著者
佐藤 元 藤澤 延行 中島 耕司 相浦 智史 大久保 雅一
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Supplement1, pp.239-240, 2007-07-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
3

The three-dimensional temperature measurement was carried out using the background schlieren method in combination with the tomographic image reconstruction technique. This technique allows a non-invasive optical measurement is applied to the temperature measurement around of a heating thin wire. The maximum temperature in the measurement agrees closely with that of the theoretical estimate and the thermocouple measurement.
著者
中島 研吾 佐藤 正樹 古村 孝志 奥田 洋司 岩下 武史 阪口 秀
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011-HPC-130, no.44, pp.1-9, 2011-07-20

ヘテロジニアスなアーキテクチャによる計算ノードを有するポストペタスケールシステムの処理能力を充分に引き出す科学技術アプリケーションの効率的な開発,安定な実行に資する 「自動チューニング機構を有するアプリケーション開発・実行環境:ppOpen-HPC」 を開発する.対象離散化手法を有限要素法,差分法,有限体積法,境界要素法,個別要素法に限定し,各手法の特性に基づきハードウェアに依存しない共通インタフェースを有するアプリケーション開発用ライブラリ群,耐故障機能を含む実行環境を提供する.自動チューニング技術の導入により,様々な環境下における最適化ライブラリ,耐故障機能を持つ最適化アプリケーションの自動生成を目指す.本研究は 2014 年度に東京大学情報基盤センターに導入予定の数十ペタフロップス級システムをターゲットとし,同システム上で実アプリケーションによって検証,改良し,一般に公開する.
著者
佐藤 彰彦
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.439-459, 2013 (Released:2014-12-31)
参考文献数
30
被引用文献数
2 6

社会学広域避難研究会富岡班では2011年秋から, 東京電力福島第一原発事故に伴い避難を余儀なくされた福島県富岡町民への聞き取り調査を進めてきた. その後, 当事者団体が実施するタウンミーティング事業を中心とした支援にかかわるなかで, おもに次のことが明らかになってきた. (1)避難者が抱える問題はきわめて広範かつ複雑であること, (2)しかしながら, こうした問題が政策の現場では正確に認識されていないこと, (3)そのため, 現行の政策が必ずしも十分な被災者救済に繋がっていないこと, (4)一方で, 地域復興に向けた政治的決定が急速に進み, 原発避難者 (以下, 強調箇所以外では「避難者」という) が抱える問題は深刻化の一途を辿っていること, (5)その背後には地方自治を取り巻くわが国の法制度と, (6)問題の深刻化を後押しする世論の存在を否定できないこと.これらは, 現行の復興政策が据えている前提 (早期帰還と原地復興) と避難者が直面している問題 (生活再建と長期スパンでの帰還) との間の乖離故に生じており, このままでは現行政策の破綻, あるいは, 避難元自治体の消滅すら現実に起こる可能性もある. この状況を改善するためには, 避難元自治体のコミュニティの維持・存続, そこから町行政を通じた政策過程への回路, 世代や家族のライフスタイルを考慮した長期政策が必要である.
著者
佐藤 邦彦 太田 昇 庄司 次男
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.533-537, 1955-12-25

MH-30の葉面撒布はスギ苗の秋伸び抑制にきわめて有効であり, 0.12%の濃度では根切りによると同じ程度の効果があり, とくに根切りとの併用はきわめて効果が大きかつた。MH-30によつて成長抑制を行つた苗は初霜の被害がきわめて少なく, 根切り区よりもまさつた。塩素酸カリ溶液による耐寒性の検定結果は, 圃場における結果と一致しなかつた。Botrytis cinereaとSclerotinia Kitajimanaの接種試験結果は, 霜害の発生とほぼ同じ傾向を示し, 処理苗はいちじるしく罹病が少なかつた。処理苗の圃場における越冬中の灰色黴病の発生についてもMH-30の処理はきわめて防除効果があり, とくに根切りとの併用区がいちじるしく, また根切りも効果が大きかつた。MH-30はB. cinerea, S. KitajimanaおよびRhizoctonia solaniの菌糸の発育とB. cinereaの胞子の発芽を阻害する。MH-30の処理苗は翌春成長開始期になると, 一且苗の先端が枯れて新に不定芽を生じて成長を開始する。しかし枯損率には有意差が認められない。
著者
佐藤 雅美 白神 豪太郎 廣田 喜一 福田 和彦
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.603-610, 2010
被引用文献数
1

