著者
伊藤 裕
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.9, pp.1837-1843, 2020-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
10
著者
中谷 貴壽 宇佐美 真一 伊藤 建夫
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.25-36, 2012-03-23
被引用文献数
1

バルカン半島は,イベリア半島,イタリア半島と共に氷河時代には,南方系生物にとってレフュジアとして機能していたため,ヨーロッパ産生物多様性のホットスポットとして知られる.バルカン半島とは一般にドナウ川より南を指す.西側にはDinaric Alpsが北西から南東方向に連なり,最高峰はProkletije(2,692m)でヨーロッパで五指に入る大山脈である.その南端では東西に連なるBalkan Mts(最高峰はBetov, 2,376m)と,南北に連なるPindos Mts(最高峰はKatafidi, 2,393m)に分かれる.蝶類はブルガリア214種,ギリシア232種に達し,地域の面積からすると蝶類の種数でも多様性が高いことが伺われる.サンプルとして,ブルガリアの北部(West and Central Balkan Mts)および南部(Rodopi, Pirin, Rila Mts)で採集したErebia属10種65個体,およびスイス,イタリアなど中欧,および中央アジア産の10種11個体を用いた.ミトコンドリアの遺伝子領域としては,種内変異の解析によく使われるND5の一部(432bp)とCO1領域の一部(510bp),合計942bpを使用し,得られた塩基配列を比較してハプロタイプを決定した. ブルガリア国内産と中欧産個体群間の遺伝距離にみられるパターン ブルガリア国内におけるハプロタイプの分化と中欧産との遺伝距離を比較すると,3つのパターンに分類することができる. (1)遺伝距離がほぼ地理的距離に比例しているパターン 近隣個体群間では遺伝的交流が認められるが,近距離の個体群間では認められない,いわゆる距離による隔離機構(島モデル)が働いていると想定されるパターンである.このグループに属する種としては,E.aethiops,E.euryale,E.medusaがある.いずれも針葉樹林帯の草原に生息する広域分布種で,その生態的特性からも推定されるパターンであって,氷河期に分布が分断されたものが,温暖期における森林帯の拡大に伴って分布を広げたと推定される. (2)個体群間の地理的距離とは相関のない遺伝距離が認められるパターン 過去に複数のレフュジアに生殖隔離されることで固定された複数の系統が,その後に分布を拡大して混生地を生じたり,あるいは地理的に至近距離で対峙している分布型であり,何らかの系統地理的要因のあることが示唆される.E.oeme,E.ligeaが属する.E.ligeaは前のグループに属するE.aethiops,E.euryaleと類似の環境に生息し,しばしばこれらの種と同所的に見られる場合が多いにもかかわらず,ブルガリア北部のバルカン山脈産と南部の山系産の個体群間の遺伝距離はきわめて大きい.さらにバルカン山脈産のハプロタイプはスイス産個体群と,またブルガリア南部山系産個体群は地理的に遠く離れた中央アジア(モンゴル)産の個体群と遺伝的に極めて近縁であることが判明した.E.ligeaはヨーロッパからユーラシア大陸の中緯度地域に沿ってロシア極東,日本列島にまで広域分布する種であるが,東西2系統に分断された個体群が,その後に分布を拡大しバルカン半島の中部で両系統が対峙していると想定される.今後大陸各地においてサンプル地点を増やすことで系統地理的な全貌を解明する必要がある.E.oemeはヨーロッパ地域特産で,中欧のアルプスでは針葉樹林内の草原に生息し分布は局限されるのに対して,ブルガリアでは森林限界より上の草原にも広く分布し個体数も多い.西はピレネー山脈から東はカルパチア山脈・バルカン半島に分布し,いくつかの亜種またはフォームに区分される.バルカン半島産は東オーストリア産と共に大型で,斑紋がよく発達する特徴を持ち亜種spodiaとされるが,北部ブルガリア産と南部ブルガリア産個体群の間の遺伝距離は大きく,遺伝距離と形態的特徴の類似性には相関性がない.両者の個体群は,その遺伝距離の大きさからみると最終氷河期以前からの別々のレフュジアに隔離分布していたことが示唆される. (3)中欧産個体群との遺伝的距離が大きいパターン 中欧産個体群との遺伝距離が大きいグループである.