著者
岡部 貴美子 亘 悠哉 飯島 勇人 大澤 剛士 坂本 佳子 前田 健 五箇 公一
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

見えないウイルスが接近する脅威を、可視化することを目的とする。そのためにマダニが媒介するSFTS等をモデルとし、野生動物の個体群と移動分散、マダニの分散への貢献、マダニの増殖にかかる生物・非生物学的要因、個体群の空間スケールを明らかにし、セル・オートマトンモデルによる予測、フィールド調査による検証、細胞レベルの病理試験等を駆使して精度の高い動物リレーモデルを開発する。これにより、マダニと病原体が野生動物にリレーのバトンのように受け渡され、途上の環境変化によってリレーの方向等に変化が生じ、感染症の溢出・拡大が起こるという仮説を検証し、感染拡大メカニズム解明とそれに基づく対策手法開発に資する。
著者
前田 健太 藤本 博志 堀 洋一
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.259-265, 2014 (Released:2014-03-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

This paper presents the estimation method of the slip ratio limitation for electric vehicles that ensures traction, based on the tire brush model considering tire side slip. Also the estimated slip ratio limitation is applied to the driving force control, a traction control that has been proposed by the authors' research group. According to the proposed method, vehicle safety can be improved by preventing understeer when cornering with accelerating or decelerating on slippery roads. Effectiveness of the proposed method is verified by experiments using an experimental electric vehicle.
著者
二宮 敬虔 小川 原嘉明 橋本 樹明 広川 英治 村中 昇 前田 健 藤原 宏悦 飯田 浩 河原 哲雄 木村 雅文 高安 星子 NINOMIYA Keiken OGAWARA Yoshiaki HASHIMOTO Tatsuaki HIROKAWA Eiji MURANAKA Noboru MAEDA Ken FUJIWARA Kouetsu IIDA Hiroshi KAWAHARA Tetsuo KIMURA Masabumi TAKAYASU Hoshiko
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-92, 1995-03

本報告では, 1991年8月30日に M-3S II-6 号ロケットにより打ち上げられた"ようこう"の姿勢制御系に関する詳細な説明を行う。"ようこう"は近地点高度約500km, 遠地点高度約800km, 軌道傾斜角約31゜の軌道に投入され, そのミッションとして軟 X 線帯及び硬 X 線帯の各高分解能望遠鏡を使用して, 太陽の精密な X 線画像を日々撮り続けている。 "ようこう"にはこれまでにない高分解能の X 線太陽望遠鏡が搭載されているため, 撮像された太陽像にブレが生じないように非常に高い安定度の姿勢制御が要求されている。このため姿勢制御系はバイアスモーメンタム方式に基づく姿勢安定化を図った上で, アクチュエータとして2台の強力なモーメンタムホイールと高速応答の小型コントロールモーメントジャイロを使用することによって精密で安定な太陽指向姿勢を保持し, この制御要求に応えている。本報告書の構成は以下のとおりである。第1章で衛星の形状, 地上支援系を含む姿勢制御系の概要を, 第2章で姿勢制御モード構成と各モードの制御方式概要を, 第3章で機体の力学特性と姿勢擾乱特性を, 第4章で"ようこう"に搭載した姿勢制御系機器の性能を, 第5章で地上支援系の構成, 機能を, 第6章で打ち上げ前に地上において確認してきた姿勢制御系の動作確認試験の目的と概要を, 第7章で飛翔結果に基づく姿勢制御系搭載機器の動作, 姿勢制御性能, 及び衛星に働く空力外乱トルクの推定結果について記述している。
著者
小野 芳朗 前田 健太郎 石田 潤一郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.289-294, 2011-10-25 (Released:2011-11-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

