著者
佐々木 義楼
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.37-49, 1971 (Released:2007-12-26)
参考文献数
28

日本人 (成人) に多い乳糖不耐症の原因を究明する目的で, (1) 牛乳摂取状況アンケート, (2) 種々の乳糖負荷試験, (3) 生検による小腸粘膜の光顕, 電顕的観察と disaccharidase 小腸活性測定, (4) 動物実験 (1) 生後における小腸 disaccharidase の消長, 2) 量別および年令別乳糖強化食飼育実験, 3) 乳糖分解酵素剤投与の小腸 lactase への影響) を行なつた. その結果, 成人の小腸 lactase 活性は正常健康者で欧米白人の約1/4と低く, 加令による低下もみられた. また, 動物実験で, 乳糖による小腸 lactase の基質誘導が年令と関係なく可能であることが証明された.日本人の小腸 lactase 活性の低下は, 乳糖摂取の寡量に主因があると結論した.

10 0 0 0 立体書法

著者
佐々木遊方 著
出版者
柏舟社
巻号頁・発行日
1927
著者
斎藤 義朗 福村 忍 齋藤 貴志 小牧 宏文 中川 栄二 須貝 研司 佐々木 征行
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.477-481, 2012-11-01

ノイロトロピン<sup>®</sup> (Neurotropin, ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) は頸肩腕症候群や帯状疱疹後疼痛に有効であり, 成人の一次性頭痛に対する効果も報告されている. 今回, 他の各種薬剤に効果が乏しかった慢性頭痛の小児2例で本剤が有効であった. いずれも中学生女子, 片頭痛を発症して2~3年後に増悪をきたし, 不登校にいたった経過で, 起立性調節障害の併存, 間欠的な四肢・背部の疼痛, MRI上の大脳白質散在性病変も共通していた. Neurotropinには他の鎮痛薬にはない下降性疼痛抑制系の増強効果があり, 小児の難治な慢性頭痛にも有効と示唆された.
著者
佐々木 輝美
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.143-152, 2004-03
被引用文献数
1

The main purpose of this study was to examine how sexually explicit media would affect college students' attitudes towards sex. Previous study results based on Gerbner's theory of cultivation would suggest that students exposed to sexually explicit media would accept distorted sexual information or behavior depicted in the media. A survey was conducted to investigate this relationship among college students (N=350). The survey consisted of eight items probing sexual media exposure and their attitudes toward sex. x^2 analysis results indicated a positive correlation between the items of sexual media exposure and attitudes toward sex. The discussion further considers details surrounding the mechanism of accepting distorted sexual information, media exposure, the formation of attitudes and the roles of peers.
著者
若狭 芳男 佐々木 幹夫 藤原 淳 飯野 雅彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.5-9, 2005 (Released:2005-09-01)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

薬物自己投与実験では,動物がレバースイッチを押すと静脈内あるいは胃内に留置されたカテーテルを介して一定量の薬液が体内に自動注入される方法が多く用いられ,アカゲザルおよびラットでの研究報告が多い.自己投与実験法により,薬物の強化効果の有無,強さおよび発現機序の研究が行われる.強化効果の有無は,自己投与回数の多寡によって判定されるが,自己投与回数は,自己投与の経路,静脈内への薬物注入速度,用量範囲,実験スケジュールなどの要因によって影響を受ける.すなわち,静脈内経路ではレバー押し行動に引き続き薬理効果が迅速に発現するため,胃内経路と比べて強化効果をとらえやすい.静脈内自己投与では,1回に注入される用量が同じでも注入速度を増すと摂取回数が増加する.強化効果を検索するための用量範囲は,弁別刺激効果もしくは何らかの中枢作用の発現用量などを目安に選定することが妥当と考えられる.Substitution proceduresでは比較的短期間に幅広い用量の強化効果の有無を検索できるが,ベースライン薬物がテスト薬物の自己投与に影響する場合がある.テスト薬物の自己投与を比較的長い期間観察する連続自己投与実験法では,強化効果の有無をより高い精度で検索できる.強化効果の強さを薬物の間で比較するための方法としては,比率累進実験法あるいは行動経済学の考え方に基づく需要曲線を用いる方法などが報告されている.強化効果の発現機序の検索には,特定の受容体のノックアウトマウスを用いた自己投与実験が行われている.自己投与実験期間中に発現する中枢作用の観察により,その薬物が乱用された場合の危険性を予測する参考情報が提供される.
著者
佐々木 瑞希 中尾 稔
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.6-10, 2021-02-28 (Released:2021-02-28)
参考文献数
12

