著者
佐々木渉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.57-60, 2008-05-21
被引用文献数
1

ヤマハ株式会社開発の音声合成ソフトウェア VOCALOID2 をエンジンとして初音ミクを代表とする DB (音声サンプル・データベース)を制作しはじめてから 1 年弱が経過致しました。その間 VOCALOID2 は、音楽制作やマルチメディアコンテンツにて積極的に活用され、動画投稿サイトを介して多くの人々に認識されていきました。本稿は、この一年間に於いての、初音ミクの規格開発者としての雑念からの考え、方向性を書き留めます。
著者
平山 英夫 近藤 健次郎 海野 泰裕 松村 宏 岩瀬 広 柚木 彰 佐々木 慎一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
pp.J14.048, (Released:2015-06-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1

A rapid and simple method to measure the concentration of 90Sr in water by measuring β-rays from 90Y was presented. Under the situation that 90Sr/90Y, 134Cs and 137Cs are the main radionuclides included in the water sample, only β-rays from 90Y can transmit through 1.5-mm-thick polyethylene. From this fact, it is possible to measure β-rays from 90Y using a β-ray detector, such as the GM-counter, set beneath the 1.5-mm-thick bottom of the water bottle containing the sample with 90Sr/90Y. The acrylic resin collimator having 0 cm, 1.00 cm, 1.50 cm or 3.00 cm diameter was made to detect β-rays at the fixed region of the GM-counter used. Contributions from bremsstrahlung produced by β-rays and γ-rays from radionuclides such as 134Cs and 137Cs/137mBa are removed by subtracting the count rate measured with a 1.00 cm acrylic resin collimator without a hole as the background count rate. The developed method was studied using the bottle routinely used at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station. It was confirmed that the developed method can be applied to measure the 90Sr concentration in water to the order of several Bq/cm3 if 134Cs and 137Cs concentrations are less than or equal to the 90Sr/90Y concentration.
著者
佐々木 瑞希
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.11-16, 2023-02-28 (Released:2023-03-07)
参考文献数
27

Brachylaimoidea Joyeux and Foley, 1930 includes seven families, and most of them use terrestrial mollusks as intermediate hosts. Among them, trematodes of the genus Brachylaima Dujardin, 1843 (Brachylaimidae Joyeux and Foley, 1930) use terrestrial mollusks as both the first and second intermediate hosts. Nine species of Brachylaima have been reported in Japan, and five of them were recently described with their DNA barcodes based on the nuclear 28S ribosomal RNA and mitochondrial cytochrome c oxidase I gene. High specificity of each species to the first intermediate host suggests the diversity of trematodes of Brachylaima including undiscovered species. Panopistidae Yamaguti, 1958 is also a family of Brachylaimoidea, but its taxonomic position in the superfamily is uncertain, because the DNA barcodes of only one species were deposited. In addition, some genera such as Michajlovia Pojmańska, 1973, Urogonimus Monticelli, 1888, and Urotocus Looss, 1899 are treated as incertae sedis because of the lack of genetic data of related species. Additional sampling from the intermediate host snails and the final host and phylogenetic analyses are needed to solve the problems in the taxonomy of Brachylaimoidea.
著者
佐々木 隆
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.309-323,408-40, 1979-03-20 (Released:2017-10-05)

The political influence of the Japanese military rapidly expanded amid the tense domestic and international events following the Manchurian incident of 1931. For the purposes of coordinating national defense, foreign and financial policies, the Saito Cabinet in October, 1933. convoked the "Five-Minister Conference" as an inner cabinet. An additional significance of the meeting was its role in the political fortunes of Army Minister Araki Sadao and his personal clique within the Army. Following Araki's appointment as Army Minister in December, 1931, the group surrounding the Generals Araki, his close friend Masaki Jinzaburo and Hayashi Senjuro-they are to be called the protetype of the "Imperial Way Faction" -was elevated by factional patronage to a position of dominance within the Army. The institution of the Five-Minister Conference offered Araki, the group's leader, an excellent opportunity to increase his power. The Conference also had its dangers to Araki, however. When he failed to gain the Conference's approval of increased armaments to implement the Army's demands for a hard line against the Soviet Union, Araki found himself politically stymied. He had attended the Five-Minister Conference in anticipation of Foreign Minister Hirota Koki's support and hence had taken no precautions. With the refusal of Finance Minister Takahashi on financial grounds, the Army's request was effectively rejected, and the Foreign Minister also withheld his support. Araki next pinned his hopes for recovery on securing approval for his proposals of domestic reform from the Domestic Policy Conference, held in November and December. Once again, his plans could not gain a firm financial base and were defeated. Araki found himself faced with a dilemma. He believed his resignation would bring down the Saito Cabinet, but he was apparently unwilling to take this action in the fear that new minister might be from an anti-or non-Araki faction. On the other hand, if he stayed on in his present state without prospect his strong position within the Army would be badly shaken. The problem seemed conveniently solved when Araki was incapacitated by an attack of influenza in January, 1934. His successor Hayashi Senjuro, on the contrary, allied himself with Nagata Tetsuzan and Tojo Hideki. Then they formed what I call "the early Control Faction" and together they entered into competition with Araki and Masaki as the "Imperial Way Faction (in a narrow sense)" began to break up. It had been the Five-Minister Conference which had led to these developments.
著者
葛谷 健 伊藤 千賀子 佐々木 陽 清野 裕 田嶼 尚子 土井 邦紘 布井 清秀 松田 文子 上畑 鉄之丞
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.173-194, 1992-02-29 (Released:2011-03-02)
参考文献数
66
被引用文献数
4