大阪市の御堂筋は北は阪急前(大阪駅前)から南の難波駅まで1920年代の都市計画の中で設計された。その並木は汚染された大阪の大気を浄化する目的があった。近年、御堂筋のイチョウは大阪のシンボリックな景観として認識されている。しかし当初の御堂筋並木は、北方はプラタナスであり、南方がイチョウであった。本論文では、この御堂筋並木の設計案、工事の実態、その建設と設計に関わった関係者について大阪市の都市計画公文書により実証した。
著者
窪田 充見 磯村 保 中川 丈久 島村 健 島並 良 八田 卓也 青木 哲 池田 千鶴 嶋矢 貴之 興津 征雄 前田 健 田中 洋
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本科研では、社会においては、個人の利益に解消されないが、集団的な利益や集合的な利益があるのではないか、そして、そうした集団的利益・集合的利益を保護するためには、どのような法制度を設計することが考えられるのかといった問題に取り組み、消費者法、環境法、知的財産法などの分野における具体的な問題について成果を公表してきた。これらを踏まえると、私法と公法という枠組みを超えて、法の実現に関わる私人の役割を考える必要があることが明らかとなった。
著者
淡野 将太 前田 健一
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.7, pp.311-314, 2007
被引用文献数
1

The present study categorized nicknames of Japanese undergraduates and examined their feelings toward nicknames. Results categorized nicknames into 12 categories: "nickname related to one's name", "name with -chan" (e.g., Yuki-chan), "famous person", "name with -kun or -san" (e.g., Yuki-san), "appearance", "nickname related to one's nickname", "psychological attributes", "another reading on Kanji of one's name", "occupational role", "object", "hometown", and "unidentified". And results indicated that undergraduates felt "nickname related to one's name", "name with -chan", and "name with -kun or -san" happier than "famous person" and felt "name with -chan" happier than "appearance".
著者
木山 昌彦 今野 弘規 前田 健次 磯 博康 佐藤 眞一
出版者
財団法人大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、地域住民を対象に、食行動・身体活動・社会心理要因とメタボリックシンドロームおよびその構成因子との関連を明確にし、さらに食行動と社会心理要因との相互作用を確認する疫学研究を実施した。その結果、男性では、朝食欠食が体重増加に関連しており、特に睡眠時間が短いほどその関連が顕著であった。また肥満関連食行動数が多いほど、将来の2 型糖尿病発症リスクが高いことがわかった。ただし、肥満関連食行動が自覚的ストレスによりその後の体重変化に与える影響を分析したが、明確な影響は得られなかった。
著者
前田 健一
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

防波堤等の防災の構造物は海底や大きな石を積み上げたマウンドなどの地盤で支えられていることから,津波の押し波や引き波が構造物に作用する圧力だけでなく,地盤に波が浸透することにも着目した.その結果,地盤がゆるんで弱くなる液状化が被害を大きくするとともに,いったん構造物を超えた波が再び海面に落ち込む越流によっても,地盤の表面に液状化が発生し,大きく削る洗掘が発生することを明らかにした.さらに,津波襲来前の地震動による液状化の影響を調べ,巨大地震では以上のような液状化の負の連鎖が被害を大きくすることを示すとともに,被害を減らすための対策方法について,地盤工学の立場から提案している.
著者
三浦 均也 前田 健一 窪内 篤 菅野 高弘 大塚 夏彦
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、港湾地域における岸壁等の施設の耐震性能を高度化することであり、地震時における地震時土圧の特性を明らかにし、より合理的で経済的な地震時土圧の評価法および耐震設計法を開発することである。この目的を達成するために、北海道釧路港で実施していた「実大重力式岸壁の地震時挙動観測」で得られるデータの収集、分析・評価を進め、地盤の液状化に関連した岸壁の被害メカニズムを明らかにするとともに耐震設計の提案を行った。研究成果の概要および特徴は以下の通りである。「研究の独創性」 阪神淡路大震災で生じた港湾施設の甚大な被害に対して、これまでの耐震設計の枠組みの中で設計地震衝撃力を増大させ構造物が長大化させる考え方が主流であった。しかし、本研究ではこれまでの震度法にとらわれない。構造物の振動特性と液状化対策の効果を適切に反映できる独創的な地震時土圧評価法および耐震設計法を提案し、その検証を観測結果に基づいて検証することができた。「研究の実用化の可能性」 2003年十勝沖地震における観測結果を解析することによって、地震時における岸壁の挙動メカニズムが明らかになり、提案していた地震時土圧の評価法も検証することができた。現在をこの評価法を取り入れた耐震設計法の開発を終え、1年以内に行われる港湾構造物の耐震設計法の改訂という形で研究の成果が実用化されることになった。また、試験岸壁の建設時や建設後長期間に渡る観測においても岸壁挙動の重要な知見が得られ、これらは岸壁の施工管理や維持管理において今後実用化される予定である。「研究の達成度」 当初予定していた現地観測と耐震設計法の開発を予定通り達成することができた。2004年9月26日には十勝沖地震が発生し試験岸壁は震度5強の衝撃力を受けた。試験岸壁の背後地盤は液状化し、岸壁には地震時特有の変形が生じ機能が深刻な損傷を受けた。地震衝撃力による液状化を伴う岸壁の被害を観測によって捕らえることに成功したため、観測結果の解析と耐震設計法の検証は説得力を持って予定通り達成することができた。「研究の学問的発展への貢献度」 このような実大岸壁の背後地盤の液状化を伴う地震時挙動を得たのは世界的にも初めてである。地震時挙動の観測によって得られたデータは、2005年1月17日から1年間インターネットで世界の研究者に公開している。このデータを用いた研究成果を持ち寄り2005年9月には国際会議を開催する予定であり、この分野の学問的発展に大きく寄与するものと期待している。また、このような前例のない観測を通じて観測方法や試験方法についても重要な知見を得ることができた。
著者
前田 健太朗
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2023-CE-171, no.4, pp.1-7, 2023-10-14

