著者
中村 元樹 森田 明理 杉浦 真弓 山口 裕史 西田 絵美 加藤 裕史 古橋 卓也 鳥居 寛 Fukunaga-Kalabis Mizuho 水野 俊彦
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

4箇所の胎児皮膚(頭部、背部、腹部、足底、胎生13週~22週、計36体)をHMB45, MITFなど各種抗体で免疫染色し、胎生期におけるメラノサイトの遊走過程を解明した。有毛部皮膚では、メラノサイトは胎生12から15週に、これから毛芽が形成される表皮基底層に存在し、足底皮膚では胎生早期、汗管形成以前にメラノサイトが汗管発生部位に到達し、汗管の伸長と共に深く入っていくことを明らかにした。エクリン汗腺にメラノサイト幹細胞が存在するとする近年の報告を裏付けるものであり、ヒトでの研究は初めてである。
著者
桑原 希世子 加藤 泰浩 佐野 弘好
出版者
芦屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

古生代末の大量絶滅に至るグローバルな海洋環境変動を解明するために,パンサラッサ遠洋域に堆積した最上部ペルム系層状チャートに含まれる放散虫サイズと,チャートの化学組成や岩相との関係を検討した.放散虫アルバイレラのサイズの変動と直接同期するような,チャートの化学組成の変動は現時点では見いだせなかった.しかし,化石群集帯ネオアルバイレラ・オプティマ帯,および化石帯を代表するアルバイレラ・トリアンギュラリスの生存期間は,海洋の酸化還元状態と呼応関係にあることが明らかになった.
著者
加藤 信哉
巻号頁・発行日
2013-08-30

第74回私立大学図書館協会総会・研究大会於:中京大学名古屋キャンパス2013年8月30日
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.710, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては、自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。
著者
加藤 靖恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日仏の図書館や研究所で集中的に調査を行い,またフランス各地の代表的なゴシック教会の資料を収集した。またフランス学士院図書館でマール草稿の調査も開始した。19世紀にゴシック時代の彫刻作品と古代ギリシア美術とを好んで比較する傾向を調査し,国際集会,フランスの論考集,日仏の学術雑誌で発表,またパリ第3大学のプルーストセンターで講演を行った。
著者
加藤 丈佳 鈴置 保雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

半径 4km 圏内の 17 地点で観測した日射量データや、協力企業から提供を受けた中部地域の日射量データについて、観測地点間における短周期変動の独立性などを解析した。その結果、1/√N 則を適用することで、1 地点の観測データは半径 15~20km の範囲の空間平均日射変動特性を表せることを確認した。その結果に基づき、遷移仮説を応用して観測点周辺の日射変動平滑化効果を表すローパスフィルタ(LPF)を構築した。LPF を中部地域 61 地点の日射データに適用するとともに、住宅分布に基づく各観測点の重みを考慮して、中部地域全体の空間平均日射を算定し、 32 分周期以下の短周期変動特性や数時間にわたる大きな日射変動の年間発生回数等を統計的に評価した。また、日射変動特性の評価の一環として、翌日の空間平均日射量 1 時間値を予測する手法を開発した。さらに、スプライン補間によって観測地点間の任意地点の日射量を推定する手法や天空画像の解析によって一定範囲内の空間平均日射量をリアルタイムに把握する手法を開発した。
著者
加藤 昭 松原 聰
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-24, 1981

静岡県下田市河津鉱山大沢坑の廃石中に, 本邦第二の銀星石の存在を確認した。本鉱は, 黄銅鉱あるいは斑銅鉱の小粒を含む石英脈の空隙中に, せんい状結晶の放射状あるいは準平行集合体をなして産し, 鉱脈生成の最終産物である。せんいの最大長 1 mm 内外, 鉄を含んだ物質で汚染されている。同定は, 光学的・X線粉末廻折法によって行われ, 浸液法による屈折率は, N_X=1.524,N_Y=1.534,N_Z=1.550,二転性正70°, r>v 極弱, 直消光伸長性正。X線粉末廻折値から計算した格子恒数は, α=9.624 (4), b=17.340 (8), c=6.968 (4) Åで, 既知の値とよく一致する。本邦最初の産地北海道鴻ノ舞鉱山においては, 石英・カオリン鉱物に伴って, 銀星石・バリシア石があり, この場合と比較すると, この組み合わせにカリウムイオンが参加した場合, このイオンは燐酸塩基より珪酸塩基により親和性を示すことが明らかにされた。
著者
中野 良正 平田 俊昭 加藤 博之
出版者
山口県農業試験場
雑誌
山口県農業試験場研究報告 (ISSN:03889327)
巻号頁・発行日
no.56, pp.90-95, 2007-03

