著者
倉又 朗人 飯塚 和幸 佐々木 公平 輿 公祥 増井 建和 森島 嘉克 後藤 健 熊谷 義直 村上 尚 纐纈 明伯 ワン マンホイ 上村 崇史 東脇 正高 山腰 茂伸
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.130-140, 2015 (Released:2017-05-31)

Gallium Oxide is attracting attention as a new material for optical and electrical applications. It has a large band gap of 4.8 eV. The electron concentration can be controlled in a range between 10^<16> cm^<-3> and 10^<19> cm^<-3>. Large-size bulk crystals can be obtained easily because melt growth is possible under the atmospheric pressure. From these material features, we expect high performance and low production cost of LEDs and high power devices. In this report, we introduce the properties of β-Ga_2O_3 single crystal substrates and the present status of device development.
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
小林 めぐみ 水野 大 吉田 宗平 佐々木 秀策 有末 篤弘 若林 剛
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.267-272, 2014-04-20 (Released:2014-04-20)
参考文献数
16

開腹手術を要した菓子昆布による食餌性イレウスの2 小児例を経験したので報告する.〈症例1〉1 歳11 か月女児.嘔吐と腹痛のため来院.身体所見で脱水を認め,腹部CT で腹水の貯留と広範な小腸の拡張からイレウスと診断した.保存的治療を行うも腹部症状の改善がみられず,開腹手術を行った.手術では広範な小腸の拡張の先端部に鶏卵大の内容物を認め,小切開にて昆布塊を回収した.〈症例2〉14 歳女児.嘔吐と腹痛のため来院.腹部CT でbubbly mass and impaction, small bowel feces sign を認めた.腹膜刺激症状を伴い,絞扼の危険性も危惧されたため緊急手術を行った.手術では回腸末端までの腸管拡張とメッケル憩室を認めた.憩室を切除する際に内容物である昆布を大量に回収した.2 例とも発症前に菓子昆布を食べたことが確認された.食餌性イレウスは,頻度が低いものの小児外科医が周知しておくべき疾患である.
著者
永田 賢二 杉田 靖司 佐々木 岳彦 岡田 真人
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.876-880, 2014-12-05 (Released:2018-09-30)

あらゆる物理学の分野において,実験データから必要な情報を抜き出す作業は日常的に行われることである.特にデータの中から複数のピークを探し出し,その位置や広がりを評価することは,実に多くの場面で重要となる.実験データからピーク位置の情報をフィッティングなどで取り出すこと自体は,グラフソフトなどを使えばそれほど難しいことではない.ところが「いったい何個のピークがあるのか」ということを判断することは難しい.ほとんどの場合,何個のピークがあるかを判断するのは解析者の直感に委ねられる.しかし,時に何個のピークがあるか迷うデータに遭遇することもあるだろう.例えば,右下の図は複数のガウス関数の和にノイズを加えて生成した,人工的な実験データである.果たして何個のピーク(ガウス関数)があるのか,判断できるであろうか.データのみからピークの個数を決定することは,理論的にも難しい問題である.例えば,データとフィッティング関数の差(誤差関数)を最小化してピークの個数を決定しようとすると,ピークの数を増やすことでいくらでも誤差を下げることができてしまう.このようなノイズまでフィットしてしまう「オーバーフィッティング」の問題を避けるためには,誤差関数だけでなく,モデルの複雑さとのトレードオフを兼ね備えた関数を考える必要がある.また同様の問題として,実験データを多項式でフィットする問題を挙げることができる.n点のデータに対して,n-1次の多項式でフィットさせると,誤差なくすべてのデータをフィットさせることができるが,意味のないデータ解析であることは明らかであろう.このような,ピークの個数の決定や多項式の次数の決定の問題は,統計学の分野において「モデル選択」と呼ばれている.モデル選択の問題に対しては,赤池情報量規準やベイズ情報量規準といった情報科学の分野で開発されたモデル選択規準が広く使われており,多項式フィッティングの問題をはじめとして,様々なモデル選択で一定の成功を収めている.しかし,ピーク個数の決定については,モデルに内在する数理的な構造の複雑さにより,これらのモデル選択基準の適用により決定することが困難である.最近になって,ベイズ推定とモンテカルロ法を組み合わせた新しい手法が開発され,ピーク個数の決定に応用されるようになった.この手法は,ベイズ推定で記述される評価関数に現れる量を「分配関数」「自由エネルギー」などに読みかえることで,モンテカルロ法を適用するといった特徴を持っている.本稿では,なるべく専門性の高い内容は避け,ベイズ推定によるモデル選択の枠組みを概説し,実際に「右図は3つのピークが合成されている」と考えるのが最も自然であることを示す.
著者
脇 司 中尾 稔 佐々木 瑞希 髙野 剛史 池澤 広美 宮崎 晋介
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.37-47, 2022-02-28 (Released:2022-03-01)
参考文献数
28