令和 7 年度大学入学共通テストで「情報 I」の出題が決まり,令和 4 年度以降に高校へ入学した生徒に対しては大学入学共通テストを受験する可能性があることを踏まえた「情報 I」の指導が必要となっている.東京書籍株式会社が行った調査によると,それまでは授業において実習の割合が多かったが,現在では座学の割合が多いという結果が報告されている.しかし,重要な用語などを暗記させるのではなく実体験を通して知識や思考力を身に付けることが科学的な理解につながると考え,筆者が勤務する高校では従来通り実習を中心に授業を行い,大学入試センターが公表した問題の一部を生徒に取り組ませた.その結果,大学入試センターが公表した問題を解くために必要な知識や思考力などを多くの生徒が身に付いていると推測できた.
著者
森河 由紀弘 佐藤 智範 前田 健一 篠田 裕重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00208, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
41

今日まで多くの粘土瓦が使用されてきたが,近い将来には寿命を迎えた大量の廃棄瓦が発生する.また,粘土瓦を製造する際には不良品となる規格外瓦が一定量発生するが,これらの不要粘土瓦の再生原料以外のリサイクルはあまり進んでいない.そこで,本研究では規格外瓦を砕いたリサイクル材料である破砕瓦の構造物の裏込め材や裏埋め材としての適用性について,室内模型試験や実物大の現場試験により検討を行った.破砕瓦は軽量性や摩擦性が高いため,構造物に作用する水平土圧の低減効果を期待できることや,無補強でも高い支持力が期待できること,繊維補強材による支持力補強効果も期待できること,上載荷重の影響範囲は山砂とほぼ同様であることが明らかとなり,破砕瓦は裏込め材や裏埋め材として適用可能であることが分かった.
著者
内藤 直人 前田 健一 山口 悟 牛渡 裕二 鈴木 健太郎 川瀬 良司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_361-I_370, 2013 (Released:2014-03-14)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

Cushioning materials, such as sand cushion placed on rock sheds, are attracting attention as construction devices that can effectively disperse and reduce rock fall energy before rocks collide with rock fall protection works. To support performance-based designs for rock fall countermeasures, the present study estimated rock fall behaviors and impact forces using 2D discrete element method (2D-DEM). As one of the typical behaviors, propagated impact force can exceed impact force of falling mass. We conducted two numerical analysis focused on this phenomenon; monotonic penetration test controlling under constant penetration velocity, and removing falling mass during penetration process for any time. In addition, the effects based on some condition of sand cushion, weight of falling mass and its velocity are examined from the view point of impact force-penetration relationship of sand cushion.
著者
前田 健
出版者
日本弁理士会
雑誌
別冊パテント (ISSN:24365858)
巻号頁・発行日
vol.75, no.27, pp.35-55, 2022 (Released:2022-11-24)