Around a hundred of brachylaimid trematodes were found from the small intestine of a carrion crow (Corvus corone) in Hokkaido, Japan. Based on the result of mitochondrial DNA barcoding, the parasites were identified as Brachylaima ezohelicis Nakao, Waki and Sasaki, 2017. This is the first record of a natural definitive host for B. ezohelicis. Although most of them were at the gravid adult stage, their body sizes varied widely. This species was described by using the specimens from experimentally infected mice. When compared with the original description, the crow-derived specimens were longer in total body length and has smaller testes and a wider uterine space, probably due to better development in the suitable host. The difference provides a cautionary tale about the plasticity of morphology in trematodes. Our finding strongly suggests that birds are more suitable than mammals in serving as definitive hosts for B. ezohelicis.
著者
佐々木 周作 黒川 博文 大竹 文雄
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, no.Special_issue, pp.S18-S21, 2019 (Released:2020-03-17)
参考文献数
8

本研究では,「寄付金控除」による還付施策と「マッチング寄付」による上乗せ施策が寄付行動に与える影響を,経済実験を使って比較した.インターネット調査会社の回答モニターから,性別と年代(20歳から69歳まで)の割合が均等になるように抽出して,金銭的報酬で動機づける経済実験を行った(N=2,300).分析の結果,たとえ優遇率が同じであっても,寄付するときの自己負担額を還付によって下げる寄付金控除に比べて,第三者の上乗せによって下げるマッチング寄付の方が高額の寄付を誘発する効果が大きいことが分かった.具体的に,50%の寄付金控除の群に割り当てられると,実際の寄付支出額が統制群に比べて約126円下落したのに対して,100%のマッチング寄付の群(優遇率は50%控除と実質的に同じ)に割り当てられると,逆に実際の寄付支出額が約56円上昇した.この結果は,海外の一連の先行研究で観察された結果と一致している.日本でも,マッチング寄付が寄付行動を促進する効果が相対的に大きい可能性が示唆された.
著者
佐々木 文昭
出版者
北海道武蔵女子短期大学
雑誌
北海道武蔵女子短期大学紀要 (ISSN:03899586)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.五三-九一, 2011-03-15
著者
北原 加奈之 栗原 竜也 田中 広紀 柏原 由佳 縄田 修一 杉田 栄樹 内倉 健 佐々木 忠徳
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.2019-002, 2019 (Released:2019-09-19)
参考文献数
15

本邦では標準化された卒後臨床教育プログラムはなく評価方法も確立されていない.そこで,我々は薬剤師レジデントを対象として,英国で開発された臨床能力の評価方法の1つであるCase-based discussion(CbD)を実施し,成長過程を可視化し得るかを検証した.CbDは「薬物治療の必要性評価」等の5項目で評価した.薬剤師レジデント78名と,専門・認定薬剤師(Board certified pharmacists; BCP)5名を対象とした.CbDを実施した結果,5項目すべてのCbDスコアが病棟の経験と共に増加し,4項目が統計学的に有意であった.BCPのCbDスコアは,全項目で最高点の6であった.以上より,CbDは,本邦においても臨床能力の成長プロセスを可視化し,若手薬剤師の教育ツールとして臨床能力の評価に応用できる可能性が示された.今後,多施設を含めた更なる検討が必要である.
著者
佐々木 香織
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 = Research Journal of Graduate Students of Letters (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.251-270, 2013-12-20

