著者
大鶴 任彦 加藤 義治 櫻井 裕之 中塚 栄二 嶋田 耕二郎 久保田 元也 森田 裕司
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.57, pp.135-138, 2010-04-10

難治性化膿性股関節炎(SA)に対する筋皮弁移植術の有用性について検討した。対象は2000年以降に手術的治療を行うも再燃を繰り返し、最終的に筋皮弁移植術を行ったSA 5例(男性2例、女性3例、平均年齢54.6歳)であった。起炎菌はメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)2例、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン感受性ブドウ球菌(MSSA)、Bacteroides fragilis 各1例で、診断から筋皮弁移植術まで平均20.7ヵ月、筋皮弁移植術までの既往手術回数は平均4.4回、使用筋弁は腹直筋1例、外側広筋2例、外側広筋+大腿筋膜張筋1例、外側広筋+大腿直筋1例であった。その結果、術後経過観察期間平均37.2ヵ月の最終時における股関節は全例がGirdlestoneであり、対麻痺の1例以外は捕高靴と杖使用にて自立歩行が可能であった。1例に感染再発が認められたが、抗生物質の点滴投与で軽快した。以上、成人の難治性SAに対する筋皮弁移植術は有効な手術方法と考えられた。
著者
大鶴 任彦 森田 康介 堀内 悠平 島本 周治 森田 裕司 加藤 義治
出版者
金原出版
雑誌
整形・災害外科 (ISSN:03874095)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.111-115, 2016-01-01

発育性股関節形成不全の診断では臼蓋側被覆だけでなく前方被覆の評価も重要である。そこで今回、著者らはトモシンセンス(TS)立位矢状断像を用いて臼蓋前方被覆を計測して、その有用性をfalse profile(FP)像と比較検討した。対象は前、初期変形股関節症で隣接関節に障害がない34例(男性7例、女性27例、平均年齢55.8歳)および健康成人ボランティア30例(男性25例、女性5例、平均年齢36.5歳)であった。これらを対象にTS像とFP像を撮影してvertical center anterior margin(VCA)角を測定し、臼蓋前方被覆を評価した。その結果、1)TS-VCA角はFP-VCA角より有意に大きく、TSの方の再現性が高かった。また、TS-VCA角とFP-VCA角は高い正の相関を示し、臼蓋前方被覆の計測ツールとしてTSは極めて有用であると考えられた。その理由として撮影時の体位設定が容易であること、臼蓋縁の変形があっても臼蓋前縁を明瞭に撮影できることが考えられた。以上より、トモシンセシスは立位で撮影が可能なため骨盤傾斜も考慮でき、放射線の実効線量も低く、汎用性の高いことが長所と考えられた。
著者
宇次原 清尚 加藤 克彦 三輪 俊貴
出版者
岐阜県農業技術研究所
雑誌
岐阜県農業技術研究所研究報告 (ISSN:13464396)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-6, 2006-03

平成11年にオーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州立園芸研究所から育成中のフランネルフラワーの矮性系統の挿し木苗を導入した。自家受粉により得た種子から増殖と選抜により鉢花として形質の優れた系統を育成した。育成系統は、草丈が20-30cm程度のわい性で、四季咲き性を有する。花の形態及び大きさは、野生種と同じである。平成17年7月に品種登録申請を行った。
著者
加藤 達彦 田嶋 彩香
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:21889201)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.23-31, 2018 (Released:2018-06-11)
参考文献数
11

This paper is about the citizen interaction library nurtured in the community. In the liberal arts of Kisarazu National College of Technology, we value "the third place" that is not a school at home. As an attempt, we made a citizen interaction library, and named it "Minamachi Library". "The Minamachi Library" is made up of books donated by community residents. We, as well as to introduce towards the society this activity, Citizen interaction library as a commons, to discuss further development.
著者
中臺 文 黒木 俊郎 加藤 行男 鈴木 理恵子 山井 志朗 柳沼 千春 塩谷 亮 山内 昭 林谷 秀樹
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.97-101, 2005-01-25
参考文献数
21
被引用文献数
2 54

2000年11月から2002年7月の間に,ペットショップの爬虫類112頭におけるサルモネラの保有状況を調査したところ,74.1%(83/112)と高率に本菌が分離された.分離された112株は5生物群に型別され,I群の割合(62.5%)が最も高かった.また,112株中54株は28血清型に型別可能であった.これらの成績から,ペットの爬虫類は人のサルモネラ症の感染源となる可能性が示唆された.
著者
玉利 信幸 加藤 昭夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1977, no.5, pp.650-655, 1977-05-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
4

ZrCl4-H2-CH,系からの炭化ジルコニウム(ZrC)の結晶成長を900~1500℃で行ない,反応条件が結晶の成長速度および形態におよぼす影響を調べた。そして,つぎの結果を得た。黒鉛基板上ではコーティングしか得られなかった。ムライト管上では約1000℃からコーティングが生じ,1200。C以上でo.5~30μの径をもつウィスか-の成長が認められた。ウィスカー成長には[zrC嬉/こCH4]比が1近くがよい。ウィスカーの成長速度は四壌化ジルコニウムおよびメタン濃度に対して極大を示した。また,成長速度は水素濃度の減少とともに減少した。実測された軸方向の最大成長速度は~3,8×10-scm/secで,半径方向の成長速度は軸方向の約1/700であった。炭化ジルコニウムウィスカーは正方形の断面をもち,その成長方向は[100]方向で,側面は{110}面であった。
著者
加藤 美紀 Miki Kato
雑誌
共立国際研究 : 共立女子大学国際学部紀要 = The Kyoritsu journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.32, pp.153-167, 2015-03

