著者
加藤 修
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

この研究では、地域活性化ワークショップを大学の授業として取り入れ、学生に継続的な活動環境を確保することで、主体的に思考する機会と実践経験量を増やすことができた。それにより彼らは自己理解と他者理解、技術能力の向上とともに高い問題意識を持つように変化した。さらに2年目からの商店街との恊働による実践的課題との対峙、多世代間との交流によって、多角的思考力を身につけた。大学と地域の連携のあり方についても、両者にとってリアルな知識・文化・情報の接触領域として、街なかの「スタジオ」を創設し、その運営を継続している。
著者
大仁田 義裕 加藤 信 小森 洋平 酒井 高司 橋本 義武 小池 直之 田中 真紀子 入江 博 宇田川 誠一 谷口 哲也 GUEST Martin 田丸 博士 江尻 典雄 安藤 直也
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

微分幾何学における部分多様体論は,ガウス以来の歴史の長い学問分野で,常に他の諸分野と関わりながら発展してきた.本研究課題は,有限次元および無限次元リー理論,幾何学的変分問題,可積分系理論,幾何解析等の分野と関わり,伝統的な方法を踏まえ無限次元的手法まで視点を広げて,部分多様体論の研究を広範かつ集中的に組織・推進した.有限次元および無限次元等径部分多様体,ラグランジュ部分多様体のハミルトン変分問題,調和写像と可積分系等を研究推進,新しい方法と結果を与えた.また,この研究領域における国際的な協力体制を整備し,若手研究者たちの活動も大いに促進した.
著者
加藤 久典 JIA Huijuan JIA Hujiuan
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

これまでにパセリの熱水抽出物がヒト結腸がん由来細胞株HT-29の増殖抑制効果が認められたことから、パセリには抗結腸腫瘍活性を有する可能性が示唆された。細胞レベルから生体レベルへのパセリの腫瘍増殖抑制作用を検証するために、まずは最初の一歩として、デキストラン硫酸ナトリウム誘導潰瘍性大腸炎モデルマウスを用いてパセリ摂取による大腸炎の抑制作用を検討した。体重減少、血便、下痢の3つのスコアからなる大腸炎の指標であるDAI (Disease Activity Index)を評価するとともに、トランスクリプトーム解析を基盤とした統合オミクス解析を活用し、その作用分子機構の解明を行った。パセリ摂取マウスにおいて大腸炎の発症に伴うDAI上昇および腸管の短縮は有意に抑制され、血中腫瘍マーカーのSerum amyloid A1 (SAA1)、および炎症マーカーのIL-6 (Interleukin 6)、Matrix metalloproteinase-3 (MMP3)の濃度も顕著に減少した。大腸のトランスクリプトーム解析では、炎症サイトカインのI1-6、ケモカインCc15、下流のHaptoglobin、cluster of differentiation 163、および線維化マーカーのTissue Inhibitor of Metalloproteinase l、Mmp3、Mmpl0の発現が有意に減少し、パセリの摂取により炎症の抑制、腸管短縮の改善に関与すると示された。肝臓トランスクリプトーム解析では、Saa1、c-Jun、S100 calcium binding protein A8など腫瘍マーカーの発現減少、stearoyl-CoA desaturase-1、ELOVL family member 6, elongation of long chain fatty acids、fatty acid synthase、NADP-dependent malic enzymeなど脂肪酸合成関連遺伝子の発現増加から、パセリを摂取したマウスにおいて腫瘍マーカー濃度の減少および体重減少の改善との関与が考えられた。また、肝臓プロテオーム解析では、クエン酸サイクルおよび尿素サイクルにかかわるタンパク質の発現増加、メチオニン・リサイクル経路にかかわるタンパク質発現減少から酸化的リン酸化の改善、酸化ストレスの低減が示唆された。以上のように、トランスクリプトミクスとプロテオミクスを組み合わせた統合的な解析から、パセリ摂取による大腸炎抑制作用メカニズムの遣伝子-タンパク質ネットワークを解明できた。今後、メタポロミクス解析を加えさらに詳細に解析する予定である。
著者
加藤 諭
出版者
東北大学史料館
雑誌
東北大学史料館紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.127-139, 2014-03-15
著者
沼野 充義 野谷 文昭 柴田 元幸 加藤 有子 毛利 公美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、ロシア東欧・広域英語圏・広域スペイン語文学の専門家の共同作業により、国・言語の枠を超えた広い視野から現代世界の文学の複雑なプロセスを総合的に調査し、新しい文学研究のあり方を探った。その結果、グローバル化時代にあっても世界の文学は一方的に均質化することはなく、全体として豊かに多様化していることを明らかにするとともに、欧米中心に組み立てられてきた従来の世界文学像を拡張し、日本も視野に入れた新たな世界文学カノンの可能性を探究することができた。
著者
加藤 誠
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

