著者
加藤 陽子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1201-1206, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
25

小児の鉄欠乏性貧血は,急激な発育による鉄の需要が増大する離乳期と思春期が好発年齢である.頻度の高さ,発達や精神神経活動に及ぼす影響の大きさ,日々の栄養/食育の観点からも,多角的に捉え医学的に対応する必要がある.

8 0 0 0 OA バナナの澱粉

著者
野呂 哲 葛西 麻紀子 山田 綾子 大中 徹 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.105, pp.75-79, 2011-03-23

生産地別のバナナ可食部の追熟に伴う澱粉の変化を調べた。単糖・オリゴ糖と細胞壁・澱粉の含有量から、台湾産は貯蔵8日目では過熟状態、エクアドル産は8日目では未熟、15日目では過熟、フィリピン産は8日目では未熟、15日目では適熟であると示された。すなわち熟成速度は台湾産が最も早く、エグアドル、フィリピンの順であった。 熟成過程におけるバナナ澱粉粒の変化を走査型電子顕微鏡観察および散乱式粒度分布測定装置により分析した。形状は長粒型で、追熟0日目では表面が滑らかな状態であったが、3日目では層のような溝ができ、5日目では層状になった。粒子径は追熟0日目で粒度分布3~88μm、平均径29.699μm、3日目で粒度分布3~77μm、平均径23.213μm、5日目で粒度分布2.5~22μm、平均径8.651μm であった。熟成に伴い、澱粉粒の表面形状が変化し、微細化することがわかった。
著者
伊藤 聖子 葛西 麻紀子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.93-100, 2013-10-18

フィリピン産の高地栽培種(スウィーティオバナナ)および従来の低地栽培バナナ(レギュラーバナナ)を用い追熟過程および加熱(焼く、蒸す)調理過程それぞれでの糖度および糖組成の変化を調べた。高地栽培種、低地栽培種の可溶性糖質含有量は高地栽培種の方が多いことが確認された。また、両者ともその主成分はスクロース、グルコース、フルクトースであるが、追熟とともにスクロースが減少し、グルコースとフルクトースが増加することがわかった。また、微量に含まれるソルビトールは減少し、オリゴ糖は増加する傾向にあった。加熱調理(焼く:180℃のオーブンで20分、30分、40分処理、および蒸す:蒸し器で10分、20分、30分処理)では、いずれも、焼き調理より蒸し調理後の糖度が高くなる傾向がみられた。焼きは30分で最も高く40分では減少していた。また、蒸し調理では10~20分で最も高く、それ以上になると、かなり減少することがわかった。
著者
加藤 陽子
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.1743-1775,1853-, 1985-11-20 (Released:2017-11-29)

In the past the Hiranuma Cabinet has been often referred to in connection with the Japan-Germany-Italy mutual Defense Pact of 1937. This paper puts a new perspective on the well-known 'Complex and bizarre communique' and criticizes the previous trend in treating the Hiranuma Cabinet as incompetent. This paper, through a close examination of both American and British diplomatic data, throws light on Hiranuma's manoeuverings with respect to the U.S. and clarifies the following three statements. First, Hiranuma wished to conclude the Chino-Japanese War immediately and pursue possible ways for peace negotiations with the Chiang Chieh-shih Government. The idea of a peace treaty suggested by American and Britain had been thoroughly discussed by the Hiranuma Cabinet as to whether Japan and China should accept it or not. This discussion led to the disolution of the first Konoe-Communique and inevitably forced Japan to change its attitude. Since their failure in the Trautmann Peace Move they had repeatedly refused peace negotiations conducted through a third party. Secondly, Hiranuma, having predicted that both America enforce economic sanctions against Japan, tried to approach the U.S. positively. At the end of May, 1939, Hiranuma sent a message to President Roosevelt through Ambassador Grew, and held a meeting with Secretary Dooman of the American embassy concerning the possibility of holding an international meeting to discuss methods of resolving the crisis in Europe. There was, however, one condition, that America would call Britain to the meeting and Japan would call Germany and Italy. Hiranuma wished to add to the topics at the meeting truce conditions for the Chino-Japanese War. Thirdly, on the night prior to the start of the European War only Japan and America held the key to the solution of the Far East Problem. Hiranuma's successfully improved relations with America confused Britain, who thereby did not have a chance to impose economic sanctions on Japan. Hiranuma's diplomacy had been supported by his right hand men and he had never hesitated in approaching the American and the British embassies. His approach was decisive and straight to the point. Hiranuma made himself a reputation by suppressing the Communist Movement at the beginning of the Showa Era and by such manoeuvrings as the Anti-Minobe strategy in the Kokutai-meicho-Movement. The times, however, changed drastically during the following decade. Hiranuma was to be stultified by political moderates, but never the less was able form a cabinet which was in line with them. He continued to make his best effort to fulfill their expectations. Considering only the results of his diplomatic manoeuvres, one can observe that there were fewer reactions from America than were expected, although much effect was exercised on Britain and China. However, results are not wholly indicative of history. While the people and the media were thinking only of the alliance with Germany and Italy, Japanese diplomatic policies were moving calmly towards the Pacific.
著者
増田 弘 佐藤 晋 加藤 陽子 加藤 聖文 浜井 和史 永島 広紀 大澤 武司 竹野 学
出版者
東洋英和女学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

