著者
笹原 宏之
出版者
明治書院
雑誌
日本語学 (ISSN:02880822)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.60-77, 2014-02
著者
梨原 宏 奥田 光子 伊東 隆子 雫石 勝蔵 吉田 旺弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.65-74, 1996-09-10
被引用文献数
4

本報告は工業化に導いた木製車いすにおける木質環境が人間の感覚に及ぼす効果について明らかにしている。車いすの心理的イメージ評価から、木製車いすは20代の学生による外観評価では上品で温かく地味で落ち着いたイメージ、施設で介護に携わる使用評価では温かく女性的で健康的イメージと受けとめられている。日常の温度環境のもとの車いすの温度分布計測から、木製フレームは周辺温度変化に緩慢に反応し、金属フレームに見られない保温性をもつことが知られた。強調フィルターを用いた車いすの形態の認知性調査から、木材フレームの素地色は黄色系で反射率が低く、高齢による視力低下でも形態を認知できると推測された。高齢者の色彩の認知調査では寒色系および低彩度の色彩は誤認知をまねき易いことが分かった。以上から木製車いすの素材と色彩選択の設計指針が明確にされた。
著者
梅原 宏司
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.31-45, 2007-03-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
111

1960年代から70年代にかけ、国家レベルの保守政治に対して革新自治体が行なった政策は、「自治」「市民」という言葉の問い直しに基づくものであった。それは「市民」を政治的に活動する存在として考え、「自治」を市民の参加としてとらえるものであった。これをリードしたのが、政治学者の松下圭一であり、彼はその一環として「文化行政」を構想した。本稿は、松下の考えを検証し、「革新」という考えが「文化」に与えた影響を考察する。
著者
中村 昌彦 小寺山 亘 柏木 正 梶原 宏之 山口 悟 兵頭 孝司
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

近年全地球規模における環境変化の予測、環境保全に関する研究がますます盛んになってきている。これらの研究を行うためには地球環境に大きな影響を及ぼす海洋の時間的・空間的な観測データが必要であり、係留ブイシステムを利用した観測が行われてきた。しかし、空間的なデータを得るためには、数多くの係留ラインとセンサーが必要であり、莫大な設置コストが必要となる。また、設置海域によっては漁船の曳航網等によって係留ラインが切断され、データの回収が不能になる場合もある。そこで、本研究では、係留ラインを用いることなく、定められた範囲内に留まる(バーチャルモアリング)ことで空間的な海洋環境計測が可能な高機能自律型海中ビークルの開発を目指す。初年度はまず水中ビークルによるバーチャルモアリングシステムの計測アルゴリズムを検討し、水中ビークルに要求される仕様を決定した。また、CFDによりビークル形状を検討するとともに、小型モデルを製作し、流体力計測を行い、得られた流体力係数を用いて運動計算シミュレーターを作成した。次年度は、センサー・データ記録装置を搭載した模型によるグライディング試験を水槽で行い、シミュレーターの精度が良好であることを確認した。さらに、ビークルに内蔵した重錘を移動することにより、安定した運動制御が可能であることをシミュレーションにより確認のうえ、制御アルゴリズム検証用水中ビークル模型"LUNA"を製作し、動作確認を水槽で行った。最終年度は異なるタイプのアクチュエーターを製作し、シミュレーション・水槽試験を実施し、重心の移動によりグライディング中の円盤型ビークルの針路制御が可能であることを示した。以上により、円盤型海中グライダーを用いたバーチャルモアリングシステムが海洋環境計測に有効に利用できることがわかった。
著者
寺田 厚 原 宏佳 加藤 慎二 木村 剛 藤森 勲 原 耕三 丸山 司 光岡 知足
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.291-295, 1993-04-15
被引用文献数
4

