著者
加藤 健 兼本 園美 北村 正樹 畠山 まり子 奈良 京子 吉川 晃司 町田 勝彦 小野寺 昭一 吉田 正樹 柴 孝也
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.223-228, 2002-05-24 (Released:2010-07-21)
参考文献数
2

当院には, 感染制御チームをはじめとする感染症に関する様々な部門が組織化されている. 今回は, 院内感染対策の中心的役割を果たしている感染制御チームと事務局である病院管理課の業務を通じて, 院内感染対策における事務部門の役割について検討した. 事務局が, 感染症関連情報を一元管理することにより, 病院全体での感染症対策のレベルアップや管理体制の整備・拡大につながり, 病院管理部門と診療部門の円滑な運営をもたらすことができ, さらに, 臨床現場の意見が反映された改訂版の感染対策ガイドラインが作成されることになった. このような実績をもとに, 病院のクオリティ向上に貢献するとともに, 院内感染対策に対するリスクマネジメント体制が整備されることになった.
著者
加藤 宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.1, pp.20-29, 2009-04-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
35

明治前半期の軍都においては、主要な軍事施設が旧城郭周辺部に設置されたが、仙台の場合は旧仙台城周辺部と市街地外縁部の榴ヶ岡に二分された。これはきわめて特異な配置である。この特異な配置に至った要因を探るため、仙台における軍事施設配置の経緯を調査し、旧仙台城周辺部と榴ヶ岡について軍事施設設置の立地条件を詳細に検討した。旧仙台城周辺部は洪水によって橋が流失して孤立する懸念があったが、榴ヶ岡は用地が狭かったため、主要な軍事施設が両者に二分して配置されたものと考えられる。仙台では主要な官衙および軍事施設を結ぶ道路が官衙道として整備されたので、市街地を挟んで東西に二分されているという特異な軍事施設の配置が仙台の交通網整備に大きな影響を与えた。
著者
加藤 拓哉 関野 正樹 松崎 大河 西川 敦 齋藤 洋一 大崎 博之
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.180-188, 2012-02-10 (Released:2012-07-13)
参考文献数
21

We previously proposed an eccentric figure-eight coil design which induces sufficient currents in the brain at lower output powers of stimulator. In the present study, numerical analyses were performed with various coil design parameters, such as outer and inner diameters and number of turns, to investigate the influence of these parameters on the eddy current distribution in the brain and the coil characteristics. Increases in the inner diameter, the outer diameter, and the number of turns caused increases in the induced currents. In order to downsize the stimulator system, we need to strengthen the eddy current in the brain, maintaining inductance as small as possible. Our results show that it is effective to enlarge outer diameter. In addition, there is only small difference in the eddy current distributions between the eccentric coil and the concentric coil in direction along with the coil plane and with depth of the brain.
著者
山村 和彦 加藤 しおり 加藤 隆弘 溝口 義人 門司 晃 竹内 聡 古江 増隆
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集 第39回日本臨床免疫学会総会抄録集 (ISSN:18803296)
巻号頁・発行日
pp.156, 2011 (Released:2011-08-20)

慢性蕁麻疹は6週間以上継続する蕁麻疹を指し、その病態には、自己免疫性メカニズムを介した肥満細胞の脱顆粒に伴う、ヒスタミンを中心としたケミカルメディエーター放出が深く関わっている。通常、抗ヒスタミン薬の内服治療を行うが、治療抵抗性症例も少なくない。我々は、こうした治療抵抗性の慢性蕁麻疹に対して、認知症に伴う精神症状や不眠症などで用いられる抑肝散の内服が奏功した症例を報告してきた。抑肝散はソウジュツ、ブクリョウ、センキュウ、チョウトウコウ、トウキ、サイコ、カンゾウの7種類の生薬からなる漢方薬で、近年、外傷性脳損傷後の精神症状の緩和やアルツハイマー病の痴呆による行動異常や精神症状の改善といった、中枢神経に対する新たな効能も報告されている。今回、我々は肥満細胞モデルとして良く使われるラット好塩基球白血病細胞(RBL-2H3細胞)を用いて、抑肝散の治療抵抗性蕁麻疹に対する抑制メカニズムを検討した。その結果、カルシウム蛍光指示薬Fura-2を用いた測定系で、抑肝散がIgE感作後の抗原刺激によるRBL-2H3細胞の急激な細胞内カルシウム濃度上昇(脱顆粒を反映)を著明に抑制することを見出した。この抑制効果は代表的な抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンでは認められず、治療抵抗性蕁麻疹への抑肝散の薬効を反映するものと考えられた。
著者
加藤 元一郎 注意·意欲評価法作製小委員会
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.310-319, 2006 (Released:2007-10-05)
参考文献数
12
被引用文献数
13 23

