著者
加納 寛子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.18-23, 2019 (Released:2019-05-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

SNS疲れが指摘されている一方で,「インスタ映え」が2017年の流行語大賞に選ばれるなど,ソーシャルメディアには,一定の魅力あるいは虜にさせる仕組みがあるようだ.本稿では人をソーシャルメディアの虜にさせる要因の一つと考えるリツイートや「いいね」機能と承認欲求に着目した.そして,承認欲求とソーシャルメディア使用傾向の関連性を調べることを本稿の目的とした.質問紙調査を行った結果,承認欲求の高い者はTwitterやInstagramを利用する傾向にあり,承認欲求の低い者はTwitterやInstagramを利用しない傾向が見られた. また,承認欲求の高い者は勉強をする時もそうでないときもネット検索を利用する傾向にあり,承認欲求の低い者は利用しない傾向が見られた.さらに,承認欲求の高い者はスマートフォン等に常時接触している傾向にあり,承認欲求の低い者は常時接触していない傾向が見られた.この結果より,スマホ依存を断ち切る一つの手立てとして,承認欲求をTwitterやInstagram等のソーシャルメディアで満たそうとするのではなく,自己実現や勉学,仕事など,別の方向で満たすことができるよう導くことにより,スマホ依存を克服できる可能性が示唆された.
著者
加納 寛之 住田 朋久 佐藤 靖
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.128-139, 2021-07-19 (Released:2021-07-19)
参考文献数
30

Experts have played active roles in the Japanese government's efforts to respond to novel coronavirus infections. Those who participated in scientific advisory organizations not only expressed their opinions on the government's policies and measures based on their scientific knowledge, but also advised the government on the major directions and strategies to be taken, and took on public communication to encourage people to voluntarily change their behavior. However, given the current institutional framework, such actions of scientific advisors in combating novel coronavirus infections go beyond the prescribed roles and responsibilities of scientific advisors as brokers between science and the government. Public communication is an important means of fostering public trust and consent, which are essential for ensuring the effectiveness of policy responses based on scientific advice. Therefore, there is an urgent need to incorporate public communication more explicitly into scientific advice activities. This paper reviews Japan's national efforts for scientific advice, which accelerated after the Great East Japan Earthquake, as well as efforts on public communication by scientific advisors and advisory organizations, and then points out unresolved issues on the relationships between scientific advice and society, in light of Japan's recent experience with new coronavirus infection.
著者
加納 寛子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.450-451, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

本研究は,世代及び性別の違いに着目し,インターネット上における誹謗中傷について分析した。その結果,人が不快に思うような情報は,インターネット上に流さないようにしているか否かについて,女性は20代30代40代と世代が上がるにつれ大変あてはまると回答している割合が高くなったが,男性は,世代による違いは見られなかった。特に,40代女性の割合が最も高く64%が大変あてはまると回答していたのに対し,男子大学生が最も低く42%に留まり,指導の必要性が示唆された。
著者
加納 寛子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.9-16, 2020 (Released:2020-05-01)
参考文献数
13

近年AIに関する技術は飛躍的に進展してきており,社会人を対象にAIに対するイメージの調査なども行われている.本稿は,小学生のAIやロボットに対する意識に焦点を当てて分析を行った.プログラミング経験の有無とプログラミングに対する意識についての分析結果より,「プログラミングは魅力がある」「プログラミングを学びたい」「プログラミングが好き」の3項目については,プログラミング経験がある者の方が,魅力や好感を持ち学ぶ意欲も高いことが示された.ビジュアルプログラミング言語など,小学生にも取り組みやすいプログラミングソフトやアプリが多数開発されてきており,経験をする前には,ハードルが高く感じられるが,経験することにより,魅力や好感・意欲の向上につながることが推察された. AIの発展に対する意識については,プログラミング経験の有無によらず,子ども達は,AIの発展に対し,期待し,興味・関心を持ち,おもしろい,役立つと考えていることがわかった.一方で,少なからず不安も抱いている者もいることが読み取れた.そこで,不安高群と低群に分類し,AIの発展に対する意識との関連を調べたところ,不安もあるけれど期待している,不安もあるけれど興味もある,という積極的な意識としての不安感であった. さらに,AIロボットに期待することと不安に感じることに関する記述傾向として,「楽しさ」「技術発展」「他者との関わり」「(生活や家庭など身の回りのところへの)普及」「必要悪」「支配と恐怖」に,分類された.このことから,負の側面を認識した上で,発展や楽しさなど明るい希望的側面に期待を寄せていることが推察された.
著者
持田 誠 加納 寛之
出版者
浦幌町立博物館
雑誌
浦幌町立博物館紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.31-40, 2013