平成21年度から23年度に至る3力年の研究の具体的成果は、本年9月に慶応義塾大学出版会より刊行が予定されている増田弘編『大日本帝国の崩壊と復員・引揚』にある。本書は、日本が第二次世界大戦に敗北したことで生じた帝国日本の崩壊過程に関して、外地からの民間人引揚と外地に在った日本軍将兵の復員という視座に立った実証研究であると同時に、東アジアにおける冷戦という新局面との歴史的接合点を解明しようとする試論である。
著者
宮崎 仁志 加藤 陽康 加藤 友香里 土山 智之 寺田 久屋
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.151-155, 2013-04-25 (Released:2013-05-15)
参考文献数
2
被引用文献数
7 15

東海地域の一日摂取量に基づいて名古屋市内で食品を購入し,調製したマーケットバスケット方式によるトータルダイエット試料について,ゲルマニウム半導体検出器付きガンマ線スペクトロメータにより放射性セシウム(Cs)濃度を測定し,被ばく線量を算出した.福島原発事故前の2006年に調製した試料から放射性Csは検出されなかった.事故から5か月後の2011年8月に調製した試料のうち,3群(砂糖,菓子類),8群(その他野菜,海藻,きのこ類)および10群(魚介類)から放射性Csが検出された.1年5か月後の2012年8月に調製した試料では,8群および10群からCs-137のみが検出された.放射性Csによる預託実効線量は,2011年が0.0015 mSv,2012年が0.00016 mSvであった.
著者
伊藤 祥江 髙木 聖 小川 優喜 瀧野 皓哉 早藤 亮兵 川出 佳代子 今村 隼 稲垣 潤一 林 由布子 中村 優希 加藤 陽子 森 紀康 鈴木 重行 今村 康宏
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1176, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】2000年に回復期リハビリテーション病棟(以下、リハ病棟)制度が創設され、医療施設の機能分化が進められた。急性期病院における在院日数は短縮され、長期の入院を必要とする脳卒中片麻痺患者はリハ病棟を有する病院への転院を余儀なくされる。脳卒中ガイドラインにおいては早期リハを積極的に行うことが強く勧められており、その内容には下肢装具を用いての早期歩行訓練も含まれている。しかし、装具処方から完成までには通常1~2週間を要することなどから、急性期病院における片麻痺患者に対する積極的な早期装具処方は容易ではなく、装具適応患者に対する装具処方のほとんどが、リハ病棟転院後に行われているのが実情であろう。その結果、歩行能力の改善が遅れ、入院期間が長くなっていることが推測される。当院は人口約14万7千人の医療圏における中核病院で、平成18年にリハ病棟を開設した。現在は当院一般病棟からの転棟患者ならびに近隣の救急病院からの転院患者も広く受け入れている。今回われわれは、当院リハ病棟に入院した脳卒中片麻痺患者において、下肢装具作製時期が発症から退院までの日数におよぼす影響について検討したので若干の考察とともに報告する。【方法】平成18年12月から平成22年7月までの間に当院リハ病棟に入院し、理学療法を施行した初回発症の脳卒中片麻痺患者のうち、下肢装具を作製した32例を対象とした。内訳は脳梗塞25例、脳出血7例、男性15例、女性17例、右麻痺13例、左麻痺19例、平均年齢69.5±13.3歳であった。当院の一般病棟からリハ病棟に転棟した群(以下、A群)と他院での急性期治療後に当院リハ病棟に入院した群(以下、B群)の2群に分けた。これら2群について(1)作製した装具の内訳ならびに(2)発症から当院リハ病棟退院までの日数について調査した。また、(2)に含まれる1)発症から装具採型までの日数、2)発症からリハ病棟入院までの日数、3)リハ病棟入院から装具採型までの日数、4)リハ病棟入院から退院までの日数の各項目についても合わせて調査した。2群間の比較は対応のないt検定を用いて行い、5%未満を有意な差と判断した。【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言をもとに実施し、収集した個人情報は当院の個人情報保護方針をもとに取り扱っている。【結果】(1)A群は長下肢装具(以下、KAFO)3例、金属支柱付短下肢装具(以下、支柱AFO)13例、プラスチック製短下肢装具(以下、P-AFO)1例であった。