著者
肥前 洋一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社商学 (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.48-63, 2014-07

本論分では,投票率があらかじめ定められた水準を下回ると投票自体が無効になるというルール(いわゆる最低投票率)の影響に関して,経済学の分野でこれまで行われてきた理論研究を概観する。どの研究でも,最低投票率を課すことに否定的な結果が得られていることが明らかにされる。
著者
内田 浩司 高山 洋一郎 藤田 孝之 前中 一介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.536, pp.39-44, 2004-12-13
被引用文献数
2

マイクロ浚帯で使用する1トランジスタ集中定数化2周波整合GaAsFET電力増幅器の設計・試作を行った.本電力増幅器はスイッチを使用せず,集中定数素子による簡単な回路構成により同時に2周波の整合を行うデュアルバンド増幅器である.整合目路の基本設計にはチェビシェフ・フィルタ形インピーダンス変換回路の設計理論を用いた.ドレインバイアス回路には複数の並列共振回路を用いたマルチバンド増幅器用のものを新たに提案した.試作した電力増幅器の特性から,マルチバンド増幅器の小型化・高性能化に有用な回路構成および設計方法であることを確認できた.
著者
前田 博 進士 五十八 Hiroshi MAEDA SHINJI Isoya
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.274-282, 2008-12

平成15年の地方自治法の改正によって公の施設に関して「指定管理者制度」が導入されることとなり、地方公共団体の所有する各種の施設と並んで都市公園もその対象となった。導入時のいきさつから招かれざるものとして公園管理者に受け止められた制度であるが、施行から2年を経過した現在比較的好印象で迎えられているように感じられる。そこで、都市公園管理史の観点から「指定管理者制度」の導入が都市公園の管理行政にどのような意味を持つかを検証した。考察の結果、「指定管理者制度」の導入は太政官布達第16号以来の都市公園管理史における転換期の特徴である外圧性と偶然性を持ち、近年の都市公園管理行政の閉塞感を打破する可能性、むしろ将来的に市民利用本位の公園管理のあり方を示唆する主要方策のひとつであることがわかった。具体的には(1)公園管理を再点検(2)正確な数量把握による予算確保(3)評価のための利用者意向把握等の動きが見られ、財政悪化時代を迎え危機的状況にあった公園管理行政の転換点となった。
著者
前原 政之
出版者
潮出版社
雑誌
巻号頁・発行日
no.470, pp.284-291, 1998-04
著者
篠原 康男 前田 正登
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.13007, (Released:2013-10-11)
参考文献数
35
被引用文献数
3

The forces applied to the starting blocks are an important aspect of a sprint start. For achieving the most effective start, however, the relationship between these forces and block clearance has not been clarified. In this study, an experiment was conducted with collegiate sprinters in order to elucidate this relationship. The 19 male participants performed a start dash from the blocks as in a typical sprint race, and the forces applied to the front and rear starting blocks, as well as to the ground during the first step, were measured with force plates. The following results were obtained. Based on the impulses applied to the starting blocks, the horizontal impulse component had a greater effect than the vertical impulse component at block clearance. Furthermore, at block clearance, the horizontal component of the impulse applied to the front block accounted for a large proportion of the total horizontal impulse applied to the starting blocks. However, there was a significant correlation between the horizontal component of the impulse applied to the rear block and the total horizontal impulse applied to the starting blocks. The horizontal component of the impulse was affected by the duration of force application to the blocks. Moreover, the horizontal component of the impulse applied to the starting blocks was unrelated to block placement. This indicates that the component was affected by the position of the sprinter relative to the front and rear blocks. Lastly, the horizontal impulse component at block clearance affected the sprint start until grounding of the first step, after which this relationship differed according to the starting strategy and grounding skill of individual participants.
著者
鈴村 彰太 大沢 愛子 植田 郁恵 森 志乃 近藤 和泉 前島 伸一郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10430, (Released:2016-09-15)
参考文献数
20

失行は日常生活活動(activities of daily living: ADL)に大きな影響を及ぼすが,症候が複雑で行為の誤り方に個別性・多様性が存在するためリハビリテーション手法の確立は困難で,その障害や治療に関する詳細な検討もほとんどない.我々は左頭頂側頭葉のアテローム血栓性脳梗塞で,ごく軽度の右片麻痺と感覚障害に加え,観念失行・観念運動失行・肢節運動失行を呈した82 歳女性を経験した.特に食事動作に関し,右手では困難な動作をまず左手で実施し,その後道具を右手に持ち替える方法を取り入れ,誤りなし学習を徹底したところ,動作の自立を果たした.本症例の改善機序として,左上肢の使用により右上肢の体性感覚が補われたことで,誤りの認知や道具使用に関する意味概念への到達が可能となり,正しい運動プログラムの惹起が促進されて,右手の運動学習につながったものと推察された.
著者
前澤 陽
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-112, no.19, pp.1-8, 2016-07-23

