著者
佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.520-530, 2002-07-01
被引用文献数
42

地中レーダを用いた地下計測について現状とイメージングのための技術について解説する.地中レーダ計測が実用的に利用されている分野を紹介し,弾性波計測に対する地中レーダの特徴をまとめる.次にイメージングのために現在用いられている逆散乱問題としてのアプローチとマイグレーションによるアプローチを紹介する.現状では地中レーダについてはマイグレーションによるイメージングが多く利用されており,本論文ではKirchhoffマイグレーション,f-κマイグレーション,リバースタイムマイグレーションについて具体的なデータを用いて説明する.
著者
宮島 良子 金村 久美 佐藤 綾 レイン 幸代 松尾 憲暁 茅本 百合子 MIYAJIMA Ryoko KANAMURA Kumi SATO Aya LENG Yukiyo MATSUO Noriaki KAYAMOTO Yuriko
出版者
名古屋大学国際教育交流センター
雑誌
名古屋大学国際教育交流センター紀要 (ISSN:21889066)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.49-55, 2014-10-01 (Released:2014-11-18)

名古屋大学大学院法学研究科・法政国際教育協力研究センターは,体制移行国において日本語で日本法が研究できる人材を育成するという目標を掲げ,日本法教育研究センター(以下,日本法センター)において,協定大学の学部生を対象に約4年間の法学分野に特化した専門日本語教育,約2年間の日本語による法学教育を実施している。各地の日本法センターが共通して抱える課題である,学習動機の維持・強化,高度で難解な専門日本語の習得促進,教員研修などの課題解決の一助として,テレビ会議システム(以下,テレビ会議)を活用した多国間を繋いだ教育活動が継続的に行われている。日本語教育活動の具体例の一つとして,プロジェクトワークの発表が多国間で実施されている。これらの活動は,自分の所属する日本法センターの学生の発表だけでなく,他の日本法センターの学生の発表も観察することができ,また,発表に対する相互評価なども実施することで,他の日本法センターの学生や教師から助言を得る機会になっている。本稿では,テレビ会議の利用に関する質問紙調査を実施し,テレビ会議の日本語教師への影響・効果に注目して,テレビ会議の教育利用が内省ツールとして果たす役割について報告する。
著者
筒井 一伸 佐藤 里美
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.90-104, 2002-04-28

Since the end of the Second World War, rural Japan has experienced continuing depopulation. To revitalize rural areas, local governments have attempted to promote interregional exchanges. One important policy measure for such exchanges is to hold rural products fairs in urban areas. In general, the major purpose of these fairs is to introduce and sell products to new markets. The purpose of our study is to examine whether these fairs can play an effective and practical role in promoting interregional exchanges by focusing on the actors who plan and participate in these fairs. As a case for this study, we chose to examine some rural products fairs of Yamagata Prefecture which were held in several department stores in Osaka City. The results of our study are as follows. First, for every department store, the fairs serve as an important means for sales promotion. Therefore such the fair tends to lack the element of entertainment. The local governments put an importance not on entertaining the visitors but on selling rural products because they cannot ignore the intention of department stores. Second, the companies that participate in the fairs not only pursue the sale of rural products for the purpose of market expansion, but also intend to enlarge interregional exchanges by displaying rural products. Our analysis of visitors' preferences shows that visitors expect to experience a rural atmosphere as well as to purchase rural products. They also tend to become interested in Yamagata Prefecture after they visit the fairs. Our study concludes that rural products fairs seem to contribute to the promotion of interregional exchanges.
著者
佐藤 浩
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.104-120, 2007 (Released:2010-06-02)
参考文献数
15
被引用文献数
1