B群はKAFO2例、支柱AFO6例、P-AFO7例であった。(2)A群で137.2±32.5日、B群では166.8±30.2日でA群の方が有意に短かった。(2)-1)A群で22.5±9.8日、B群では48.2±12.4日でA群の方が有意に短かった。(2)-2)A群で21.9±7.3日、B群では33.8±11.3日でA群の方が有意に短かった。(2)-3)A群で0.65±9.8日、B群では14.5±7.1日でA群の方が有意に短かった。(2)-4)A群で115.2±31.5日、B群では131.5±32.3日でA群の方が短かったが、有意差はみられなかった。【考察】本研究では、装具作製時期ならびにリハ病棟入院時期に着目し、発症からリハ病棟退院までを4つの期間に分けて入院日数との関連について検討した。その結果、リハ病棟入院日数においては両群間に差はなかったが、A群においてはリハ病棟転棟とほぼ同時期に装具の採型がされており、発症からの日数も有意に短かった。このことから、早期の装具処方によりリハ病棟転棟後もリハが途絶えることなく継続することが可能で、早期に歩行が獲得できたものと思われる。その結果、発症から退院までの期間を短縮したと考えられる。一方、B群においてはリハ病棟入院時期のみならず装具作製時期も有意に遅かった。リハ病棟入院日数にはA群と差がなかったことから、作製時期が発症から退院までの日数に影響をおよぼしたものと考えられる。急性期病院においては在院日数の短縮、作製途中での転院の可能性、また義肢装具士の来院頻度など積極的な装具作製を妨げる多くの要因があることが推測される。近年、急性期病院において装具が作製されることは少なく、リハ病院での作製件数が増加傾向にあること、また、リハ病棟が急性期にシフトしてきていることが報告されている。B群では当院リハ病棟転院から装具採型まで約2週間要していたことから、今後は転院後早期から装具処方について検討する必要があろう。2007年から連携パスが運用され始めている。それが単なる情報提供に留まらず、片麻痺患者に対する早期の装具処方、スムーズなリハの継続、そして早期の在宅復帰につながるよう連携することが必要であろう。【理学療法学研究としての意義】脳卒中発症後の早期装具作製は早期歩行獲得、在院日数の短縮に結びつく。それを推進するための地域連携について考えるものである。
著者
岡野 雄一 寺住 恵子 堀 耕太 加藤 陽一 大塚 尚実 山家 純一 桑原 謙 奥本 克己 井 清司
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.444-449, 2016-10-20 (Released:2016-10-20)
参考文献数
7

外傷診療において出血は最大の致命因子であり, 特に四肢からの出血はpreventable deathの原因とされる. 熊本赤十字病院 (当院) では, 戦術的戦傷治療 (Tactical Combat Casualty Care ; TC3) の概念から, 2014年度よりドクターヘリに止血用タニケット (Combat Application Tourniquet®, 以下CAT®) を搭載し, 圧迫止血困難な四肢外傷例に対しCAT®を使用している. 今回CAT®使用例を調査し, その有効性について検討した. CAT®使用例は10例で, 全例CAT®使用にて止血でき, その後の再出血や合併症なく救命センターに搬送され, 全例転帰良好であった. 現場と救命センターでのRevised Trauma Score (以下, RTS) を比較した結果, 有意にRTSの改善がみられた (7.0±0.3 vs 7.6±0.2 ; p=0.021). CAT®は戦傷外傷用の止血帯であり, 小型で携行でき, 装着も簡便であるのが特徴である. 本研究にてRTSが改善したのは, CAT®の止血効果が高いことが要因の一つと考えられた. 今後はCAT®の周知と習熟が課題と考える. CAT®は止血効果が高く, 病院前救急診療に有用な器具である.
著者
太田 玲子 範 瑀軒 網谷 英樹 飯塚 拓巳 山田 夏鈴 加藤 陽佳 石栗 広志 深瀬 真由美 村木 靖 西村 秀一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.34-38, 2022-03-20 (Released:2022-03-29)
参考文献数
14