平成29年度の研究計画ではWebにおける意見の誘出を主な課題としていた.特に,あるユーザの行動や特定の事象への反応から,そのユーザが持っている意見を推定することを課題としていた.平成29年度は下記の3テーマについて研究成果を得た:1.ソーシャルメディアからの意見誘出: ソーシャルメディア上において,特定の属性(e.g. 学生や高齢者等)を持ち,ある話題に関して意見を発信しているユーザから意見を誘出する方法について研究を行った.ソーシャルメディアにおいて,ある話題に関する意見は発信者の属性と合わせて記述されることは少なく,単純な文字列マッチングによる検索では先述の問題設定に沿うような結果を得ることは困難であった.そこで我々はソーシャルメディアかが構成するグラフへ適合フィードバックを伝播させることによって,特定の属性を持つユーザを効果的に発見する方法を提案した.2. レビューからの意見誘出: レビューからある商品に関する意見を抽出することで,商品を任意の性能順に並び替える方法について研究を行った.我々は相対的な評価(e.g. カメラAはカメラBより夜景が綺麗に撮れる)が絶対的な評価(e.g. カメラAは夜景が綺麗に撮れる)より正確に意見を誘出できる情報であると仮定し,これに基づいて商品を並び替える方法を提案した.実験の結果,相対的な評価による順位付けは絶対的な評価による順位付けよりも正確であることを示した.3. 質問投稿サイトの検索ユーザからの意見誘出: 質問投稿サイトの検索において,複数のランキングを混合することによって,どのランキングが検索ユーザに好まれるかを効率的に推定する方法を提案した.特に,ヤフー知恵袋において3ヶ月間の評価実験を実施し,どの程度のフィードバックを得れば統計的有意にランキング間の差を得られるかを明らかにした.
著者
加藤 哲郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の成果は、書き下ろし単著『「飽食した悪魔」の戦後ーー731部隊と二木秀雄「政界ジープ」』(花伝社、2017年)中に発表した。同書第3部「731部隊の復権と二木秀雄の没落」中に第2章「シベリア抑留と米ソ情報戦」を設け、「ドイツ240万人、ハンガリー50万人、日本60万人の強制奴隷労働」「洗脳教育と民主運動」「帰還者米軍尋問ーー陸軍プロジェクト・スティッチと空軍プロジェクト・リンガー」「陸軍プロジェクト・スティッチで見つかった『ソ連スパイ』352人」「『人間GPS』としての米空軍プロジェクト・リンガー」等について、詳述した(269-284頁)。
著者
桜井 芳生 大山 小夜 新 睦人 片岡 栄美 加藤 源太 藤山 英樹 石川 洋明
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

延10回程度、ネットワークデータを収集できた。まずは、ネット形成の要因を分析した。就活意識、使える金、階層意識、化粧代の類似が、友人が形成されるさいに、大きな影響をもっていることが確認された。ネット構築後分析に関しても、Christakisらと同様、われわれは、「ネットワーク指標」以外の具体的タイ関係を重視して分析を継承した。当初の予想と異なって、いわゆるネットワーク指標、とくにボナチッチ中心性が大きな影響をもっていることが確認できた。また、恋愛、髪の色、幸福感、英語学習意識の伝播が確認できた。
著者
阿野 茂浩 長谷 川亨 山崎 克之 加藤 聡彦 鈴木 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.2, 1994-09-26

