内部で主要な隆起が発生し、その広がりはリムと同程度の広がりがあったことを示唆する。4. 津波波形差分計算による津波波源モデリング 次に、津波伝播差分計算を行い、鳥島地震に伴う津波波源をより詳細に調べた(Fukao et al., 2018, Sci. Adv.)。上記の結果を踏まえて、スミスカルデラの中心を中心軸とする軸対象の津波波源とし、アレーでの波形記録を考慮して、ガウシアン型の中心隆起とそれを囲む微小な環状の海水面沈降から成る軸対象波源モデルを仮定した。この中心隆起の振幅Aおよび隆起域の半径Rのパラメタを変化させ、差分計算コードJAGURS(Baba et al., 2015, PAGEOPH)を用いて分散性を含む線形ブシネスク方程式を解いた。 様々なパラメタを仮定した時のアレーでの計算波形と観測波形の規格化最小二乗和を計算し類似度を定量化すると、R=4.1kmおよびA=1.5mの時に最小値をとり、計算波形はアレーでの観測波形を非常によく再現した。この隆起域半径R=4.1kmはカルデラ半径とよく一致し、鳥島地震に伴って、スミスカルデラ内で1mを超える大きな隆起現象が発生したことが明らかになった。5. 八丈島八重根港での津波波形 続いて、アレー記録を用いて推定した波源モデルを与えた時に、約60cmの最大波高が記録された八丈島の八重根港での津波波形を説明できるかを調べた。この際、国土地理院の数値標高モデル(DEM)と、日本水路協会の海図を組み合わせて作成した複雑な湾口の地形データを用い、非線形効果も含めJAGURS(Baba et al., 2015)を用いて津波伝播計算を行った。その結果、計算波形は振幅・位相を含めて後続波まで、観測波形をよく再現した。6. 津波解析のまとめ 以上の結果は、2015年鳥島地震に伴う地殻変動について重要な情報を与える。第一に、この地震伴い1mを超える隆起現象がカルデラ内に集中していることが明らかになり、鳥島近海地震はカルデラ地形に関係する火山活動が発生したことを示唆する。第二に、少なくともカルデラ周囲の北東側には、無視できない規模の沈降が含むことが明らかになった。これはCLVD型の震源メカニズムとも調和的な結果である。深尾らの発表で、以上を踏まえ、火山性津波地震のメカニズム提唱を行う。
著者
伊藤 華子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.548, pp.157-160, 2008-02-25

ミクシィ登録は紹介制/複数の認証で安全性UP/マイミクさんと交流開始/交流範囲を広げよう
著者
伊藤 昌太
出版者
福島大学経済学会
雑誌
商学論集 (ISSN:02878070)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.29-85, 1971-03
著者
伊藤 亜紗
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-12, 2011-06-30 (Released:2017-05-22)

The aim of this paper is to investigate Paul Valery's criticism of description in literature and to clarify his ideal of poetry. Description is a technique to represent an object visually. Though an author chooses arbitrarily what he/she describes, he/she expects his/her reader to abstain the self and to obey him/her. Valery criticized this passiveness of reader and dominance of author. For Valery both reader and author have productive roles and they are completely separated two systems just like a producer and a consumer in a market economy. Through an act of reading, a reader finds abilities of his/her body which were unknown to himself/herself. This focusing on a reader's body is an ideal effect of poetry for Valery. While description involves a false reality, a pure poetry explores a reality of body. A work is not a messenger of feelings or thoughts of an author but a machine to make a reader's body act. A comparison with Breton's solution will make points of Valery's discussion more clear.
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.67-99, 2017-04

動物カフェとは, 犬カフェ, 猫カフェ, ウサギカフェ, 小鳥カフェ, フクロウカフェ, ヤギカフェ, ハリネズミカフェなど動物と交流できるカフェで, 飼っている動物と休息を楽しめるカフェ(主に犬カフェ)とお店が飼育している動物と過ごすことを目的としたカフェ(猫など)がある。ここでは, 猫カフェ, 犬カフェ, ヤギカフェ, それにフクロウカフェ(あるカフェにフクロウ虐待の内部告発があった)を概観する。お店の猫を眺めたり遊んだりする猫カフェが, 同様の犬カフェよりも多いのは, 猫の方が扱いやすいからである。日本で開発されたメルセデス・ベンツ・ジャパンの「車を売らないショールーム」併設カフェはマーケティング目的であり, 顧客層と車の売上を拡大, その結果, 本社に採用され世界的に展開している。カフェ・チェーンで過労死は発生していないが, 飲食業界の従業員の労働時間は長く過労死が発生している。違法または悪質な労働条件で働かせる企業はブラック企業と呼ばれている。このブラック企業とはどのようなものかを検討した後で, 実際に起きた過労死等の具体的な案件について分析する。その対象は, マクドナルド(過労死になりかけた店長の残業代請求訴訟を含む), 大庄, ワタミ, そして, 最近の事件として電通を扱う。従業員たちは残業しても残業時間を付けることができない圧力を受けており, 過大な残業と睡眠不足により過労死に至っている。「発症前1か月間におおむね100時間」または「発症前2か月間ないし6か月間にわたって, 1か月当たりおおむね80時間」を超える時間外労働が認められる脳・心臓疾患または心理的負荷による精神障害を原因とする過労死の場合は, 業務と発症との関連性が強いと評価され, 労災認定されている。会社のデータでは記録されていない残業をどこまで洗い出すかが鍵となっている。残業時間の限度は, この労災認定時間を下回る時間に設定すべきであろう。論文
著者
入江 充洋 鵤 満 伊藤 良一 三好 拓馬 栗谷川 優子 藤木 範之 チェンバーズ ジェームズ 内田 和幸
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.503-507, 2021-08-20 (Released:2021-09-20)
参考文献数
10

トラネキサム酸(以下,「TXA」)は,本邦では安全性の高い催吐薬と認識されており,犬の催吐薬として多く用いられている.しかし,TXAを用いた催吐処置後に重篤な有害事象を呈した2例を経験した.1例は投与数日後にショック状態となり死亡し,病理組織学的検査により肺動脈血栓,肝臓のび漫性うっ血及び腎臓にアミロイド沈着が認められた.他の1例は,TXA投与後にてんかん重積状態を発症したが,数日間の抗てんかん薬の投与にて改善した.そこで,TXAによる催吐処置後の有害事象発生状況を把握する目的で,臨床獣医師にアンケート調査を実施した.その結果,15%の獣医師が有害事象を経験していた.最も多い有害事象は痙攣であった.