著者
阿部 響子 吉羽 千裕 佐藤 尚子
出版者
千葉大学国際教育センター
雑誌
国際教育 = International education (ISSN:18819451)
巻号頁・発行日
no.7, pp.69-83, 2014-03

千葉大学では、協定大学である中国・中央民族大学と共同で2013 年3月9日から16 日まで日本語教育学を専攻する人文社会科学研究科博士前期課程1年生2名を対象とした日本語教育専門家養成プログラムを実施した。教育実習における実習生の担当課は『综合日语Ⅰ』第15課であった。教育実習が行われる1年前より「日本語文法教育論」科目において初級日本語教科書の分析等を行い、準備を行った。教育実習期間は実習の他、日本語学科1年生および2年生の日本語科目の授業見学、実習生の企画による日本文化紹介、そして日本語学科の学生と交流を行った。実習前は、直接法による授業を行う事に対する不安もあったが、実習クラスの学生からは新鮮な教え方で学習項目の理解にも役立ったという肯定的な評価を得た。A specialist training program was conducted by Chiba University in collaborationwith Minzu University of China from 9th to 16th March, 2013 for two Chiba Universitymaster's course students who specialize in Japanese language education. During theteaching practice sessions the two teacher trainees were asked to teach Lesson 15 ofSōgō Nihongo I using the direct method to first year students at the Japanese LanguageDepartment at Minzu. Preparation for this program, which was part of master'scoursework in the theory of Japanese grammar education, took one year and includedthe analysis of Japanese language textbooks for beginners. Class observation, interactionwith local students, and introduction of Japanese culture complemented the teachingpractice. Teaching sessions received a positive class evaluation dispelling the trainees'earlier uncertainty about using the direct method.
著者
佐藤 尚親 井内 浩幸 竹田 芳彦
出版者
北海道立農業試験場
雑誌
北海道立農業試験場集報 (ISSN:04410807)
巻号頁・発行日
no.82, pp.57-66, 2002-03
被引用文献数
2

ペレニアルライグラス「ポコロ」は「ヤツガネ」、「フレンド」、「Tetraploid Haytype」および「Agresso」に由来する5栄養系からなる合成品種で、1972年から1998年にかけて、北海道立天北農業試験場で育成された。1995年から1998年にかけて、主に「フレンド」を標準品種として用いて各種試験を実施し、1999年2月にペレニアルライグラス北海道合第1号として北海道優良品種に登録され、2000年2月に品種登録の出願が受理された。「ポコロ」は4倍体の晩生品種で、出穂始日は中生の「ファントム」より2から3日遅く、晩生の「フレンド」より4から5日早い。「フレンド」に比べ、茎葉収量は勝り、永続性および越冬性はやや勝る。早春の生育が良好で、「フレンド」より早い入牧開始により、放牧期間延長に貢献することが期待される。また、シロクローバとの混播適性に優れる。「ポコロ」の栽培適地は北海道北部、中央部および南部で、利用目的は放牧利用とするが1番草は採草できる。
著者
近藤 愛子 佐藤 尚弘
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.452-457, 2007 (Released:2007-10-01)
参考文献数
15

0.1 M NaCl 水溶液中,pH=7,タンパク質濃度が約 10-3 g/cm3 の条件で,球状タンパク質である β-lactoglobulin(β-LG)を 75℃ で熱変性させた後に冷却させて形成される会合体の構造を,円二色性,粘度,および多角度光散乱検出器を有するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS)により調べた.円二色性測定の結果は,この熱変性タンパク質が冷却しても元の天然状態の二次構造には戻らないこと,そして粘度測定の結果は,このタンパク質が熱変性によりランダムコイル状の形態をとり,冷却により小さく収縮した形態をとることを示した.さらに SEC-MALS により,熱変性後に冷却して形成された β-LG の会合体に関して次の結果を得た:(1)β-LG の会合体は大小 2 種類に大別できる;(2)「小会合体」は平均して 5 個の β-LG 分子から形成され,各 β-LG 分子は天然状態に近いコンパクトな形態をとっている;(3)「大会合体」は 100 以上の β-LG 分子の集合体であり,その高モル質量域での回転半径のモル質量依存性は,分岐鎖状の接触ビードモデルにより説明できる.
著者
門脇 晋 尾形 敏郎 五十嵐 清美 野田 大地 井上 昭彦 池田 憲政 佐藤 尚文
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.183-191, 2014-05-01 (Released:2014-06-27)
参考文献数
1

現在わが国は高齢化が急激に進むと同時に, 高齢患者が増加している. 高齢者を若年者と同様に検査・治療することで思わぬ合併症に見舞われる可能性がある. 当科では罹患前のADL, 認知症の有無, 疾患の重症度, 家族背景などを総合的に考慮した上で, 症状緩和を中心とした医療を提供し, 場合によっては看取りまで支援しており, このような概念をシルバーケアと呼称している. シルバーケアを実践した症例を通して当科の医療哲学を提示し, 超高齢化社会を迎えるにあたり, 今後のわが国の高齢者医療のあり方について提言したい.
著者
小野 光徳 佐藤 孝雄 黒河 忠市 杉谷 成美 佐藤 尚也 入江 春雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.27-31, 1969-04-25 (Released:2011-08-11)