パキスタンが実効支配しているカシミール地方で2005年10月8日,パキスタン北部地震(Mw7.6)が発生した.震源近くで撮影された1 m解像度のIKONOSカラー単画像を用いて斜面崩壊を判読したところ,11 km×11 kmの広さで約100箇所の斜面崩壊を認定した.単画像のため,崩壊が斜面横方向に連なる場合,個々の斜面崩壊を認定することは難しかった.さらに,2.5 m解像度の白黒SPOT5ステレオ画像を用いて55 km×51 kmを対象に斜面崩壊を判読したところ,2,424箇所の斜面崩壊を認定した.現地調査によると,ほとんどが岩石の浅層崩壊である.しかし,SPOT5の解像度と白っぽい画質のため,地すべりのタイプの分類や地形学的特徴を詳しく判読できなかった.IKONOS,SPOT5いずれの画像判読の場合も,斜面崩壊は起震断層であるバラコット-ガリ断層の上盤側で多発していた.2,424箇所の斜面崩壊は,断層から1 kmの範囲内にその1/3超が集中していた.1/100万地質図と重ね合わせたところ,最多(1,147個),最高密度(3.2個/km2),最大崩壊面積比(2.3 ha/km2)の斜面崩壊がそれぞれ,中新統の砂岩及びシルト岩,先カンブリア系の片岩と珪岩,暁新統と始新統の石灰岩と頁岩に見出された.2,424箇所のうち,約79 %の1,926箇所は小規模な崩壊(崩壊面積0.5 ha未満),大規模な崩壊(崩壊面積1 ha以上)は約9 %の207箇所だった.大規模斜面崩壊の分布を米航空宇宙局のスペースシャトル搭載レーダー観測(SRTM: Shuttle Radar Topography Mission)による90 m 解像度の数値地形モデル(DEM: Digital Terrain Model)と傾斜データ(SRTM-DEMから計算)に重ね合わせたところ,斜面崩壊は断面的に凸な斜面のほうが凹な斜面よりも,また,35°以上のほうがそれ未満よりも,わずかに多い傾向が見られた.
著者
藤原 智 飛田 幹男 佐藤 浩 小沢 慎三郎 宇根 寛
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.95-103, 2007 (Released:2010-06-02)
参考文献数
8

地震に伴う地殻変動の面的分布を求めることで地震時の地下の断層の位置とその動きを推定することができる.2005年パキスタン北部地震について,人工衛星ENVISATの干渉SARおよびSAR画像のマッチング技術を用いて,地殻変動を面的かつ詳細に求めるとともに,断層モデルを作成した.1m以上の地殻変動は全長約90kmの帯状に北西-南東方向に広がり,最大の地殻変動量は6mを超えている.地震断層推定位置は,既存の活断層に沿ってつながっており,活断層地形で示される変動の向きなどとも一致している.これらのことから,今回の地震は過去に繰り返して発生した地震と同じ場所で発生していることがわかった.地殻変動のパターンから,大まかに見て2つの断層グループが存在する.大きな地震被害が発生したムザファラバード付近は,この2 つの断層グループの境に位置するとともに,最大の地殻変動量が観測された.
著者
佐藤 正志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2010年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.216, 2010 (Released:2010-06-10)