This paper discusses how to create effective Kambun education in the Japanese elementary school. The school course guidelines which are drawn up by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology were revised in 2008. One of the remarkable changes in the revision is that classical literature education is stressed. In 2011, elementary schools introduced new content, that is Kobun(classical Japanese literature)and Kambun(classical Chinese literature which is read by a particular translation method called Kundoku). The revision says that the main focus of the classical literature education is reading aloud and feeling the rhythm of the classical sentences. However, it is not clear that what the rhythm is and what students can learn. This paper examines the guidelines and suggests that effective Kambun learning should take a new approach to language education, instead of simply reading aloud.
著者
杉浦 芳夫 石崎 研二 加藤 近之
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.49, pp.p47-66, 1993-09
被引用文献数
1

本稿は、東京区部とその周辺に位置する親水性の8公園(井の頭恩賜公園、水元公園、有栖川宮記念公園、葛西臨海公園、上野恩賜公園、日比谷公園、浮間公園、和田堀公園)を対象とし、都市公園の選好構造を解明しようとした。175人の大学生・院生に対し、1公園につき1セット4枚の写真からなる合計8セットの写真を呈示し、8公園の選好順位データをえた。この175人 x 8公園の選好順位行列に対しMDPREF(選好データを分析するためのベクトル・モデル型ノンメトリックMDS)を適用し、2次元のジョイント空間を求めた。葛西臨海公園と上野恩賜公園が正の大きな値をとり、有栖川宮記念公園と和田堀公園が負の大きな値をとるジョイント空間の第1軸は、「調和がとれた自然環境」を表わす選好次元、同じく日比谷公園と上野恩賜公園が正の大きな値をとり、水元公園が負の大きな値をとるジョイント空間の第2軸は、「開放性」を表わす選好次元と解釈された。選好の個人差は、この二つの軸に対する各人の重みづけの違いによって生じているのである。This paper is concerned with a preference analysis of eight city parks with waterside landscape in and around Tokyo City (Fig.2). Eight sets of photographs,each of which consists of four landscape scenes for one park(see Appendix 2),were presented to 175 undergraduate and graduate students as the sample. Then they were asked to see the photographs to rank the parks in term of their preference. A preference ranking data-matrix thus obtained serves as the input for MDPREF (Chang and Carroll, 1968),a non-metric MDS algorithm applied to preference data,to represent the preference structure in a two一dimensional joint space. Interpreting the recovered joint space (Fig.3),based on external information or individual respondents' reasons for their evaluations,leads to a conclusion that the two dimensions of "harmonious natural environment" and "openness" underlie the respondents' preference judgements of city parks: for the former dimension,Arisugawanomiya Memorial Park and Wadabori Park are highly evaluated and Kasai Seaside Park and Ueno Park low evaluated; for the latter dimension,Mizumoto Park is highly evaluated and Hibiya Park and Ueno Park low evaluated. Inokashira Park and Ukima Park,in a sense,appear to lack distinguishing features since they are ambiguously evaluated for the both dimensions. These results suggest that the parks covered with green and/or those full of an open atmosphere are preferred while the parks impressing respondents artificially are less preferred.
著者
加藤 道夫
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Supplement2, pp.83-88, 2007 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

モデュロールの初期の導出作図には, それまで用いられてきたトラセ・レギュラトウールの内, 対角線を手段とするトラセ・ディアゴナルが適用されていた.本研究はトラセ・ディアゴナルの性質を明らかにすることで, 初期の導出作図の誤りが軽視された理由を考察するものである.その結果, 次の点が明らかになった. 1) 初期の導出作図は近似解であり, その誤差を再検証した結果, ル.コルビュジエの著書で指摘されるように0.6パーセントであった. 2) トラセ・ディアゴナルの適用例を検証し, それが事後的な調整であり, 予め定められた一定の比に依存しないことがわかった. 3) 初期の導出作図に見られるトラセ・ディアゴナルも事後的に確認された近似的関係を作図に導入したものである. 4) 以上から, 当初の導出作図の誤差は, それ以前のトラセ・ディアゴナルにおける誤差と同様, ル・コルビュジエにとって大きな問題ではなかったと考えられる.
著者
淀川 顕司 森田 典成 小林 義典 小原 俊彦 村田 広茂 高山 英男 清野 精彦 加藤 貴雄 水野 杏一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.1, pp.S1_19, 2012 (Released:2013-08-23)

[背景・目的] Brugada症候群と不整脈源性右室心筋症(ARVD)はともに加算平均心電図における心室遅延電位(LP)が高率に検出されるが,そのLPの形態に着目すると,ARVDでは高周波成分で形成されるのに対し,Brugada症候群では比較的低周波成分で形成されることが多い.そこで,われわれは,QRS波の周波数解析を行うことにより両者の周波数特性を検討した.[対象と方法] 特発性右室流出路起源心室頻拍(RVOT-VT)20例,Brugada症候群10例,ARVD 10例.全例で心電図Z誘導QRS波をガボール関数を用いてウェーブレット変換し,各周波数帯でのピークのパワー値,および総パワー値を比較.[結果] Brugada症候群では80Hzを中心に,ARVDでは150Hzを中心にQRS内部に高周波成分が発達していた.高周波帯の中で最大パワーを有する周波数はBrugada症候群に比し,ARVDで有意に高かった(81.7± 19.9Hz vs 145.4± 27.9 Hz,p[結論] 心電図QRS波の周波数解析において,周波数特性は,Brugada症候群とARVDで明らかに異なる.