From 2018 to 2021, land snail surveys were carried out from Okinawa to Hokkaido, Japan to find metacercariae of the trematode genus Brachylaima. When metacercariae were obtained from land snails, their morphologies were recorded and partial sequences of mitochondrial DNA (cox1) and nuclear 28S rDNA were determined for DNA barcoding. As a p-distance value of less than 1.8% was considered to be intraspecific variation for cox1 (630 bp) based on the sequences of known species of this genus, the metacercariae obtained in this study were discriminated into five putative species. Two of the five putative species were molecularly identified to two known species, B. lignieuhadrae and B. phaedusae, respectively, whereas the remaining three were treated as unidentified species. It is unknown whether the unidentified metacercariae were larvae of known species without genetic information or new species. Morphological and molecular comparisons of adults are necessary for the taxonomic clarification of these unidentified metacercariae.
著者
坂元(佐々木) 史歩 佐藤 恭子 阿部 雅美 杉本 直樹 米谷 民雄
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.57-63, 1998-06-30 (Released:2017-12-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Turmeric oleoresin is a natural food color used worldwide. Its principal pigment is curcumin, and demethoxycurcumin and bisdemethoxycurcumin are also constituents. In this report, the photo-stability of curcumin reagent, turmeric oleoresin preparations, and a turmeric preparation used as food color was examined and the following results were obtained. 1) Based on the quantity ratios of 3 pigments and the presence of non-coloring constituents, the preparations including a turmeric preparation were divided into 2 categories. 2) It was difficult to detect 3 spots of the pigments by TLC chromatography using a microcrystalline cellulose plate. 3) On photoirradiation, the curcumin reagent was relatively stable in alcohols among various solvents. 4) After the photo-irradiation of curcumin reagent, a cyclisation product of curcumin was detected, as well as decomposed compounds such as vanillic acid. vanillin, and ferulic acid. 5) The photo-stability was not different among the preparations. 6) The photo-decomposed compounds were not detected in any of the preparations.
著者
佐々木 瑞希 石名坂 豪 能勢 峰 浅川 満彦 中尾 稔
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.123-126, 2019

2015年9月北海道斜里町で捕獲されたエゾヒグマを剖検したところ小腸より大型の条虫を検出した。頭節の形態および生殖器の配置から,Dibothriocephalus属と思われた。虫体の一部からDNAを抽出し,核28S ribosomal RNA geneおよびミトコンドリア cytochrome c oxidase geneの一部を解析した。その結果,DNAデータベース上の日本海裂頭条虫のものとほぼ一致し,本種を日本海裂頭条虫と同定した。本症例は,エゾヒグマから検出された条虫を日本海裂頭条虫と同定した初めての報告である。
著者
和久 大介 穴田 美佳 小川 博 安藤 元一 佐々木 剛 Waku Daisuke Mika Anada Hiroshi Ogawa Motokazu Ando Takeshi Sasaki
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.144-150,