猫8頭(ヒマラヤン3頭とペルシャ5頭)に乳果オリゴ糖を50mg/kg/日を2週間投与し, 投与前, 投与7日目および14日目, 投与後7日目に糞便フローラ, 糞便内腐敗産物, 水分, pH, 尿内アンモニアおよび環境のアンモニアを測定した. 腸内フローラでは投与期間中Lactobacillusは有意(p<0.05)に増加し, Clostridium perfringensとEnterobacteriaceaeは有意(p<0.05)に減少した. FusobacteriumおよびStaphylococcusは乳果オリゴ糖投与7日目に投与前に比べて有意(p<0.01)に低下し, Bacteroidesは投与後14日目に有意(p<0.001)に増加した. 検出率については, 乳果オリゴ糖投与14日目においてBifidobacteriumは有意(p<0.001)に上昇し, 一方, Spirochaetaceaeおよびレシチナーゼ陰性Clostridiumは有意(p<0.05)に低下した. 腐敗産物については, 糞便内アンモニア, エチルフェノール, インドールおよびスカトール, 並びに尿内アンモニアはいずれも投与14日目に有意に(p<0.05)低下した. 糞便水分量および便量は乳果オリゴ糖投与中わずかに増加し, 逆に糞便pHはわずかに低下した. 飼育室のアンモニア濃度(p<0.01)は減少し, 糞便臭もかなり減少した.
著者
西原 宏
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (経済学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (乙第2579号)
著者
柁原 宏
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ : 日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
no.30, pp.9-16, 2011-02-20
被引用文献数
1

ZooBank is intended as the official registry of Zoological Nomenclature, according to the International Commission on Zoological Nomenclature. Since its launch in 2005, more than 73, 000 records of Nomenclatural Acts, >29, 000 Publications, and >11, 000 Authors have been deposited in ZooBank as of this writing. An explanatory introduction for ZooBank and proposed three scenarios for mandatory registration of names governed by the International Code of Zoological Nomenclature is given in the Japanese language to popularize relevant issues in domestic taxonomic researchers.
著者
三浦 澄子 梨原 宏
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.62-63, 2004-05-30

This research pursued the design method of a picture book for children with weak eyes impairments. We studied a suitable letter, illustration and story of a picture book for children. A new original letter that is a middle type between Gothic and Ming style was designed. A simple and heartful story that can be recognized easily was written. The compositions of illustration and color that can be visible easily were drawn. As a result, the two kinds of picture books were edited. We evaluated the books by experimental use. The children in the school for the blind in Miyagi Prefecture can read and enjoyed them. It is estimated that the books give good motivation and pleasurable image to sensory challenged children.
著者
吉川 昌之介 山本 達男 寺脇 良郎 笹川 千尋 江崎 孝行 檀原 宏文 渡辺 治雄 岡村 登 橋本 一 吉村 文信
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

組換えDNA実験技術を始めとする分子生物学的、分子遺伝学的技術を病原細菌の病原性の解析に応用することを目的としてこの総合研究班を結成し、3年間補助金を受けた。研究分担者総数21名という大規模な班員構成からなり、各分担者の対象とする菌種も多岐にわたり、ビルレンス遺伝子の存在部位も染色体性、プラスミド性、およびバクテリオファ-ジ性と異るため各分担者の研究達成の難易度には著しい差があった。組換え体の選択方法、汎用される宿主・ベクタ-系でクロ-ン化できるか否か、EK系を用いることができるか否か、仮にクロ-ン化できたとしてそれが完全に形質発現するかなどにも大きな差があった。この壁を乗り切るためにベクタ-系を開発するところから始めたり、新たに宿主に特殊の変異を生じさせたり、遺伝子導入のために特殊の方法を採用したり多くの試行錯誤が行われた。幸に長時間にわたる班会議の議論を通じてこれら問題点の克服の方法が模索され、解決のための示唆が与えられた結果、各分担者それぞれがほぼ所期の目的を達した。セラチアの線毛、サルモネラの病原性、赤痢菌の病原性、大腸菌の表層構造、赤痢菌の抗原、らい菌の抗原、バクテロイデスの病原性、とくに線毛、腸管感染病原菌の粘着因子、コレラ菌の溶血毒、ナグビブリオの溶血毒、腸炎ビブリオの溶血毒、緑膿菌のサイトトキシン、Pseudomonas cepaciaの溶血毒などにつき、その遺伝子の存在様式、遺伝的構造、塩基配列の決定、形質発現の調節機構、前駆体物質のプロセツシング機構などを明らかにし、その病原的意義の解明に一定の知見を得ることができた。これらは多くの原著論文の他、シンポジウム、講演、研究会、総説などに発表したが、各分担者それぞれにより深く研究を堀り下げ、より完全な形で完成するべく努力を続けることになろう。ともあれ本邦のこの領域の発展に大いに寄与したことは間違いないと思う。
著者
宇都 浩三 風早 康平 斎藤 元治 伊藤 順一 高田 亮 川辺 禎久 星住 英夫 山元 孝広 宮城 磯治 東宮 昭彦 佐藤 久夫 濱崎 聡志 篠原 宏志
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.257-270, 2001
被引用文献数
7 13