Photographic sensitive layer should produce sufficient density with the least layer thickness. In order to satisf y this demand, gelatin must retain as much silver halide as possible dispersed in the emulsion. The limit of silver halide, dispersed colloidally without sedimentation, in a given quantity of gelatin may vary with gelatins.The authors propose “colloidal retentivity” as a measure of this protective colloid power of gelatin against silver halide in the photographic emulsion. Colloidal retentivity is so defined as to show 100% when emulsion grains are well dispersed without sedimentation, while the more sedimentation, the les colloidal retentivity.Two methods of the measurment of colloidal retentivity are introduced.Colloidal retentivity as depending on the ripening temperature, rotation speed of a stirrer, silverhalidegelatin ratio and gelatin characteristics are studied.Colloidal retentivity brings different information about the ripening as compared with the turbidity measurment. Colloidal retentivity during the ripening passes maximum and minimum points while turbidity increases monotonously.The graingrowth mechanism is discussed on these results.
著者
佐藤尚 内部 英治 銅谷 賢治
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG19(TOM19), pp.55-67, 2007-12-15

コミュニケーションの原型は,個体が環境や他の個体との相互作用において,報酬の獲得や適応度の向上に寄与する形で発現したと考えられる.本研究では,報酬最大化を目的とする強化学習エージェントが,余剰な行動と感覚の自由度をコミュニケーショのために使うことを学習できるための条件を,2個体が互いに相手の縄張りに入ると報酬を得るが衝突すると罰を受けるというゲームにより検証した.このゲームでは,コミュニケーションと協調行動のそれぞれが必須ではないが,発光行動を使えるエージェント間では,互いにその光を信号として利用することで衝突を避け,報酬を獲得し合う協調行動の創発が観察された.信号の表現の仕方には多様性が見られ,また作業記憶を持つエージェント間では,信号を送る側とそれに従う側という役割分化も見られた.これは,コミュニケーションと協調行動が必須ではない状況において,意味と信号の任意の対応付けによるコミュニケーションが,コミュニケーションの達成そのものを目的としなくても一般的な行動学習の枠組みにより創発しうることを示す初めての知見である.
著者
鈴木 英二 中挾 知延子 近藤 邦雄 佐藤 尚 島田 静雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.61-62, 1996-03-06
被引用文献数
2

本研究の目的は、漢字1字単位の電子化漢字シソーラスを構築し、それを日本語文章の語句解析へ利用することである。従来の日本語電子化シソーラスは、名詞を中心に単語別に分類したものが多い。人間の大人の平均的な語彙数は約4万語であり、大量の新語が毎年生ずることを合わせて考えてみると、そのシソーラスのサイズは莫大なものとなる。そこで、我々は日本語の単語を構成する文字、特に漢字に注目した。漢字は表意文字であり、1字のみで最小の単語の役目を持っている。通常、文章で使われる漢字の総数はJIS第1水準で約3000字であり、これは英米語の基本単語数とほぼ一致する。同時に漢字は、日本語文章において仮名と組み合わせることによって、名詞・用言などの自立語を構成できる柔軟性がある。さらに、漢字には訓読みが与えられており、和語として日本語の語彙を広範に表現できる。その漢字の造語能力の高さが、大量の新語が生ずる原因ともなっているが、新しい漢字の発生とその利用の固定は滅多に起きず、安定した語の集合を保っている。この理由は、漢字の使い方に名詞・動詞・形容詞・副詞など、品詞別の用途に規則があるからである。漢字の有するこれらの特長を利用できれば、日本語文章の解析に役立つと我々は考えた。また、外国人への日本語教育、とりわけ漢字を教育する時の利用も考慮している。漢字1文字に複数の読み方が与えられており、それが外国人が漢字を学習するに当たって困難さを増している。読み方が解らないために、辞書を引くこともままならないという事態が発生する。そのため、漢字仮名混じり文から読みだけでも解れば、有用なものとなると我々は考えた。以下、第2章で今回構築した漢字シソーラスの概要を示し、第3章でそれを日本語文章の語句解析へ利用したものの一例を述べる。最後にまとめを第4章として示す。
著者
野田 大地 佐藤 尚文 尾形 敏郎 五十嵐 清美 井上 昭彦 良永 康雄 茜部 久美 飯島 広和 前原 康延
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.221-227, 2008-05-01
被引用文献数
1 1