京大病院デイ・サージャリー診療部(DSU)は本邦国立大学附属病院としては初めての日帰り手術専用施設として設立され,2000年1月より診療を開始した.DSUでは2009年12月までに総計10,148件の麻酔科管理手術が行われたが,患者個々の周術期情報を収集・解析し,麻酔・周術期ケアの改善を図ってきた.例えば,婦人科子宮鏡手術ではmonitored anesthesia care(MAC)の導入により術後回復時間が短縮し,日常生活回復度の患者自己評価が向上した.安全かつ患者満足度の高い日帰り麻酔・周術期ケアを提供し,さらに向上させていくためには,患者からの周術期情報を取得しフィードバックしていく不断の努力が緊要であり,そのためには麻酔科医のみならず看護師,外科医との協働が必須である.
著者
佐藤 雄己
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.3, pp.120-125, 2014 (Released:2014-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
2

大建中湯は消化管術後イレウスや過敏性腸症候群に対して臨床的有用性の高い漢方方剤として知られている.動物を用いた基礎的検討により,本剤はモルヒネ誘発性の消化管障害に対して改善効果を示すことが報告されている.また大建中湯の主要な薬理作用は消化管運動亢進作用と腸管粘膜血流増加作用であり,その作用機序として消化管ペプチドの関与が報告されている.しかしながら現在まで担がん患者のモルヒネ誘発性便秘に対する大建中湯の臨床効果と消化管ペプチドとの関連については不明なままである.本研究では,モルヒネ誘発性便秘を有する担がん患者を対象として大建中湯の効果および消化管機能を反映する5種の消化管ペプチドの血漿中濃度に与える効果について検討した.対象はがん性疼痛に対してモルヒネ治療後に便秘を生じた7名の担がん患者で,大建中湯投与前後における各消化管ペプチドの血漿中濃度を高感度酵素免疫測定法により測定した.また,消化器症状への効果については大建中湯投与前後のGastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)質問表により検討した.モルヒネ誘発性便秘に対する大建中湯の効果について検討した結果では,大建中湯の投与によりGSRSの便秘サブスコアは7例中4例で有意に低下した.次にGSRS便秘サブスコアが改善した有効群と,変化がなかった無効群で血漿中消化管ペプチド濃度を比較した.その結果,両群ともに健常人と比較して血漿中モチリン濃度は有意に低値であったが,大建中湯投与後,有効群では健常人と同程度の濃度まで上昇し,無効群と比較して有意な上昇が認められた.一方,血漿中calcitonin gene-related peptide(CGRP)濃度も有効群で上昇傾向が認められた.以上の結果から,大建中湯のモルヒネ誘発性便秘への作用は,発現時間および臨床症状ともに血漿中モチリンの変動によってよく説明されるものであり,大建中湯の臨床効果との関連が示唆された.
著者
佐藤 隆徳 畠山 勝徳 石田 正彦 鈴木 徹 塚崎 光 西畑 秀次 飛弾 健一 吉川 宏昭 釘貫 靖久 由比 進
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.5, pp.47-54, 2006-03