日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会) Brain Function Test 委員会—注意·意欲評価法作製小委員会は,標準注意検査法 (CAT : Clinical Assessment for Attention) と標準意欲評価法 (CAS : Clinical Assessment for Spontaneity) の開発をほぼ終了した。この 2 つの検査は,脳損傷例に認められる注意の障害や意欲·自発性の低下を臨床的かつ定量的に検出·評価することを目的としている。この報告では,CAT と CAS の概要を示し,信頼性の検討,健常例データの集積と加齢変化の検討,脳損傷例データの解析,カットオフ値設定などの標準化のプロセス,および CAT と CAS のプロフィール用紙などを簡単に紹介した。
著者
伊藤 智子 加藤 真紀 梶谷 みゆき 常松 さゆり 諸井 望 金築 真志 Tomoko ITO Maki KATO Miyuki KAJITANI Sayuri TSUNEMATSU Nozomu MOROI Masashi KANETSUKI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.23-34, 2008

2007年本紀要第1巻にて標記の第1報を報告した(伊藤、2007)。2008年は、特養で生活する高齢者のエンパワメントには、ケアスタッフの意識・行動が大きく関わつていると考え、前年度調査対象とした高齢者を担当するケアスタッフにケア意識に関する半構成的面接を行い、この2年間の調査結果を合わせて再度検討を行った。その結果、 1)特養入居受け入れ支援 2)生活の継続性を重視する意志の尊重 3)視聴覚機能を補うケア 4)家族とのほどよい距離感を感じるケア 5)馴染みの人との関係維持と新たな人間関係づくり支援 6)日常生活の中での役割づくり 7)落ち着く居場所づくり 8)看護職による疾病の管理の8点が明らかとなった。
著者
伊藤 智子 加藤 真紀 梶谷 みゆき 常松 さゆり 諸井 望 金築 真志 Tomoko ITO Maki KATO Miyuki KAJITANI Sayuri TSUNEMATSU Nozomu MOROI Masashi KANETSUKI
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-58, 2007

生活の場が変化することでエンパワメントの維持が困難になりやすいと考えられている特別養護老人ホームで生活をする高齢者の施設入居前後の社会関連性の変化を把握した。そして、その変化の理由を本人へのインタビュー、家族への質問紙調査、施設内既存資料で得られた結果から事例検討により分析した。その結果、特養で生活する高齢者のエンパワメント支援として1.本人の施設入居受け入れ支援2.特養生活の中で役割を創る3.家族とのほどよい距離感を感じる支援4.本人の落ち着く居場所づくり5.視聴覚機能を補う支援の5点が明らかとなった。今後、事例別の結果を現在のケア内容と照らし合わせ、エンパワメントを支援するケアの改善が必要である。
著者
加藤 廉平 鈴木 泰 松浦 朋彦 佐藤 健介 島谷 蘭子 藤島 洋介 常盤 傑 小原 航
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.453-456, 2010-08

A 64-year-old man took levofloxacin 100 mg three times a day from the day before trans-rectal prostate needle biopsy. He suddenly fell into septic shock about 12 hours after the biopsy. We performed polymyxin B-immobilized fiber-direct hemoperfusion treatment at our intensive care unit. The circle dynamics was stable after five days of observation, and he was discharged seven days after the event. Levofloxacin-resistant Escherichia coli (E. coli ) was detected by blood and urine culture.
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.25-28, 2006
被引用文献数
1