子宮広間膜異常裂孔ヘルニア2例を経験した.【症例1】51歳女性.14歳時,虫垂切除.上腹部痛,嘔気出現し近医受診.症状改善せず,第3病日に当院紹介受診.腹部膨満し腹部全体に圧痛を認めたが反跳痛や筋性防御なし.CT,USで拡張した小腸を認めたが腹水なし.イレウス管を挿入し第4病日に造形した.右骨盤内で小腸の完全閉塞を認め手術適応と判断した.右の子宮広間膜に約1.5cmの裂孔があり,回腸が約20cm陥入,壊死していた.小腸切除と裂孔閉鎖を行い,術後15日目に退院.【症例2】53歳女性.開腹歴なし.朝から腹部違和感,気分不快あり.症状改善せず夕方当院受診.腹部全体の膨隆を認めたが自発痛,圧痛,嘔気なし.CTで拡張した小腸と軽度の腹水を認めた.保存的に経過をみたが嘔吐を繰り返したため第2病日にCT再検.小腸拡張の悪化,腹水増加を認めたため緊急手術を行った.左の子宮広間膜に約2cmの裂孔を認めそこへ回腸が約5cm陥入していた.用手的に整復し,裂孔閉鎖した.術後9日目に退院.
著者
藤崎 洋子 島瀬 初美 五十嵐 隆夫 山田 康子 小林 收 佐藤 尚
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.668-677,692, 1976
被引用文献数
3

マツ花粉飛散の多い新潟市に約20年間居住した後発症したマツ属花粉症の2症例を報告した.2症例はマツ属のほかイネ科, ヨモギ属の複合感作をうけているが, 毎年マツ飛散期に一致した4月より6(7)月まで眼, 鼻症状がおこり, クロマツ, アカマツが主要抗原であると診断し, 各花粉液による減感作両療法で著効をえたものである.症例1の皮内反応はクロマツ10^<-3>液でlateの反応を示し, 症例2の皮内反応陽性閾値はアカマツ10^<-5>であった.症例1のP-K反応は8時間後に最大となる皮膚反応を示し, 症例2のP-K反応は陽性であった.2症例ともマツによる鼻粘膜試験は陽性, 結膜試験は陰性であった.新潟市におけるマツ属花粉飛散期間は4月ないし6(7)月で, 5月初旬に最高飛散となる.新潟県内居住の小児気管支喘息患者について皮内反応を行い, クロマツ1.6%, アカマツ1.7%の陽性率をえた.また両者の共通抗原性は特に認められなかった.これらの結果から, マツ属花粉は抗原性が弱いとはいえわが国における花粉症抗原の1つとして検索をすすめるべきものと考えられる.
著者
佐藤 尚也
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.241-242, 1978

衆議院選挙, 参議院選挙の選挙速報は, 放送局にとって大イベントである. ここではフジテレビジョンにおける両院選の速報番組の実状がどのようなものであるかを, プロセッシングを中心に概略を報告する.
著者
佐藤 尚 小形 哲也 川嶋 貴之 井上 喜彦 川上 彰二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.248, pp.1-5, 2006-09-08

フォトニック結晶とは,人工的に形成した微細な周期構造体からなる新しい光学材料である.自己クローニング法は生産性・再現性の優れた独自のフォトニック結晶製造技術である.さらに異なる特性のフォトニック結晶の集積化が容易であり,フォトニック結晶の産業応用を可能にするキーテクノロジーとなっている.現在は光記録、イメージング、ディスプレイを始め光計測,光通信など光産業への幅広い応用展開を進めている.
著者
佐藤 尚毅 高橋 正明
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1199-1220, 1999-12-25
被引用文献数
3

関東平野では、夏の晴れた日の午後に積雲対流が生じる。雲量データを調べることによって、ある日の午後の雲量と次の日の午後の雲量は独立ではないことが分かった。雲量が少なかった日の次の日には、雲量が多くなりやすく、雲量が多かった日の次の日には、雲量が少なくなりやすいのである。したがって、関東平野が亜熱帯高気圧に覆われていて、天候が安定している場合には、「晴れた日の次の日は晴れにくい」と言えよう。 この日々変化は、2次元の数値実験によって再現された。海陸風に対応した1日周期の境界条件を与えたにもかかわらず、積雲対流の強い日と弱い日が準周期的に現れた。数値実験の結果を調べることによって、この日々変化は、下層での温位や水蒸気混合比の鉛直分布の違いによって生じていることが分かった。積雲対流の日々変化には、より積雲対流に適した条件を与えると、より強い対流が生じ、その結果、次の日には積雲対流が生じにくい条件になってしまうという、「過剰調節」の効果が本質的に重要である。 さらに、これらの鉛直分布の違いを高層気象観測データと比較して、数値実験の結果を確かめた。温位の鉛直分布の違いは統計的には十分に有意とは言えないが、これらの鉛直分布の違いは、高層気象観測データに見られる違いと定性的に一致した。
著者
加藤 孝明 小林 三昭 佐藤 尚秀 四柳 照義
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.377-380, 2010-07-01 (Released:2010-11-25)
参考文献数
3

災害対応及び復旧の任を負う指定公共機関が円滑な防災業務を実現するためには,被災の実情報,防災計画に関わる情報,他組織の活動状況の把握が不可欠である.法律上,自治体の災害対策本部で情報共有を図ることとになっているものの,本部の情報収集・分析能力の限界により,各組織が独自に収集・分析しているのが実態である.各組織が必要とする情報を共有するしくみがあれば,迅速かつ効果的な防災業務を実現することができる.本速報では,この問題に対応するしくみとして開発中の「防災情報マッシュアップシステム」について報告する.[本要旨はPDFには含まれない]