著者
今井 功 佐藤 文明 勝山 光太郎 水野 忠則
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.83(1991-DPS-052), pp.147-152, 1991-09-24

我々は,並行オブジェクト指向言語superC^2の開発を行なった.これは,複数の計算機がネットワークによって接続されている分散環境上で,作動するアプリケーション・ソフトウェアの開発を行なうために言語レベルで提供したものである.superC^2では従来,通信ソフトウェア用に開発したオブジェクト指向言語superCの性質を完全に受け継ぎ,更に並行処理動作を可能としている.本論文では,superC^2の設計構想とシステムの実現方式について報告するとともに,分散システムに発生する問題を解決するアルゴリズムの設計をもとに実用的な面からの評価について論じている.
著者
清水 史子 伊藤 ひとみ 佐藤 文香 小川 睦美
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.782, pp.75-79, 2005-12-01

米飯中のRSがヒトの栄養に及ぼす影響について検討する第一歩として,5種類の炊飯器を用いて米飯中のRS量の比較を行った。米飯のRSはパンのそれよりも高い値を示した。米飯中のRS量は炊飯器の加熱,加圧特性によって影響を受け,変化することが明らかとなった。IH式炊飯器のように高温を維持できるもの,釜肌からの加熱だけではなく,炊き上がった米飯表面にも高温スチームによる加温ができるもの,さらに加圧の場合には1.6気圧よりも1.2気圧のものでRS量が小さかった。これらの条件はまた,24時間冷蔵保存した場合にもRS量の変化が小さかった。以上のことから,炊飯器の加熱,加圧特性の違いによって,米飯中のRS量に差が生じることが明らかとなった。
著者
高瀬 圭 太田 信 森本 玲 清治 和将 佐藤 文俊 芳賀 洋一 山内 清 佐藤 美帆
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

3DCTデータを基に、実際のカテーテル手技訓練の実用に耐える副腎内静脈分枝を含んだ実物大副腎静脈血管モデルが作成された。バイポーラーラジオ波焼灼針では、10-25mmの副腎腺腫は、3通りの穿刺パターンにて完全焼灼可能であることと、脂肪組織介在下での周辺臓器安全性が示された。IVR臨床治療を施行し、主要評価項目である血中および蓄尿中アルドステロンを正常化が得られ、研究当初の臨床応用目標が達成された。モデル解析にて医療経済的にも有利であるとの結果を得た。
著者
佐藤 文昭
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.586, pp.73-79, 2004