最終氷期よりも前に分布が分断され,その後の寒冷期にも遺伝的交流がないまま現在に至っていると想定される.E.pandrose,E.alberganusが属する.E.pandroseは森林限界付近の草原に生息するが,E.alberganusはさらに低標高の針葉樹林内の草原にも生息する.スイスでは高山草原でも草丈の高い草原にのみ見られ,食草が限定されているのかもしれない.このような離散的分布域をもつ北方系蝶類の一部の種は,最終氷期よりも前に分布が分断され,その後の寒冷期にも分布を拡大することができなかったと推定される. バルカン半島固有種 バルカン半島にはE.rhodopensis,E.orientalis,E.melasの固有種が知られているが,これらの内E.rhodopensis,E.orientalisについて解析できた.バルカン半島が主たる分布地のE.ottomanaもこのグループに属するものとして扱う.E.rhodopensisは中欧に分布するE.aetheopellaと近縁であり,森林限界付近の灌木帯に分布の中心があり,Bezbog Chalet(Pirin Mts)やGrqnchar Chalet(Rila Mts)では標高2650m以上の岩礫帯でもみられた.調査した範囲では遺伝的変異は認められなかった.E.ottomanaは中欧で多様な種分化を遂げたtyndarusグループに属し,フランス南東部とイタリア北部にも分布するが,バルカン半島が主たる分布域である.広域分布型のハプロタイプが北部バルカン山脈と南部Rila山系から見出され,同じ型はモンテネグロ産個体群からも検出された.ネットワーク樹に示すように,この広域分布型ハプロタイプを中心にして,1塩基置換のハプロタイプがRodopi Mtsに,2塩基置換のタイプがPirin Mtsと中欧(イタリア,Monte Baldo)に分布するスター型の構造を示す.本種はtyndarusグループの中では近東に分布するE.iranica,E.graucasicaと共に古い系統に属する種であって,バルカン半島から中欧(イタリア北部,フランス南東部)へ進出したものであろう.E.orientalisはRila Mtsのみから得られたため,ブルガリア南北の個体群間の比較はできなかった. 遺伝的分化の歴史 日本産高山蝶の各種については,筆者らによる大陸産の同種と遺伝的差異を比較検討した研究,および日本列島内でのハプロタイプを解析した研究がある.本州は最終氷期には大陸や北海道と陸続きにならなかったため,本州に遺存分布する高山蝶は最終氷期より前の寒冷期に大陸から渡来したものと考えられる.したがって本州の例と比較することで,バルカン半島での生殖隔離が始まった年代を推定することができる.分布した遺伝領域ND5とCO1の塩基置換数をまとめるとTable2のようになる.中欧とブルガリア産個体群間の塩基置換数は,分布が離散的なE.pandroseとE.alberganusは4〜6である(Table 2a).一方本州産高山蝶のクモマツマキチョウ,ミヤマモンキチョウ,タカネキマダラセセリは,大陸産と本州産個体群の塩基置換数が5〜7である(Table 2b).これらのデータから,離散分布型のErebia属蝶類が中欧とブルガリア間で生殖隔離した時期は,最終氷期より前の寒冷期であると示唆される.すなわちヨーロッパとアジア東部において,ほぼ同時期に北方系蝶類の個体群が隔離分布するような気候環境であったことが示唆される.またこれらの種の中欧とバルカン半島の個体群が,最終氷期を通じて遺伝的交流がなかったことは,寒冷期とはいえ北方系蝶類のすべてが分布域を拡大できたわけではないことを示唆している.同じくTable 2aによると,中欧とブルガリア産個体群間の塩基置換数は,広域分布型のErebia aethiops,E.euryale,E.medusaでは1〜2であり,最終氷期以降も遺伝的交流があったことが示唆される.またブルガリアの南北個体群間では,広域分布型のErebia aethiops,E.euryale,E.medusa,およびバルカン半島が発祥の地と推定されるE.ottomana,バルカン半島固有種のE.rhodopensisにおいては,E.aethiops以外は広域分布型のハプロタイプが南北の山域に共通して生息しており,ごく最近まで遺伝的交流のあったことが示唆される.バルカン半島で系統分岐の推定されたE.ligeaは系統地理的に極めて興味深い事象であって,今後さらにサンプリング地点を増やして,主要な分布域をカバーする集団の遺伝的構造を明らかにする必要がある.
著者
伊藤 量基
出版者
日本サイトメトリー学会
雑誌
サイトメトリーリサーチ (ISSN:09166920)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.19-24, 2015-04-25 (Released:2017-05-08)
参考文献数
20