浦幌町立博物館には、上浦幌小学校標本、中川公郎標本、吉田康登標本などの植物標本が収蔵されている。2012(平成24)年11月に、帯広百年記念館の移動展「博物館はなぜ標本を集めるのか? 標本からわかること」展を開催し、これらの標本について展示・公開した。展示に際し、これらの植物標本について資料情報の調査・検討を実施した。本報ではこのうちの吉田康登標本について、採集者吉田康登氏の人物史と浦幌町、池田町との関わりを明らかにし、本標本の持つ意義について考察した。また、標本目録を作製し、今後の調査研究や教育への利用に供するものとした。
著者
西垣 通 加納 寛子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育ジャーナル (ISSN:24326321)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.37-44, 2018 (Released:2018-12-04)
参考文献数
10

この論文は,人間の自由や尊厳にAI(人工知能)がもたらす影響についてのインタビューである.とりわけ,AIのくだす判断と自律性の関係,AIが心をもつ可能性,AIエージェントとモラル,AI倫理教育,そして今後の高等教育の望ましいありかたなどの諸問題に焦点があてられる.人間の尊厳ある自由を守るためには,AI技術の本質をただしく理解し,あまりに過剰な期待をさけなくてはならない.
著者
加納 寛子
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-167, no.3, pp.1-7, 2016-03-01

本稿では,即レス症候群の傾向にはどのような違いがあるのか明らかにすることを目的とした.その結果,性差や年齢に関して即レス症候群の傾向にいくつか特徴が指摘された.そして,即レス症候群は,必要に迫られて即レス症候群になる場合と,無意識型の即レス症候群に大別されることが指摘された.さらに,即レス症候群や既読無視,ネットいじめやコミュニケーションのずれを防ぐためにも,きちんと教育をしてスマートフォンやSNSを使うことの重要性が指摘された.
著者
野間 晴雄 野中 健一 宮川 修一 岡本 耕平 堀越 昌子 舟橋 和夫 池口 明子 加藤 久美子 加納 寛 星川 和俊 西村 雄一郎 鰺坂 哲朗 竹中 千里 小野 映介 SIVILAY Sendeaune 榊原 加恵 SOULIDETH DR.MR. Khamamany BOURIDAM MS. Somkhith ONSY Salika CHAIJAROEN Sumalee 岡田 良平 的場 貴之 柴田 恵介 瀬古 万木 足達 慶尚 YANATAN Isara 板橋 紀人 渡辺 一生
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯(東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワーイ村)における多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化の態様を地域の学際的・総合的共同調査で明らかにした。両村ともグローバル市場経済の影響が認められるが,ドンデーン村ではかつて存在した複合的な資源利用が平地林の消滅や都市近郊村落化によって失われており,ドンクワーイ村はグローバル化や森林伐採で変容を遂げつつあるが,インフラの未整備によって伝統は保持されている。
著者
加納 寛子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.3, pp.61-65, 2023-10-16 (Released:2023-10-16)

テレワークに対する意識と年収および幸福感の関連について分析した結果,年収が高い人ほどテレワークを希望する傾向が見られた.
著者
加納 寛子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育ジャーナル (ISSN:24326321)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-11, 2022 (Released:2022-10-12)
参考文献数
25

新型コロナウイルスによるパンデミックは,社会全体及び教育に対して多大なる影響を与えた.本稿ではインターネット検索やハッシュタグ検索に着目し,インターネット上におけるコロナ禍の大学や遠隔授業に対する人々の言説を分析する.このことによって,新型コロナウイルスによるパンデミック後の大学教育の在り方に示唆を得ることを研究の目的とした.その結果,「遠隔授業」と「オンライン授業」のワードについては,新型コロナ感染症流行後の検索割合が高かった.一方,「大学生」「学生」や「面接授業」」のワードについては,変化は見られなかった.また,「#遠隔授業」と「#オンライン授業」のハッシュタグをつけたツイートデータの分析からは,学生らの発信よりも,保護者の発信と思われるツイートが多数見られた.「#大学生の日常も大事だ」と「#大学生の日常も大切だ」のハッシュタグをつけたツイートデータの分析からは,予想に反して中庸の感情を持ったツイートの多いことが分かった.このことから,新型コロナウイルスによるパンデミック後の大学教育の在り方として,一部の過激な発言に惑わされることなく,適時適正な判断と方向性が望ましいであろうことが示唆された.
著者
加納 寛子 安達 欣也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.78-83, 2022-05-25 (Released:2022-05-25)

本稿では,AIロボットとの共生に対する児童の意識を明らかにすることを目的とした.性差に着目し分析した結果,AIロボットがいることへの期待として,性別×AIロボットとの共生に対する児童の意識に関する項目について分散分析を実施した結果,「友達と遊んでいる時」「朝の目覚めの時」「食事中」「腹を立てているとき(怒り)」の項目については,男子児童はAIロボットがいることへの期待の高いことが分かった.また,「朝の目覚め」「勉強中」「友達と遊んでいる時」「うれしいとき(喜び)」「哀しいとき(哀しみ)」「楽しいとき(楽しみ)」については,性差に関係なく高い値を示しており,AIロボットが遊び相手の友達のようにそばにいることを期待していることがわかった.一方で,一緒に仕事をしたりする相手としてのAIロボットへの期待は低いことが分かった.これらのことから,遊び相手としてのAIロボットには期待しているが,いっしょに仕事をするなど対等な立場の仲間としてはあまり期待していないことが推察された.
著者
加納 寛起 山根 岳志 吉田 正道 柴柳 敏哉
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.27-34, 2022-03-20 (Released:2022-03-20)
参考文献数
15