To understand the eruptive mechanism of the 2000 Miyakejima volcanic activity, we conducted intensive geological, petrographic, and mineralogical studies on the pyroclastics of the August 18 eruption. Volcanic ashes, which were rich in accretionary lapilli, covered most of the islands. Cauliflower-shaped bombs and lapilli were ejected along with accidental lava blocks. Black-colored angular scoriaceous particles with abundant vesicles 10 -100 μm in diameter are found among ashes, comprising about 40 wt. % of total constituents. These bombs, lapilli, and black ashes have identical bulk chemical compositions and constituent mineral compositions, suggesting a common origin. Existence of oxidized ashes and accretionary lapilli attached to a large flattened bomb and chemicallyreacted anhydrite particles trapped in the voids of bombs suggest that bombs were still hot and ductile when they were emplaced on the ground. We, therefore, conclude that the August 18 eruption was a phreatomagmatic eruption and cauliflower-shaped bombs and black ashes were essential magmatic materials. Significant SO<SUB>2</SUB> emissions from the volcano after August 18 also suggest convective upwelling of magmas to a shallower level beneath the volcanic edifice. We propose a magma-ascending model in which vesiculating magmas continuously ascend through the wall of subsided piston-like blocks.
著者
高橋 行継 佐藤 泰史 前原 宏 阿部 邑美
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.253-260, 2004-09-05
被引用文献数
10

群馬県では水稲の出芽方法として無加温積み重ね出芽法,その後の育苗にプール育苗法が広く用いられている.この出芽方法は,播種作業から出芽後の育苗箱展開までに育苗箱の移動が数回必要となり,多くの労力が必要である.栃木県で開発された平置き出芽法は,播種作業を育苗場所で実施し,積み重ねを行わずにそのまま出芽,育苗する方法である.このため大幅な労力軽減が可能である.しかし,本技術は主として栃木県における4月播種のハウス内育苗条件で開発されたものであり,プール育苗もほとんど取り入れられていない.そこで,群馬県での水稲の普通期栽培(6月中下旬移植)の露地プール育苗における平置き出芽法の適用性について検討を行った.平置き出芽法における出芽時の被覆資材について7種類の材料を供試した.標準の無加温積み重ね出芽法に対し,いずれの資材も0〜3日程度の遅れで出芽させることが可能であった.無被覆では夜間の低温と覆土乾燥のため出芽が遅れやすく,被覆資材が必要であった.供試した7資材のうち,生育むらや高温障害,覆土の乾燥が少なく,緑化作業の省略も可能な3資材(パスライト,健苗シート,ダイオラッセル1600黒)が優れていることが明らかとなった.草丈の伸長や葉齢の進展がみられる場合もあるが,育苗完了時の生育は標準に対してほぼ同等で,実用可能であると判断した.
著者
中谷 幸司 高山 慎一郎 河原 宏昭 堀川 雄太 村上 尚美 堀口 博司 平子 敬一 橋本 英一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.101, pp.35-40, 2009-06-18
被引用文献数
2