1.ボラ土培地を用いたバラの循環型養液栽培では、見かけの吸収濃度から作成した循環処方を使用し、給液量と設定ECはそれぞれ夏期(6〜8月)は2000mL/株、EC1.2dS/m、冬期(12〜3月)は1200mL/株、EC1.5dS/m、それ以外の期間は1600mL/株、EC1.5dS/mでの養液管理が適する。2.循環栽培で1年経過後はボラ土のリン酸吸収が低下するため循環処方のリン酸濃度を下げた処方に切り替える。また、pHが低くなる場合はアンモニア濃度を低くし、カルシウム濃度を高くし、pHが高くなる場合はアンモニア濃度を高くし、カルシウム濃度を低くすることで養液の安定化を図る。
著者
加藤 毅
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.281-295, 1992-10-15

公的セクターが行う研究助成の代表的存在である文部省科研費は、規模では民間助成財団による研究助成を圧倒する。しかしながら助成財団は、「ノンプロフィットセクター」としての特性を生かすことで、助成の性格や助成対象などの点で科研費の持つ短所を補うべく、助成を行うことができる筈である。そこで本論文では、民間助成受領研究者の属性として、所属する大学、研究分野、職階および科研費受領状況という4項目のデータに基づき、特に科研費受領パターンとの対比において、民間助成の配分状況についての実証的分析を行った。結果の概要は次の通りである。民間助成は、助成件数、助成金額共に科研費と比べて極めて小さい規模にとどまっている。ノンプロフィットセクターとしての特徴を十分に生かすためにも、何より助成規模の量的拡大が今後の最大の課題である。民間助成は、科研費と同様、件数、金額共に、大学では旧帝大グループ、分野では自然科学、特に理学や医学分野に対して重点的に配分されている。また、職階では、特に医学分野などで教授に偏った配分が行われている。全般的な傾向としては、民間助成は科研費受領者に対して重点的に助成を行っており、特に自然科学分野では、科研費の補助的役割、それも量的には科研費の十分の一程度の追加的補助にとどまっているのである。しかしながら、民間助成全体の中では少数派である私立大学や人文社会科学分野の若手を対象とする助成では、科研費の受領経験を持たない研究者に対する配分も少なからず行われている。また、科研費受領者を避けるような助成配分も、リスクの小さいうちは、積極的に行われている。今後の課題としては、配分された助成の結果だけではなく審査、選考課程をとりあげ政策的観点からの検討を行うことや、助成終了後の研究成果に対する評価方法を確立することなどがあげられる。
著者
餅田 亜希子 宇野 彰 小嶋 知幸 上野 弘美 加藤 正弘 青井 禮子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.270-277, 1995 (Released:2006-06-02)
参考文献数
15

標準失語症検査 (SLTA) における単語の呼称は4割可能である一方,家族名の呼称の正答率が約1割というウェルニッケ失語の症例について報告した。本症例は,はじめ,家族名のみの呼称障害が選択的と思われたが,その他の意味カテゴリーを含む呼称検査において,カテゴリーによって段階的に異なる正答率を示した。すなわち,身体部位が 75%以上と最も高く,次いで,乗り物,果物,野菜,動物,楽器が 25~50%の間,貨幣,日本国内の名所,家族,手指,色は,25%以下の低い正答率を示した。本研究では,本症例に固有の「意味カテゴリーの階層構造」を仮定し,以上の検査結果を対応させることにより,本症例の呼称障害のメカニズムを説明することを試みた。そして,本症例の呼称障害は,特定のカテゴリーに限定して生ずるのではなく,階層構造にしたがって段階的な重症度をもって出現するのではないかと考えた。
著者
加藤 ゆき恵 冨士田 裕子
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.65-82, 2011
参考文献数
84