1)'はくさい中間母本農8号'は,低温をほとんど必要としない長日要求性の極晩抽性系統'つけな中間母本農2号'に日本型ハクサイを交雑し,後代で極晩抽性個体の選抜を繰り返すことにより育成された,結球部形状が日本型ハクサイに近い極晩抽性系統であり,2005年に中間母本登録された。2)'はくさい中間母本農8号'の晩抽性は,既存の晩抽性ハクサイ品種の'はるさかり','晩輝','幸村'よりも高い。さらに,野菜茶業研究所アブラナ科育種研究室で育成した抽だいに対する低温要求性の高い,'はくさい中間母本農6号'より晩抽性の高い系統である。3)'はくさい中間母本農8号'の「球のしまり」はゆるく,「球重」も軽く,ハクサイとしての実用形質は既存の晩抽性品種に比べ劣る。4)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と非晩抽性の'無双'のF1では,抽だいまでの日数(晩抽性の程度)は,両親のほぼ中間の値を示し,さらに同F2ではピークの位置は同じであるが分離しており,それぞれ両親の抽だい性程度に近いものが認められた。5)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と晩抽性でない'無双',さらにF1およびF2における抽だい性の分離状況から,'はくさい中間母本農8号'の極晩抽性には,比較的少数の遺伝子が関与しているものと推定される。6)分離世代であるF2において,'はくさい中間母本農8号'の晩抽性と同程度のものが約10%出現するので,育種操作で多数の個体を扱うことが比較的容易なハクサイの場合,選抜に十分な数の晩抽性個体を得ることが可能である。
著者
佐藤 隆徳 畠山 勝徳 石田 正彦
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
雑誌
野菜茶業研究所研究報告 (ISSN:13466984)
巻号頁・発行日
no.5, pp.47-54, 2006-03

1)'はくさい中間母本農8号'は,低温をほとんど必要としない長日要求性の極晩抽性系統'つけな中間母本農2号'に日本型ハクサイを交雑し,後代で極晩抽性個体の選抜を繰り返すことにより育成された,結球部形状が日本型ハクサイに近い極晩抽性系統であり,2005年に中間母本登録された。2)'はくさい中間母本農8号'の晩抽性は,既存の晩抽性ハクサイ品種の'はるさかり','晩輝','幸村'よりも高い。さらに,野菜茶業研究所アブラナ科育種研究室で育成した抽だいに対する低温要求性の高い,'はくさい中間母本農6号'より晩抽性の高い系統である。3)'はくさい中間母本農8号'の「球のしまり」はゆるく,「球重」も軽く,ハクサイとしての実用形質は既存の晩抽性品種に比べ劣る。4)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と非晩抽性の'無双'のF1では,抽だいまでの日数(晩抽性の程度)は,両親のほぼ中間の値を示し,さらに同F2ではピークの位置は同じであるが分離しており,それぞれ両親の抽だい性程度に近いものが認められた。5)極晩抽性'はくさい中間母本農8号'と晩抽性でない'無双',さらにF1およびF2における抽だい性の分離状況から,'はくさい中間母本農8号'の極晩抽性には,比較的少数の遺伝子が関与しているものと推定される。6)分離世代であるF2において,'はくさい中間母本農8号'の晩抽性と同程度のものが約10%出現するので,育種操作で多数の個体を扱うことが比較的容易なハクサイの場合,選抜に十分な数の晩抽性個体を得ることが可能である。
著者
本田 善久 松久 寛 佐藤 進
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.579, pp.3749-3754, 1994-11-25

The vibration of a rotating elastic disk subjected to base excitation is theoretically analyzed. Formulation of the steady-state response to harmonic excitation is derived as an eigenfunction series where the eigenfunctions are given in the form of rotating waves. It is presented that a parallel motion to the axis excites only the axisymmetric modes. It is also shown that a tilting motion around an arbitrary diameter excites the forward and backward rotating modes whose circumferential wavenumbers are one. The Doppler's effect and the coupling effect between the inertia force and the Coriolis force are discussed. The response curves and the vibratory modes of the rotating disk are studied in detail. It is shown that the standing waves fixed in space can be formed. The relation between the excitation frequency and the configuration of the vibratory modes is also presented.
著者
高田 真吾 佐藤 聡 中井 央 杉木 章義 新城 靖
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012-IOT-16, no.12, pp.1-6, 2012-03-08