手指消毒薬の開封後の使用期間は施設により異なるが,開封から半年と定める所が多い.しかし,アルコール製剤の開封後の殺菌効果については明確な指標はなく,情報も少ない.我々はその根拠となるデータを得るために当院の医療現場で実際に6カ月間使用され残ったゲル状アルコール製剤(ゲル状製剤)を回収し,そのまま室温で保存した後(開封直後から開封後34カ月,残量60から350 mL),その主成分であるエタノール濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した.その結果,経過時間,残量に関わらずエタノール濃度はすべて開封直後と同等であった.この結果を検証するためにStaphylococcus aureusとPseudomonas aeruginosaを用いて各製剤の殺菌能を測定し,開封直後の製剤と比較検討した.殺菌能測定ではゲル状製剤の対照剤として液状製剤についても測定した.方法は製剤と菌液を30秒と5分間反応させた後に生菌数を求め,精製水を用いた対照実験に対する減少率とlog10 reduction(対数減少値)で評価した.その結果,殺菌能も経過時間,残量に関わらずすべて開封直後と同等で,エタノール濃度と同様な結果であった.今回の検討でゲル状製剤は開封後半年,あるいはそれ以上経過しても開封直後と同等のエタノール濃度とS. aureusとP. aeruginosaに対する殺菌能を保持している可能性が示唆された.
著者
大井 裕子 菊谷 武 田中 公美 加藤 陽子 森山 久美
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.117-122, 2023 (Released:2023-04-19)
参考文献数
17

筆者らは,終末期がん患者の現状を確認するツールとしてIMADOKOを考案し在宅チームで使用している.今回,IMADOKOが,終末期がん患者と家族のよりよい療養場所の意思決定支援に及ぼす影響について明らかにするため看取りの実態を後方視的に調査した.対象患者はIMADOKO導入前の64名(男性/女性38/26名)と導入後の140名(男性/女性78/62名),平均年齢はいずれも74歳で主な原発巣は,膵臓,呼吸器,消化管であった.IMADOKO導入により在宅看取り率は有意に上昇した.IMADOKO導入後,IMADOKOは108名の患者とすべての家族に使用した.患者へのIMADOKO使用は看取り場所に関連を認めなかったが,患者と家族,患者家族対医療スタッフのコミュニケーションが有意に良好になった.IMADOKOは,よりよい療養場所選択の意思決定支援において有用である可能性がある.
著者
山下 麻美 加藤 陽二 吉村 美紀
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.637-642, 2012-12-15 (Released:2013-01-12)
参考文献数
26
被引用文献数
3

本研究では,シカ肉の食資源としての有効利用を目的として,近年,機能性アミノ酸として注目されているカルニチンについての定性および定量的な検討を行った.カルニチンには,遊離カルニチンと脂肪酸が結合したアシルカルニチンとしても存在するが,アシル体の多くが微量で,今までの酵素法などを用いた測定法ではそれぞれを分別して検出することができなかった.本研究では,LC-MS/MSを用いることによって,遊離カルニチンおよびアシルカルニチンであるアセチルカルニチン,ヘキサノイルカルニチン,ミリストイルカルニチン,パルミトイルカルニチンの5種類をシカ肉から検出することができた.さらに,シカ肉と牛肉,豚肉,鶏肉とのカルニチン量の比較を行った結果,遊離およびアシルカルニチンのいずれにおいてもシカ肉と牛肉に多く含まれていた.遊離カルニチンと短・中鎖脂肪酸が結合したカルニチンにおいては,シカ肉に多く含まれており,長鎖脂肪酸が結合したカルニチンは,シカ肉よりも牛肉に多く含まれていた.本研究の測定方法を用いることによって,遊離カルニチンに加えてアシルカルニチン類をシカ肉から検出することが可能となった.さらに,シカ肉に遊離カルニチン,アセチルカルニチンが多く含まれることが示され,脳機能向上などの機能性が期待されるアセチルカルニチンを多く含むことから,シカ肉の機能性食品としての可能性を見出すことができた.
著者
加藤 陽
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大学法学 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.147-182, 2013-06