北米・北欧を中心に分布する北米要素の多年生草本ムセンスゲCarex livida(Wahlenb.)Willd.は,極東地域ではカムチャッカ,千島列島,サハリン北部,朝鮮北部及び北海道に点在する.北海道内では北部の猿払川流域の低地湿原と大雪山高根ヶ原の山地湿原,知床半島羅臼湖周辺の湿原に隔離分布し,絶滅危惧II類に指定されている.本研究は,知床半島羅臼湖周辺湿原のムセンスゲ生育地の植物社会学的位置を明らかにすること,湿原の立地環境からムセンスゲ生育地に共通する条件を考察することを目的とした.また,1980年代に行われた植生調査結果と比較して,周辺環境の変化が植生に与えた影響の有無を検討した.植生調査の結果,3群落を区分し,それぞれ2つの下位単位を区分した.ブルテ群落(R1,R2)は1980年代のブルテ植生から大きく変化していなかった.また,植物社会学的地位を検討した結果,ツルコケモモ-ミズゴケクラスの典型オーダーとも考えられるワタスゲ-イボミズゴケオーダーに属する群落であると推察される.シュレンケ群落(R3)は1980年代の調査結果とは異なる植生であったが,これは羅臼湖周辺の湿原群における調査地の位置が異なることによるものと考えられる.また,R3群落は,高層湿原シュレンケ植生のホロムイソウクラスScheuchzerietea palustris,貧養湿地小形植物群落のホシクサ類-コイヌノハナヒゲ群団Eriocaulo-Rhynchosporionが帰属を検討できる対象であると考えられるが,いずれのクラス,群団の標徴種・区分種ともに,R3群落では特徴的な出現傾向が見られず,植生標本データを増やした詳細な検討が必要である.ムセンスゲはR2,R3群落に出現していたが,群落の組成は猿払川湿原,大雪山高根ヶ原の生育地とは異なっていた.しかし,湿原の微地形は他の生育地と同様に,本湿原においてもケルミ-シュレンケ複合体が形成されていることを確認した.ムセンスゲの分布中心である北欧・北米では,ムセンスゲはpatterned mireと呼ばれる微地形を有する湿原に生育し,本調査地も小規模なpatterned mireと考えられることから,ムセンスゲは野外ではpatterned mireあるいはケルミ-シュレンケ複合体のような帯状の起伏が連続する微地形上が生育適地であると考えられる.海外のムセンスゲ生育地の立地環境と比較したところ,本調査地におけるムセンスゲの生育環境はカナダ大西洋岸地域と類似していた.
著者
桑原 博義 布谷 鉄夫 田島 正典 加藤 篤 鮫島 都郷
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.901-909, 1994-10-15
被引用文献数
20

離乳期の子豚に発生した新しい豚病を検索した. 本病は臨床的に元気消失, 発熱,削痩, 発咳などとともに高度な腹式呼吸を特徴とするため俗にヘコヘコ病と呼ばれている. 罹患子豚に共通した病変はび慢性のII型肺胞上皮細胞の増殖を伴った間質性肺炎, 髄膜脳炎, リンパ組織の萎縮などであった. 罹患子豚の諸器官から初代豚肺細胞培養(PLC)に原因ウイルスが分離され, 血清学的に豚生殖器・呼吸器症候群(Lelystad)ウイルスと同定された. 直径約49nmの多数のウイルス粒子が, 分離ウイルスを感染させたPLC培養の肺胞上皮細胞と肺マクロファージの細胞質に検出された. 本病は分離ウイルスをコンベンショナルの子豚に鼻腔内接種することにより再現された.
著者
五十嵐 浩子 宇野 彰 小嶋 知幸 加藤 正弘
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.297-306, 1992-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
16

本研究の目的は, 脳損傷者の筆算障害の有無と特徴, および“純粋”な計算障害の概念について再検討することである.検査課題は1) 数字の系列的表出, 2) 数字と丸の数とのマッチング, 3) 九九, 4) 筆算などである.対象は左半球損傷失語群 (以下失語群) , 左半球損傷非失語群, 右半球損傷左半側無視群 (以下USN群) , 右半球損傷非左半側無視群, アルツハイマー型老年痴呆群 (以下痴呆群) および非脳損傷群である.その結果, 失語群, USN群, 痴呆群の3群は非脳損傷群に比べ筆算力が有意に低下していた.失語群では言語情報処理過程の障害が, USN群では空間情報処理過程の障害が, 痴呆群では大脳の全般的処理過程の障害が筆算障害を生じさせる要因になっていると考えられた.従来爪純粋”な計算障害と報告されている症例も前述の処理過程のいずれかの障害で説明可能なことが多いことからも, 筆算障害はおのおのの高次脳機能障害に起因した障害であり独立した“純粋”な障害ではない可能性が考えられた.
著者
加藤 雅啓
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.61-90, 1996-07-10
参考文献数
8

1983年から1986にかけて3回の調査で収集した11, 000点以上の標本に基づく研究によって, セラム島とアンボン島には約700種のシダ植物が産することが分かった。この数は比較的小さな島のシダ植物相としては極めて多く, 四国と同じ面積でありながら日本全域の種数よりも多いシダ植物が分布するのである。その主な理由は, 世界で最も豊かなシダ植物相(2, 000種)をもつニューギニアが近くにあって, そこが供給源となっていることであると思われる。本稿ではコバノイシカグマ科(コバノイシカグマ属, ユノミネシダ属, イワヒメワラビ属, フモトシダ属, オオフジシダ属, ワラビ属, Orthiopteris属, Paesia属)の19種, シシラン科(タキミシダ属, シシラン属, Monogramma属)の15種, オシダ科ナナバケシダ亜科(カツモウイノデ属, ナナバケシダ属, Cyclopeltis属, Heterogonium属, Pleoenemia属, Pteridrys属)の35種を報告した。その中で, ユミノネシダの変種var.seramensis, Antrophyum lancifolium, Ctenitis calcicola, C.clathrata, C.coriacea, Tectaria crenata var.petiolata, T.melanocauloides, T.seramensisを新種あるいは新変種として記載した。