著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
下馬場 かおり 小嶋 知幸 佐野 洋子 上野 弘美 加藤 正弘
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.224-232, 1997 (Released:2006-05-12)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

失語症状の長期経過を追跡する研究の一環として,失語症者の発話障害の長期経過を自発話,復唱,音読のモダリティ別に調査した。対象は,発症後16ヵ月以上最高287ヵ月経過した失語症者61例の文水準の標準失語症検査 (SLTA) 発話成績である。    〈結果〉SLTA でみる限り, (1) 3モダリティのなかで復唱はもっとも到達水準が低かった。 (2) 各モダリティの最高到達時の成績パターンは,本研究では6種に類型化が可能であった。 (3) 最高到達時の成績パターンは,発症初期には必ずしも同一のパターンではなかった。    〈結論〉(1) 失語症者にとって,文の復唱はもっとも難易度が高いと考えられた。 (2) 発話3モダリティは,発症年齢,病巣などの要因の関与により,異なる過程を経て特定のパターンに到達することが示唆された。(3) 以上の点は,発話障害の予後推測や,訓練の刺激モダリティ選択において有用な情報を提供すると考えられた。
著者
三田 千代子 小池 洋一 柳田 利夫 山田 政信 山ノ内 裕子 拝野 寿美子 田中 祐司 柴崎 敏男 田村 エミリオ 加藤 博惠 堀 永乃 高木 和彦 松尾 隆司 松井 謙一郎 渡会 環
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の外国人就労者である日系ブラジル人は、ホスト社会、エスニック集団、ホームランドの3社会に同時に存在している。エスニック集団はホスト社会に組み込まれたものであるが、ホームランドとの繋がりを維持しているのは、IT機器や携帯電話といった容易で安価で迅速なコミュニケーション手段の普及の結果である。すなわち、物理的に存在しているホスト社会は、ブラジル人就労者にとっては絶対的空間であり、種々のコミュニケーション手段によって社会的関係を維持しているホームランドは相対的空間である。この2つの空間に人が生きているということは、グローバル化時代だからこそ可能となったことである。
著者
加藤 浩 山村 英司
出版者
西南学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究ではSocial capitalが産業発展にどのように関係しているかを分析した。実証的な結果より、Social capitalは人的資本の形成を促し、ローカルな需要を高めることが分かった。これらの実証結果から、Social capitalは供給面、需要面の双方から産業発展を促すことが明らかになった。理論的な分析では、需要の不確実性が産業発展に与える影響について焦点を当てた。大きな発見としては、不確実性が大きいほど産業ライフサイクルが短くなるというものである。したがって、Social capitalが需要の不確実性にどのような影響を与えるかを明らかにすることが今後の研究課題となる。
著者
川崎 恭治 加藤 友彦 熊谷 博夫 山藤 馨
出版者
福岡工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

過冷却液体のダイナミクスに対する場の理論的定式化をおこなった。ここで時間反転に対する正しい変換性を持つ事に注意した。又超伝導体の量子化された磁束のダイナミクスを表す簡単な模型について考察した。関連する問題としてスピングラスや量子論的多体系の有効相互作用について研究した。
著者
皆川 洋喜 内藤 一郎 加藤 伸子 村上 裕史 石原 保志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.267, pp.25-30, 2001-08-20
被引用文献数
11 2

遠隔地における手話通訳者への情報提示方法についての我々の一連の研究の中で, 特に遠隔操作カメラによる手話通訳者の能動的情報取得方法の可能性について, 事例に基づいて考察する.いくつかの試行的な評価実験を行なったところ, 「通訳者または通訳補助者による遠隔カメラ操作での能動的情報取得は困難である」, 「通訳者以外の機器操作補助者によるカメラ操作(情報選択)であっても, 通訳者は与えられた環境で対応できるようにする」, また, 「通常の通訳と較べて遠隔地の方が手話通訳者に与えられる情報が増える」, 「遠隔地手話通訳により講師・通訳者・学生間の対話が減少する」などの興味深い結果を得た.
著者
加藤 敏弘 岡本 研二 吉野 聡 森田 勝
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ゴール型の運動課題を誘発するゲームの条件を明らかにし、複数のミニゲーム(手合わせゲーム等)を開発した。その運動課題に応じた評価の観点を含む単元計画を立案し、中学2年生に実施したところ、高い評価を得た。また、ボールを持たないときの動きの指導について、バスケットボールを部活動で指導している教員を対象に調査したところ、子どもたちがゲームの中で工夫するより前に学習すべき内容を先取りして教えてしまう傾向がみられ、指導観の変容には時間がかかることが明らかになった。
著者
加藤 孝久
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