1.はじめに 現在の日本においては,公部門の財政の縮小を狙いとした行財政改革が国の主導によって推進されている.地方行財政改革では NPM(New Public Management)と呼ばれる,効率化策と同時に,参加する主体も民間企業に限定されず,住民やNPOといった非営利組織との協働を図ることによって新たな公共空間の形成を目指す,公民連携の概念の導入が進められている. しかし,国によって進められている公共経営の方針転換が全国の自治体で画一的に導入されるわけではないと考えられる.各自治体は,内在する社会経済構造や,政治構造といった地域特性に応じて公共経営を展開するため,国の政策の受容は地域特性に応じて異なると考えられる. この点を踏まえ,本研究では,国が進めた行財政改革策が地方自治体によってどのように受け入れられているのか,導入状況や連携の構築状況の地域差を把握することによって,地域特性に応じた地方行財政改革の影響を予察する. 対象として,地方行財政改革の中で新たに導入され,行政と非政府組織の間での連携による公共経営を目指した「指定管理者制度」を取り上げる. 2.指定管理者制度の特徴と自治体での導入状況 指定管理者制度は,2003年9月に地方自治法を改正する形で導入された,公の施設管理運営に関する新たな公民連携の手法である.指定管理者制度の特徴として,(1)行政または公的な目的を持つ団体に限定されていた施設管理運営を,民間企業やNPO法人でも可能にした点,(2)民間企業やNPO法人が,サービスや料金を自由に設定できるように変更した点があげられる.すなわち,施設運営において民間企業やNPO法人を導入することで,効率化とサービスの効果の向上を両立させることを目指した策である. 本発表では,日経産業消費研究所が実施した2006年4月1日付調査「自治体における指定管理者制度導入の実態」を用いて,全国の都市および東京特別区715市区での導入動向を確認する.まず,各市区での導入状況および民間企業,NPO法人の選定状況を確認すると,導入状況やNPO法人選定状況では大都市圏に集中する傾向は見られなかった.対して,民間企業では,首都圏を中心にした大都市圏で選定比率が高まる傾向が見られた.この動向を踏まえると,民間企業の選定においては都市圏内での企業の存在が大きく選定に影響を及ぼすと考えられる. 3.自治体別の民間企業・NPOの選定状況と域内外関係 次に,本発表で対象とする都市を,都市圏および人口数別に9に類型化し,各類型の民間企業およびNPOの選定先の状況を確認した.結果として,三大都市圏をはじめとした大都市圏の都市では,近接した地域の企業との取引を行っていることが示される.反面,県庁所在地を中心に,地方都市では,100km以上離れた民間企業を選定する比率が高まることが示される(図1).この背景には,地方都市における専門サービス業者を中心とした民間企業の不在が同一市区外の企業との取引に影響していると考えられる. 他方,NPOの選定状況は,90%以上の選定先が同一市区内である.同一市区外のNPO法人の選定は,特定のNPO法人に限定されており,大半が地域に根ざした活動に対応していることが示される. こうした現況を踏まえるならば,分権化の理念において自律的かつ地域に見合ったサービスへの転換が図ることが望ましいとされる.しかし,実態としては専門分野を中心に域外への民間企業へ依存している点を踏まえると,他律的な公共経営に陥る可能性がある点が示される.
著者
佐藤 達也
出版者
現代評論社
雑誌
現代の眼 (ISSN:0435219X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.p80-89, 1977-06
著者
佐藤 久男
出版者
第三文明社
雑誌
第三文明
巻号頁・発行日
no.656, pp.34-37, 2014-08
著者
竹ノ上 ケイ子 佐藤 珠美 辻 恵子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

自然流産した日本人女性とその配偶者の喪失,悲嘆の実態を把握し,実状に合った援助システムを考案することを研究目的とした。平成14年度は,面接調査に着手し,流産前後のカップルの状況や受けた援助の実際,課題等を把握した。援助の試みとして,インターネットのホームページ:http//web.sfc.keio.ac.jp/〜takenoue/「流産を経験された女性&男性のためのページ」を作成し情報提供とインターネットやメールを介した援助を開始した。平成15年度は,神奈川県かながわ女性センターにおいて面接による聞き取り調査と相談活動を開始し,その指導の際に使用するリーフレットを作成した。また,インターネットのホームページに見る流産後女性たちの喪失,悲嘆の実態と癒しについての調査を行い,流産・早産に関するインターネットのホームページ数が増加傾向にあり,インターネットを介した援助の可能性があることが明らかになった。平成16年度は,流産体験者の会(ポコズママの会)の創設とその活動の支援を行った。この体験者の会のサポートを受けてインターネットのホームページ経由でアンケート調査を行った。その結果,病院・産院での援助・配慮が不十分であること,万人に合う援助はあり得ないので援助の個別化が必要であること,流産体験者同士の情報交換や支え合いが有効であること,インターネットのホームページを介した援助による効果が得られる可能性があることなどが明らかになった。これらの研究成果は国内外の学会で発表した。今後は本研究で得られた知見を医療現場へ還元するとともに,医療者と患者(体験者)が協力して,医療施設以外でも自然流産後の女性と配偶者らの意志を尊重し,彼らの持てる力を発揮してもらい,地域社会を巻き込みながら現実のビーズに合った援助システムを創りあげていく必要があると考えており,研究を継続する予定である。