一般的に、FR回線上のフレームをATM回線上のセルに変換する方式には、1つのフレームを受信後、フレーム全体をセル化してATM回線へ送出するメッセージモードと、フレームを1セル分受信次第、順次セル化して送出するストリーミングモードの2つの方式が考えられている。筆者らはこれまでに、複数FR回線からATM回線への多重化装置におけるフレームの送出待ち時間などについて、両方式の比較を行った。セル化方式の検討を進めるためには、ATM網内において多重化が行われた場合の特性を比較することが重要である。そこで本稿では、複数の多重化装置からのATM回線が、ATMノードでセル多重化された場合のセル損失率とフレーム損失率について、シミュレーションにより両方式を比較した結果について述べる。
著者
角田 史記 加藤 学 大塚 理恵子 助田 浩子 大関 一博
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.187-196, 2013-06-28

鉄道で輸送障害が発生すると多くの利用者に影響を及ぼすため,鉄道事業者はその影響を最小化すべく様々なオペレーションを行う.このとき,利用者が実際に受けた影響から輸送障害を定量的に評価できれば,利用者視点でオペレーション改善を検討できる.しかしこれまで,鉄道事業者において輸送障害を評価する方法としては,運休した列車本数や運転再開時刻等オペレーションにおいて直接把握できるデータが一般的であり,利用者が受けた影響を確度高く定量化して把握することは困難であった.一方,急速に普及した交通系ICカードのログデータにより,利用者の鉄道空間における所要時間を測定することが可能である.本研究では,交通系ICカードのデータを利用して,各区間,各時間帯の利用者群の所要時間を集約して解析することで,鉄道輸送障害時に利用者群が実際に受けた影響を定量化する方法および鉄道事業者におけるオペレーション改善のための応用を検討した.
著者
黒石 陽子 三好 修一郎 加藤 康子 山下 則子 有働 裕 山下 琢己
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本年度は黒本・青本『曽我武田鞘因縁』(研究代表者 黒石陽子)、黒本『頼光一代記』(研究分担者 加藤康子)について諸本調査、書誌調査、翻刻、内容分析を行い、『叢 草双紙の翻刻と研究27号』に発表した。『曽我竹田鞘因縁』は、『曽我物語』に代表される曽我の伝承が、江戸期にどのような展開を示したのかを明らかにする上で重要な資料である。中世以降、江戸における諸分野の文学や芸能との関係から調査、考察を行った。『頼光一代記』も酒呑童子の伝承と関係し、江戸期に広汎に浸透した伝承が、黒本ではどのように扱われているのかを明らかにしたものである。江戸末期から明治にかけての展開も視野に入れて研究した。また研究協力者は以下の作品を担当し、『叢 草双紙の翻刻と研究27号』に発表した。『和漢/軍配木起源』(丹 和浩)、青本『〔大江山〕』(金ヒョンジョン)、『風流/桃太郎/柿太郎 勇力競』(徳永結美)、黒本・青本『保名丸白狐玉』(書誌的記録の追加・語釈・考察)(ジョナサン・ミルズ)、『〔男鳴神〕』(朴順花)、『昔扇金平骨』(橋本智子)、『昔咄し虚言桃太郎』(笹本まり子)、『縦筒放 唐の噺』(大橋里沙)、黄表紙『嶋台眼正月』(杉本紀子)、合巻『瑠璃紫江戸朝顔』(桧山裕子)。これらについても諸本調査、書誌調査、翻刻、内容分析を行った。さらに平成14年よりデータベースとしての構築をめざし、研究代表者、研究分担者、研究協力者によって継続して作成してきた赤本・黒本・青本の解題原稿を、科学研究費報告書として1冊にまとめた。またこの成果を元に書店からの刊行準備を開始した。18年度中には刊行し、一般に公開できる見通しをつけることができた。
著者
稲田 秀洋 古川 欣也 石田 順造 斎藤 誠 加藤 治文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.111-115, 2007
被引用文献数
6