Dendritic cells (DCs) are the master cells in activating immune responses through enhancing innate immunity by cytokine production and initiating acquired immunity by priming naïve CD4+ T cells. However, DCs play not only a central role in antimicrobial immune response in host defense but also a pathogenic role in the development of the several inflammatory disorders such as allergy and autoimmune diseases. In allergy, epithelial cell-derived thymic stromal lymphopoietin stimulates myeloid DC subset to express OX40L and CCL17 that induce and maintain Th2 cell responses. In systemic lupus erythematosus (SLE), aberrant continuous type I IFN production by plasmacytoid DCs causes vicious spiral of pathogenic autoimmune responses. Thus, myeloid DC and plasmacytoid DC subsets represent key cellular pathogenic cells in allergy and SLE, respectively. Accordingly, control of the dysregulated myeloid DC functions and pDC-derived type I IFNs provides an alternative treatment strategy for allergy and SLE. We focus on specific roles of statins in controlling the myeloid DCs-dependent Th2 pathway and plasmacytoid DC-dependent IFN pathway and state their therapeutic potentials for allergy and SLE.
著者
粂川 義雅 三浦 収 藤本 悠 伊藤 桂 荒川 良 横山 潤 福田 達哉
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.19-24, 2019 (Released:2020-03-29)

ニホンアカザトウムシPseudobiantes japonicus の2 つの異なる系統群(クレードA とクレードB) の分布域が接触する四国中央部において両系統群間の交雑や遺伝子移入の有無を明らかにするために, ミトコンドリアDNAと核DNAのPCR-RFLP解析を行った.両クレードの混棲が確認されたのは1地点のみであったが,その地点を含め,この地域内で,核DNAの遺伝子におけるヘテロ接合と判定される個体やミトコンドリアDNAと核DNA間における不一致は発見されなかった.これは,クレードA とクレードB が接触地域において交雑や遺伝子移入を経験していないことを示唆し,これらのニホンアカザトウムシは隠蔽種であると考えられた.
著者
山下 崇博 Khumpuang Sommawan 三宅 晃司 伊藤 寿浩
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. E, センサ・マイクロマシン準部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A publication of Sensors and Micromachines Society (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.132, no.4, pp.66-70, 2012-04-01
被引用文献数
2 1

Conductive polymer coated micro-cantilever array made by reel-to-reel continuous fiber process as the electrical contact components for woven electronic textile was investigated. We report the novel cantilever releasing method using air injection and the results of patternable CYTOP and organic conductive polymer using nanoimprinting method. The conductive organic material used in this study is PEDOT:PSS (poly(3,4-ethylenedioxythiophene) poly(4-styrenesulfonate)). Micro-cantilever contact array is realized to compose the electrical circuit through the large area woven textile. The contact resistance of 480 Ω is hold on for over 500 times. Contact resistance measurements revealed that an electric current begins to flow with smaller contact force for PEDOT:PSS coated cantilever array structure than for PEDOT:PSS film structure. There is no appreciable wear on cantilever surface due to its movability after 10<SUP>3</SUP> cycles contact test with 0.5 N contact force. Based on these results, PEDOT:PSS coated micro-cantilever array have excellent potential as electrical contact components between weft and warp for woven electronic textile.
著者
伊藤 榮子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.13, pp.9-21, 2008