1.はじめに 今日の都市計画において、行政やプランナーなどの専門家だけではなく、市民との協働により計画を推進することが重要である。しかし、市民と専門家の並列的な関係により、計画が人々のニーズを十分に満たすことができない中で、その過程において個人の意見をどのように反映することができるかが、ひとつの大きな課題となる。本論では、都市計画における市民参加の原点となる近代都市計画家パトリック ゲディス(1854-1932)の理論である「生命の表記」に焦点を当て、その中における市民参加の位置づけを明らかにする。また、ゲディスの考え方を継承した都市計画家であるアーサー グリクソンの理論との比較を通して、近代からポスト近代の計画論において、個人と計画者が引き離されてきた過程について検証する。さらに、現代の都市計画が抱える問題を踏まえ、近代のゲディス理論が今日においで期待される役割とその可能性について検証する。なお、個人と計画者との関係を検討するための基盤として「近代化理論」と「従属理論」を用いて分析を行う。2.パトリック ゲディスの「生命の表記」 ゲディスは、1905年に「生命の表記」と呼ばれる思考機械を発表している。それは、生命の発展過程を示す4つの概念:「行為」(科学に基づく人間の活動の把握)、「事実」(日々の生活における「場所」の個人的な認識)、「夢」(個々の認識を超えた、人々が共感できる世界の構築)、「業績」(「夢」に基づく新たな世界の構築)によって構成される。「事実」では、都市の中での人々の活動を捉えるため、彼は「場所」(地理学)、「仕事」(経済学)、「人」(人類学)を社会学の基礎的概念として位置づけている。それ以降の「事実」「夢」「業績」は、これら3つとその組み合わせによるダイアグラムが徐々に発展していく過程を示している。さらに、この4段階の概念を1サイクルとする過程を繰り返すことにより、都市が進化しながらひとつのゴールへと収束していく。「生命の表記」の中でゲディスが思い描いていたものは、個人による場所の認識から政治的な議論までの道筋を構築することであったと言える。彼は、個人が地域に興味を持ち参加する市民となるよう、感情面での動機付けを行うと同時に、市民を新たな都市づくりを実現するための原動力として、重要な役割を担うよう位置づけていることが分かる。それは、市民とプランナーが、人間と自然との調和という社会が目指すべき共通の目標を抱き、言わば同一の社会観を有していることを前提としている。3.アーサー グリクソンのゲディス理論の解釈 ゲディス以後、生命の表記は、都市計画家であるアーサー グリクソンの理論の中に引用されている。1953年に発表した著書である『地域計画と開発』の中で、彼は独自の地域計画プロセスの枠組みを示している。彼の理論は、ゲディスが定義した4段階の概念のうち、一番初めの「行為」、つまり科学による人間活動の把握のみを用いている。それを含む計画過程として4つのステージ:自然科学の視点による「基本的過去」、社会科学の視点による「歴史的過去」と、それらの統合による「現在の文化的景観」、さらにそれが導き出す「計画的行動を設定している。ゲディスの「場所-仕事-人」は、社会科学の視点による「歴史的過去」として位置づけられており、より基礁的な学問としての自然科学による視点とあわせて、地域の現状を把握しようとしている点では、実証主義に基づくゲディスの理論と共通すると考えられる。しかしながら、ゲディスの生命の表記とグリクソンによる新たなアクションとしての都市計画プロセスとの相違点は、前者が、「行為」、「事実」、「夢」、「業績」からまた「行為」へと戻る循環するプロセスとして記述されているのに対して、後者は、「計画的行動」で終わる1サイクルとして表現されていることである。また、ゲディスの「行為」とグリクソンの「歴史的過去」の過程における「場所」、「仕事」、「人」を比較した場合、グリクソンの定義が、より詳細な専門的調査に基づく科学的データを重視しでいる。4.「近代化理論」としての生命の表記 今日の社会において、プランナーと市民の並列的な関係に基づく計画は、必ずしも人々のニーズを満たすことを保証しているとは限らない。ゲディス以後の都市計画のモデルでは、プランナーと市民の並列した位置づけと視点が明確に示されており、今日の計画理論にも共通して見られることが分かる。ゲディス理論の継承者であるグリクソンが描いた人と自然との調和に基づく地域づくりのプロセスでも、積極的に自らの生活の場を改善しようとする市民の力に依存することはなく、住民は、専門家としてのプランナーの意思決定に消極的に従うものとして位置づけられてしまった。ゲディスが「事実」の中で示した「感覚」、「経験」、「感情」といった日常の言認こよる地域の認識は、すべて専門のプランナーによる技術的な言語による地域の把握に吸収されている。このことは、ゼネラリストとしてのゲディスの理論がスペシャリストによる計画に移行する過程を示す一つの根拠として捉えることが出来る。今日、ゲディスの理論が過小評価されている理由として、市民プランナーの並列的な関係から捉えることができる。都市計画家ジョン・アボットは、近代からポスト近代に至る計画論を、「近代化理論」と「従属理論」として整理している。「近代化理論」では、その主たる目的を経済的、社会的発展と位置づけ、市民はその目的達成のために計画に参加するように位置づけられている。この視点に基づいた場合、ゲディスの理論は、人と自然との調和を目指すことをすべての個人にとっての共通の目的であると前提とすることにより、「行為」から「事実」の過程において、調査に基づく客観的な地域の把握と個人の知覚、経験、感情による主観的な地域の理解とが同一であると考えられており、それが「夢」としての新たな計画を導き出している。しかしながら、この問題点は、仮にこれら2つの認識に差異が生じた場合には、専門性とそれに基づく技術的言語が日常言語による主観的な認識を軽視する傾向にあること、またこうした専門性は、必ずしも複数の異なる住民の地域間のずれを調整する機能を持っていないことである。したがって、現代におけるゲディスの理論は、2つの問題を示していると言える。ひとつは、すべての人々が共有できる都市の姿が存在することを前提とすることはもはや出来ないということ、もうひとつは、プランナーが持つ専門的言語の優位性が、市民を都市計画から遠ざけていることである。5.結論:今日におけるゲディス理論の再評価 「近代化理論」としてのゲディスの理論が目指すプランナーと市民との同一の社会観の構築は、もはや今日の都市計画理論として応用できるものではない。しかしながら、彼が唱える「生命の表記」は、プランナーの価値観のみに依存することなく、個人が地域に対する自らの価値観を構築するための、個人の発展プロセスとして捉えることは可能である。このゲディス理論の解釈は、地域の経済的発展を第一の目的として置かず、その代わりに地域住民の異なる価値観や利益追求が共存できるように地域社会のエンパワーメントを推進し、個人のニーズを満たすための理論として定義することができると考える。このことにより、今日の都市計画の枠組みを、専門家による客観的態度と個人の主観的な自己表示的態度から捉え、その中で、ゲディスの「生命の表記」を、個人が自ら快適な生活の場、仕事の場を追求するためのひとつの手法として位置づけることが可能となる。さらに、より包括的な意味における都市計画には、これら2つの態度とそれぞれの価値規範を超えた公共圏の構築が必要であり、その中で両者の具体的な合意形成を行うことが求められる。
著者
佐藤 文子
出版者
仏教史学会
雑誌
仏教史学研究 (ISSN:02886472)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.22-48, 2001-11
著者
佐藤 文平 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本運動・スポーツ科学学会
雑誌
運動とスポーツの科学 (ISSN:13421026)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.85-92, 2020-03-20 (Released:2022-12-15)
参考文献数
13

