- 著者
-
加藤 誠
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 若手研究(A)
- 巻号頁・発行日
- 2014-04-01
平成29年度の研究計画ではWebにおける意見の誘出を主な課題としていた.特に,あるユーザの行動や特定の事象への反応から,そのユーザが持っている意見を推定することを課題としていた.平成29年度は下記の3テーマについて研究成果を得た:1.ソーシャルメディアからの意見誘出: ソーシャルメディア上において,特定の属性(e.g. 学生や高齢者等)を持ち,ある話題に関して意見を発信しているユーザから意見を誘出する方法について研究を行った.ソーシャルメディアにおいて,ある話題に関する意見は発信者の属性と合わせて記述されることは少なく,単純な文字列マッチングによる検索では先述の問題設定に沿うような結果を得ることは困難であった.そこで我々はソーシャルメディアかが構成するグラフへ適合フィードバックを伝播させることによって,特定の属性を持つユーザを効果的に発見する方法を提案した.2. レビューからの意見誘出: レビューからある商品に関する意見を抽出することで,商品を任意の性能順に並び替える方法について研究を行った.我々は相対的な評価(e.g. カメラAはカメラBより夜景が綺麗に撮れる)が絶対的な評価(e.g. カメラAは夜景が綺麗に撮れる)より正確に意見を誘出できる情報であると仮定し,これに基づいて商品を並び替える方法を提案した.実験の結果,相対的な評価による順位付けは絶対的な評価による順位付けよりも正確であることを示した.3. 質問投稿サイトの検索ユーザからの意見誘出: 質問投稿サイトの検索において,複数のランキングを混合することによって,どのランキングが検索ユーザに好まれるかを効率的に推定する方法を提案した.特に,ヤフー知恵袋において3ヶ月間の評価実験を実施し,どの程度のフィードバックを得れば統計的有意にランキング間の差を得られるかを明らかにした.