日本国内における宇宙開発活動の裾野を広げることを目的として,JAXAは,μ-Labsatで獲得した50kg級小型衛星技術を関西地区の中小企業や大学へ移転し,まいど1号(SOHLA-1)を開発した.本発表では,システム技術,製造技術,試験技術の移転内容やSOHLA-1の衛星システムについて述べるどともに,運用結果や軌道上で得られた実験データについて説明する.また,SOHLA-1の開発を通して得られた技術移転に関する知見に触れ,今後,同様な技術移転活動を実施する場合に,これを効果的に進めるための指針について考察する.
著者
檀原 宏文 岡田 信彦 羽田 健
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

Salmonellaの上皮細胞侵入性は、本菌が感染を成立させるための重要なビルレンス形質の一つである。本研究では、トランスロケーターとしてのSipCの疎水性アミノ酸領域の機能発現に対する重要性を明らかにするとともに、変異型SipCを利用したワクチン開発の可能性について検討し、以下の結果を得た。1)S.Typhimurium sipC変異株に野生型SipCを発現するプラスミドまたはSipC疎水性アミノ酸領域を欠失した変異SipCを発現するプラスミドを形質転換すると、野生型SipCではビルレンス形質を回復したが、変異SipCではビルレンス形質を回復することができなかった。2)疎水性アミノ酸領域での溶血活性に関与する機能的なアミノ酸を、PCRを用いたランダム変異導入法によって分離同定し、得られた点変異型SipC-S165Pを用いて、ビルレンス形質への影響を明らかにしたところ、Sipc-Sl65Pは、sipC変異株のビルレンス形質を回復できなかった。3)精製したSipC-Sl65P-FLAGを、HeLa細胞の培養液中に加え、共焦点顕微鏡で観察したところ、SipC-S165P-FLAGの細胞膜への挿入まみられなかった。次に、pFLAG-sipCおよびpFALG-sipC-S165Pを発現するSalmonella野生株を、Hela細胞に感染させ、宿主細胞内に挿入されたsipCの局在を調べた結果、sipc-FLAGは、細胞膜画分に局在するのに対して、sipC-s165P-FLAGの膜画分への局在はみられなかった。4)ストレプトマイシン処理マウス(C57BL/6,♀,8週齢)を用いて、各変異のSipC機能への影響をin vivoで検討した結果、野生型SipCを相補したsipC変異株のみ、野生株と同様に盲腸粘膜での炎症反応が惹起された。以上のことから、SipCの疎水性アミノ酸領域はSipCの機能発現に重要であり、また、165番目のセリンは、SipCが宿主細胞膜へ挿入するために必要なアミノ酸であることを明らかにした。現在、ストレプトマイシン処理マウスを用いた感染モデルを用いて、Sipc-S165Pがワクチン成分として感染防御機能を持つかどうか検討中である。
著者
馬渡 駿介 片倉 晴雄 高橋 英樹 齋藤 裕 矢部 衛 柁原 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

地球規模の環境問題を解決し、生物多様性を守り、人類の生存を保証する方策は、生物がどのくらい多様なのか知ってはじめて可能となる。しかし、「生物はどのくらい多様なの?」との素朴な疑問に今まで誰も答えられなかった。本研究は、一地域の生物多様性を丸ごと明らかにしようとする、日本で、また世界的にもこれまで例のない研究であり、生物多様性解明への社会的要望の高まりを受けて計画されたものである。研究は、北海道厚岸湾に位置する約1平方km^3の無人の大黒島およびその周辺浅海域で行い、地域生物相の徹底解明をめざした。その結果、土壌繊毛虫、土壌性鞭毛虫類、有殻アメーバ、トビムシ類、ササラダニ類、植物上ダニ類、土壌表層ダニ類、維管束植物、海産無脊椎動物、魚類、齧歯類において、合計5新種、約25の日本初記録種を採集し、生息種の全貌をほぼ解明した。