フラーレン系ナノ構造体であるC_<60>やカーボンオニオンは優れた機械的・電気的特性を有することが期待されるものの、そのサイズ制御が困難であるため現状その応用がほとんど進んでいない.本研究では貴金属へのカーボンイオン注入法を用い、カーボンオニオンの粒子径の制御とその増大を試み、スパッタAg貴金属薄膜内へのCH_4プラズマイオン注入により、Ag結晶粒界におけるカーボンオニオンの形成が確認され、イオン注入後の真空アニール処理によって、その粒径は17. 4±1. 7nmに増大することが確認された.本研究により明らかとなったカーボンオニオンの粒子成長プロセスを応用することで、今後のマイクロメートルスケール巨大フラーレン粒子の合成が大いに期待される.
著者
伊藤 博明 田中 純 加藤 哲弘 木村 三郎 上村 清雄 足達 薫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ヴァールブルクが晩年に取り組んだ、未完の学問的プロジェクトである『ムネモシュネ・アトラス』に所蔵された全パネルについて共同して詳しく読み解き、その成果は図書として刊行するとともに、2回のシンポジウム「アビ・ヴァールブルクの宇宙」と「ムネモシュネ・アトラス展」において公表した。ヴァールブルクの研究を批判的に受け継ぎ、文化系統学、イメージ人類学、神話の構造分析、世俗世界のイコノロジーなどについて方法論的考察を深め、その成果は7名の外国人研究者を含んだ国際シンポジウム「思考手段と文化形象としてのイメージ――アビ・ヴァールブルクから技術的イメージ・図像行為まで――」において発表した。
著者
加藤 貴昭
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度(平成18年度)の研究目的は、各種スポーツ競技のライブ状況下における競技者の眼球運動測定データを蓄積すると共に、新たなデータ計測および解析方法について検討し、さらに熟練選手に共通する視覚探索パターンの解明を試みることである。本年度は野球競技における走者の盗塁時の測定、スキー競技におけるスキーヤーのスラローム時の測定、アイススケート競技におけるコーナリング、スピン時の測定を重点的に行った。特に昨年度に引き続き行った雪上でのアルペンスキー競技の実験においては、2台のハイビジョンカメラレコーダを用いて身体運動の映像を撮影し、眼球運動を測定するための専用ハードシェルリュックを作成した。身体運動計測、眼球運動計測共にキャリブレーション方法や撮影機器の準備には工夫を凝らし、これまで以上に詳細なデータを計測することが可能となった。このスキー実験の手法を基に、スケート競技においては実際の氷上のリンク上にて身体運動と眼球運動を計測し、スピードスケート競技者とショートトラックの競技者のコーナリング時における視線、および身体動作の制御方法について考察した。また、各実験において得られた知見をもとに、各種スポーツ競技場面における熟練選手の視覚探索活動を総括し、熟練選手共通の視覚探索パターンについて考察した。特に時間的な変化を伴う情報や空間の位置関係を把握するのに優れた特性を持つ視覚機能である周辺視システムを活用しているとの仮説に対する検証を行った。周辺視システムを活川するためのストラテジーとして視覚対象の中心付近に視支点(visual pivot)を定め、その結果として身体運動の安定、制御を巧みに行っていることが示唆された。このような眼球運動と身体運動のコーディネーションによって、熟練選手が持つスポーツ競技特有の視覚情報獲得スキルが成り立つことが考察できた。