著者
江口 晴輝 平野 敏行 佐藤 文俊
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.769-773, 2019-07-01 (Released:2019-07-31)
参考文献数
21

本研究では複雑なタンパク質カノニカル分子軌道を雲状表示により効果的に可視化する方法を提案した.棄却法による軌道の値に応じた密度の点描を行い,タンパク質の巨大分子軌道を雲状に表現することに成功した.また擬等値面表示を開発し,また点座標の値に応じた配色を行うことで折り重なる等値面の内部構造を可視化した.本方法では表示する分子軌道の値に幅を持たせることが可能であるため,軌道の分布を情報の抜け落ちが少ない状態で可視化することができ,タンパク質の複雑な軌道の分析に適していると考えられる.
著者
渡邉 圭太 西野 勝 神頭 武嗣 内橋 嘉一 佐藤 文生 有井 雅幸
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.7-12, 2020 (Released:2020-03-31)
参考文献数
21

促成作型トマト‘ハウス桃太郎’および‘レッドオーレ’の病害抵抗性誘導と生育収量の確保を目的にUV-Bを2.30~12.56 μW・cm–2の放射照度で毎日23時から2時まで連続照射した.その結果,両品種とも植物体に縮葉症状を呈し,茎葉における乾物率の増加および日焼け果の発生が認められたが,開花,着果および収量への影響は認められなかった.またUV-B照射により果実の糖度が上昇し,酸度が低下することが明らかとなった.果実の着色およびリコピン含有量にはUV-B照射の影響は認められなかった.

1 0 0 0 OA 10. 録画機器

著者
佐藤 文彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.274-278, 1960-06-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
32
著者
古株 靖久 加藤 伸彦 佐藤 文彦
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.443, 2006 (Released:2006-12-27)

オウレン(Coptis japonica)が生合成するベルベリンは抗菌活性等をもつ有用イソキノリンアルカロイドである。当研究室で確立されたオウレン培養細胞はベルベリン生合成活性が高く、かつその生合成酵素遺伝子のほとんどが単離されていることからアルカロイド生合成系のよい研究モデルである。本研究では同細胞を用いてベルベリン生合成系の転写制御因子の単離と機能解析を試みたので報告する。まず同生合成系に関与する転写因子の単離を目的に高生産選抜株のEST約5000クローンを配列決定し、これらの配列からBLASTx検索により約50の転写因子相同配列を見出した。相同性等をもとに27クローンを選抜し、その転写調節活性を一過的RNAi法(BBB 69:63,2005)により解析した。候補遺伝子配列特異的に作製した二本鎖RNAをオウレンプロトプラストへ導入し、3日間培養後に生合成酵素6OMTの転写産物量を定量することにより解析した。その結果、clone#48の発現抑制に伴って6OMTのmRNAが劇的に低下するという結果を得た。他の生合成遺伝子の発現量を測定した結果、測定した8の遺伝子全てで低下を認めた。一方actinや一次代謝系GAPDH、Chorismate mutaseへの影響は認められなかった。clone#48にはbHLHの保存配列が存在し、CjbHLH1と名付けた。CjbHLH1によりベルベリン生合成系が特異的かつ包括的に制御されていることが示唆されたことより、現在、安定形質転換体を作成し、その機能の解析を進めている。
著者
小林 英子 佐藤 文子 鮎沢 千尋
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.311-318, 1968-08-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
9

高度さらし粉 (200倍) とホルマリン (2%) とを混合した場合の消毒効果が, 単独使用よりもとくに勝ることのない理由についての考察の一つとして, 混合後の有効塩素量およびpHの消長の観点から検討した。(1) 現在, 市販されている高度さらし粉剤としてのクロール石灰, クライト, 養蚕ライト, テトライトおよびクラチンの有効塩素量はいずれも58~64%であって, 無蓋のまま室温 (約23℃) に放置しても42時間以内ではその値は変らなかった。(2) 終末濃度をそれぞれ200倍および2%となるようにクロール石灰とホルマリンとを混合する方法を変えても, いずれも, 混合後有効塩素は速かに激減し, pH値も同じく速やかに低下した。(3) クロール石灰液に重曹あるいは塩酸を混合した場合, 有効塩素量は12時間経過頃より漸減し6時間で8.5程度まで低下した。(4) クロール石灰液を保存する場合, 密栓しても開放しても, 温度が10および20℃では有効塩素量は変らないが, 30℃では開放すると24時間頃より低下の傾向が見られた。(5) クライトとホルマリンとの混合液 (200倍と4%, 400倍と2%, 800倍と1%) の各液に蚕の細胞質多角体を20時間浸漬しても多角体の溶解は認められなかった。以上の結果から, 上記の方法による混合を行なった場合, 高度さらし粉に由来する有効成分は減少すること, 同時に生起するであろうホルムアルデヒドの消費を考えると混合液の消毒効果が単独使用よりもとくに勝る理由は見当らない。
著者
佐藤文衛 綱川秀夫著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2018
著者
三澤 崇弘 田倉 哲也 佐藤 文博 佐藤 忠邦 松木 英敏
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
Journal of the Magnetics Society of Japan (ISSN:18822924)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3-1, pp.89-94, 2013-05-01 (Released:2013-05-23)
参考文献数
6