1) 疫学データ委員会では, 日本人における糖尿病の有病率と発症率に関する既発表の資料を収集し, 日本人糖尿病の有病率と発症率を推定し, それらの資料のデータを利用しやすい形にまとめて提供することを目的とした. 主要資料を選択して表にまとめた.2) 地域調査による成人の糖尿病調査から得られる情報はNIDDMの有病率にほぼ限られる. 尿糖二などで一次スクリーニングを行って陽性者のみに糖負荷試験を行う方法と, 全員に糖負荷試験を行う方法とがあるが, 糖尿病の有病率は後者で高い傾向を示した.1984年以前の報告では1970年の日本糖尿病学会基準で判定されているものが多く, 40歳以上の有病率は一次スクリーニングを行う方法では, 多くは1.3~4.7%であった. 1985年以後にはWHO基準で判定されるようになり, スクリーニングを行った場合, 40歳以上の有病率は2.1~5.4%, 直接糖負荷試験を行う方法では4~11%程度となった. 男女比は2: 1ないし1: 1で糖尿病は男に多かった. WHO基準では1970年の糖尿病学会基準よりも糖尿病と判定されるものの率は少なくなるはずであるが, それでも1990年代には約10%という高い値が報告されている.3) 18歳未満発症の糖尿病の発症率は10万人あたり年間0.8~2.3人で, 10~14歳に発症のピークがあった. 有病率はIDDMでは, 1万人あたりほぼ1.0人, NIDDMは約0.5人で, 両者を区別しない場合は0.9~1.5人程度であった.4) 原爆被爆者は約10万人が継続的に検診を受けており, 糖尿病に関してもよく調査されている. 糖尿病の発症について被爆の影響は否定されているので, そのデータは地域調査と同等のものと見なされる. 被爆者は現在43歳以上となり, その有病率は現在男9.9%, 女8.0%と推定される. 糖尿病有病率はあきらかに経年的増加傾向を示している.5) アメリカ (ハワイ, ロスアンゼルス, シアトル) に移住した日本人1世, 2世では日本在住者に比べて糖尿病が15ないし2倍に増えている. 8最近のシアトルでの調査では45歳以上の2世で男21.5%, 女16.0%が糖尿病であった.6) 政府刊行物の中では厚生省が定期的に行っている患者調査と国民生活基礎調査 (以前は国民健康調査) のデータに糖尿病が含まれている. これらは医療機関を受診中のものを対象としており, 得られた推定有病率は, 地域調査で得られた数値よりも低いが, 全年齢を扱っていると, 長年にわたり同じ方法で調査されているので経年的な推移が分かる点に特徴がある. 糖尿病の推定有病率はこの30年余りの間に激増した. 1987年の患者調査では副疾患としての糖尿病も加えると1.4%(全年齢), 1989年の国民生活基礎調査では1.1%であった.7) これまでの文献を通覧して, 今後の調査, 報告では特に留意すべき点として, 対象集団の年齢構成, 性別などを明確にすること, 既知糖尿病患者の取扱をはっきりさせること, 検査した集団が対象集団をよく代表しているかどうかの検討, 75g GTTで判定すること, 空腹時血糖値, 2時間血糖値の分布を示すこと, 受診しないものについても情報を集めること, などが望まれる.
著者
佐々木 大介
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