近時,製品(商品及びサービスを含む)の単位・対価関係が明確ではないビジネスモデルの重要性が増している。本稿は,それらの「新たな」ビジネスモデルを①複数の製品の組合せ,②複数の顧客グループの組合せ,③同一顧客グループ内での価格差別に分類し,実際の裁判例を分析して損害額算定上の課題を抽出した。売上げ減少の逸失利益の算定においては,事実的因果関係を有する損害額を算定するために,①権利者製品・侵害者製品の確定,②それら製品の付随品も①に含めてよいか,③侵害がなかった場合に侵害者が提供し得た代替製品の認定が論点となる。議論に際しては,独立かつ完結していると評価し得るものであって支払われる一群の対価が密接不可分といえる範囲のものを,製品の単位と捉えるべきだろう。また,仮に保護範囲を限定する立場を採るなら④売上げに対する知的財産の寄与度の認定も論点になるが,排他権を行使すれば確保し得たすべての逸失利益が保護範囲に含まれると考えるべきだろう。ライセンス料相当額の算定は,理念的には侵害者利益の一部を権利者に分け与えるよう行うべきだが,同様に①~④の要素が重要となる。
著者
前田 健一 國枝 克行 河合 雅彦 長尾 成敏 田中 千弘 種田 靖久 岩田 仁
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.2869-2873, 2012 (Released:2013-05-25)
参考文献数
10

症例は46歳,女性.全身倦怠感を主訴に前医を受診し,Hb 5.4g/dlと貧血を指摘され,精査加療目的に当院紹介となった.腹部症状は特に認めなかった.造影CTにて,十二指腸内腔に40mm大の腫瘤を認め,上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部より発生し,先端は十二指腸下行脚に及ぶ有茎性腫瘍を認めた.Brunner腺過形成・過誤腫・腺腫,脂肪腫などが疑われた.大きさより内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;以下EMRと略記)は困難と判断され,手術施行となった.手術は十二指腸球部から下行脚に切開を加え,腫瘍の基部で結紮切除した.病理組織学的検査でBrunner腺過誤腫と診断された.Brunner腺過誤腫はまれな疾患であるが,上部消化管出血の原因として考慮すべきである.
著者
南 昌平 横山 真弓 石嶋 慧多 下田 宙 栗原 里緒 宇根 有美 森川 茂 前田 健
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.e29-e35, 2022 (Released:2022-02-15)
参考文献数
50

2016年,近畿地方で2頭の死亡したアライグマが発見された.これらアライグマからオーエスキー病ウイルス(PRV)が分離された.分離されたウイルスの全ゲノム配列を解析した結果,国内で使用されているワクチン株にはないgE遺伝子を保有しており,野外株であることが判明した.同地域のイノシシ111頭とアライグマ61頭の血清についてPRVに対するウイルス中和試験を実施した結果,13頭のイノシシが抗体陽性(11.7%)となり,アライグマはすべての個体で陰性であった.死亡したアライグマの発見地域は養豚場におけるPRVの清浄地域であり,イノシシからアライグマへのPRVの種間伝播が強く疑われた.以上より,本報告はアライグマにおける初のPRV自然感染例であり,イノシシから異種動物へ致死的な感染を引き起こす可能性が明らかとなった.
著者
熊谷 創 前田 健太郎 荒谷 咲希 布施 伸悟 川村 大介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.837-841, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
18

〔目的〕片側人工膝関節置換術を控えた変形性膝関節症(膝OA)患者における術後の股関節周囲筋へのアプローチ考案の一助になるデータを得ることを目的とした.〔対象と方法〕対象は,年齢,性別をマッチングさせた膝OAなし群18名,膝OAあり群17名であった.方法は,ハンドヘルドダイナモメーターを用いて,股関節伸展,外転,外旋筋力を2回ずつ測定した.〔結果〕股関節伸展および外転筋力において,膝OAあり群で有意な筋力低下を認めた.膝OAあり群の術側と非術側間での比較では,3方向全てにおいて有意差を認めなかった.〔結語〕手術を控えた変形性膝関節症患者は,術前から股関節周囲筋力が低下していることが示唆された.さらには,その筋力低下は両側性に認められた.