一般的に,言語変化は「誤用」「ことばの乱れ」として問題視され,正すべ きものであるとみなされることが多い。本研究は,規範から逸脱した語形を 単なる「乱れ」ではなく,日本語において現在進行中の言語変化の一端であ ると位置づけ,その現状や出現の理由を考察することで現代日本語の姿を明 らかにしようとするものである。 本稿ではそのような現在進行中の言語変化として,後部要素として動詞連 用形を持つ転成名詞が,再び動詞化する例を取り上げて論じる。名詞をその ままの形式で動詞化することを許さない日本語では,従来,名詞に軽動詞「す る」を付けるか,「-r」語幹を付けることで動詞化していた。しかし,「ひた走 り(に走る)」という名詞から形成された「ひた走る」という動詞が現在定着 していることを代表に,様々な名詞転成動詞が存在することを本稿では主張 する。ここでは,そのような名詞転成動詞の実例を国会会議録や新聞記事, ウェブサイトから収集し,前部要素と後部要素の関係性に基づいて分類した。 その上で,名詞転成動詞は前部要素が様態を表す語であり,後部要素に対し て修飾的にはたらくことを強く求めるということを示す。 名詞転成動詞が作りだされる話者の心的要因について本稿は,より負担の 少ない簡素な語形を好むという「経済性の原理」と,よりインパクトがあり 新規性のある面白い語形にしたいという「創造性の原理」の二つを紹介する。 どちらも話者の,日本語に対する内的規則が存在しなければ成立しないもの であり,単なる学習不足による間違いではなく,一種の言語変化であると主 張する。
著者
新美 仁男 佐々木 望 松本 生 首村 紀夫 中村 陽子
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1040-1045, 1976-10-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
14
被引用文献数
1

An epidemiological survey on the incidence of chronic lymphocytic thyroiditis in childhood was performed in 11,353 apparently healthy school children in Chiba prefecture, Japan.The present study included 9,416 school children (4,401 boys and 5,015 girls, ages 6-18 yrs) in Chiba City and 1,937 children (744 boys and 1,193 girls, ages 16-18 yrs) in Tateyama City. The first group was selected as a representative of urban area, and the second group was selected as that of seaside area.Children having goiter were selected for testing antithyroglobulin and antimicrosomal antibodies in sera. Final diagnosis of chronic lymphocytic thyroiditis was based on histological specimens obtained by needle biopsies on the antithyroid antibody positive subjects.The overall incidence of chronic lymphocytic thyroiditis in these children was 1.7 per 1,000 children. There was a considerable sex difference in the prevalence. None of the patients were boys. In girls the incidence increased with age : ages 6-12 0.9, ages 13-15 4.6 and ages 16-18 3.1-4.2 per 1,000, respectively. The incidence in the seaside area, 2.6 per 1,000 was not significantly higher than that in the urban area, 1.8 per 1,000. Histologically, all cases were classified as focal thyroiditis.
著者
佐々木 直彦 堀井 胤匡 藤原 幹男 斎藤 英之 三澤 俊平
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.45-50, 2000-01-01 (Released:2009-06-19)
参考文献数
13
被引用文献数
7