被験者への聞き取り調査から、日本から派遣された日本人教員を中心に教育が行なわれていたようで、被験者が教わった教員は日本人であったというケースが非常に多かったようである。授業では手話が多用されていたようであり、被験者の手話言語能力には確かなものがあった。その教育においては(書記)日本語の獲得が決して軽んじられていたということではないようである。一方、語彙比較研究に関しては、「同一」と「類似」を合わせた割合が、日台・日韓の各手話言語間で48-55%で、北朝鮮手話・韓国手話間では約56%と高かった。
著者
佐々木 浩一 上杉 喜彦 大野 哲靖 大坂 侑吾
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.51, no.158, pp.259-267, 2009 (Released:2018-01-26)
参考文献数
23

Recently, plasma-assisted combustion attracts much attention of many researchers as a new interdisciplinary field between combustion and plasma sciences. In this article, we describe a brief explanation of various plasmas, concepts of plasma-assisted combustion, and the research trend of plasma-assisted combustion. We also report examples of experimental investigation on plasma-assisted combustion, which have been carried out in authors' research groups.
著者
井上 貴雄 佐々木 澄美 吉田 徳幸
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.86-98, 2019-03-25 (Released:2019-06-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

アンチセンスやsiRNAに代表される核酸医薬品は、これまで治療が難しかった遺伝性疾患や難治性疾患に対する新しいモダリティとして注目を集めている。従来の核酸医薬開発では生体内における安定性や有効性に課題があったが、修飾核酸技術やDDS技術が進展したことで状況は一変しており、局所投与のみならず、全身投与でも高い効果を発揮する候補品が次々と開発されている。本稿では、核酸医薬品の分類、性質、構造、作用機序等の基礎知識を解説し、既承認核酸医薬品を例にあげながら、その開発状況や優位性について議論したい。
著者
佐々木 あや乃 藤井 守男
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

研究代表者は、『精神的マスナヴィー』の逸話部分の下訳を終え、出版に向け訳書の解説執筆に着手した。研究分担者は、ルーミー研究に不可欠な基本文献蒐集をおこない、『精神的マスナヴィー』全篇の翻訳も鋭意続行した。『精神的マスナヴィー』の数多の写本の存在が知られているが、本研究では、当初の予定通りニコルソン版を底本とし、データベースを作成する作業を進めるため、研究代表者はエンジニア班と校閲・入力班を組織し、本年度はほぼ毎月研究会を開催し、進捗状況を報告しあう機会をもった。作業途中で、イランの言語・文学アカデミー(ファルハンゲスターン)から最新のマスナヴィーが出版されたとの情報を得て最新版を入手したものの、ニコルソン版との差異がかなり激しいことが判明したため、この版は採用せず、当初の予定通りニコルソン版を底本としたデータベース作成を続行することとした。また、ニコルソン版では、冒頭から2835詩行までが、マスナヴィー最古の版であるコニヤ版を反映しきれていないという事実も判明した(ニコルソン版は2836詩行以降はコニヤ版を完全参照している)ため、本研究においては、ニコルソン版とコニヤ版を比較しながら、2835詩行までの完全版データベースを構築するという方針転換を強いられることとなった。よって、毎月の研究会開催により鋭意準備を進めた結果、今年度は1200詩行前後までの校閲と入力、修正作業にとりかかり、作業のペースを把握することとした。次年度(最終年度)でコニヤ版に基づいた、全2835詩行のデータベース構築が完成する予定である。
著者
大友 真弓 佐藤 悠 飯田 佳世 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.79-82, 2003 (Released:2003-07-18)
参考文献数
14

一側上肢挙上運動と両側上肢挙上運動時における呼吸循環反応を呼吸様式の相違の影響とともに比較し,生体への負荷を検討した。対象は健常若年者12名で,座位での一側上肢挙上運動と両側上肢挙上運動を,条件設定を加えない自然呼吸と呼気を延長させた呼吸パターンの状況下で行い,運動中の呼吸循環反応を測定した。一側,両側上肢挙上運動を呼気延長呼吸で行った際の呼吸循環反応は,自然呼吸での運動時に比べ,高い値を示した。運動様式の違いとして,両側上肢挙上運動の方がVO 2/kgが高値の傾向を示した(P=0.080)が,呼気延長呼吸によって,その傾向を認めなくなった。RPEは一側上肢挙上運動の方が両側上肢挙上運動よりも高値となった。以上のことから,上肢の筋力が十分に維持された状態では,一側上肢挙上運動の方が生体に与える呼吸循環系への負担が少ないと考えられた。また,呼気延長呼吸は両側上肢挙上運動中の酸素需要量を減じる効果があることが示唆された。