背景.気管支動脈塞栓術(BAE)は内視鏡下に止血が不能な症例の有効な治療法として広く行われているが,突然の多量な気管支出血に対して早急にBAEを行うことは,患者の状態および病院の体制からも困難である場合が多い.今回,我々は続発性難治性気胸,肺瘻,有瘻性膿胸に対して末梢からの気漏を止め病態を改善させるために開発されたEndobronchial Watanabe Spigot (EWS)を用いて,出血をコントロールした再発肺癌症例の1例を経験した.症例.63歳男性.左S^8と左S^<1+2>の多発肺癌で左下葉切除術・リンパ節郭清術および左上葉肺部分切除術を施行した.術後7ヶ月目に多量な喀血を認め,土曜日午後6時に救急外来受診.緊急内視鏡施行したところ,左B^3からの持続する多量の出血を認めた.出血の吸引,ボスミン生食とトロンビン溶液の散布による止血を約1時間繰り返したが止血できないため,急濾EWS(M)1個を左B^3aに充填したところ内視鏡的に止血できた.2日後にBAEを施行し,完全に止血した.結語.EWSは難治性気胸,肺瘻を閉鎖する目的で開発されたシリコン製の充填材であるが,コントロール困難な気管支出血のコントロールにも有用である可能性が示唆された.
著者
加藤 和弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

東京都およびその近県にある11の緑道で、緑道内の鳥類相と緑道の植生構造、緑道周囲の都市化の程度の関係を調査した。緑道内の鳥類相の場所による違いは、緑道周辺の都市化の程度にも影響を受けていたが、緑道内と隣接部における植被の発達の程度、特に上層の植被の発達の程度によってよく説明された。但し、緑道内外の下層植生が発達していない場合には、出現する鳥類種が限定され、アオジ、ウグイス、シロハラなどの下層植生や地表を利用して採食する森林性鳥類は出現しなくなる傾向が認められた。また、緑道内で記録された鳥類個体の多くは、移動する場合には緑道に沿った形での移動が多いことが示された。
著者
錦織 良 加藤 功一
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

歯科および整形外科の領域では、間葉系幹細胞(MSC)移植による骨組織の再生治療が盛んに研究されている。そのような治療をいっそう効果的に行うには、不均質なMSC 集団の中から骨分化能の高い細胞をその表面マーカーを利用して予め選別し、細胞品質を管理することが治療に有効であると考える。そこで本研究では、未分化状態のMSC に発現する表面マーカーと、分化培養を行なった後の骨分化の程度との相関を調べ、それによってMSC の予見的表面マーカーを同定することで、MSC の品質管理に応用するための方法として、オンチップ・セル・ソーティング法および、MSC の予見的マーカーとして候補となる表面マーカー/抗体を多数選び出し、これらの可能性を調査した。マイクロアレイの作製には、アルカンチオール自己組織化単分子膜のプラズマパターニング法を用いた。10種類程度の抗体を1種類ずつスポットに固定した。多種類の表面マーカーに対する多種類の抗体を配列固定した小さな抗体チップ(チップ)を作製した。そのチップ上に細胞を播種することによって、それぞれの表面マーカーを発現する細胞を抗体を固定化したスポット上に播種しソーティングを行った。抗体に対応した表面マーカーを発現した分化前のMSCの表面抗原発現パターンを簡便に分析評価することができた。また、文献を調査することでMSCに特異的に発現する予見的表面マーカーの候補が明らかになった。スポットに捉えられた細胞の数を数えることで、定量的な評価が可能であることが示唆された。抗体チップを用いることで、細胞表面に発現する各種マーカーをチップの使用により迅速に分析することが可能になった。この手法によって、再生医療におけるMSCの品質管理に関する研究が加速されるものと期待される。なお、代表者は文部科学省の専任義務のポジションに変わったため規則上科研の研究継続が出来なかった。