A skilled service is important for an effective tennis match. There are primarily three types of tennis service styles: a flat service, a slice service, and a kick service. There is a trade-off between the speed at which a tennis ball is served and its RPM. Studies indicate that a high-quality kick service or slice service requires hitting the ball at a high speed with a rapid spin. Japanese top tennis players including Kei Nishikori have ascended to the top of the rankings at the ATP World Tour tournaments, but no study has quantified the speed and spin rate of tennis balls served by Japanese top-ranked professional male tennis players (Pro group), top university male tennis players (UT group), and top junior male tennis players (JrT group). This study compared and quantified the correlation in ball speed and RPM within the top tier of each competition level in japan (Pro group, UT group, JrT group) to determine the relationship between the level of competition and the service success rate.The following were revealed. 1) A significant negative correlation between the speed at which a ball is served and its spin rate (trade-off relationship) was observed in all groups, as measured using TRACKMAN. 2) The higher the competition level, the greater the tendency of the values to be at the upper right of the graph (X axis speed, Y axis RPM). 3) The performance of the serve can be evaluated from ball speed, RPM and the number of attempts to achieve the task.
著者
佐藤 文隆
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.275-278, 2018-12-06 (Released:2019-01-08)

筆者は「元気な物理学」の時代(概略1955-65年)を経験したが,そこには計算機革命を主導するなど,「開かれた学問」のマインドに満ちていた。電子は素粒子であると同時にコンピュートする存在でもある。自然は人間の概念世界のなかに描かれるものである。力学の物理教育では実在とツールの関係の考察が必要であり,量子力学の解釈問題はこの点に関わっている。ツールは他の学問に波及する威力を持つ。
著者
前田 昌也 佐藤 文夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.297-302, 2017-05-20 (Released:2017-06-20)
参考文献数
12

軽種馬の育成調教や競走成績に影響を及ぼす発育期整形外科的疾患(DOD)を回顧的に明らかにすることを目的に,国内の軽種馬生産牧場に対して,育成期全般に罹患したDODを含むすべての疾病について聞き取り調査を実施した.その結果,DODとして,腰痿,近位部関節の離断性骨軟骨症,骨端炎,肢軸異常,屈曲異常及び軟骨下骨囊胞があげられた.競走馬登録された個体の中で,種子骨炎,腱炎,外科手術を要する疝痛を罹患した個体は,病歴があげられなかった個体と比較して,初出走の時期が有意に遅延していた.一方で,購入前検査で発生率が高い遠位部関節の骨病変については競走への影響を訴える回答は得られず,深刻な症状を呈していない例が多いと考えられた.
著者
佐藤 文隆
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.269-272, 2016-12-12 (Released:2017-02-10)
著者
佐藤 文秋 佐々木 邦治 安田 健一 鈴木 岳志 野部 達夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.254, pp.1-9, 2018

<p>熱源の省エネルギーには負荷に併せた最適化が必要なため実態に近い負荷を予測することが重要である。地域冷暖房は供給先負荷熱量が計測されており、集積された多数の供給施設を含み平均化された負荷実態を把握することができる。本研究は大阪、名古屋、東京に供給する既存の地域冷暖房の供給先負荷の実績を分析することで、負荷予測の参考となる負荷の実態と特性を検討し、効率向上のために負荷持続曲線による熱源の部分負荷運転を最小とする容量分割検討と低負荷時の効率向上および低負荷を集積し高効率とする地域冷暖房の効果について検討を行うものである。 </p>
著者
佐藤 文衛 神戸 栄治 安藤 裕康
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.751-760, 2004-11-05

1995年の太陽系外惑星(以下,系外惑星)の発見は,人類史上に燦然と輝く大発見であった.その後,現在までに約120個の系外惑星が発見され,驚くべき多様性に富む姿が明らかになってきた.我々日本のグループも2001年に系外惑星探索を始め,昨年,日本初の系外惑星の発見に成功した.これらの発見を支えているのは,恒星のわずか数ms^<-1>のふらつきをとらえる視線速度精密測定技術の目覚しい進歩である.最近,視線速度測定精度はついに1 ms^<-1>の壁を突破し,いよいよ地球型惑星の検出を視界にとらえ始めた.第2の地球に会える日は着実に近づいている.