Many engineers have recently been developing battery chargers that have employed contactless power transmission techniques for consumer products. These have contributed to improving the convenience of charging batteries. We investigated methods of electromagnetic induction for transmission from several different types. The efficiency of power transmission was dependent on the quality factors of two coils and the coupling coefficient between them. Previous reports indicated that copper clad aluminum wire (CCAW) and magnetic-plated wire (MPW) can improve quality factors. We need to select these materials appropriately according to our individual needs in order to achieve highly efficient power transmission systems. Therefore, we examined the performance of three materials for power transmission coils in this research and found a method of selecting materials to construct a highly efficient system of transmission with a broad range of coupling coefficients.
著者
江田 真毅 小池 裕子 佐藤 文男 樋口 広芳
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.57-64, 2011-09-30 (Released:2013-09-30)
参考文献数
15
被引用文献数
4 7

アホウドリ Diomedea albatrus は伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島の南小島や北小島で繁殖する危急種の海鳥である。1979年以降,鳥島で生まれたほとんどの個体が両脚に標識をされているにもかかわらず,1996年以降,鳥島の初寝崎において未標識の1個体が観察されている。2005年度の繁殖期まで,アホウドリ誘致用に設置された特定のデコイのそばに毎年巣をつくったこの鳥は,デコイにちなんで「デコちゃん」と呼ばれている。若鳥のうちに標識が両脚から外れることは考えにくいため,この鳥は尖閣諸島で生まれた個体であると考えられてきた。近年の私たちのミトコンドリアDNAの制御領域2を用いた研究によって,アホウドリには2つの系統的に離れた集団(クレード1とクレード2)が含まれていたこと,尖閣諸島で採集された資料はクレード2の個体からなること,鳥島で生まれた個体の多くがクレード1に属することが示唆されている。この鳥の巣で羽毛を採取して解析した結果,この鳥の制御領域2の配列は,これまでに知られていた配列とは異なるものの,クレード2に属することが明らかになった。このことは,デコちゃんの出生地が鳥島ではなく,尖閣諸島であることを支持するものである。デコちゃんは鳥島で生まれた個体とつがいを形成し,2009年度の繁殖期までに2羽の雛を巣立たせている。しかし,2つの系統が交配しているかどうかを判断するためには,両性遺伝する遺伝子マーカーによる研究が必要である。
著者
山﨑 有人 中村 保宏 佐藤 文俊 笹野 公伸
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.232-239, 2018 (Released:2019-02-15)
参考文献数
20

副腎皮質癌,褐色細胞腫は副腎に発生する悪性腫瘍であり,専門性の高い診療,病理診断が求められる領域である。WHO分類2017の刊行により,副腎皮質癌では好酸性細胞型亜型,肉腫様亜型,粘液型亜型の3つが新たな組織亜型分類として認識されるようになり,褐色細胞腫では全ての症例において悪性のポテンシャルを有する腫瘍と定義付けられた。それに加え,副腎皮質癌ではENSATの診療ガイドライン(2018)が改訂され,診療方針の変遷が注目されている。近年,副腎腫瘍の領域においても病態発生に関与する遺伝子変異が数多く報告されてきているが,副腎皮質癌では治療標的因子や予後因子となるような遺伝子異常は未解明なままである。一方,褐色細胞腫ではここ数年で,病態に関与する遺伝子異常が数多く発見され,genotypingの重要性が注目されてきている。本稿では,副腎皮質癌と褐色細胞腫・傍神経節腫に焦点を当てて,両疾患における病理・病因の最新の知見を概説する。
著者
佐藤 文子
出版者
駒澤大学北海道教養部
雑誌
駒澤大學北海道教養部論集 (ISSN:09136509)
巻号頁・発行日
no.12, pp.13-22, 1997-10

Graham Greene (1904〜1991)のBrighton Rock (1938)は,1939年に出版された長編で,いわゆる宗教的テーマを持つ作者の代表作の1つに数えられている。Greeneの作品は,元来novelとentertainmetntに分けられていたのであって,この作品は初めは娯楽作品としてラベルがはられていたのであったが,後にGreene自身によって,その文学的卓越性のために,novelのジャンルに分類されたのである。つまり,novelであり且つentertainmentであるという風に,2つの要素を兼ねそなえた作品である。さて,この作品の題名Brightonというのは,イギリスのSussex州の都市であり,その観光地で売っている棒飴をbrighton rockと言っている。この飴は,どこを折っても'Brighton'という文字が出て来る,いわゆる日本の金太郎飴に当たる観光地の名物である。このようなチャーミングな題名を持ちながら,この作品の内容は実に暗黒そのものの,殺人犯の少年,いわばやくざまがいの世界を描いた作品である。この小論では,Greeneが何故このような「悪」の世界を描くのかという事を考えながら,この作品に於ける宗教的テーマ,いわゆる「癩者への接吻」のテーマを解明するためにRoseの役割を考察していきたいと思う。
著者
湯川 英宜 平野 敏行 西村 康幸 佐藤 文俊
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.103-110, 2009 (Released:2009-04-14)
参考文献数
14