本稿では,大学の授業で電子掲示板を用いた議論を行い,この中で大学生の感情面を測定し,次の二つに注目した分析を行った.一つは,投稿の読み手として,投稿された文からその投稿の書き手の感情を解釈することであり,二つは,投稿の書き手として,自分の書いた投稿を読んだ読み手に生じるであろう感情を予測することである.結果,書き手がよりネガティブな感情で投稿した投稿文に対しては,感情解釈の正しさが低くなる傾向があった.また,書き手の感情をよりポジティブに解釈した時に,感情解釈がより正しい傾向があった.結果から,よりポジティブな感情の時に,電子掲示板を利用することで,感情の誤解が減少する可能性が示唆された.
著者
加藤 聖文
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institure of Japanese Literature Archival Studies (ISSN:03869377)
巻号頁・発行日
no.01, pp.1-27, 2005-03-28

敗戦時に大規模な公文書の廃棄が行われたために、現在の国や地方の行政機関では戦前期の公文書が少ないといった認識が一般的である。しかし、戦前の公文書は、戦後に引き継がれたものと戦後のある時期までに廃棄されたものの二つの系統があり、そして、廃棄されたものは、敗戦前に廃棄されたもの、敗戦時に廃棄されたもの、戦後に廃棄されたものの三つに分けられる。さらに、公文書には大きく分けて普通文書と機密文書の二種類があり、このうち敗戦時の廃棄の中心となったのは機密文書であり、一方、敗戦前と戦後に廃棄されたものは、文書管理規程に基づく通常の廃棄以外では、特殊な理由によって廃棄されたものがあった。本稿では、この通常の公文書のライフサイクルとは異なるかたちで戦時中から戦後までに公文書が大量に廃棄された実態を愛知県庁での事例を中心に検証する。通常のライフサイクルとは異なるかたちとは、敗戦前では、新庁舎の建設に伴う廃棄、戦時中の物資欠乏による廃棄、防空体制の強化による廃棄、文書の疎開に伴う廃棄といった要因が挙げられる。また、戦後では平時になったために戦時に作成された文書の必要性が無くなったことによる廃棄が挙げられる。このようなさまざまな要因によって行われた大規模な文書廃棄を通して見るなかで、すでに敗戦前に多くの文書が失われていたこと、そしてそのような行為を通して見るなかで、行政機関にとって文書の重要性に対する認識が研究者とは全く異なるものであることと、行政組織が生み出す公文書の実像を明らかにし、さらには、現代における公文書の廃棄問題、これからの公文書管理についてのあり方への問題提起を行う。Because a large quantity of official documents were destroyed at the time of defeat, a recognition that only a few prewar documents survive both in the central and local governments has been common. However, this kind of recognition should be reconsidered. Official documents of prewar days were usually treated in two ways. One part is what was taken over to the post war governments, and the other that abandoned before sometime in the postwar period. The latter can be classified into three types, i.e. those which had been abandoned before the end of war, those destroyed at the time of surrender, and those abandoned in the post war period.Furthermore, it should be noted that prewar official documents used to be roughly divided into 'normal documents' and 'secret papers'.The abandonment at the end of war was centered around 'secret papers', while 'normal documents’ were abandoned during the war time and post war periods either by document management regulations regularly or in unusual ways for some reasons.The present paper verifies actual conditions of the abandonment of official documents from the wartime through the postwar period, in which documents were destroyed in unusual ways different from the normal disposal procedure based on the life-cycle concept of records, focusing on the case of Aichi Prefectural Government Office.Unusual disposals of official documents not based on the normal life-cycle procedure were: the abandonment of documents by the construction of a new government building; the abandonment for recycling paper caused by the lack of goods; the abandonment after the office reorganization for strengthening air defense; and the abandonment following the evacuation of documents. Moreover, in the postwar period, the prewar and wartime documents were considered to have lost their business value in peacetime, and were often abandoned.Through the above cases of large-scale abandonment of documents caused by various factors, the author reveals that many documents had already been lost before the end of war and discusses, by seeing such wartime activities of government agencies, that the recognition of government people about the importance of official documents is completely different from that of researchers. Lastly, the author insists of the importance to clarify the real image of official documents produced by administrative organizations, and raises problems to think about the abandonment of official document in the present age as well as about the management of official documents in the future.