歩行期から青年後期のどの段階に社会、家庭の基本的生活の型を獲得し、自己抑制、自立に誰が影響しそれが現在も持続しているか探るためにA短期大学看護学生とB大学生64名に無記名の質問紙調査を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。1)子どもの成長に対する母の影響は、家庭、社会生活の基本的な型の習得に、父、兄弟姉妹、祖父母、教師より大きく、歩行期に最大で、今も減少しながら学生の生活に役立っていた。(2)学童中期の初めに子どもが自己抑制を身につけると、母以外の他の影響が増えはじめた。この不明確な影響は集団社会が持っている、人に新しい精神的、肉体的な能力をあたえると思われる機能の影響が、学童中期から青年後期の初めに多くなった。
著者
伊藤 理紗 矢島 涼 佐藤 秀樹 樋上 巧洋 松元 智美 並木 伸賢 国里 愛彦 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.13-22, 2019-01-31 (Released:2019-06-08)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究では、(1)安全確保行動を恐怖のピークの前でとるか後でとるか、(2)恐怖対象への視覚的な注意の有無が、治療効果に及ぼす影響を検討した。ゴキブリ恐怖の大学生を対象に、四つの条件のいずれか一つに割り当てた:(a)恐怖ピーク後注意あり群、(b)恐怖ピーク後注意なし群、(c)恐怖ピーク前注意あり群、(d)恐怖ピーク前注意なし群。群と時期(エクスポージャー前・エクスポージャー直後・フォローアップ時)を独立変数、ゴキブリ恐怖を従属変数とした分散分析の結果、メインアウトカムである行動評定の恐怖度の変数において、時期の主効果が有意であった。また、セカンダリーアウトカムである想起時の回避度において、交互作用が有意であった。単純主効果の検定の結果、a・b群はフォローアップ時の回避度の改善が認められないのに対し、c・d群は改善が認められた。最後に、治療効果が認められた原因について考察した。
著者
松下 耕太 伊藤 香織 高柳 誠也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1199-1206, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
9

首都圏郊外の駅周辺小売業は複雑に構成される鉄道網によって駅間ネットワークを形成し,さまざまなまちが繋がっている.近年では幹線道路沿道の大型商業施設の台頭やイーコマスなどの要因によって従来から駅周辺に商業集積を見せてきた市街地では衰退傾向がみられる.このような背景から,様々な要因に曝されている駅周辺小売業についてその構成や動向を首都圏郊外部のネットワークに着目し,明らかにすることを目的とする.また,対象を広範囲に設定し,小地域を対象とした研究では明らかにされていない現象を炙り出す.まず,施設規模と業種構成のデータを収集し,駅をクラスタリングした.その結果,小売業において拠点性が高い駅とそうでない駅で機能を分担している様子が可視化された.その上で,食品関係の店舗がコンビニやドラッグストアに代替される傾向や拠点性が高い駅の隣接駅やその周辺の駅に大型商業施設が立地する傾向を実データより捉えることができた.さらに業種別の店舗数によって空間的自己相関分析を行った.Global Moran's Iから首都圏郊外部の駅間で全体として機能分担が進んでいる様子を定量的に示した.また,Local Moran's Iからそれらを定量的かつ局所的に捉え,これらの結果を人々の購買行動や現行施策等に位置付け総括とした.
著者
佃 為成 和田 博夫 酒井 要 伊藤 潔
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-18, 1994
被引用文献数
2