[目次] はじめに, 第1章.授権に対する国連憲章第103条の適用に関する学説の議論状況 第1節.第103条適用肯定説 第2節.第103条適用否定説, 第2章.国連における実行と議論の検討 第1節.平和のための結集決議と集団的措置委員会の報告書 第2節.国連国際法委員会における国家責任に関する議論 第3節.海上阻止行動, 第3章.アル・ジェッダ事件における国連安保理の授権と欧州人権条約の抵触 第1節.アル・ジェッダ事件英国貴族院判決第2節.アル・ジェッダ事件欧州人権裁判所判決 おわりに
著者
加藤 陽子
出版者
十文字学園女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,学生生活への不適応を抑止する要因を「登校行動持続要因の解明」という新しい発想を用いて分析・検討し,不適応への予防的アプローチを探ることを目的とした。分析の結果,次のことが明らかとなった。(1)大学生の登校行動持続要因は,周囲との関係への配慮,自己の可能性への期待,社会,金銭に関する理由が多い,(2)積極的対消極的理由と情緒的対道具的理由の2軸がある,(3)大半の学生は登校行動持続要因を複数保有している,(4) 複数保有する登校行動持続要因のうち重要だと位置づける要因が1つでもある学生は,講義に出席しやすいものの,それは登校行動の促進や登校忌避感情の抑制には影響しない,(5)登校行動持続要因を多く保有することは,登校への意味づけを相乗的に強め,登校行動を持続させやすい。
著者
北元 憲利 田中 智之 加藤 陽二 辻 啓介
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.86-92, 2000-10-28
参考文献数
13

こんにゃくは、水酸化カルシウム溶液に浸されたアルカリ性を呈する食品であるが、腸管出血性大腸菌O157との関わりを検討した報告はない。そこで、本研究では、こんにゃく液中におけるO157の生存状況と、こんにゃく液の抗菌効果(静菌作用あるいは殺菌作用)について検討した。こんにゃく液はいずれもpH12前後であり、この高いpH域では、O157は反応させるだけで検出限界までに激減することがわかった。初発菌数が多い場合でも1日の反応(保存)でほとんどが死滅した。また、この抗菌作用は大腸菌の株による違いや温度差には影響されなかった。一方、食中毒菌であるサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌および黄色ブドウ球菌についても同様に比較検討したところ、こんにゃくの液の抗菌効果は、O157と比べると同等かあるいはやや弱いようであった。しかし、これらの食中毒菌もこんにゃく液中では時間とともに減少し、2〜3日後ではほとんどが死滅することが判明した。さらに、市販こんにゃく液中の細菌の存在有無を検討したが、調べた限り、開封直後のこんにゃく液中には菌は検出されなかった。以上の結果から、こんにゃく液は衛生学的に安全性の高いことが証明され、静菌作用(菌の増殖抑制・阻害作用)というよりは、殺菌作用(生菌数の低減化作用)をもつことが明らかとなった。こんにゃくのような高アルカリ性呈示食品は、少数の生菌数の摂取でも発症するような腸管出血性大腸菌O157などの感染症防止に対しても、大きな役割を果たしているものと考えられる。
著者
加茂 具樹 小島 朋之 小島 朋之 北岡 伸一 家近 亮子 加藤 陽子 川島 真 服部 龍二 一谷 和郎 王 雪萍
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2007

近年の日中関係は、日中間の歴史認識問題をめぐって対話可能な環境が整いつつあるきわめて稀な「凪」の状況にあるとの認識のもとで、(日本に利用可能な)日中戦争に関連する歴史資料の調査及び収集をすすめ、また同時に日中戦争や日中歴史研究に関する対話のプラットフォームの構築をおこなった。
著者
伊藤 美紀子 坂上 元祥 加藤 陽二 田中 更沙
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

透析患者では低栄養によるサルコペニア・フレイルの発症率が高い。その要因として高リン血症による心血管疾患を予防するためのリン摂取制限がある。リン摂取制限はたんぱく質の摂取不足につながる。マグネシウムは石灰化を抑制する。そのためマグネシウムの摂取は透析患者の血管石灰化と低栄養を抑制できる可能性がある。本研究では動物モデルを用いて、食事中のリン/マグネシウム比が血管石灰化と筋肉量に与える影響を明らかにする。さらに透析患者の食事調査を行い、リン/マグネシウム比と低栄養との関連を解析する。これらの研究結果にもとづいて栄養療法を開発する。