ユーラシアカワウソ(Lutra lutra)はユーラシア大陸に広く分布する中型食肉目である。本種には11の亜種がおり,欧州亜種L. l. lutra,東南アジア亜種L. l. barang,中国亜種L. l. chinensis などが国内外の動物園や水族館で飼育されている。欧州の動物園や水族館にはA-line(L. l. lutra)とB-line(L. l. lutraとL. l. barangが交雑した可能性がある系統)という2つのlineが存在し,日本の動物園や水族館にも導入されている。本来は同じ亜種内で繁殖がおこなわれるが,日本では本種の個体数が少ないためA-lineとB-lineで繁殖がおこなわれている。実際にB-lineが東南アジア亜種の遺伝子を持っているか評価がおこなわれ,B-lineとA-lineの間に違いがあることが示された。ただし先行研究では,解析配列が307bpと短いことが問題として上げられる。本研究ではミトコンドリア(mt)DNA Cytochrome bの全長配列(1140bp)をA-line,B-line各1個体,中国亜種2個体から決定し,先行研究で決定されたB-lineの配列を含む4配列を加えて配列比較,系統解析をおこなった。その結果,A-line,B-lineそれぞれが特徴的な変異サイトを示し,系統解析では先行研究と同じようにB-lineは中国亜種とクレイドを形成し,A-lineは欧州亜種独自のクレイドを形成した。よって解析したB-lineのmtDNAは東南アジア亜種に由来する可能性がある。2015年現在,日本のB-line個体は全て本研究で解析したB-lineの子や孫である。亜種間交雑が示唆された国内のB-lineは,本種の繁殖・維持に活用できるが,A-lineや中国亜種の系統維持に活用することはできない。
著者
木村 健二郎 南 英一 本田 雅健 横山 祐之 池田 長生 不破 敬一郎 夏目 晴夫 石森 達二郎 佐々木 行美 酒井 均 水町 邦彦 浅田 正子 阿部 修治 馬淵 久夫 鈴木 康雄 小松 一弘 中田 賢次
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.335-348, 1954-08-15 (Released:2010-01-14)
参考文献数
15
被引用文献数
16 14 13

In order to find the proper method of medical treatment for the afflicted men on board the No.5 Fukuryu Maru on March 1, 1954, it was necessary to know the species and amounts of radioactive elements in the dust of the so-called Bikini Ashes which had fallen on board.At the request of the Hospital of Tokyo University, the authors started analyses on March 18.A combined method of chemical separation with the use of carriers and separation with the use of ion exchange resin was applied;17 nuclides were detected and the results of quantitative estimation of alkaline earth metals were reported on March 31.The main constituent of the ashes was found to be calcium hydroxide and its radioactivity was 0.37mC/g (April 23) which was decayed proportionally to -1.37 power of the time elapsed.The chemical group separation was carried out as shown in Table 3; the second, third(especially rare earth metals)and fifth(alkaline earth metals)analytical groups showed strong radioactivity.By ion exchange method(Fig. 4), the fraction of anions, Zr and Nb fraction, U fraction, the fraction of rare earth metals and the fraction of alkaline earth metals were separated.Furthermore, each constituent of those fractions was estimated quantitatively.In order to confirm the presence of 129mTe, 129Te, 131I, 132I, 103Rn, 106Ru, 106Rh, 95Zr and 95Nb, the chemical method was used.The members of alkaline earth metals, e.g.45Ca, 89Sr, 90Sr, (90Y), 140Ba and (140La), and the members of rare earth metals, e.g.91Y, 141Ce, 143Pr, 144Ce, 144Pr and 147Nd were estimated after the separation with the use of ion exchange resin.The presence of 237U was confirmed from its radioactivity and chemical properties.Also α-tracks of 239Pu.were detected by autoradiograph ic method.Table 6 indicates the summary of the results.
著者
佐々木 真一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.63-67, 2005 (Released:2006-12-27)
参考文献数
7