タンパク質の構造や機能を解析する上で, 長距離で働く静電相互作用は極めて重要な力の一つである.近年, タンパク質の全電子波動関数が計算できるようになり, これから正確な静電ポテンシャルを見積もることができるようになった.しかし, そのポスト処理コストは非常に高価であり, 計算は長時間を要する.本研究では, 新たにGPUによる処理プログラムを開発し, 量子化学計算に基づく静電ポテンシャル計算を大幅に高速化することに成功した.51残基のインスリンの場合, CPUによる計算では16時間かかったが, GPU (Tesla C870)では12分で完了した.計算時間が79倍短縮されたことになる.これはGPUのピーク性能の63%に相当する.
著者
金丸 裕之 松岡 恭二 中村 進 広瀬 謙次 佐藤 文明 玉ノ井 宗誠 平塚 保正
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
西日本畜産学会報 (ISSN:09143459)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.57-60, 1994-07-20 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4

黒毛和種×ホルスタイン種 (以下F1と記す) 雌牛を10頭導入し2産取り肥育を前提にF1雌牛による泌乳能力についてホルスタイン種と同様の飼養管理のもとに試験を実施した。分娩後はNRC飼料標準 (1978版) に従い粗飼料としてトウモロコシサイレージおよびイタリアンサイレージをベースに混合飼料 (以下TMRと記す) を朝, 夕の2回給与した。乳質検査は1ケ月に1回の割合で行った。結果は次の通りである。1.初産次の8頭の平均乳量は1522.5kg, 最も多かったのは, 搾乳日数244日で3475.0kgであった。乳質の平均は乳脂肪率4.12%, 乳蛋白質率3.45%, 乳糖率4.81%, 無脂固形分率9.33%であった。2.2産次の平均乳量は2063.2kgで最も多かったのは搾乳日数391日で6149.5kg, 乳質の平均は乳脂肪率4.48%, 乳蛋白質率3.34%, 乳糖率4.62%, 無脂固形分率9.07%と大分県牛乳取引基準よりも高い値を示した。3.搾乳量1000kgを基準に群分けすると, 低乳量群は初産次3頭, 2産次3頭, 高乳量群は初産次5頭, 2産次6頭であった。低乳量群の初産次3頭の平均は搾乳日数55.3日, 総乳量410.5kg, 1日当たりの乳量7.1kgで, 2産次3頭の平均は搾乳日数30.3日, 総乳量278.2kg, 1日当たりの乳量8.5kgであった。これに対して, 高乳量群の初産次5頭の平均は搾乳日数179.0日, 総乳量2189.7kg, 1日当たりの乳量11.7kgで。2産次6頭の平均は搾乳日数207.8日, 総乳量2955.7kg, 1日当たりの搾乳量13.9kgであった。
著者
森田 彰久 倉石 迪夫 近藤 欣也 佐藤 文夫 冨士野 司朗
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
石油学会誌 (ISSN:05824664)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.778-782, 1968-10-25 (Released:2009-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

We are making a research on the catalytic steam reforming of various materials ranging from light hydrocarbons to heavier oils at low and high temperatures. Our research covered a study of the catalytic steam reforming of kerosene and pure hydrocarbons, very little study of which has been made thus far. The following results have been obtained from this study concerning the effect of various reaction conditions on gasification of kerosene at a low temperature.Atmospheric pressure: When pressure is increased to as high as 3kg/cm2•G, the rate of gasification becomes higher than that at atmospheric pressure. However, there is hardly any change noticed in the rate of gasification at pressures over 3kg/cm2•G.Liquid space velocity: The rate of gasification increases as high as 100 per cent at any liquid space velocity below 1.0; but it decreases with an increase in the liquid space velocity over 1.0.Steam/carbon ratio: The rate of gasification shows no change at any steam/carbon ratio up to 3.0; but it decreases with an increase in the ratio over 3.0.Temperature: With a rise in temperature, the rate of gasification increases sharply.Materials: Paraffinic hydrocarbon is most easily gasified, while aromatic hydrocarbon is the hardest to gasify. Petroleum is gasified at a moderate speed. A gaschromatographic analysis shows that the composition of unreacted hydrocarbon is the same as that of materials used.In all cases of the above test, no carbon has been separated from the catalysts.