大学のような多数の計算機を保有する組織では,その稼働率を上げることが課題となっている.本研究では,ネットワークブートされる計算機資源を有効活用するため,局所的に通常とは異なる計算機環境を配信する手法を提案する.提案手法では,ネットブートで利用される DHCP が早い者勝ちのプロトコルであるという特徴を利用し,既存の DHCP サーバよりも早く応答する DHCP サーバをネットワークに接続し,そのサーバからの応答が届く範囲にのみ,通常とは異なる計算機環境を配信する.提案手法を実際に筑波大学の端末室に適用し評価実験を行ったところ,本来の DHCP サーバからの応答はリレーにより遅延し,接続した DHCP サーバからの応答が先に端末に到達することを確認した.また,この遅延による時間差は,DHCP サーバへのリクエストが集中した場合には小さくなることを示した.
著者
西原 修 松久 寛 佐藤 進
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.580, pp.4098-4106, 1994-12-25

The design optimization of passive vibration control mechanisms in the accelerance domain is discussed. In this study, the fixed points theory is developed which approximately minimizes the maximum accelerance in the frequency domain by equally adjusting the accelerance of two fixed points. This design method is applied to the dynamic vibration absorber (DVA) and the passive gyroscopic damper (PGD), and thus the maximum accelerances of these mechanisms are successfully reduced. The concept of the fixed points theory is reinvestigated. The accuracy and the degree of improvement compared with the fixed points design in the compliance domain are examined. The PGD realizes relatively higher damping effects, and then the accelerance reduction of the PGD by the new design method is considerably larger than that of the DVA with a moderate mass ratio.
著者
佐藤 亮子 標葉 隆馬
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
no.12, pp.31-43, 2012-12

Currently, various challenges fusing science and art (known as "science art") have been encountered. In this paper, we investigate how mass media deal with science art through a text analysis of the articles about the transgenic art of Eduardo Kac. Kac's works were presented when the debates concerning genetically modified organisms (GMOs) got complicated. Particularly, GFP Bunny Alba, one of his works, came to be described as a symbol of transgenic technologies and genetically modified organisms in those news articles. It was found that there are several frames of reference in articles about Kac's works: discussions on GMOs, perspectives on religions and ethics, and the possibilities or wonderment derived from the fusion of different genres. Considering text analysis, we discuss the role of science arts (1) to give scientific knowledge to people, (2) to give speculative images of the future world or alarming derived from new scientific technologies, and (3) to call attention to advances in scientific knowledge.
著者
大森 みさき 宮崎 晶子 佐藤 治美 片野 志保 田邉 智子 将月 紀子 今出 昌一 佐野 晃
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.36-43, 2005-03-28
被引用文献数
5 5

本研究の目的は口臭治療における舌清掃の有効性を評価することである。被験者は舌苔を認める患者および本学職員と学生であった。最初に舌清掃指導して1ヵ月後に舌苔付着量と官能試験を行い,両方に改善が見られることを確認した。その後,舌苔付着を認める26人の被験者の官能試験と機械的測定により口臭の強さを評価した。また,同時に口腔清掃状態,Probing Pocket Depth(PPD),Bleeding on Probing(BOP),舌苔付着度を舌清掃前後において評価した。初回の診査の後,被験者に舌ブラシ(ジャックス)を使用して1日1回は舌苔を除去するよう歯科衛生士または歯科医師が指導した。舌苔の除去は舌の表面に舌苔が見えなくなるまで舌ブラシでこするように指導した。口臭測定はポータブルサルファイドモニターとガスクロマトグラフィを使用し,揮発性硫黄化合物(VSC)濃度の機i械的測定と官能試験を行った。被験者には測定の2時間前から歯磨き,飲食,洗口,喫煙を避けるよう指示した。舌苔付着程度は付着の厚さと範囲によって5段階に評価した。清掃後の診査は1週間から1ヵ月後に行った。舌清掃後の診査時には口臭と舌苔付着量は改善していたが,PPD,BOPやプラーク付着状態には影響がみられなかった。またVSC濃度と舌苔付着度との間には有意な相関が認められたが,BOPやプラーク付着状態との間には有意な関係はみられなかった。口臭の予防のために舌清掃を推奨していく必要性があると思われた。