2種の輸送物性,拡散係数およびSoret係数が未知である水溶液に対して,レーザホログラフィ実時間干渉法を適用し,それぞれを同一の光学系上で計測するシステムを提案する.まず,本計測法の妥当性と信頼性を検討した.拡散係数はNaCl水溶液,KCl水溶液を対象に,拡散方程式の厳密解が正規分布にしたがうことから干渉縞群厚さの時間変化を利用して算出し,文献値と良好に一致した.Soret係数はNaCl水溶液を対象に,ある時刻の干渉縞位置,熱拡散項を含んだ拡散方程式の厳密解,上記で求めた拡散係数から算出し,既往研究の計測値と良好に一致した.妥当性確認後,文献値に乏しいNa2CO3水溶液10 wt%においても両者の計測を行った.また,本計測に対する誤差要因を明らかにし,拡散係数およびSoret係数の不確かさ幅を推定した.本法は等屈折率線と一致する干渉縞の解析に溶液の屈折率と温度・濃度の関係を利用することで,既存手法に比べて拡散係数およびSoret係数算出の単純化が図られた.
著者
加納 寛
出版者
Japan Society for Southeast Asian Studies
雑誌
東南アジア -歴史と文化- (ISSN:03869040)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.25, pp.28-57, 1996-06-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
38
被引用文献数
3

The purpose of this paper is to examine one aspect of change in popular culture in modern Bangkok. That change relates to the belief in the Guardian Spirits of the Land (Phraphuum-Caothii). The evidence for the changes of belief is seen in the changing styles of the shrines and the appearance of new idols. This paper consists of 1112 pieces of data collected in Pathumwan District and Rachathewe District in Bangkok from July to August 1994.Thai people believe in the Guardian Spirits of the Land. They believe there are gods or spirits who guard the land, the people and other objects on that land. These spirits stay in small shrines (Saan Phraphuum) built on the land which they guard. These small shrines can be seen all over the Central Thailand, especially in Bangkok. However, little attention has been given to the beliefs surrounding them.Over the last fifty years, there has been a noticeable change in the architectural style of the shrines. Before the 1950s, a wooden house was the common style of shrine. However, during the 1950s and the 1960s this wooden house style began to disappear. The house began to be replaced by a concrete Buddhist temple. Also, from about 1970 a shrine, in the form of a palace of the Prasart style, began to appear and gain popularity.The idols found in these shrines have also changed over time. At least from the 1960s up to the present, the idol known as Phrachaimongkhon, an idol whose origins are connected with Thai Hindu mythology, has been common. However, from about 1980, idols of Hindu gods of high rank, like Brahma, and images of Buddha have been observed in the shrines of the Guardian Spirits.The new shrine styles and new idols represent new elements in the beliefs related to the Guardian Spirits of the Land. The use of a Buddhist temple and images of Buddha introduce elements concerning Buddhism. The use of a palace and the images of Hindu gods of high rank introduce elements related to Hinduism.Prior to the 1950s, the shrines and idols used to honor and house the Guardian Spirits of the Land showed no influence of Buddhism or Hinduism. However, from about 1960, these new elements began to appear. These changes show that aspects of Buddhism and Hinduism have been incorporated into the belief of the Guardian Spirits of the Land.
著者
加納 寛子 光原 弘幸 山崎 雄介
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.19-22, 2010

インターネット上のコンテンツは急速に増加し,レポート剽窃の続出が,昨今の高等教育における課題の一つとなっている.レポート作成方法の指導と機械的チェックの双方がそろって,レポート剽窃防止につながるのではないかと考え,レポート剽窃防止の枠組みを提案した.そして,レポート作成方法の指導のみ行い提出させたレポートと,機械的チェックの連絡も行って提出させたレポートを比較した.機械的チェックの事前連絡を行わなかったケースでは,50%を越す剽窃が見られるレポートが34件中1件検出された.だが,機械的チェックよりも,本質的な指導の重要性が示唆された.
著者
一森 湧 加納 寛子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.59-61, 2019 (Released:2019-05-20)
参考文献数
3

本調査では,大学生・高専生480名に対して,フェイクニュースに対する認識を調査し,専門家の意見と比較した.結果,メディアリテラシー教育を通して,情報を受けとる自分自身が情報の事実確認をする姿勢が必要であるという点で専門家と大学生の意見が一致した.また,半数程度の学生は,SNSの運営者がフェイクニュースを管理するべきという考えを持っているのに対し,専門家はフェイクニュースの削除基準などを明確しなければ情報統制につながると述べている.そのため,中学校の公民の授業でフェイクニュースについて取り扱い,フェイクニュースを発信・拡散しない姿勢を形成するべきだと結論付けた.