An M6.6 earthquake occurred on February 7,1993, around a sea rise extending southwest-northeast direction off the northeastern tip of Noto Peninsula. The hypocenters of the mainshock and aftershocks were located using telemetered data from university stations. The aftershocks during the first two days are concentrated in the narrow active fault zone along the northwest side of the rise. Other concentrations occurred along active faults on the southeast side of the rise. Most of the focal depths are 10-15km, consistent with the interpretation of T phases and pP phases recorded at some stations. Northwestward dipping 3-dimensional distributions for large aftershocks suggest two possible fault planes, which coincide well with the two fault planes of the CMT solution. The gross nature of the seismic fault is of a thrust type, which contradicts the strike slip solution estimated from the initial motions. The Noto region is part of the tectonic zone along the eastern margin of the Japan Sea, where zonal shortening due to compression is predominant as in the Japan Sea coast region in northern Honshu, Japan. The alignment of aftershocks along the topographic lineaments and submarine active faults may reflect this tectonism.1993年2月7日の能登半島沖地震は,禄剛崎沖の南西から北東へ伸びる海底の高まり付近で発生した.この余震の分布をできるだけ精密に求めるため京大防災研上宝観測所と東大地震研信越地震観測所の観測網のデータを統合して震源計算した.この地域の構造はきわめて不均質であり,その影響を極力さけるためもっとも震源域に近い観測点を用いて地震決定を行なった.
著者
伊藤 喜彦
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.675, pp.1257-1264, 2012

In this article, we analyze how columns are used and to what extent they determine the architectural characteristics of the church of San Miguel de Escalada. This leads us to two important features of Escalada.<br>1. <i>Spolia</i> columns were not necessarily used as substitutes for those made ex <i>profeso</i>, but in fact played a pivotal role at the time of the building's conception, especially from aesthetic point of view.<br>2. The inherent incongruity between masonry walls and monolithic columns leads to quite distinguishable features where the two elements meet. In the case of Escalada, we can observe a growing interest in keeping the independence and wholeness of the columns adjacent to the walls.
著者
塩崎 智之 和田 佳郎 伊藤 妙子 山中 敏彰 北原 糺
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.274-280, 2020-08-31 (Released:2020-10-01)
参考文献数
12

There are patients with floating dizziness who do not show abnormalities in current vertigo balance tests. We developed a clinical examination to quantify gravity perception as a first step to test our hypothesis that a gravity perception disturbance is the cause of floating dizziness. The gravity sensitivity can be measured accurately by adding the head tilting condition to the original subjective visual vertical (SVV) test. We named this test the Head Tilt SVV (HT-SVV). The most important measurement item in HT-SVV is head tilt perception gain (HTPG). HT-SVV measurements in 329 healthy subjects yielded an average value and standard deviation of 1.02±0.12 and a reference value of 0.80-1.25 for HTPG, and a difference between the left and right HTPG of 4.7±3.7%, i.e.,<10.0%. We could not detect age-related changes in gravitational sensitivity by the original SVV, but found that HTPG, determined by HT-SVV, increased with age. A significantly higher rate of subjective dizziness was noted in patients who tested positive in the HT-SVV than in those who tested negative among patients who developed floating dizziness after BPPV. We would like to clarify the clinical significance of the test method and establish the concept of gravitational susceptibility disorder, although a number of relevant issues still remain to be clarified.
著者
伊藤 澄夫 武田 寿 小林 昭彦 桜井 裕之 多田 善彦 青木 岳 細貝 猛 山中 崇彰 石綿 肇
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.254-256_1, 1993

輸入ウオッカ中のフタル酸ジブチル (DBP) の簡易で迅速な分析法を開発し, 応用を試みた. DBPは試料から<i>n</i>-ヘキサンで抽出, 直接FID付キャピラリーカラムガスクロマトグラフで定量した. 0.5~5.0ppmのDBPを試料に添加したときの回収率は92.7~98.5%であった. 検出限界は0.1ppm, 所要時間は約30分であった. ロシア産ウオッカ15試料について定量を行ったところ, 2試料から0.1及び0.2ppmのDBPが検出された. これらに付いてはGC/MSで確認を行った.