Micro-strucure, micro-hardness and micro-absorbed impact energy in the Japanese sword have been investigated to clarify excellent mechanical properties of the Japanese sword. The Japanese sword specimen used in the present research has been made by using TSUKURIKOMI process which combines four kinds of steels; HAGANE (edge), SHINGANE (core), MUNEGANE (back) and KAWAGANE (side) steels, with different carbon contents. By this process, HASAKI (edge) side becomes high carbon steel and MUNE (back) side possesses low carbon steel. The cooling velocity in quenching of the Japanese sword is controlled by TSUCHIOKI treatment which coats the clay thinner in the HASAKI side and thicker in the MUNE side. The HASAKI side is quickly cooled and the MUNE side is slowly cooled. The micro-structure in the HASAKI side shows martensite while the MUNE side shows the coexist structure of ferrite and pearlite. The HASAKI side has a lower value while the MUNE side shows a higher value in the micro absorbed impact energies obtained with the 1.0 and 0.7 mm square miniaturized specimens. It has been shown clearly that the TSUKURIKOMI and the TSUCHIOKI processes give the excellent gradated balance of strength-toughness to the Japanese sword.The ORIKAESHI (folding) forging has an effect both on the carbon content and as quenched hardness in HAGANE steel. The most suitable times of ORIKAESHI cycles which adjust to the carbon content of 0.55-0.60 mass% and hardness of 800HV1 have been determined to be thirteen times. These times of ORIKAESHI cycles correspond to the optimum traditional cycles lying between twelve and fifteen times. The present research from the viewpoint of the metallurgy sheds light on the empirical rule in the traditional Japanese sword processing.
著者
佐々木 祥 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.20, pp.14-27, 2007-12-15
参考文献数
16
被引用文献数
4

近年急速に普及しているソーシャルブックマークは,ユーザ間でブックマークを共有できるサービスであり,新たな情報収集ツールとして注目されている.ソーシャルブックマークでは,ユーザはwebコンテンツにタグと呼ばれる自由記述のキーワードを付与できるため,既存研究においてタグの名称に着目したwebコンテンツ推薦システムが提案されている.しかしながら,ユーザの嗜好はタグの名称ではなく,タグを表象として関連付けられたwebコンテンツ群(以下,コンテンツクラスタ)として表出するものといえる.そこで本研究では,コンテンツクラスタ間の類似度を仮説検定問題として求め,得られた類似度に基づくwebコンテンツ推薦システムを提案する.また,提案手法の検証実験によって,付与するタグの名称が他のユーザと異なるユーザに対しても有効に推薦することが可能であるなどの有効性を確認することができた.The web-based bookmark management service called social bookmark has recently been in the spotlight and come to be recognized as a new information sharing tool.Social bookmark service allow users to tag keywords to each of their entries. These keywords are called 'tags'. There are some conventional studies of the web content recommendation system based on social bookmark which is focused to actual words of tags. However, the essential information of tags is not tag names, but classification of web contents by tags (we called the result of this classifications as contents cluster). Based on this assumption, we calculate similarities between contents clusters by using hypotheses test. By using calculated similarities, we proposed the web content recommendation system based on these similarities. It has been shown that our proposed method is working well, as the fact that appropriate recommendation can be offered to users, including who tagged different named tags to the same contents.
著者
佐々木 まなみ 田口 雄也 田上 恵太 押切 華映 前嶋 隆弘 中條 庸子 金澤 麻衣子 佐藤 麻美子 布田 美貴子 井上 彰
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.97-104, 2022 (Released:2022-08-26)
参考文献数
26

【目的】緩和ケアチームで介入する患者の栄養学的問題点を明らかにし,緩和ケアチームにおける管理栄養士介入の効果を調査する.【方法】緩和ケア診療加算・個別栄養食事管理加算を算定した症例を後ろ向きに調査し,①介入時の栄養学的問題点と介入内容,②Verbal Rating Scale(VRS)で評価した介入前後の食に関する苦悩,③エネルギー摂取量を調査した.【結果】患者年齢(中央値)66歳,①介入時の栄養学的問題点は「エネルギー摂取量不足」56例,介入内容は「食事形態変更」53例と最も多く,②食に関する苦悩はVRS(中央値)3から2へ改善し,③エネルギー摂取量は753 kcal±552 kcalから926 kcal±522 kcal/日と有意に増加(p<0.01)した.【考察】緩和ケアチーム管理栄養士の介入は,食事に関する苦悩を軽減させ,エネルギー摂取量を増加させる一つの要素になる可能性が示唆された.