本稿では,人間の演奏に合わせて機械が伴奏するような合奏システムにおける,伴奏パートの発音タイミングについて述べる.合奏中の演奏者は,(1) 自分自身のパートに対して,目標となる演奏タイミングを持ち,(2) 相手の演奏を予測しながら聴き,(3) 互いの主従関係を踏まえながら演奏タイミングを補正すると考えられる.また,これらの三要素は,楽曲中のコンテキストやリハーサルや対話を通じて,独立して学習もしくは制御されると考えられる.そこで本研究では,演奏者の演奏タイミング予測,伴奏パート自体の生成過程,演奏者・伴奏パート間の主従関係の 3 要素を,独立に学習もしくは制御が可能な,発音タイミングの数理モデルを提案する.
著者
安藤 和敏 伊藤 公人 甲斐 充彦 前田 恭伸 関谷 和之
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.315-321, 2012-06-01

静岡大学工学部システム工学科で開講している授業科目「プログラムコンテスト」において,敢闘賞の決定を最短距離DEAによって行った.プログラムコンテストはグループで協調して自発的に学習に取り組むProblem Based Learningの1つであり,コンテスト形式は各グループが互いに競争して研鑽する仕掛けの1つである.競争の前提として,グループの能力が均一であることが望まれるが,グループ編成の実務上では実現困難である.どのグループも質の高いグループ活動を最後まで持続しコンテストに意欲的に参加することを期待し,2011年度から「敢闘賞」を新設した.新設の経緯と「敢闘賞」決定に用いたDEA,そしてその評価結果を報告する.
著者
前山 総一郎
出版者
福山市立大学都市経営学部
雑誌
都市経営 : 福山市立大学都市経営学部紀要 = Urban Management : Bulletin of the Faculty of Urban Management, Fukuyama City University (ISSN:2186862X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-62, 2013-03-15

世界的に,地域が縮小し,集合住宅地(団地)が縮小するに動向がある中で,いくつかの試みがなされてきている.拡大型開発ではなく,持続可能都市型開発として着目される新たな手法ないし方式として,PPPによる手法とPDAの手法を,米国において,サン・バーナーディーノ市(カリフォルニア州)でのPPP 再開発と,タコマ市(ワシントン州)でのPDA開発をベンチマークとして見た.その結果,1000 軒を超える集合住宅地で実際の再開発で明確な成果を出している事例があること(タコマ市におけるPDAによるサリシェンプロジェクト),かつその結果ドラスティックな犯罪率の低下が警察により確認されていることがさしあたり見られた.そして,とりわけPDAの場合の結果は,ビジネス界の財力・マンパワーを公共施設運営等に誘導しようとして生まれたPPP とは対照的に,地区再開発プロジェクトの基幹的フォーメーションに地域住民を入れることを保証することを有効な条件として生じていることを得た.
著者
前鶴 政和
出版者
JAPAN SECTION OF THE REGIONAL SCIENCE ASSOCIATION INTERNATIONAL
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.413-425, 2010
被引用文献数
6

The purpose of this paper is to investigate a stochastic differential game of transboundary pollution and environmental policy.<br> We considered two asymmetric countries. The production process results in the emission of pollutants that are added to the existing stock common to both countries. The pollution accumulation dynamics is affected by an additive shock, the mean and variance are known. In both countries, the government controls emission levels. Uncertainty is incorporated into the model through a shock. The stock of pollution evolves stochastically according to geometric Brownian motion. In order to maximize the expected net present value of social welfare, the two governments should set the emission levels.<br> We formulate stochastic differential games that need to be solved by the two governments and derive unique Markov-perfect Nash and cooperative equilibrium solutions. Subsequently, we propose a mechanism to derive the payoff distribution procedures of subgame consistent solutions in cooperative stochastic differential games for the two governments, and are able to derive a subgame consistent solution based on the Nash bargaining axioms.<br> In conclusion, we show how the governments agree to maximize the sum of their expected payoffs and divide the total cooperative payoff so that the Nash bargaining outcome is maintained at every instant of time. Moreover, we show conditions guaranteeing individual rationality.<br><br></i>JFL Classification: F18, L13, Q58
著者
尾前 毅
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.461-467, 2012 (Released:2012-07-05)
参考文献数
29

期外収縮(心房性期外収縮・心室性期外収縮)は,周術期に最も発症する不整脈の一つであるが,大部分の症例において緊急的な治療は必要ない.一方,周術期に観察される心房性期外収縮は周術期心房細動の発症と深い関連がある.この周術期心房細動を発症すると生命予後は悪化するとされるため注意を要する.心室性期外収縮は基礎疾患がない症例では経過は良好であるが,器質的疾患,特に心筋虚血に伴う症例では生命予後が悪化する.このため心室性期外収縮発症の際には基礎疾患の有無を確認することが重要である.周術期に期外収縮に遭遇した場合にはこれらのことを念頭に管理することが望ましい.